夫のちんぽが入らない』(おっとのちんぽがはいらない)は、こだまによる日本エッセイ作品。略称、「おとちん」[1]

夫のちんぽが入らない
著者 こだま
発行日 2017年1月18日
発行元 扶桑社
ジャンル エッセイ
長編小説
私小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判
ページ数 195
公式サイト 扶桑社公式特設サイト
kodanshabunko.com
コード ISBN 978-4-594-07589-7
ISBN 978-4-06-512970-8文庫判
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主婦・こだまが夫との性生活の悩みを綴った私小説で、2014年5月の同人誌イベントで発売の同人誌に短編エッセイとして寄稿され反響を呼び、大幅な加筆修正を経て長編小説として2017年1月18日に扶桑社より刊行。文庫版特別収録エッセイ「ちんぽを出してから」を収録し2018年9月14日に講談社文庫より文庫化された。Yahoo!検索大賞小説部門を第3回(2017年)・第4回(2018年)の2年連続受賞。

および、それを原作とした漫画。フジテレビの制作によりドラマ化され、2019年にFODおよびNetflixにて配信されている[2][3][4]

概要

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2014年開催の同人誌イベント文学フリマで販売された同人誌「なし水」に収録。同作者の初書籍。

作者の実体験に基づいた自伝作品。女子大生と男子学生が恋に落ち、後に結婚に至る。しかし、付き合い始めてからセックスする際に夫のちんぽ陰茎)が女性器()に挿入できず、子供ができないことに悩みつつも共に生きてゆく。

2017年2月時点で、単行本の発行部数は13万部を突破した。『朝日新聞』2017年2月12日付朝刊に本書の広告が掲載された際には「※書名は書店でお確かめください」と記載された[5][6]

ceroが2014年にリリースした楽曲「Orphans」は、同人誌に掲載された本作にインスパイアされたものである[7]。また、こだまは「Orphans」のタイトルで、雑誌『クイック・ジャパン』でエッセイを連載している。

あらすじ

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同じアパートに暮らす先輩と交際を始めた“私”。だが初めて交わろうとした夜、衝撃が走る。彼の性器が全く入らないのだ。

その後も「入らない」一方で、二人は精神的な結びつきを強め、夫婦に。いつか入るという切なる願いの行方は―。

「普通」という呪いに苦しみ続けた女性の、いじらしいほど正直な愛と性の物語。

登場人物

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鳥居 さち子 (とりい さちこ)
メガネを掛けた女性。真面目だが、内気で口下手な性格で、人付き合いは苦手。他人から笑われるほど田舎の出身で、さらに両親の関係があまり良くないため、田舎の事をあまり話したがらない。1998年の春から大学に進学し、実家を出て大学近くのアパートで一人暮らしを始める。引っ越してすぐに、同じアパートに下宿していた倉本慎から告白され、それ以降交際を続けているが、どうしても倉本と性行為を行う事ができずにいる。 しかし、その事を誰にも相談できず、一人で思い悩むようになっている。高校生の頃に、一度だけ行きずりの男性と肉体関係を持った事があるが、その事は他人には秘密にしている。
倉本 慎 (くらもと しん)
鳥居さち子と同じ大学に通う男性。同じアパートに下宿している。さち子の1学年上で、テニスサークルに所属。バイトをして自分で学費を払っている苦学生。異様に屈託のない性格で、引っ越してきたばかりのさち子にも馴れ馴れしく接し、さち子が住民票を移す前に交際を申し込む。かなりの巨根の持ち主らしく、テニスサークルの部員達の間でも噂になっているほど。 そのせいか、さち子とは一度も関係を持てずにいる。2001年の春に大学を卒業し、隣県の高校に就職してアパートを離れるが、その時にさち子にプロポーズしている。
山下 (やました)
鳥居さち子と同じ大学に通う女性。倉本慎と同じテニスサークルに所属している。バイトであまりサークルに顔を出さない倉本に、スケジュールを伝えたり会費を徴収したりするためによく会っているらしく、倉本とは親しそうにしている。倉本とさち子がいっしょにいるのを見て、「まるで兄妹のよう」と表現している。

書誌情報

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漫画

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夫のちんぽが入らない
ジャンル エロス
漫画
原作・原案など こだま
作画 ゴトウユキコ
出版社 講談社
掲載誌 週刊ヤングマガジン
レーベル ヤンマガKCスペシャル
発表号 2018年25号 - 2020年15号
巻数 全5巻
話数 全27話
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

ゴトウユキコの作画で『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて、2018年25号(同年5月21日発売)から2020年15号(同年3月9日発売)まで連載[8]

書誌情報(漫画)

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配信ドラマ

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夫のちんぽが入らない
ジャンル 配信ドラマ
原作 こだま
企画 清水一幸(フジテレビ)
脚本 黒沢久子
監督 タナダユキ
出演者 石橋菜津美
中村蒼
尾野真千子
坂井真紀
江口のりこ
松尾諭
落合モトキ
浜野謙太
筒井真理子
春海四方
国広富之
千葉雅子
音楽 石塚徹
早川暁雄
山口雄太
望月慎吾
山本隼人
田井モトヨシ(音楽プロデュース)
国・地域   日本
言語 日本語
話数 10
各話の長さ 26 - 46分
製作
プロデューサー 湊谷恭史(ザフール)
制作 ザフール(制作協力)
製作 フジテレビ
配信
配信サイトFOD
Netflix
配信国・地域  日本
配信期間2019年3月20日 - 2020年3月19日
公式ウェブサイト(FOD)
公式ウェブサイト(Netflix)
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フジテレビの制作によりドラマ化され、フジテレビオンデマンドおよびNetflixにて2019年3月20日の16時から全10話が配信されている[2][3][4]。ヒロイン役は200人のオーディションの中から選ばれた[9]

2021年1月11日より、フジテレビ地上波で放送されている[10]。なお、地上波放送に際し、EPGや新聞番組表、フジテレビの公式サイトでは『おとちん』と表記されている。ただしホームページタイトルは「夫のちんぽが入らない」となっている他、URLは「https://www.fujitv.co.jp/b_hp/ottonochinpogahairanai/」である[11]

キャスト

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  • 渡辺(山本)久美子 - 石橋菜津美
  • 渡辺研一 - 中村蒼
  • 寺田朋美 - 尾野真千子[4]
  • 寺田ミユキ - 菊地麻衣
  • 坂井真紀
  • 江口のりこ
  • ミッキー - 松尾諭[4](第5話・第6話)
  • アリハラ - 落合モトキ[4](第6話)
  • 浜野謙太(第8話)
  • 山本冴子 - 筒井真理子[4](第8話)
  • 山本祐介 - 春海四方[4](第8話)
  • 渡辺和之 - 国広富之[4](第7・10話)
  • 渡辺京子 - 千葉雅子[4](第7・10話)
  • 山下 - 田中美晴(第1話)
  • (第4話)小林きな子、山本浩司、宍戸美和公、安部賢一、占部房子、林田麻里、松坂早苗、足立智充、星野園美、白石直也、廻 飛呂男、久保貫太郎、高山猛久、村岡希美、安澤千草、杉山薫、松本万弥、豊田未来、小泉彩、新野杏樹
  • (第5話)小林きな子、山本浩司、宍戸美和公、安部賢一、藤川紗良、高木公佑、佐藤光将、金丸竜也、加藤大翔、鈴木健太、高場大和、松本万弥、豊田未来、亀田侑樹、指出瑞貴
  • (第6話)河屋秀俊、沖田裕樹、谷本一、占部房子、林田麻里、松坂早苗、豊田未来、小泉彩、新野杏樹、志村晴美、後藤あゆ美、古川いおり
  • (第7話)清水葉月、小野花梨、椿 弓里奈、古川いおり
  • (第8話)清水一彰、喜多道枝、山川未菜、新井優歌、新津ちせ、鈴木楓椛、鈴木詩菜、小林千里、椿鮒子、吉牟田眞奈、成澤ゆうが

スタッフ

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  • 原作 - こだま『夫のちんぽが入らない』(扶桑社刊)
  • 脚本 - 黒沢久子
  • 監督 - タナダユキ
  • 音楽 - 石塚徹、早川暁雄、山口雄太、望月慎吾、山本隼人
  • 音楽プロデュース - 田井モトヨシ
  • 音楽制作 - ロードアンドスカイ・オーガニゼーション、EGクリエイション、MUSIC FOR MUSIC
  • VFX - Raiyan Laksamana
  • ロケ協力 - 山形県鶴岡市
  • 協力プロデューサー - 坂本和隆
  • プロデューサー - 湊谷恭史(ザフール)
  • 企画・プロデュース - 清水一幸(フジテレビ)
  • 制作協力 - ザフール
  • 制作著作 - フジテレビ

配信日程

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配信回 配信開始日 タイトル 配信分(FOD版)
1 2019年3月20日 第1話 44分
2 3月20日 第2話 46分
3 3月20日 第3話 31分
4 3月20日 第4話 26分
5 3月20日 第5話 28分
6 3月20日 第6話 31分
7 3月20日 第7話 29分
8 3月20日 第8話 27分
9 3月20日 第9話 42分
10 3月20日 第10話 33分

脚注

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  1. ^ “話題書『おとちん』 著者が明かす前代未聞のタイトルの理由”. NEWSポストセブン (小学館). (2017年1月17日). https://www.news-postseven.com/archives/20170117_484338.html 2018年12月13日閲覧。 
  2. ^ a b 【フジテレビ】「夫とデキない」という実話から、夫婦の繋がりと幸せのカタチに一石を投じた私小説「夫のちんぽが入らない」待望のドラマ化決定!』(プレスリリース)フジテレビ、2018年7月1日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000777.000000084.html2018年7月4日閲覧 
  3. ^ a b ““夫とデキない”衝撃の実話ドラマ化!性生活に悩みを抱えながら“夫婦のカタチ”見つける意欲作”. ザテレビジョン (KADOKAWA). (2018年7月3日). https://thetv.jp/news/detail/152798/ 2018年7月4日閲覧。 
  4. ^ a b c d e f g h i 追加キャスト・配信日を発表!”. とれたてフジテレビ. 連続ドラマ『夫のちんぽが入らない』. フジテレビ (2019年2月6日). 2019年3月21日閲覧。
  5. ^ 真面目な自伝本「夫のちんぽが入らない」が新聞広告に掲載……も、タイトルが「入らない」 斬新な広告デザインが話題に、ねとらぼ、2017年02月12日 11時30分 UPDATE。
  6. ^ 前代未聞、書名がない新聞広告 コピーは「好きなのに、入らない!」、withnews(ウィズニュース)、2017年2月12日。
  7. ^ INTERVIEW
  8. ^ 「私の少年」移籍、「夫のちんぽが入らない」マンガ版、花沢健吾新作がヤンマガで コミックナタリー 2018年5月7日
  9. ^ 石橋菜津美『夫のちんぽが入らない』で胸元露わに熱演「女優of the year」と絶賛の声”. マイナビニュース (2019年4月2日). 2019年7月15日閲覧。
  10. ^ “『夫のちんぽが入らない』実写ドラマ 地上波放送決定”. ニッポン放送NEWS NLINE (ニッポン放送). (2020年12月20日). https://news.1242.com/article/263682 2021年1月21日閲覧。 
  11. ^ おとちん&純喫茶に恋をして<Mナイト>

外部リンク

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