東京湾フェリー
東京湾を横断する貨客フェリー
東京湾フェリー株式会社(とうきょうわんフェリー)は、神奈川県横須賀市に本社を置く海運会社。同市久里浜から東京湾を横断し、千葉県富津市金谷までを結ぶ貨客フェリーを運航している。
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種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
![]() 〒239-0831 神奈川県横須賀市久里浜八丁目17番5号 |
業種 | 海運業 |
法人番号 |
9021001041956 ![]() |
事業内容 | 貨客フェリーの運航 |
代表者 | 齊藤昌哉(代表取締役社長) |
資本金 | 1億円 |
純利益 | ▲5億3942万8000円(2020年03月31日時点)[1] |
純資産 | 4億0753万7000円(2020年03月31日時点)[1] |
総資産 | 12億1412万3000円(2020年03月31日時点)[1] |
決算期 | 3月末日 |
外部リンク | http://www.tokyowanferry.com/ |
概要編集
東京湾の入口にあたる浦賀水道を横断し、三浦半島と房総半島を約40分で結んでいる。なお、この航路は国道16号並びに太平洋岸自転車道における実質的な海上区間を成している[2][3]。
2008年6月より、乗船券の支払いにクレジットカードのほかにPASMOを利用できるようになった。鉄道のIC乗車カードで乗船券を購入できるようになったのは、日本で初めてのことである[4]。
沿革編集
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- 1947年 - 閉鎖機関令による指定を受け、特別清算。
- 1957年9月 - 新規発足。
- 1960年5月 - 久里浜港 - 金谷港間航路で2隻による自動車航送を開始[7]。
- 1962年 - 社名を東京湾フェリーに変更。
- 1964年3月28日 - 浦賀港 - 金谷港間航路を廃止。
- 1966年 - 3隻態勢に移行[7]。
- 1966年7月11日 - 横浜港 - 木更津港間航路就航。
- 1972年9月30日 - 横浜港 - 木更津港間航路を廃止。
- 2008年6月 - PASMOが利用できるようになる(2013年3月までに交通系ICカード全国相互利用サービス対応カード9種類が利用できるようになる)
- 2010年3月 - 利用客の減少に伴い3隻態勢から2隻態勢に変更[7]。
航路編集
全盛期は3隻による運航を続け、1994年度には年間利用客は約280万人に達した[7]。
その状況を一変させたのが、1997年(平成9年)12月18日に開通した東京湾アクアラインである。翌年度(1998年)の年間利用客は約194万人にまで減少した[7]。
これに追い打ちをかけたのが、2009年8月のアクアライン通行料金のETC普通車800円への値下げで、同年度の年間利用客は約98万人まで落ち込み[7]、輸送車両数も値下げ前の2008年度より約3割減少したため[8]、2010年以降は2隻での運航となっている。
- 所要時間:約40分
- 出航時間:6時20分から19時30分まで
- 運航間隔:約1時間おき(ドック期間を除く)
船舶編集
就航中の船舶編集
- 1991年8月竣工、1992年4月就航。3,580総トン、全長79.0m、幅16.7m、出力4,400ps、航海速力13.5ノット(約24km/h)、最高速力15.0ノット。
- 旅客定員580名。車両積載数:トラック36台・乗用車110台・バス16台。新浜造船所(玉野)建造。
- 1989年6月竣工、同年12月就航、2000年改造。3,351総トン、全長79.1m、幅18.0m、出力4,400ps、航海速力13.5ノット(約24km/h)、最高速力15.0ノット。
- 旅客定員580名。車両積載数:トラック36台・乗用車110台・バス16台。住友重機械工業(浦賀)建造。
過去に就航していた船舶編集
- くりはま丸 (初代)
- 497総トン、全長43.70m、幅12.19m、深さ3.7m、最大速力14.0ノット、旅客定員700名、トラック12台、大型バス9台、乗用車35台
- かなや丸 (初代)
- 496総トン、全長43.70m、幅12.19m、深さ3.7m、最大速力14.1ノット、旅客定員700名、トラック12台、大型バス9台、乗用車35台
- きさらづ丸 (初代)
- よこはま丸
- 492総トン、全長47.28m、幅13.35m、深さ3.4m、最大速力14.0ノット、旅客定員700名、トラック13台、大型バス10台、乗用車45台
- きさらづ丸 (2代)
- 498総トン、全長47.28m、幅13.35m、深さ3.4m、最大速力13.9ノット、旅客定員700名、トラック13台、大型バス10台、乗用車45台
- とうきょう丸
- 584総トン、全長47.31m、幅13.40m、深さ3.5m、最大速力13.9ノット、旅客定員700名、トラック13台、大型バス10台、乗用車45台
- くりはま丸 (2代)
- 新かなや丸
- 888総トン、全長57.41m、幅13.70m、深さ3.96m、最大速力15.7ノット、旅客定員1000名、トラック22台、大型バス15台、乗用車70台
- くりはま丸 (3代)
- 1017総トン、全長67.5m、旅客定員590名、トラック27台、大型バス16台、乗用車75台
- かなや丸 (2代)
- 1199総トン、全長71.2m、最大速力13.0ノット、旅客定員580名、トラック30台、大型バス16台、乗用車90台
- しらはま丸 (初代)
- 1969年4月就航、田熊造船建造、東京湾フェリー史上、唯一の両頭船。
- 1599総トン、全長77.5m、幅16.4m、深さ4.9m、ディーゼル1基、3,400馬力、航海速力13.0ノット、旅客定員720名、トラック35台、大型バス19台、乗用車90台
- くりはま丸 (4代)
- 1986年1月竣工、同年7月就航、2001年改造。2,796総トン、全長78.8m、幅16.3m、出力3,200ps、航海速力13.0ノット(約24km/h)、最高速力15.0ノット。
- 旅客定員570名。車両積載数:トラック36台・乗用車110台・バス16台。林兼造船(長崎)建造。
- 2009年度決算発表でくりはま丸は経費節減のため売却する方針となり2010年からの3隻運航取りやめにより運航から離脱。同年7月にフィリピンのセブ島に売船された。
本社・支店編集
- 本社
- 神奈川県横須賀市久里浜8-17-5
- 支店
- 久里浜支店 - 神奈川県横須賀市久里浜8-17-20(久里浜港)
- 金谷支店 - 千葉県富津市金谷4303(金谷港)
アクセス編集
鉄道・路線バス編集
久里浜港
金谷港
道路編集
久里浜港
金谷港
連絡運輸制度編集
脚注編集
- ^ a b c 東京湾フェリー株式会社 第63期決算公告
- ^ “1400キロ自転車道の整備加速 五輪機に訪日客呼び込みへ 太平洋沿い、銚子~和歌山”. 千葉日報(2019年4月18日作成). 2019年4月18日閲覧。
- ^ “2020 年東京オリンピック・パラリンピック までに太平洋岸自転車道をつなぐ取り組み ~第1回太平洋岸自転車道推進協議会の開催について~”. 国土交通省関東地方整備局道路部(2018年11月26日作成). 2019年4月18日閲覧。
- ^ 『PASMO』で東京湾フェリーも乗船できます。(報道発表資料) - 京浜急行電鉄(2008年5月29日)
- ^ 1939年に設立された同名の会社(1947年、GHQ命令による在外資産封鎖に伴い解散)とは別法人。
- ^ 松井邦夫『日本商船・船名考』海文堂出版、2006年、227頁。ISBN 4-303-12330-7。
- ^ a b c d e f “アクアラインで大打撃…東京湾フェリー、新たな活路”. 朝日新聞デジタル. 朝日新聞社 (2018年11月10日). 2019年1月5日閲覧。
- ^ フェリー3割減 タクシーは増加 公共交通機関に明暗 アクアライン値下げ実験千葉日報2011年6月14日
- ^ 発券される切符は大判のもので、鉄道駅の自動改札機を通過することはできない。
- ^ “東京湾フェリー往復きっぷ”. 京浜急行電鉄. 2021年1月14日閲覧。
- ^ 各駅の自動券売機で購入可能。鉄道・バス乗車券とフェリー乗船券の2枚が発行され、前者は自動改札機も利用可能。有効期限は発売日から4日間。
参考文献編集
- 京成電鉄編 『京成電鉄五十五年史』 京成電鉄、1967年。
- 社団法人 日本海運集会所編 『日本船舶明細書I』2008年版 社団法人 日本海運集会所、2007年。