裸茎植物(らけいしょくぶつ、psilophytes[1][2], Psilopsida[3])は、陸上植物のうち、マツバランプシロフィトンリニアのように、を持たず、も単純な原生中心柱を持つ分類群をまとめた分類群である[4][5]コケ植物を除く陸上植物である多胞子嚢植物の中で[6][7]、裸茎植物には様々な系統のものが含まれる[8]

「裸茎植物」(廃止)
プシロフィトン
プシロフィトン Psilophyton forbesii(トリメロフィトン類)
ゾステロフィルム
ゾステロフィルム Zosterophyllum deciduum(ゾステロフィルム類)
分類
: 植物界 Plantae
階級なし : 陸上植物 Embryophyta
: シダ植物門」 "Pteridophyta"
亜門 : 裸茎植物亜門」 "Psilophytina"
下位分類群
本文参照

や亜門の階級に置かれ、裸茎植物門Psilophyta[9]裸茎植物亜門Psilophytina[10]と呼ばれた。プシロフィトンが古生マツバラン属と訳されたことから[11]古生マツバラン類(こせいマツバランるい)とも訳される[2][12][注釈 1]長谷部 (2020) はその姿に注目し、テローム植物(テロームしょくぶつ)と呼んでいる[13]。現在では多系統群であることが分かっており[13][14]、本項では歴史的な文脈で述べる。

分類群

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Hetherington et al. (2020) によるアステロキシロン Asteroxylon mackiei の復元画。葉や根の祖先器官を具え、現生のヒカゲノカズラ科と類似している。

以下、岩槻 (1975) における、裸茎植物の分類の一例を示す。†は絶滅属(化石分類群)を示す。裸茎植物に含まれる群は時代や研究者により異なり、下記に示されるもの以外にもプセウドスポロクヌス Pseudosporochnus[15]アネウロフィトン Aneurophyton[16]クラドキシロン Cladoxylon[16]なども含まれていた[注釈 2]

以下のうち、ゾステロフィルム類アステロキシロンは現在では小葉植物とされ、特にアステロキシロンはその中でもヒカゲノカズラ綱に分類される[17][18]。また、マツバラン綱大葉シダ植物に内包される[19][20]

裸茎植物亜門 Psilophytina

歴史

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ジョン・ドーソンの肖像画
 
ガスペ半島の風景

 
ドーソンにより記載された Psilophyton princeps の図版

ドーソンによるプシロフィトンの記載

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デボン紀の原始的陸上植物として最初に記載されたのは、1859年ジョン・ドーソンによりカナダケベック州ガスペ半島の約3.9億年前の地層から報告されたプシロフィトン・プリンケプス Psilophyton princeps である[24][13][25][26]。このプシロフィトンはのない二又分枝する植物体からなり、胞子嚢を側生していたと記載された[25][27]。更にドーソンは1870年にこの記載を修正し、胞子嚢は細い枝の先端に対になって生じていたと記載した[25][注釈 4]。プシロフィトンの姿は、当時知られていたどのシダ植物とも異なっていたが、ドーソンは現生のピルラリア属 Pilulariaeデンジソウ科)かマツバラン科に近縁ではないかと考えた[27]。プシロフィトン Psliophyton学名ψῑλός (psīlós)「裸」[29]φῠτόν (phutón)「植物」[30]合成語であるが、マツバラン属 Psilotum に似ているためともされる[31]

しかしこの植物は、当初は記載が断片的な証拠に基づいており化石の形態学的な解釈が疑わしいとされたことと、それまで見つかっていたものより極端に古い時代だったこともあり、懐疑的な評価をなされ、すぐには受け入れられなかった[24][25]。当時の植物学者からは、シダ類葉柄や根系、または藻類なのではないかと考えられ、強く批判された[27]。しかし、ドーソンにより復元されたプシロフィトンの姿は現在の植物の姿がどのようにできたのかを考える出発点となり、この発見は植物系統進化学の転換点といえる[24][25]。プシロフィトンの記載から約60年後になって、ようやくドーソンの研究が認められることになる[25]

ドーソンの報告を支持する解釈が発表されたのは、1913年[32]および1915年[33]アルフレッド・ナトホルストによるノルウェーの前期から中期デボン紀の地層に見つかった植物の報告であった[27]。また、1916年には Thore Gustaf Halle により、仮道管を持つ棘に覆われた軸からなる Psilophyton ornatum が記載された[34]

ライニー植物群の発見と古生マツバラン類

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ライニー植物群[注釈 5]
A. リニア・ギンボニイ Rhynia gwynne-vaughanii, B. アグラオフィトン Aglaophyton major, C. ヴェンタルラ Ventarura lyonii, D. アステロキシロン Asteroxylon mackiei, E. ホルネオフィトン Horneophyton lignieri, F. ノチア Nothia aphylla

それまでに報告されたデボン紀の植物の記載は断片化した印象化石によるものであったが、1912年ウィリアム・マッキー英語版により、スコットランドアバーディーン州にあるライニー地方の前期デボン紀プラギアン期からエムシアン期)のチャート層からほぼ完全な鉱化化石が発見され、植物の進化の研究に大きな影響を与えることとなった[34][22]。このライニーチャートから見つかった植物群はライニー植物群と呼ばれ、1917年から1921年にかけて[35][36][37][38]ロバート・キドストンウィリアム・ヘンリー・ラング英語版により詳細に記録された[22][13][14][34]。ライニー植物群はそれまで見つかっていた印象化石と同様に二又分枝する植物でありながら、印象化石では保存されなかった解剖学的構造の記載により、シダ植物の特徴を具えた陸上植物であるという、揺るぎない証拠がもたらされた[34]。この研究によりドーソンの発見が再評価されることとなった[14][22]

キドストンとラングはドーソンの記載したプシロフィトンとライニー植物群の類似性を見出し、原始的と考えられる化石植物をすべて含んだ古生マツバラン目 Psilophytales を設立した[14][1][31]。古生マツバラン目は「や葉のような器官を持たない茎の、枝の末端に生じる胞子嚢に特徴づけられるシダ植物」として定義された[1]。はじめはリニア Rhynia やプシロフィトンといった単純な植物をもとに設立されたが[1]、その後も様々な初期の陸上植物が記載され、「古生マツバラン類」はデボン紀の絶滅植物を雑多に含む「ごみ箱分類群」となった[14][39]系統学的には、多くの植物学者によって、古生マツバラン目(=Rhyniophyta sensu Cronquist, Takhtajan & Zimmermann 1966)は全てのシダ植物と恐らく種子植物の祖先となる群として扱われた[1]

こういったデボン紀の化石植物をもとに、1930年ドイツ形態学者、ヴァルター・マックス・ツィンマーマン(チンメルマン)がこれらの植物テロームとメソムと呼ばれる軸を単位として構成されているという、テローム説(テロム説、telome theory)を提唱した[13][40][41][注釈 6]。テローム説では、二又分枝の末端の軸を「テローム Telom」、中間の軸を「メソム Mesom」と呼び、二又分枝の体制はこれらの単位から構成されていると考えた[46][40]。当時の古典形態学では、生物はある「原型」を変化させて進化したと考えられており、現代でいう、生物は共通祖先の形態が変化して進化したことに相当する[46]。テローム説では、テロームが癒合や扁平化などの5つの基本過程を経て、陸上植物の基本器官)が進化したと考えた[40][46]

古生マツバラン類とマツバラン

古生マツバラン類(特にリニア植物やトリメロフィトン類)と現生のマツバラン類には形態的な類似があり、系統的なつながりがあると考えられたこともあった[47][12]。例えば、以下のような特徴である[47]。しかし、マツバラン属イヌナンカクラン属も化石に乏しく[47]、プシロフィトン類とマツバラン科を繋ぐような化石は発見されていないため、直接の類縁関係は疑われることが多かった[47][31]。現在では分子系統解析の結果、マツバラン類ハナヤスリ類姉妹群をなし、大葉シダ植物に含まれることが分かっている[19][20]。この姿が極端な単純化によるものなのか、トリメロフィトン類の性質を強く残しているためであるのかは未解明である[19]

古生マツバラン類の分類の試み

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キドストンとラング以降、Hirmer (1927)Eames (1936)Kräusel (1938)Walton (1940)Arnold (1947)Høeg (1967) など様々な研究者が古生マツバラン類の分類に取り掛かった[39]

1938年リヒャルト・クローゼル英語版[48] の分類体系では、古生マツバラン類には、現在では前裸子植物小葉類、初期のシダ類と考えられている群が含まれていた[49]。クローゼルは古生マツバラン目をリニア科 Rhyniaceae、ホルネオフィトン科 Horneaceae、プシロフィトン科 Psilophytaceae、ゾステロフィルム科 Zosterophyllaceae、スキアドフィトン科 Sciadophytaceae、アステロキシロン科 Asteroxylaceaeプセウドスポロクヌス科[50] Pseudosporochnaceeドレパノフィクス科[51] Drepanophycaceae古生シダ科[52] Protopteridaceae に分けた[49]

Høeg (1967) は、古生マツバラン類からプセウドスポロクヌス科と古生シダ科を除外し、ドレパノフィクス科を小葉類に移して、古生マツバラン類 Psilophyta をプシロフィトン目 Psilophytales とゾステロフィルム科を含むリニア目[53] Rhyniales に限定した[49]。また、ゾステロフィルム科からバリノフィトン類を外し、門所属不明とした[49]

バンクスの分類体系

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「中間的なリニア植物」"intermediate rhyniophytes"

様々な分類体系の中で、最も影響力があったのはハーラン・バンクス英語版 (1968, 1970, 1975a, b)[54][55][56][57]の分類体系である[39]。バンクスは古生マツバラン類をリニア植物亜門[58] Rhyniophytinaトリメロフィトン亜門 Trimerophytinaゾステロフィルム亜門 Zosterophyllophytina の3つの亜門に分割し、維管束植物に含めた[59][14][注釈 8]。これに含められなかった属は小葉類前裸子植物に移し、スキアドフィトン Sciadophytonバリノフィトン科 Barinophytaceae は所属不明とした[60]。3亜門のうち、リニア植物は、トリメロフィトン類の祖先であると考え、シダ類種子植物に進化したと考えた[59][14]。一方ゾステロフィルム類は小葉類の祖先であると考え、この2つは維管束植物の中で独立して進化した系統であると考えた[59]。のちに、Chaloner & Sheerin (1979)Edwards & Edwards (1986) は、リニア植物はトリメロフィトン類に繋がるというよりは、トリメロフィトン類とゾステロフィルム類の両方の系統のちょうど中間に位置する祖先的な系統として捉えた[59]

バンクスの分類体系は有用であったが、分岐学の台頭により、それぞれの分類群の定義に疑問が持たれるようになった[59]。また、新分類群の記載や解剖学的な情報の追加により、3亜門のいずれにも収めることのできない分類群も増えていった[59]

なかでも「リニア植物亜門」が問題となった[59]。古生マツバラン類の中で古くて単純な系統が含まれ、「地上茎は葉を持たず二又分枝をし、いくつかは胞子嚢が頂生する;仮根を付けた水平な地下茎を持ち、根を欠く;細く、しっかりした木部を持ち、恐らく心原型」と定義されていた[59]。これは主に良く保存されたライニー植物群の広義のリニア属リニア・ギンボニイ Rhynia gwynne-vaughanii と、アグラオフィトン属に移されたリニア・マヨール Rhynia major)およびホルネオフィトン Horneophyton に基づいていた[59]。更に5属が含められ、別の5属も不確かなリニア植物として含められた[59]。リニア植物は「原始的な」群として扱われたため側系統群であり、明確な分類群の定義ができなかった[59]。また、保存の悪い初期の化石が多数追加され、分類群の定義にそれ以上基準を追加できなかった[59]。また、もともとの定義は派生形質共有原始形質も含まれていたため、リニア植物には事実上「上限」が定められていた[59]。そのため、リニア植物とトリメロフィトン類、リニア植物とゾステロフィルム類のそれぞれ間の形質状態にある分類群(ノチア Nothiaレナリア Renaliaヒューベニア Huveniaストックマンセラ Stockmansella など)は分類に困る状況となっていた[59]

分岐学的手法に基づく系統解析と通道組織の多様性

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S型通道組織を持つリニア・ギンボニイ Rhynia gwynne-vaughanii の軸の横断面切片

Edwards & Edwards (1986) は当時リニア属を構成していたリニア・ギンボニイ Rhynia gwynne-vaughaniiリニア・マヨール Rhynia major の通道組織を比較し、前者は明瞭な肥厚がある仮道管を持つのに対し、後者はコケ植物ハイドロイドに似た肥厚のない通道組織を持つことに気付いた[8][61]。そのため、リニア・マヨールはアグラオフィトン属に移されアグラオフィトン・マヨール Aglaophyton major となった[8][61]。その後も Cook & Friedman (1998) などにより通道組織の多様性が明らかにされた[62]。現生の陸上植物では、コケ植物でない群は全て維管束を持っており維管束植物としてまとめられるが、デボン紀の古生マツバラン類は様々な通道組織を持っており、それにより系統関係が推測されている[63][62][注釈 9]

現在では、古生マツバラン類には少なくとも以下の系統が含まれることが分かっている[62][65][2]。ただし、それぞれも多系統である[65]

Kenrick & Crane (1997) による系統解析では、かつて古生マツバラン類と呼ばれていた群のうち維管束を持たないアグラオフィトンホルネオフィトン類などは、維管束植物とともに多胞子嚢植物 Polysporangiophyta という単系統群を構成することが確認された[67]。リニア植物はバンクスの定義より縮小され、リニアとともにヒューベニアやストックマンセラのみがリニア綱[58] Rhyniopsida に含まれるようになった[68]。ノチアやレナリアといった、「中間的形質状態のリニア植物」は、リニア綱でも大葉植物でもなく、小葉植物に近縁であった[69]。バンクスのトリメロフィトン亜門は単系統群ではなく、プシロフィトンEophyllophton大葉植物ステムグループとなり、ペルティカ Pertica種子植物に繋がる分類群 Radiatopses に位置する[70]

現在支持されている系統関係

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ゾステロフィルム類小葉植物に、トリメロフィトン類大葉植物にそれぞれつながる系統だと考えられており、合わせて維管束植物のクラウングループである真正維管束植物 Eutracheophyta を構成する[62][66]維管束植物は真正維管束植物とリニア植物(リニア綱)を含む系統であるとされる[62]Kenrick & Crane (1997) では、ホルネオフィトン綱はアグラオフィトンよりも前に分岐したとされ、ともに前維管束植物とされているが、Cascales-Miñana et al. (2019) では、ホルネオフィトン綱はリニア綱よりも後に分岐し、真正維管束植物の姉妹群であると考えられている。

以下に、化石植物を主に Kenrick & Crane (1997) による分岐学的解析を、コケ植物の系統関係などは Puttick et al. (2018) による分子系統解析の結果を基に作図された長谷部 (2020) による系統仮説を示す。

陸上植物
コケ植物

ツノゴケ類 Anthocerotopsida

蘚類 Bryopsida

苔類 Marchantiopsida

Bryophyta
多胞子嚢植物

前維管束植物 Protracheophytaホルネオフィトン綱アグラオフィトンを含む)

維管束植物

リニア綱 Rhyniopsidaリニアを含む)

真正維管束植物

クックソニア Cooksonia

小葉植物

ゾステロフィルム綱 Zosterophyllopsida

ヒカゲノカズラ綱 Lycopodiopsida

Lycophytina
大葉植物

トリメロフィトン類 Trimerophytopsidaプシロフィトンを含む)

首飾植物

大葉シダ植物 Polypodiopsida

Moniliformopses

木質植物 Lignophyta種子植物 Spermatophyta を含む)

Radiatopses
Euphyllophytina
Eutracheophyta
Tracheophyta
Polysporangiophyta
Embryophyta

Cascales-Miñana et al. (2019) における系統仮説は以下の通りである。

陸上植物
コケ植物

ツノゴケ類 Anthocerotopsida

蘚類 Bryopsida

苔類 Marchantiopsida

Bryophyta
多胞子嚢植物

アグラオフィトン Aglaophyton前維管束植物 Protracheophyta

維管束植物

側維管束植物 Paratracheophyta(=リニア綱 Rhyniopsida

ホルネオフィトン綱 Horneophytopsida

真正維管束植物

クックソニア Cooksonia

小葉植物

ゾステロフィルム綱 Zosterophyllopsida

ヒカゲノカズラ綱 Lycopodiopsida

Lycophytina
大葉植物

トリメロフィトン類 Trimerophytopsida

首飾植物

大葉シダ植物 Polypodiopsida

Moniliformopses

木質植物 Lignophyta種子植物 Spermatophyta を含む)

Radiatopses
Euphyllophytina
Eutracheophyta
Tracheophyta
Polysporangiophyta


脚注

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注釈

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  1. ^ 古生マツバラン類の名は、現生のマツバラン類を含む語としても[12]、現生マツバラン類を除く語(プシロフィトン類)としても用いられた[3]
  2. ^ 現在ではプセウドスポロクヌスやクラドキシロンは大葉シダ植物ステムグループに、アネウロフィトンは前裸子植物木質植物基部系統)に分類される。
  3. ^ Horneophyton は元々キドストンとラングによりホルネア属 Hornea Kidst. & Lang として命名されたが、現生の Hornea Baker異タイプ同名であったため、Horneophyton 属に移された。
  4. ^ ただし、Hueber & Banks (1967) により、当時復元されたプシロフィトンの姿には実際は複数の異なる系統のものが含まれていることが明らかになった[25]。プシロフィトンは偽二又分枝と同等二又分枝の両方を行い、裸か突起に覆われた茎の中央に木部の束を持ち、側枝胞子嚢頂生していたと考えられている[25]。横走する部分は顕著な中肋を持ち裸の扁平な軸からなるタエニオクラダ Taeniocradaワラビ巻きを形成することもある、胞子嚢が側生する棘に覆われた軸はソードニア Sawdonia にそれぞれ再分類された[28][22]
  5. ^ ここに示される6属に加え、トリコフェロフィトン Trichopherophyton を加えた7属が知られる[22]
  6. ^ ツィンマーマンは1930年に初めてテローム説を発表してから、1938年[42]1952年[43]1965年[44]にも徐々に改良した説を展開している[39]。テローム説はその包括性から賛否両論を得たが、1965年のモノグラフでは、精力的に自説を擁護し、多くの反論を否定している[45]
  7. ^ この場合、マツバランの単体胞子嚢群葉状突起に腋生する短い軸(側枝)に頂生すると解釈されている。
  8. ^ これらの亜門は、研究者によっては門として扱われることも多い[3][14]
  9. ^ 下記に示す以外にも、所属不明のメソフォッシルに由来するI型通道組織 (I-type tracheids) が報告されている[64]
  10. ^ S-type tracheids: Sennicaulis hippocrepiformis で最初に記載された通道組織[64]
  11. ^ C-type tracheids: クックソニア・ペルトニイ Cooksonia pertoni のみに見られる通道組織[64][62]
  12. ^ G-type tracheids: ゴスリンギア Gosslingia breconensis に基づく通道組織[64]
  13. ^ P-type tracheids: プシロフィトン Psilophyton dawsonii に基づく通道組織[64]

出典

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  5. ^ 西田 2017, p. 135.
  6. ^ 西田 2017, p. 73.
  7. ^ 西田 2004, p. 138.
  8. ^ a b c 西田 2017, p. 75.
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  10. ^ 岩槻 1975, p. 160.
  11. ^ a b c d e f g h i j k l m 岩槻 1975, p. 163.
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  20. ^ a b 長谷部 2020, p. 168.
  21. ^ 西田 2017, p. 70.
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参考文献

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