沼田場

動物の泥浴び場

沼田場(ヌタ場、ぬた場[1]、ぬたば、英語: wallow[2][3]ドイツ語: Suhle[4])とは、イノシシシカなどの動物が、表に付いているダニなどの寄生虫や汚れを落とすためにを浴びる場所のこと[5]の畔、休耕田[6]など。ノタ場とも[7]

概説編集

 
イノシシのぬた場。ジョージアリカニ英語版近郊のボルジョミハラガウリ国立公園グルジア語版英語版内にて。2016年2月27日。
 
泥につかったイボイノシシセネガルガンビア国境付近のファサラ動物保護区(: Fathala Wildlife Reserve)にて。2016年2月27日。北緯13度38分45秒 西経16度26分59秒 / 北緯13.6459度 西経16.4498度 / 13.6459; -16.4498

谷筋の一定の場所が繰り返し使われることがある[7]。 日本の猟師の間ではぬた場に、山の神がいて、祈ることでが現れると考えられていた[1]

日本の神奈川県東丹沢地域での観察によれば、ヌタ場で最も多い行動は動物の種類、ニホンジカ、イノシシ、タヌキアナグマによって異なるとことが判明した。ニホンジカは飲水(オスに限るとヌタ浴び)、イノシシはヌタ浴び、タヌキとアナグマは臭い嗅ぎが最も多い行動で、ニホンジカのメスにとってヌタ場は塩場英語版としての機能も有している可能性があることが報告されている[8]

体表をきれいにする行動には、大型哺乳類泥浴び英語版 のほか、スズメなど鳥類砂浴びヒト入浴にも該当する水浴び などがある。

関係する表現編集

「沼田(ぬた)」だけで、泥の深い田んぼのことさし、イノシシの寝床、あるいは泥土をさす場合もある[9]

イノシシや獣が泥土の上をころげまわる様は、「ぬたうつ」(あるいは「のたうつ」)といい[10]、その行動は「ぬたうち英語版(ぬた打ち)」[11]、あるいは「ヌタ浴び」[12]と表現される。

脚注編集

  1. ^ a b 新村出編『広辞苑』(第五版)岩波書店、1998年。ISBN 4000801112
  2. ^ wallowの意味 - goo辞書 英和和英
  3. ^ wallowの意味・用例英辞郎 on the WEB:アルク
  4. ^ 三省堂『クラウン独和辞典(第3版)』(2002年。ISBN 4385120080)において、「イノシシ・シカなどが泥浴びをする泥水の水たまり」とある。
  5. ^ デジタル大辞泉沼田場』 - コトバンク
  6. ^ 藤ノ木正美 2010
  7. ^ a b 世界大百科事典 第2版『ノタ場』 - コトバンク
  8. ^ 佐野千尋 et al. 2019
  9. ^ 大辞林 第三版、デジタル大辞泉『沼田』 - コトバンク
  10. ^ 大辞林 第三版、デジタル大辞泉『ぬたうつ』 - コトバンク
  11. ^ 鹿の「ぬたうち」って何? | DEER INFO-日本で唯一の鹿情報総合サイト
  12. ^ 佐野千尋 et al. 2019

出典・参考文献編集

  • 藤ノ木正美「雪深い地方で越冬するイノシシ(十日町清津峡)」『柏崎市博物館報』第24巻、柏崎市博物館、2010年、 107-110頁。柏崎市立博物館館報:第21号~第25号|柏崎市
  • 佐野千尋大川智也鹿島惇平米地梨紗子糟屋奈津実黒澤亮松林尚志「神奈川県東丹沢地域における中大型哺乳類のヌタ場利用」『哺乳類科学』第59巻第1号、日本哺乳類学会、2019年、 37-48頁、 doi:10.11238/mammalianscience.59.37ISSN 0385-437X
  • 船越公威野生動物の痕跡を探そう : 意外に身近にいる野生動物たち」『Nature of Kagoshima』第42巻、鹿児島県自然環境保全協会、2016年3月、 527-537頁、 ISSN 1882-7551


関連項目編集

外部リンク編集