奈羅訳語氏(ならのおさし)は古代の渡来氏族秦氏の一族。己智(こち。己知、巨智、許知、許智)を祖とする(新撰姓氏録)。楢曰佐奈良訳語とも表記する。

己智は百済の出身で欽明天皇元年(540年)2月に帰化大和国添上郡山村(楢中郷等)に住み、以後子孫が周辺に分布した。奈羅訳語氏はそのうちの一つである。「訳語(おさ)」とは通訳のことである。

推古天皇16年(608年)および推古17年(609年)、使・裴世清の帰国に随行した第3回遣隋使の留学生のなかに、高向玄理南淵請安と並んで「奈羅訳語・恵明(ならのおさ・えみょう)」の名が見える(日本書紀)。また宝亀8年(777年)7月には、楢曰佐河内ら3名が長岡忌寸(ながおかのいみき)に改姓した(続日本紀)。

己智を祖とする氏族には他に三林(みつはやしのきみ)、山村忌寸(やまむらのいみき、旧姓は山村許智)、山村宿祢、桜田(さくらだのむらじ)などがある。

参考文献 編集

関連項目 編集

外部リンク 編集

朝鮮日報〈渡来文化 その美と造形 44〉 金石文③ 道薬師の墓誌

奈良県立図書館 平城京の役人住居