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東急5000系電車 (2代) > 横浜高速鉄道Y500系電車

横浜高速鉄道Y500系電車(よこはまこうそくてつどうY500けいでんしゃ)は、2004年平成16年)2月1日に営業運転を開始した横浜高速鉄道通勤形電車である。

横浜高速鉄道Y500系電車
Yokohama Minatomirai Railway Y500 Series Y517F.jpg
相互乗り入れ先の東横線を走るY500系Y517編成
(2019年6月3日 / 自由が丘 - 都立大学)
基本情報
製造所 東急車輛製造
主要諸元
編成 8両編成
軌間 1,067 mm
電気方式 直流1,500V
架空電車線方式
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.3 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.5 km/h/s
車両定員 先頭車141(座席48)人
中間車152(座席54または51)
車両重量 24.5 - 33.0t
編成重量 231.0t
全長 20,000(先頭車20,200) mm
全幅 2,800 mm
2,820 (Y517編成) mm
全高 4,050 mm
台車 ボルスタレス台車 TS-1019A・TS-1020A
主電動機 かご形三相誘導電動機 190kW
駆動方式 TD継手式中実軸平行カルダン駆動方式
歯車比 87:14=6.21
編成出力 3,040kW
制御装置 IGBT-VVVFインバータ制御
制動装置 ATC連動回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ全電気ブレーキ
保安装置 ATC-P新CS-ATCT-DATC東武形ATS西武形ATSATO
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概要編集

2004年(平成16年)2月1日横浜高速鉄道みなとみらい線開業および、同線と東京急行電鉄(東急)東横線との相互直通運転開始に伴い、横浜高速鉄道保有の車両として製造された車両であり、8両編成6本(計48両)が製造された。東急5000系・5080系との共通設計であり、東急車輛製造製の20m級4ドア、直流1,500V架線集電方式、軽量ステンレス鋼製車体である。2003年(平成15年)9月9日から2004年(平成16年)1月にかけて搬入された。入籍日は、一部を除く車両がみなとみらい線の開業日である。

本系列の設計に当たっては「標準化による低コスト化」「快適な移動空間の提供」「環境へのやさしさ」を基本としている。

特徴・外観編集

保守費用および設計費用の削減を目的として東急5000系・5080系を設計のベースとしている。製造するにあたり基準とした車両設計は田園都市線仕様の5000系2次車であるが、車椅子スペース横の客用扉のドアレールの形状に違いがあること、乗務員室の車掌スイッチが間接制御式(リレー式)であることなど、細部において変更点も見られる。車内の各客用ドアの上部には15インチの液晶ディスプレイ (LCD・TIP) を2基設置し、左側は主にCMなどを放映する「TOQビジョン」、右側は次駅・乗り換え案内などをそれぞれ表示している[1]

前面および側面にはみなとみらい線のシンボルマークである「M」のマークが貼られている。これは同線の駅出入り口や駅構内のサイン表示にも同一仕様にて用いられている。

 
Y500系側面デザイン(2007年8月19日 / 綱島 - 大倉山)

車体のカラースキームは東急5000系列では、東急のコーポレートカラーである赤と運用される各路線のラインカラーを用いたシンプルなものであるのに対し、本系列では「ヨコハマの海」をイメージした鮮やかな青と「躍動感のある都市」をイメージした黄色のグラデーションで、「みなとみらい線」を象徴する「M」をモチーフとしたジグザグ模様を2両分の車端部に描き、FRP製の前頭部は「伸び行く都市」をイメージしたメタリックブルーに彩色されている。

また、屋根の絶縁体は青色としており、先頭車では運転室上部から空調装置手前まで2本の黄色のラインが描かれている。

乗降促進放送は東急・MM用ブザー、メトロ用メロディ、西武用チャイム、東武用ブザーの4種類搭載されている。

走行機器・台車なども東急5000系と同一仕様である。主回路制御装置は日立製作所製のIGBT素子によるVVVFインバータである。台車は東急車輛製の軸梁式ボルスタレス台車TS-1019A・TS-1020A形を使用する。

空調装置は61.05kW(52,500kcal/h)出力のものを奇数編成は三菱電機製、偶数編成は日立製作所製を搭載する。

種別幕編集

Y511~Y516編成の前面および側面の種別表示器は幕式、行先表示器運行番号表示器LED式だったが、後にY511~Y515編成の前面および側面の種別表示器はフルカラーLED式に変更された。Y517は前面・側面共にフルカラーLED式である。

内装編集

 
車内
(2007年4月8日 / 元町・中華街駅

内装についても基本的に東急5000系列と同一仕様であるが、異なる部分がいくつかある。まず、配色がライラック系の色調であり、化粧板・床材などは淡いパープル系の色調の車内である。側窓はUVカットの熱線吸収ガラスを使用して、カーテン設置を省略している。

座席は1人分の掛け幅が450mmで、モケットの配色は通常の座席が濃いピンク、優先席青色を基調色とする。モケットの柄には横浜の伝統産業である「横浜スカーフ」のイメージを採用した。直交する2本のロープとロープ線上に船の操舵輪とランプが白く浮かび上がり、昔の帆船で使用された滑車2つをロープで結んだデザインである。この柄は車体側面にもうっすらと施されている。

扉の開閉時のドアチャイムは東急5000系列より半音高く開扉時と閉扉時とで音色を逆転させている。各ドアには号車とドアの位置を点字シールを貼付して表示し、黒地に白文字のゴシック文字表示もおこない、弱視者にも見やすくしている。また、点字の読めない視覚障害者への案内として編成やドア位置は絵表示と凸型の配置で表示されている。

車椅子スペースは相互直通先の東急東横線に合わせて編成あたり2か所(2号車と7号車)に設置した。ホームにも可動式車椅子乗降装置(スロープ板)を設置し、車両とホームの隙間と段差を解消した。

つり革はすべて白色で、吊り輪形状は△形である。床面からの高さを1630mmを基本としながら、ユニバーサルデザインの一環として一部のつり革は100mm低くしている。

落成当初、車両中央部にも優先席(ステッカーおよび座席の色)を設けていた[2][3]。ところが、2003年9月に首都圏の鉄道事業者が一斉に実施した「優先席付近では電源を切り、それ以外の場所ではマナーモードに設定し通話は控える」というルールに変更したため、後に撤去され、結局は多くの車両で見られる車端部のみの設置となった。

編成編集

車両番号は、横浜高速鉄道を表すアルファベット「Y」とそれに続く3桁の数字で表される。3桁の数字のうち、百位は系列を表す「5」、十位は編成内の順位を表し、渋谷方から1,4,5,6,7,8,9,0の順に付与されている。一位は編成番号を表す。十位の2,3が欠番となっており、将来の10両編成化対応可能になっているほか、東急田園都市線用の5000系と形式番号を合わせることで、保守時の車両形式識別を容易にしている[4]

 
号車 1 2 3 4 5 6 7 8
形式 クハY510形
(Tc2)
デハY540形
(M2')
デハY550形
(M1)
サハY560形
(T2)
サハY570形
(T1)
デハY580形
(M2)
デハY590形
(M1')
クハY500形
(Tc1)
機器配置 SIV,BT VVVF CP CP SIV,BT VVVF
車両番号 Y511

Y515
Y517
Y541

Y545
Y547
Y551

Y555
Y557
Y561

Y565
Y567
Y571

Y575
Y577
Y581

Y585
Y587
Y591

Y595
Y597
Y501

Y505
Y507
凡例
  • VVVF:主制御装置
  • SIV:補助電源装置(静止形インバータ)
  • CP:電動空気圧縮機
  • BT:蓄電池

運用編集

  • 運用線区・所属 - みなとみらい線東急東横線元住吉検車区
    • 東急東横線本線系統の車両(5000系・5050系)との運用上の区別はなく、共通で運用されている。かつてのみなとみらい線開業後のダイヤでは、横浜駅への滞泊ならびに同駅出庫運用がY500系中心で運行されていた。
      • 2013年3月16日改正からは、8両編成の運用に使用されている。このため、東京メトロ副都心線を経由して、東武東上線志木駅まで、西武池袋線飯能駅[5]まで入線する。一方で東横線内の特急・通勤特急や副都心線内の急行・通勤急行やFライナーには原則として10両編成での運用となったため本系列は使用されないが、2017年5月5日にY514Fが所定10両編成での運用である56Kの代走を行った。
    • みなとみらい線開業前に行われた試運転では廃止前の桜木町駅や田園都市線の中央林間駅大井町線大井町駅にも乗り入れた。
    • 長津田工場での検査の際には目黒線・大井町線・田園都市線・こどもの国線を経由して回送される。
    • Y516Fは東急9000系9008Fとともに東横線新線区間とみなとみらい線内の乗務員訓練に使用され、2003年内に東白楽駅付近より開業前の同区間へ搬入された。

特別な運行編集

  • みなとみらい線沿線で開催されるイベントとタイアップしてヘッドマークを装着して運転したことがあった。
  • みなとみらい線関連では開業日である2004年2月1日よりY511Fが1か月間「祝 開業 みなとみらい線 元町・中華街←35分→渋谷」とデザインされたヘッドマークを装着した。また、それ以外の編成では「祝 相互直通運転開始 東横線・みなとみらい線」のステッカーを貼付して運転された。後者は東横線や目黒線の車両にも同様のステッカーが貼付された。
  • 開業1周年の2005年にはなかったが、開業2周年となる2006年以降は毎年1月下旬 - 2月下旬にかけてヘッドマークを装着して運転している。
    • 2006年(2周年)はY512Fに「みなとみらい線 開通2周年」のヘッドマークを装着した。
    • 2007年(3周年)はY513Fに「みなとみらい線 開通3周年」のヘッドマークを装着した。
    • 2008年(4周年)はY514F・Y516Fに2編成でデザインの異なる開通4周年のヘッドマークを装着して運転した。
    • 2014年(10周年)はY511FとY512Fに「みなとみらい線 開通10周年」のヘッドマークを装着して2014年1月27日から同年3月31日まで運転した[6]
    • 2019年(15周年)はY512Fに「みなとみらい線 開通15周年」のヘッドマークを装着して2019年1月28日から運用している[7]
    • また、2013年からはプロ野球球団横浜DeNAベイスターズのロゴのヘッドマークやステッカーを装着して運転している。
      • 2014年はY512Fが「YOKOHAMA DeNA BAYSTARS TRAIN」として運転された[8]
      • 2015年はY514とY515の2編成が「横浜DeNAベイスターズトレイン2015」として3月31日から運転[9]
      • 2016年は横浜DeNAベイスターズの選手の写真と球団ロゴをラッピングした2編成が「横浜DeNAベイスターズトレイン2016」として3月27日から運転[10]
      • 2017年も2編成が「横浜DeNAベイスターズトレイン2017」として運転したが、開始が7月31日と異例の遅さとなった[11]
      • 2018年は2編成が「横浜DeNAベイスターズトレイン2018」として3月26日から運転し、2年ぶりに開幕に間に合った[12]。更に同年9月10日から16日までは「ベイスターズトレイン ビクトリー号」として、車内広告やドアもベイスターズの選手やロゴで統一された電車が運行されていた[13]
      • 2019年はY517Fが「YOKOHAMA DeNA BAYSTARS TRAIN 2019」として運用中。5年ぶりに対象が1編成のみとなり、譲渡車では初のラッピングとなる[14]

廃車編集

 
追突事故当該となったY516編成(現在は廃車)

Y516Fは2014年2月15日に発生した東急東横線元住吉駅追突事故で、東急5050系5155F(クハ5855を先頭とする8両編成)に追突され、その後元住吉検車区に留置されていた。2014年6月30日から順次総合車両製作所横浜事業所に陸送されたが、修繕されることなく2017年10月に解体されている。2017年5月31日付でY516Fと東急5050系5156Fとの交換による譲渡が行われ[15]、Y516Fは同一番号のまま東急に入籍し、2017年6月21日付で廃車となった[16][17]。5156FはY517Fに改造 (塗装変更) し、2018年3月24日に運用を開始した[18]

同事故については東京急行電鉄と車両交換による損害賠償を行うという基本合意書を締結しており、平成28年度内の復旧に向けて東急保有車両の仕様変更・改修等の協議を進めることとなっていた[19]が、協議の内容確定に時間を要したため平成29年度に実施された[20]

脚注編集

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  1. ^ ただし終電間際やダイヤ乱れの際は「ご乗車ありがとうございます」の表示しか出ないことがある。
  2. ^ 開業前の横浜高速鉄道のホームページにおいても新型車両の特徴の一つとしてこれを挙げていた。
  3. ^ Y500系新車速報 〜特集 みなとみらい21線〜 - 鉄道ビジュアル情報サイト<首都圏Express>
  4. ^ 上口英一 「横浜高速鉄道Y500系」『鉄道ピクトリアル』740号、鉄道図書刊行会、2003年12月。
  5. ^ 西武有楽町線経由。
  6. ^ RM NEWS 【横浜高速鉄道】Y500系 みなとみらい線開業10周年記念ヘッドマーク
  7. ^ Y500系開業15周年記念のラッピング車 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2019年2月1日
  8. ^ 横浜高速鉄道「YOKOHAMA DeNA BAYSTARS TRAIN」運行 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2014年6月9日
  9. ^ 横浜DeNAベイスターズトレイン2015を運行します”. 横浜高速鉄道. 2015年5月14日閲覧。
  10. ^ 横浜DeNAベイスターズトレイン2016の運行について”. 横浜高速鉄道 (2016年3月24日). 2016年4月15日閲覧。
  11. ^ 『YOKOHAMA DeNA BAYSTARS TRAIN 2017』の運行及びみなとみらい線駅係員『YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2017』ユニフォーム着用について”. 横浜高速鉄道 (2017年7月18日). 2018年10月24日閲覧。
  12. ^ 横浜DeNAベイスターズトレイン2018の運行について”. 横浜高速鉄道 (2018年3月23日). 2018年10月24日閲覧。
  13. ^ 3社連携で初の取り組み 「ベイスターズトレイン ビクトリー号」の運行が決定!”. 横浜高速鉄道 (2018年8月24日). 2018年10月24日閲覧。
  14. ^ 『YOKOHAMA DeNA BAYSTARS TRAIN 2019』の運行ほかについて”. 横浜高速鉄道 (2019年3月22日). 2019年4月25日閲覧。
  15. ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2018』交通新聞社、2018年、198頁。
  16. ^ ジェー・アール・アール編『私鉄車両編成表 2018』交通新聞社、2018年、196頁。
  17. ^ 「大手私鉄車両ファイル 車両データバンク」『鉄道ファン』2018年8月号付録、交友社。
  18. ^ 横浜高速鉄道Y500系Y517編成が営業運転を開始 - 交友社『鉄道ファン』railf.jp 鉄道ニュース 2018年3月30日
  19. ^ 横浜高速鉄道株式会社 有価証券報告書 第28期(平成27年4月1日-平成28年3月31日) - 投資関係がわかる「有報速報」
  20. ^ 横浜高速鉄道株式会社 有価証券報告書 第28期(平成27年4月1日-平成28年3月31日) - EDINET