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100系電車 2005年3月7日 万博八草駅(現・八草駅

愛知環状鉄道100系電車(あいちかんじょうてつどう100けいでんしゃ)は、かつて愛知環状鉄道に在籍した電車1988年(昭和63年)の同社鉄道線開業に際し導入された車両である。

2003年(平成15年)以降は一部がえちぜん鉄道に譲渡され、MC6001形(エムシー6001がた)およびMC6101形(エムシー6101がた)となっている。本項では、譲渡後の両形式についても記述する。

概要編集

開業前年の1987年(昭和62年)に日本車輌製造で製造された車体長19m、片開き3扉セミクロスシートの車両である。車体と台車は新製したが、電装品には国鉄101系廃車発生品を流用していた。

ワンマン運転に対応できるように運転台を半室式にしたり、最前部の乗降扉を運転台直後としているが、愛環在籍時にはワンマン運転されることはなく、この構造が活かされるようになったのはえちぜん鉄道に譲渡後のことである。

自動車内放送は、8トラックテープ式であり、録音業者はネプチューン(現・レゾナント・システムズ)であった。

冷房装置は、直流1500Vの架線電源で直接駆動する方式のものを搭載した。このため補助電源装置は5kVAという小容量のものとなっている。

100形・200形
制御電動車 (Mc) 100形 - 制御付随車 (Tc) 200形による2両編成。100形は高蔵寺方向に、200形は岡崎方向に連結された。最大で101-201 - 109-209の2両編成9本(18両)が在籍していたが、最末期は2両編成4本(8両)であった。
300形
100形・200形の増結用、また緊急時の救援用途として、開業時に301・302、1992年に303 - 305の計5両が製造された。内装・外装ともに基本的には100形と変わりなく、両運転台車であるということが特筆される。最末期は4両が在籍していた。
増結車として使用される時には常に高蔵寺方に連結された。また、まれに100形の代わりに200形と編成を組むこともあった。両運転台構造であることから単行運転も可能であったが、車両不足時に300形同士の2両編成を組む時と、2005年11月13日のさよなら運転時以外は岡崎向き運転台を営業列車で使用したことはないとされる。ただし、1997年頃の「愛環ビール列車」では、300形が単行で運転されている。豊田おいでんまつりの際にも臨時増発用として単行で使われていたこともある。

なお、2005年(平成17年)の愛知万博(愛・地球博)輸送時は100形・200形・300形を組み合わせた4両編成で運用されていた。

乗降扉が片開き3扉で運行に不都合な面があった事や、前述のとおり電装品が国鉄101系の廃車発生品の流用のため老朽化が進んでいた事もあり、愛・地球博の準備が始まった2002年より順次投入された2000系に置き換えられ、2005年11月13日のさよなら運転をもって愛知環状鉄道での運用を終了し、全車が廃車となった。このうち100形9両、300形5両の計14両がえちぜん鉄道に譲渡された。

えちぜん鉄道への譲渡編集

 
MC6001形6002 2005年8月 永平寺口駅
 
MC6101形6111 2009年3月 三国港駅

2001年列車衝突事故この項目を参照)を契機に保有路線の全廃を決めた京福電気鉄道福井支社について、2003年永平寺線を除く各線は第三セクター鉄道会社えちぜん鉄道が引き継いで運行を始めることが決定した。その際、保有していた車両のなかに老朽化が進んでいたものが存在していたため、前述した愛知環状鉄道の廃車を譲受してその代替とすることにした。これがMC6001形・MC6101形である。

2003年8月25日にMC6001形2両(6001・6002)が、2004年 - 2006年にMC6101形12両 (6101 - 6112) が岡崎市大阪市からトレーラーにより福井口駅まで搬入され、試運転の後に順次運行を開始した。

改造編集

譲渡された車両は100形と300形である。後者はもともと両運転台車両だったが、前者は200形との2両編成で使用されていたため、譲渡の前に200形の運転台を100形の片側に接合して両運転台車にする改造が施された。

また愛知環状鉄道は直流1500V電化であったが、えちぜん鉄道は直流600V電化であるため、永久直列回路の都合上、個々の電動機にかかる電圧が小さくなりすぎてそれまで使用していたMT46型電動機では従来性能の半分も発揮できないことが明らかになった[注釈 1]。そのため力行時には4個ある電動機のうち3個のみを使用するように回路を変更したが、それでも性能的に問題が大きかったため、後には東日本旅客鉄道(JR東日本)から113系などで使用されているMT54型電動機を購入し、2003年11月19日までに交換した。電動機1個あたりの出力は約2割向上(架線電圧600V、3個直列での出力53kW→64kW)したが、それでも並列制御を行う京福時代の車両より加速性能の面で劣っている。

その他、補助電源装置を電動発電機 (MG) から静止形インバータ (SIV) に載せ替え、エアコンユニットの交換やスカートスノープロウの個別化(いずれもMC6101形)、ホームと車両の接触対策として車両の四隅を若干切り欠くなどの工事が施されたが、それ以外に愛知環状鉄道時代と外観上の大きな変化はない。室内ではワンマン運転用各種機器が設置され、MC6101形6103以降は液晶ディスプレイ式アドムーブの設置と座席のモールド変更などの動きがあった。

その後2012年末までに、全編成で左右のヘッドライトが白色LEDに交換された(中央はシールドビームのまま存置)。

座席配置は愛知環状鉄道時代そのままのセミクロスシートである。

主要諸元(MC6101形)編集

  • 車長 - 19,000mm
  • 車幅 - 2,850mm
  • 車高 - 4,100mm
  • 自重 - 40.6t(空車時)
  • 定員 - 123名(うち、座席52名)
  • 台車 - 日本車輌製造ND-708型軽量ボルスタレス式空気バネ台車
  • 歯車比(ギア比) - 82:17 (4.82)
  • 電動機 - MT54形直流直巻電動機、端子電圧200V時64kW(架線電圧1500V下では端子電圧375V時120kW)×4
  • 制御方式 - 永久直列電動カム軸式抵抗制御、3・4ノッチ時弱め界磁制御付、空転検出器付
  • 主制御器 - ES-791A(永久直列8段、弱め界磁4段、発電制動13段)
  • 駆動方式 - 中空軸平行カルダン駆動方式
  • 制動方式 - 発電制動併用電磁直通空気制動(応荷重制御器、保安ブレーキ、自動空気ブレーキ付)
  • 冷房装置 - 交流式ユニットクーラー(屋根上に設置) 

新旧番号対照編集

えちぜん鉄道の車両番号 - 愛知環状鉄道の形式・車両番号の順

MC6001形
6001 - 旧100形103
6002 - 旧100形108
MC6101形
6101 - 旧100形101
6102 - 旧100形102
6103 - 旧100形104
6104 - 旧300形302
6105 - 旧300形301
6106 - 旧300形303
6107 - 旧100形107
6108 - 旧100形109
6109 - 旧100形105
6110 - 旧100形106
6111 - 旧300形304
6112 - 旧300形305

脚注編集

注釈編集

  1. ^ 京福電気鉄道からの引き継ぎ車両であるMC1101形MC2201形MC5001形もMT46型主電動機を搭載するが、これらの車両では直列制御に加えて並列制御を行うため問題とならなかった。

出典編集

参考文献編集

  • 寺田裕一 「ローカル私鉄車輌20年 第3セクター・貨物専業編」 - JTB ISBN 4-533-04512-X(2002年)

外部リンク編集