室伏由佳

日本の円盤投・ハンマー投選手

室伏 由佳(むろふし ゆか、1977年2月11日 - )は、日本の元陸上競技選手、大学教員[1]。女子ハンマー投の日本歴代2位記録保持者。 日本選手権で円盤投げ:優勝12回、ハンマー投:優勝5回。父はアジアの鉄人室伏重信、兄は2004年アテネオリンピック金メダリスト室伏広治

室伏 由佳 Portal:陸上競技
選手情報
国籍 日本の旗 日本
種目 円盤投ハンマー投
所属 ミズノ順天堂大学
生年月日 (1977-02-11) 1977年2月11日(47歳)
出身地 愛知県豊田市
身長 170cm
体重 67kg
引退 2012年9月
成績
オリンピック ハンマー投:27位 (2004年
世界選手権 円盤投:B組13位 (2007年
ハンマー投:B組15位 (2005年
地域大会決勝 アジア競技大会
円盤投:5位 (2002年
ハンマー投:3位(2010年
アジア選手権
円盤投:4位(2005年2009年
ハンマー投:準優勝(2000年
国内大会決勝 日本選手権
円盤投:優勝12回(1999年2000年2002年2003年2004年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年
ハンマー投:優勝5回 (2004年・2005年・2008年・2009年・2010年)
自己ベスト
円盤投 58m62(2007年
ハンマー投 67m77(2004年)日本記録
獲得メダル
陸上競技
アジア競技大会
2010 広州  ハンマー投
アジア選手権
2000 ジャカルタ  ハンマー投
2005 仁川  ハンマー投
2009 広州  ハンマー投
東アジア競技大会
2005 マカオ  円盤投
2005 マカオ  ハンマー投
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経歴 編集

愛知県豊田市出身。2004年アテネオリンピックハンマー投げ 金メダリストの室伏広治の実妹。 豊田市立東保見小学校豊田市立西保見小学校(新設のため校区変更により自動転校)、豊田市立保見中学校名古屋経済大学市邨高等学校中京大学を経て、現在はミズノ所属。

円盤投を専門とし、名経大市邨高校から中京大学に進むと、日本インカレを4連覇(1995年-1998年)、日本学生選手権を2連覇(1997年-1998年)するなど、学生・ジュニアのタイトルを次々に獲得した。1999年、ミズノトラッククラブに加入。4月10日の中京大学土曜記録会では56m84cmの日本記録を樹立した。また、このころから本格的にハンマー投に取り組み始める。この年の日本選手権では円盤投で初優勝、ハンマー投では3位に入った。

2004年6月の日本選手権ではハンマー投で初優勝を果たし、円盤投の優勝(5回目)と合わせ2冠を達成した。同年6月19日の中京大学土曜記録会のハンマー投において、66m68cmの日本記録を出した。8月1日の「スプリントチャレンジカップin山梨」において67m77cmに記録を更新している。

2004年のアテネオリンピックにはハンマー投で出場したが、予選落ちした。

円盤投では、2007年4月1日、8年ぶりに自己の持つ日本記録を更新(58m00cm)。さらに5月13日、58m62cmを投げ、世界B標準まであと38cmに迫った。この記録は郡菜々佳が2019年に更新するまで10年以上破られなかった。

アテネオリンピック前後からスポーツ障害と婦人科系の病気と闘病していた。アテネオリンピック後から腰痛症に苦しみ、引退前年の2011年に脊柱管狭窄症と判明するまで原因不明だった[2]。また、腰痛で体のバランスを崩し、利き手の右手と肩に神経障害も出ていた[3]。2009年に子宮内膜症の手術を受けているが、症状自体はアテネオリンピック前年に既に判明していたという[3]

2012年9月の全日本実業団陸上を最後に引退した[4]

現役時代から母校の中京大学の大学院でスポーツ心理学(スポーツ認知行動科学)を専攻し、2006年に体育学研究科博士課程後期満期退学(体育学修士)。引退後は、順天堂大学スポーツ健康科学部博士課程で学び、スポーツ健康科学博士号を授与され、学位記授与式の際は総代も務めている。2019年より順天堂大学スポーツ健康科学部で講師を務め、アンチ・ドーピングの講義を行っている[3]。そのほかには、聖マリアンナ医科大学徳島大学医学部、奈良県立医科大学スポーツ医学講座、浜松医科大学の非常勤講師も務めており、過去には日本女子体育大学の非常勤講師、上武大学の客員教授、朝日大学の客員准教授も務めていた[5]

2016年より株式会社attainmentの代表取締役となり、全国での講演活動も行っている[6]

2019年4月、順天堂大学スポーツ健康科学部准教授に就任[7][1]

2019年12月、全日本テコンドー協会の理事に選出[8]

2022年6月、日本ボクシング連盟の理事に選出[9]

2023年6月、日本陸上競技連盟の理事に選出[10]日本スポーツ協会の理事に選出[11]

人物 編集

ハンマー投の室伏重信を父に、室伏広治を兄に持つが、本人は円盤投を専門とした。母はルーマニア出身の元やり投選手のSerafina Moritz(セラフィナ・モリツ)である。

ミズノでは女性用ブランドのモデルにも起用されている。大の好き。また、チョコレート系のデザート作りも好きな料理好き。

著書 編集

共著 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 教員詳細 室伏由佳 准教授”. 順天堂大学. 2023年6月5日閲覧。
  2. ^ “室伏由佳さん、投てき「鉄人一家」に生まれた苦悩 陸上投てき 室伏由佳(1)”. 日本経済新聞: p. 1. (2020年1月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53967070Y9A221C1000000/ 2020年2月24日閲覧。 
  3. ^ a b c “室伏由佳さん、投てき「鉄人一家」に生まれた苦悩 陸上投てき 室伏由佳(2)”. 日本経済新聞: p. 2. (2020年1月8日). https://www.nikkei.com/article/DGXMZO53967070Y9A221C1000000/ 2020年2月24日閲覧。 
  4. ^ 室伏由佳、信岡沙希重が引退へ 全日本実業団陸上で区切りスポニチ 2012年9月20日
  5. ^ 本人Facebook - 職歴と学歴”. 2020年3月11日閲覧。
  6. ^ 室伏由佳 講演依頼 プロフィール”. Speakers.jp. 2020年3月11日閲覧。
  7. ^ 室伏由佳 順天堂大学スポーツ健康科学部准教授(平成31.4)”. 順天堂大学教員名簿. 2023年6月5日閲覧。
  8. ^ “テコンドー協会新理事候補、室伏由佳氏ら“夢”の11人”. Sponichi Annex. (2019年12月11日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2019/12/11/kiji/20191211s00027000076000c.html 2020年3月11日閲覧。 
  9. ^ ボクシング連盟、理事24人を承認 内田貞信会長は再任へ日本経済新聞社 2022年6月26日
  10. ^ 室伏由佳さんが日本陸連理事に、増田明美さん再任…女性理事は最多13人で43%占める読売新聞社 2023/06/23
  11. ^ 遠藤氏らスポ協の次期理事候補に 伊藤会長は退任へ福島民報 2023/06/08

関連項目 編集

外部リンク 編集