おひつじ座

黄道十二星座の一つ
牡羊座から転送)

おひつじ座(おひつじざ、牡羊座、Aries)は、黄道十二星座の1つ。トレミーの48星座の1つでもある。

おひつじ座
Aries
Aries
属格 Arietis
略符 Ari
発音 発音: [ˈɛəriːz]、正式には/ˈɛərɪ.iːz/; 属格:/əˈraɪ.ɨtɨs/
象徴 the Ram
概略位置:赤経 3
概略位置:赤緯 +20
広さ 441平方度 (39位
主要恒星数 3, 10
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
67
系外惑星が確認されている恒星数 4
3.0等より明るい恒星数 2
10パーセク以内にある恒星数 2
最輝星 α Ari(2.01
最も近い星 ティーガーデン星;(12.5光年)
メシエ天体 0
流星群 おひつじ座五月流星群
おひつじ座秋季流星群
おひつじ座δ流星群
おひつじ座ε流星群
おひつじ座白昼流星群
おひつじ座-さんかく座流星群
隣接する星座 ペルセウス座
さんかく座
うお座
くじら座
おうし座
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主な天体編集

恒星編集

おひつじ座の主な星は、α星と β星の2つ。以下の恒星には、国際天文学連合によって正式に固有名が定められている[1]

  • α星:ハマル (Hamal) は、おひつじ座で最も明るい恒星で、唯一の2等星[2]
  • β星:おひつじ座で2番目に明るい恒星で、3等星。A星はシェラタン (Sheratan) という固有名を持つ。
  • γ星:ほぼ同じ明るさの2つの恒星からなる美しい二重星として知られ、γ2星Aはメサルティム (Mesarthim) という固有名を持つ。
  • δ星:ボタイン (Botein) という固有名を持つ。
  • 39番星:「北のユリ」を意味するリリーボレア (Lilii Borea) という固有名を持つ。
  • 41番星:Aa星はバラニー (Bharani) という固有名を持つ。

上記以外で、以下の星が知られている。

星団・星雲・銀河編集

どれも暗く、望遠鏡でもかすかにしか見えない。

由来と歴史編集

紀元前500年頃に制作されたとされる古代メソポタミアの粘土板文書『ムル・アピン英語版』では、「雇夫」と呼ばれる麦播きの農繁期に雇われる日雇い農夫を指すアステリズムであった[3]。この雇夫は、現在「ペガススの四辺形」と呼ばれているペガスス座α星β星γ星アンドロメダ座α星からなるアステリズムである「野(耕地)」を耕すものとされた[3]。「男」と「」を表す言葉の発音が共に「ル (lu)」であったことから、羊と同一視されるようになったとされる[3]

神話編集

ギリシア神話では、ボイオーティアアタマースの息子プリクソスと娘ヘレ双子の兄妹が、継母イーノーの悪巧みによって生贄にされそうになったときに、ゼウスが遣わして二人を乗せて逃げた金の毛皮を持つ雄羊だという[4]。ヘレは羊が走る途中に手が滑り、現在のダーダネルス海峡に落ちて溺れ死んでしまった[4]。そのため、ギリシアではこの海を「ヘレの海」を意味する「ヘレースポントス (Έλλης πόντος)」と呼んだ[4]。プリクソスは逃亡先のコルキスでこの羊を生贄に捧げ、その金羊毛を当地の王アイエテスに贈った[注 1]。この羊の皮を手に入れるための冒険がアルゴー号アルゴ座)の冒険、アルゴナウタイ神話である[4]

呼称と方言編集

中国
おひつじ座は、二十八宿婁宿胃宿昴宿に跨っている[4]。α星、β星、γ星の3星は婁宿の星官「婁」を成す[4]。μ星、ν星、ο星、π星、σ星の5星からなる婁宿の星官「左更」は山林を管理する官職を指す[4]。35番星、39番星、41番星の3星からなる胃宿の星官「胃」は穀倉を指すとされる[4]。昴宿に属するδ星、ζ星を含む5つの星は星官「天陰」を成す[4]。同じく昴宿のHD 20644は単独で星官「天河」を成す[4]
日本
二十八宿の婁宿を「たたらぼし」と訓読みしていた[5]

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 偽エラトステネスは、雄羊自身が金羊毛を脱ぎ捨ててプリクソスに贈ったものとしている[4]

出典編集

  1. ^ IAU Catalog of Star Names (IAU-CSN)”. 国際天文学連合 (2021年1月1日). 2022年2月3日閲覧。
  2. ^ * alf Ari -- High proper-motion Star”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2013年1月23日閲覧。
  3. ^ a b c 近藤二郎 『わかってきた星座神話の起源 古代メソポタミアの星座』誠文堂新光社、2010年、56-57頁。ISBN 978-4-416-21024-6 
  4. ^ a b c d e f g h i j k Ridpath, Ian. “Aries”. Star Tales. 2022年2月5日閲覧。
  5. ^ 原恵 『星座の神話 - 星座史と星名の意味』(新装改訂版第4刷)恒星社厚生閣、2007年2月28日、210頁。ISBN 978-4-7699-0825-8 

座標:   03h 00m 00s, +20° 00′ 00″