松尾 新吾(まつお しんご、1938年5月19日 - )は、日本実業家。2007年6月から九州電力会長を務めた[3]九州経済連合会第7代会長、東京大学赤門学友会副会長、日本相撲連盟会長などを歴任し、現在は日本会議福岡会長を務める[4]

まつお しんご

松尾新吾
生誕 (1938-05-19) 1938年5月19日(86歳)[1]
日本の旗 日本 長崎県[2]
国籍 日本の旗 日本
出身校 熊本高校
東京大学
職業 実業家
活動期間 1963 - 現在
肩書き 九州電力 相談役
九州経済連合会 名誉会長
下記参照
任期 九電社長(2003 - 2007)
九電会長(2007 - 2012)
九経連会長(2009 - 2013)
前任者 鎌田迪貞(九電会長、九経連会長)
後任者 眞部利應(九電社長)
貫正義(九電会長)
麻生泰(九経連会長)
運動・動向 日本会議
山本幸三を財務大臣にする会
歴史問題正常化全国協議会
小川洋後援会長
美しい日本の憲法をつくる国民の会
取締役会 九州電力
日本原燃
日本郵政
ホテルオークラ福岡
配偶者 松尾英子
親戚 松尾博士(従甥)
松尾美代子(従甥嫁)
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玄海原発川内原発の再稼働については強硬に進めていて、やらせメール事件が発覚した当時の九電会長である。やらせメール事件の翌年になって九電会長を辞任し、相談役となったが、その際、原子力大国であるフランスからレジオン・ドヌール勲章が授与された。

生出および学歴等

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長崎県 佐世保市の出身[2]熊本県立熊本高等学校を卒業。1963年に東京大学法学部を卒業[5]。 若い頃は、人付き合いが苦手だったそうで、新入社員時代は同僚たちに溶け込めるかすら不安に感じていた[6][信頼性要検証]

熊本高校同窓会(江原会)の副会長、福岡江原会の会長を務め、2010年に行われた熊本高校の創立110周年記念フォーラムでは「リーダーの資質」について講演した[7]。 また、東京大学同窓会の赤門学友会の副会長、福岡銀杏会の会長も務める。

2019年11月3日発令の秋の叙勲で、旭日大綬章受章[8][9]

発言・業績等

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  • 従兄弟(いとこ)の息子である松尾博士と その妻の松尾美代子社長が経営する福岡市の建設会社キューコーに依頼されゼネコンに口利きをおこない、この建設会社が2005年から2010年度に玄海原発川内原発などの九州電力が発注した工事において5億3000万円分の分担を受注していた。本人もこのことを認めている[10][11]
  • 2006年3月22日、「聖教新聞」創刊55周年祝賀パーティーが福岡市内で盛大に行われ、九州7県から来賓約800人が出席。その席で松尾は、「わが社の設立と同年に創刊した聖教新聞が、550万部に発展したのは、創価学会の平和・文化・教育運動に、多くの人々が共鳴している証左です。私も、人間を育てる明確な哲学に共感を覚えます」と語った[12]
  • 2006年12月13日、創価大学 経営学部で「天 行 鍵」というタイトルで講義を行った[13]
  • 2007年6月、プルサーマル問題で荒れる中、末席の取締役であった眞部利應を、上席の取締役14人を抜いて後任社長に昇格させるという異例の人事を行った。松尾は以前から「役員の任期や数を設定し直す。新しい考え方、体制でスタートする」と語っていた[14]
  • 2009年3月31日、九経連の理事会で松尾新吾は「道州制が導入されれば、その州都は歴史的、文化的、そして地理的に九州の中心という意味で、熊本市が最適」という持論を表明している[15]
  • 月刊『致知』2010年8月号のインタビューで、「穴は深く掘れ。直径は自ずから広がる」という言葉に出会い、これを自分なりに仕事と人脈に当てはめて解釈したと語った。また、日本の未来を謀るのに三つの物差しとして「行政改革」、「国防」、「教育」があり、しかし、どれも30年前から変化がなく、特に教育は深刻であると語った[16]
  • 創価学会 聖教新聞社の「潮」2011年2月号にて、「今の日本社会に最も欠けているもの。それは人を育てる哲学」と九州電力の松尾新吾会長は論じていた。その現代にあって、創価学会には、池田大作名誉会長の「人を育てる哲学」が脈打っていることを高く評価していた[17]
  • 朝日新聞の取材に対し、東京電力福島第一原子力発電所の事故をきっかけに定期検査中の原発の運転再開が遅れていることについて「車検の済んだ車に乗るなというようなもの。エモーショナル(感情的)な側面がもたらした一種の風評被害」と述べた[18]
  • 2011年7月10日、自宅前に詰めた複数の記者に向けて、インターホン越しに取材に応じた際、「(九州電力は玄海原発が再稼働しないために)500億円くらいの赤字になっています。(玄海原発を)稼働するように、あなたたちも言ってくださいよ。本当にお願いします。車検が終わった車に乗ってもいいじゃないかとみんなで言ってくれれば、明日からでも動くのです。ぜひ、そういうふうに(世論)誘導してください」[19]
  • やらせメール問題が発覚し、海江田万里経済産業大臣が眞部利應社長の辞任を求めたが、「会社のことは取締役会で決める」と反発した。眞部社長は7月に行われた衆議院予算委員会で「自分に全責任はある」として辞意を表明し松尾会長に辞表を提出したが、後に撤回し続投を表明した [20]
  • やらせメール問題の中立的な調査のために設けた第三者委員会が、やらせメール問題に佐賀県が関わっていたとの報告を行ったにもかかわらず、これを九州電力の最終報告書に盛り込まなかった。この件に関し枝野幸男経済産業相から「理解不能だ」と批判された[21]
  • やらせメール問題に関し、役員報酬を3か月間全額返上する処分が課された[22]。この処分について「他の企業、産業の事例を見ても重い」とコメントしている。
  • やらせメール問題をめぐる渦中の2011年10月16日に行われた日本会議福岡の会長就任記念大会において、「日本人が忘れかけている良識を、力を合わせて取り戻そう」と呼びかけたものの[23]世論の風当たりが強くなり、それに追い打ちをかけたのが、東京電力勝俣恒久会長、西沢俊夫社長の辞任発表であった。東電のトップ辞任の報道により追い込まれた形で、2012年3月31日付けで眞部利應社長と共に辞任し、取締役の付かない相談役に退くことが2011年12月26日に発表された。
  • 2012年3月29日に原子力大国であるフランス共和国のニコラ・サルコジ大統領の決定により、レジオン・ドヌール勲章『シュヴァリエ』を受章した。授与者は在日フランス大使館特命全権大使であるクリスチャン・マセ閣下であった[24]
  • 2012年9月24日、朝日新聞のインタビューで、民主党 野田政権が世論をふまえて「脱原発」を決めたことに対して「拙速」と批判し、日本が「経済発展してきたのは、原子力を根幹に据えてやってきたから」だとして原発のコスト面の優位性を強調した[25]。事故の賠償のコストには「本来は国が責任を持つ」べきだと述べ、九州電力で原発の比率は「7割8割にすべき」だという立場を述べた[25]
  • 九電寄付金の停滞について「原発が再稼働すれば何てことない」と発言。その後、発言を撤回した[26]
  • 2013年10月、中華民国建国102周年を記念する「国慶節」パーティーが福岡市内で開かれた。松尾新吾は九経連名誉会長として、「200億円を超える義援金を個人の裁量で出す心遣いなどから.台湾とは『ビジネス』だけではない深い繋がりを感じる。八田与一さんのような貢献者も『大事な存在』として大切に受け止めていただいている」と台湾に対する思いを述べた[27]

職歴

編集

参照

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  1. ^ a b 臨時報告書(代表取締役の異動) 平成24年1月16日 九州電力
  2. ^ a b 松尾新吾 九州電力【元社長データ】、企業家人物事典、2007年4月10日
  3. ^ 九州電力 松尾新吾 略歴
  4. ^ 役員紹介”. 日本会議福岡. 2024年1月18日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 履歴書 平成24年1月12日 九州電力
  6. ^ 「穴は深く掘れ。直径は自ずから広がる」、エステート・リード パラダイム、2010年7月29日
  7. ^ a b 立志篤行110 年 - 創立110周年祝賀大会、熊本県立熊本高校同窓会、2010年10月30日
  8. ^ 『官報』号外第151号、令和元年11月5日
  9. ^ 秋の叙勲、柄本明さんら4113人 伊達忠一氏に桐花大綬章”. 日本経済新聞 (2019年11月3日). 2023年1月20日閲覧。
  10. ^ 九電会長の親族企業、九電から5億円受注、朝日新聞、2011年9月27日
  11. ^ 九電会長のご威光 親族会社(株)キューコー(1)、ネットアイビーニュース、2011年10月11日
  12. ^ 信濃町探偵団――創価学会最新動向(2006/4/15)、フォーラム21、2006年4月15日
  13. ^ 過去に講義されたトップの方々の一覧、創価大学 経営学部、2006年12月13日
  14. ^ 眞部新体制の発進(九電の光と影)、ネットアイビーニュース、2007年7月2日
  15. ^ a b 「九経連会長に松尾・九電会長・・」・・31日の理事会で内定、くまもと経済、2009年3月31日
  16. ^ リーダーの思いが経営を決める 、致知出版社、2010年8月
  17. ^ 名字の言、SEIKYO online、2011年1月31日
  18. ^ 原発の再開遅れを「風評被害」と発言 九電会長、朝日新聞社、2011年6月30日
  19. ^ 松尾新吾九州電力会長 「ぜひ、そういうふうに誘導してください。」、週プレNEWS、2011年7月19日
  20. ^ 経産相批判にも強気=第三者委「終わったこと」―九電、朝日新聞、2011年10月14日
  21. ^ 経産相、九電会長と社長批判 「理解不能」、朝日新聞、2011年10月16日
  22. ^ 九州電力やらせ、関係した役員を処分、レスポンス、2011年10月17日
  23. ^ 日本に良識取り戻そう 日本会議福岡、松尾会長就任記念大会開催、MSN、2011年10月17日
  24. ^ 代表取締役会長 松尾新吾「レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ」受章について」、九州電力、2012年3月29日
  25. ^ a b 「脱原発の民意多数と思わぬ 原発比率7割8割に 松尾九経連会長インタビュー」、朝日新聞朝刊6ページ、2012年9月25日
  26. ^ 九電相談役:「再稼働すれば何てことない」発言に尾を引く九不信 佐賀県議会「体質変わらぬ」 2013年06月23日 毎日新聞
  27. ^ 中華民国建国102周年を記念する「国慶節」パーティ、福岡で開催台湾新聞 BLOG、2013年10月16日
  28. ^ 役員人事について、日本原燃株式会社、2003年6月30日
  29. ^ ニュース、日本ラグビーフットボール協会、2004年6月5日
  30. ^ 委員名簿、福岡県国民保護協議会、2005年8月2日
  31. ^ 事業報告書|2006年度、原子力発電環境整備機構、2007年3月31日
  32. ^ 事 業 報 告 書、筑紫女学園、2007年5月1日
  33. ^ 勝俣電事連会長 定例会見要旨、電気事業連合会、2007年6月15日
  34. ^ 委員名簿、電気事業分科会、2007年6月19日
  35. ^ 役員名簿、九州システム情報技術研究所、2007年7月1日
  36. ^ 松尾新吾九州電力会長を後援会会長に発足 熊本をどり後援会 熊本の伝統芸能復興に、くまもと経済、2008年1月15日
  37. ^ 九州フランスパートナーズクラブ設立福岡商工会議所、2008年4月24日
  38. ^ 名誉領事に眞部九州電力社長、福岡経済、2008年7月12日
  39. ^ 平成18年度、新エネルギー・産業技術総合開発機構、2008年9月11日
  40. ^ 王最高顧問の個人後援会「王友会」が解散、福岡ソフトバンクホークス、2008年12月9日
  41. ^ 早稲田佐賀学園(仮称)、九州電力、2009年2月2日
  42. ^ 日本相撲連盟の新会長に松尾新吾氏、スポニチ Sponichi Annex、2009年3月18日
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  44. ^ 基本情報、九配記念育英会、2009年12月1日
  45. ^ 実行委員会、FUKUOKAみらいフェスタ、2009 - 2011年
  46. ^ 第3回「熊本元気塾」のご案内、 熊本市流通情報会館、2010年1月21日
  47. ^ 政懇40周年記念の集い 「参院選負ければ政界再編」 民主党・渡部氏が危機感、47news、2010年3月16日
  48. ^ 更生計画変更計画の認可決定および新役員等の就任について、ハウステンボス株式会社、2010年3月26日
  49. ^ 財団概要、九州大学学術研究都市推進機構、2010年4月1日
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  51. ^ pdf 設立について、九電工、2010年7月8日
  52. ^ 九州地域戦略会議、九州地方知事会、2010年10月
  53. ^ 役員一覧、赤門学友会、2010年11月1日
  54. ^ 北九州市、国際東アジア研究センター、2011年1月27日
  55. ^ 人それぞれ、ビジネス人生の結末は(31)~県民不在の知事選び、麻生渡知事の妄執(下)、ネットアイビーニュース、2011年2月11日
  56. ^ 平成23年度 官民連携主体による地域づくり推進事業の選定結果について、国土交通省、2011年7月6日
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  58. ^ 平成23年度 役員名簿、アビスパ福岡後援会blog、2011年12月20日
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  60. ^ 役員、九州農業成長産業化連携協議会、2012年3月26日
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  62. ^ 役員名簿、日本武道館、2012年6月29日
  63. ^ 定款、九州電気保安協会、2012年7月4日
  64. ^ 新常務に高柳健二オークラ東京取締役が就任、ふくおか経済、2012年7月10日
  65. ^ 役員名簿、九州ニュービジネス協議会、2012年9月12日
  66. ^ 発起人、映画『母しゃんの子守唄(仮題)』を支援する会、2012年10月31日
  67. ^ 特攻像建立報告、特攻勇士之像建立委員会、2012年12月8日
  68. ^ 組織、歴史問題正常化全国協議会、2012年12月10日
  69. ^ 概要 ‐ 宮崎県、東九州軸推進機構、2013年1月8日
  70. ^ 森田実の言わねばならぬ森田実の言わねばならぬ、2013年2月27日
  71. ^ 名簿、九州成長戦略アクションプラン推進協議会、2013年3月12日
  72. ^ 「ILCを九州に」 推進会議 国会議員にアピール 福岡、国際リニアコライダー計画、2013年3月28日
  73. ^ 第4回「企業交流会」開催のご報告、福岡証券取引所、2013年4月30日
  74. ^ 第77回生涯青春ゴルフ会、財界九州社友会、2013年6月18日
  75. ^ 九電工、異動ニュース、2013年6月26日
  76. ^ 協力企業・団体、子どもの村 福岡、2013年6月30日
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  78. ^ ステージⅡの委員構成、公益財団法人 阿蘇グリーンストック、2013年8月21日
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  81. ^ ご出席者登録簿、日本プロジェクト産業協議会、2013年12月17日
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  87. ^ 役員/常任理事名簿、福岡県文化団体連合会、2014年6月13日
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  90. ^ 主催者からのメッセージ、高校生のための日本の次世代リーダー養成塾の理事、2014年7月14日
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  97. ^ 役員、九州経済連合会、2014年10月1日
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  99. ^ 記念事業実施体制、九州大学百周年記念事業、2014年8月閲覧
  100. ^ 役員・組織、福岡日豪協会、2014年8月閲覧
  101. ^ 理事会|長崎|ゴルフ場、パサージュ琴海、2014年8月閲覧
  102. ^ 役員紹介、九州先端医療振興財団、2014年8月閲覧
  103. ^ 各地区江原会事務所、江原会、2014年8月閲覧
  104. ^ 肥後奨学会役員名簿、有斐学舎、2014年8月閲覧
  105. ^ 募金趣意書・賛同者名簿、福岡女子大学、2014年8月閲覧
  106. ^ 協会案内、西日本文化協会、2014年9月閲覧
  107. ^ 支援者の声、谷井ひろみ後援会 公式ウェブサイト、2014年9月閲覧