天塩有明駅(てしおありあけえき)は、北海道苫前郡初山別村字有明にかつて設置されていた、日本国有鉄道(国鉄)羽幌線廃駅)である。電報略号テア事務管理コードは▲121617[2]

天塩有明駅
てしおありあけ
Teshio-Ariake
築別 (4.8 km)
(3.8 km) 天塩栄
所在地 北海道苫前郡初山別村字有明
北緯44度26分56.8秒 東経141度45分32秒 / 北緯44.449111度 東経141.75889度 / 44.449111; 141.75889
所属事業者 日本国有鉄道(国鉄)
所属路線 羽幌線
キロ程 69.8 km(留萠起点)
電報略号 テア
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1957年昭和32年)11月6日[1]
廃止年月日 1987年昭和62年)3月30日[1]
備考 羽幌線廃線に伴い廃駅[1]
テンプレートを表示
1977年の天塩有明駅と周囲約500m範囲。上が幌延方面。周囲に家が結構建っているが、駅は既に無人化されて久しい。島式ホームへの分岐が上下で相対する片開分岐を持っていたのが見て取れる。駅舎側の線路は殆んど認識できないが、島式ホームの駅舎側本線の他にもう1本貨物積卸線が駅舎前に引かれていて、この頃には貨物線の方は分岐が外されただけで撤去されずに放置されていた様である。上側にある木工場は当然ながら既に本線を利用していない。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

一部の普通列車は通過した(1986年(昭和61年)11月1日改定の時刻(廃止時の時刻表)で、下りのみ1本(急行「はぼろ」後継の主要駅停車列車。上りは停車)[3])。

歴史 編集

駅名の由来 編集

当駅が所在する地名より。開設時大糸線有明駅が存在したため、旧国名の「天塩」を付する[6]

もともと同地はアイヌ語の「モチュクペッ(mo-cukpet)」(小さい・築別川、築別については築別駅#駅名の由来を参照)に由来する茂築別(もちくべつ)と呼ばれていたが[7]、開通前の1941年(昭和16年)の字名改正に際して、一般より募集し改名した[6]。名称は「月を背負っても働く」との意味を込めての命名とされている[8]

駅構造 編集

かつては島式ホーム1面2線を有する、列車交換可能な職員配置駅地上駅)であったが、廃止時点で無人駅(簡易委託駅)の上、交換設備を廃止し、駅舎側(構内の南西側)に面した1線を側線化して1線のみを使用していた。ほかに、駅舎側に留萌方、幌延方両側とも転轍機が撤去された側線を1線有していた。駅舎は有人駅時代の駅舎が残り、ホーム南側とを結ぶ構内踏切で連絡した[9]

駅周辺 編集

駅跡 編集

 
天塩有明駅跡(2011年7月28日)

1999年(平成11年)時点では砂利の空き地になっており、駅前食堂のみ残る[10]

また、2010年(平成22年)時点では当駅 - 天塩栄駅間にあった初山別トンネルが残存している[11]

隣の駅 編集

日本国有鉄道
羽幌線
築別駅 - 天塩有明駅 - 天塩栄駅

参考文献 編集

  • 国土地理院25000分の1地形図

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f g 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、872頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、231頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  3. ^ 時刻表『JNR編集 時刻表 1987年4月号』(弘済出版社1987年4月発行)JRニュース13ページより。
  4. ^ 「日本国有鉄道公示第358号」『官報』、1970年9月7日。
  5. ^ 「通報 ●羽幌線天塩有明ほか6駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1970年9月7日、2面。
  6. ^ a b 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、108頁。ASIN B000J9RBUY 
  7. ^ アイヌ語地名リスト モク~リ P131-140”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2014年1月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月25日閲覧。
  8. ^ 本多 貢 (1995-01-25). 児玉 芳明. ed (日本語). 北海道地名漢字解. 札幌市: 北海道新聞社. p. 118. ISBN 4893637606. OCLC 40491505. https://www.worldcat.org/oclc/40491505 
  9. ^ 書籍『国鉄全線各駅停車1 北海道690駅』(小学館1983年7月発行)201ページより。
  10. ^ 書籍『鉄道廃線跡を歩くVI』(JTBパブリッシング1999年3月発行)23-24ページより。
  11. ^ 書籍『新 鉄道廃線跡を歩く1 北海道・北東北編』(JTBパブリッシング2010年4月発行)46-48ページより。

関連項目 編集

外部リンク 編集