太陽系亞種音

2002年に発売したP-MODELのボックス・セット

太陽系亞種音』(タイヨウケイアシュオン)は、P-MODELボックス・セット2002年5月10日ケイオスユニオン/TESLAKITEよりリリースされた。『Ashu-on [sound subspecies] in the solar system』という副題が付けられている。

太陽系亞種音
P-MODELボックス・セット
リリース
ジャンル テクノポップ
ニュー・ウェイヴ
ポスト・パンク
プログレッシブ・ロック
サイケデリック・ロック
レーベル ケイオスユニオン/TESLAKITE
プロデュース 国際亞種音学会
アルバム 年表
P-PLANT CD Vol.1
2000年
太陽系亞種音
(2002年)
GOLDEN☆BEST P-MODEL「P-MODEL」&「big body」
2004年
平沢進関連のアルバム 年表
SOLAR RAY
2001年
太陽系亞種音
(2002年)
千年女優 オリジナルサウンドトラック
(2002年)
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概要 編集

国際亞種音学会プロデュース作品。タイトルはリーダーの平沢進が考案[1]し、高橋かしこ[2]ら数名が選曲、ブックレット編集作業に関わっている。パッケージデザインはイナガキキヨシ(inagakidesgin)[3][4]が担当した。90年代より長らくレコーディングスタッフとして作品に携わっている鎮西正憲によるデジタル・リマスタリングが施されている。

2000年に「培養」を宣言(活動休止)したP-MODELのほぼ全ての楽曲が収録されており、オリジナル・アルバムや発掘音源を含めた全16枚組となっている。付属されるブックレットには平沢によるレポート、高橋による作品解説、楽曲の歌詞とディスコグラフィーが収録されている。ファンクラブ会員向けには「Disc 00」が特典として付属される。

諸般の事情により2010年に一時発売停止となったが、2014年にパッケージを新たに再発売された[5]

2002年発売時にはバインダー内に様々な形でパッケージされているCDと冊子が綴じられているバインダー・セットとなっていたが、2014年の再発売時に「より管理しやすい形態、隠し持たれる重要物というイメージに」との平沢の要望により、コンパクトなボックス・セットにリニューアルされた[6]

解説 編集

太陽発電・充電池のみで楽曲制作を行うプロジェクト『Hirasawa Energy Works』の一環としてリリースされ、太陽発電システムを使用したスタジオ「studio WIRESELF 2002」にてレコーディングとリマスタリング作業が行われた。

『Disc 2』収録「二重展望1」・「2」は当時のライブ音源の再現として、『Disc 6』収録「MONSTER A GOGO」は1987年当時のデモテープの上に2002年に平沢が新たにボーカルが乗った構成として、新たにスタジオレコーディングがされている[7][8]

『Disc 6』後半の「MONSTER A GOGO」~「CALL UP HERE」までの四曲はお蔵入りとなったアルバム『モンスター[9]』の収録予定曲。「MONSTER A GOGO」以外の楽曲は当時のライブ音源となっている。

ファンクラブ会員限定特典の『Disc 00』は1985年~1988年までのオフィシャルファンクラブ『MOIRE CLUB』会員向けに配布された音源である。

ブックレットの平沢によるリポートは「今までのP-MODELの活動はアシュオンと呼ばれる物質にまつわる大規模な人体実験のためだった」という内容が綴られており、アシュオンの実験レポートとして書かれている。この物語から核P-MODELのアルバム『ビストロン』へ繋がっていった[10]。CDのレーベル面には「アシュオン」の活動をモチーフにした絵柄がプリントされており、inagakidesignによる図解が公開されている[11]

収録曲 編集

  • 太字はアルバム・シングルを指す。
Disc 1
#タイトル作詞作曲・編曲
1.IN A MODEL ROOM  
2.LANDSALE  
Disc 2
#タイトル作詞作曲・編曲
1.POTPOURRI  
2.「二重展望1」  
3.「二重展望2」  
4.「Heavenizerのための例題1」  
5.「Heavenizerのための例題4」  
6.「Heavenizerのための例題6」  
7.「Heavenizerのための例題8」  
Disc 3
#タイトル作詞作曲・編曲
1.Perspective  
2.Perspective Ⅱ  
Disc 4
#タイトル作詞作曲・編曲
1.ANOTHER GAME  
2.不許可曲集 (1983年オリジナル版)」  
3.「NO BIRD」  
Disc 5
#タイトル作詞作曲・編曲
1.KARKADOR  
2.「INDEX P-0」  
3.「SOLID AIR DANCE VERSION」  
4.「RE; (横川理彦)」  
5.P-MODEL ANOTHER ACT6  
Disc 6
#タイトル作詞作曲・編曲
1.ONE PATTERN  
2.「モンスター・ア・ゴーゴー」  
3.「モンスターズ・ア・ゴーゴー」  
4.「クルエル・シー」  
5.「コール・アップ・ヒア」  
6.「KAMEARI POP 此岸のパラダイス篇」  
Disc 7
#タイトル作詞作曲・編曲
1.P-MODEL  
2.big body  
Disc 8
#タイトル作詞作曲・編曲
1.  
2.Rocket Shoot  
Disc 9
#タイトル作詞作曲・編曲
1.電子悲劇/〜ENOLA  
2.ASHURA CLOCK  
3.LAYER-GREEN  
Disc 10
#タイトル作詞作曲・編曲
1.音楽産業廃棄物〜P-MODEL OR DIE  
2.VIRTUAL LIVE-1  
3.「MOON PLANT-Ⅰ」  
Disc 11
#タイトル作詞作曲・編曲
1.VIRTUAL LIVE-2  
2.VIRTUAL LIVE-3  
3.「Astro-Ho(narration Ver.)」  
Disc 12
#タイトル作詞作曲・編曲
1.SCUBA (カセットブック版)」  
2.SCUBA (CD再発版)」  
3.「七節男」  
4.「フィッシュ・ソング」  
Disc 13
#タイトル作詞作曲・編曲
1.SCUBA RECYCLE  
2.配線上のアリア  
3.demo  
4.「ホワイト・シューズ」  
Disc 14
#タイトル作詞作曲・編曲
1.PAUSE  
Disc 15
#タイトル作詞作曲・編曲
1.LIVEの方法  
2.「OPENING SE 1992」  
3.「フ・ル・ヘッ・ヘッ・ヘッ」  
4.「ATOM-SIBERIA歌詞規制バージョン」  
Disc 16
#タイトル作詞作曲・編曲
1.Corrective Errors〜remix of 舟  
2.SAKSIT North Passage MIX  
Disc 00 (ファンクラブ会員限定)
#タイトル作詞作曲・編曲
1.「PRE DRUMS」  
2.「Zebraカセット」  
3.CHRISTMAS SONGS  
4.「Birds (横川理彦)」  
5.「SSS-STAR EYES」  
6.「田井中貞利伝説」  
7.「THIS IS THE HIGHER SELF SPEAKING」  
8.「OPENING MANIACS」  

出典・脚注 編集

  1. ^ MODEROOM - 太陽系亞種音”. moderoom.fascination.co.jp. 2020年4月22日閲覧。
  2. ^ 株式会社ファッシネイション所属の編集者。1999年にP-MODEL結成20周年記念ブックレット『音楽産業廃棄物』の執筆に携わっている。
  3. ^ 平沢を中心に結成したユニットのアルバム『旬IV』のジャケット・デザイン、書籍『音楽産業廃棄物』のデザイン等も担当している。
  4. ^ Ashu-on (Sound Subspecies) in the solar system”. inagakidesign. 2020年4月22日閲覧。
  5. ^ P-MODELのCD BOXセット『太陽系亞種音』 新パッケージ版で販売再開”. amass. 2020年6月19日閲覧。
  6. ^ 太陽系亞種音 新パッケージ版|平沢進 Susumu Hirasawa (P-MODEL) Official site”. susumuhirasawa.com. 2020年4月22日閲覧。
  7. ^ DISC02”. web.archive.org (2011年3月16日). 2020年6月19日閲覧。
  8. ^ DISC06”. web.archive.org (2010年1月20日). 2020年6月19日閲覧。
  9. ^ 1987年頃に発売される予定だった8thアルバム。レコード会社とのトラブルによりそのままリリースされずにお蔵入りとなった。
  10. ^ CD ビストロンCD VISTORON – 平沢進・公式サイト|information”. susumuhirasawa.com. 2020年4月22日閲覧。
  11. ^ Animated Factorization Diagrams – Data Pointed” (英語). 2020年4月22日閲覧。

外部リンク 編集