アンフィコエリアスAmphicoelias)(両端がくぼんだ脊椎)は史上最大とされる竜脚類の一種。

アンフィコエリアス
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
上目 : 恐竜上目 Dinosauria
: 竜盤目 Saurischia
亜目 : 竜脚形亜目
Sauropodomorpha
下目 : 竜脚下目 Sauropoda
: ディプロドクス科?
 ?Diplodocidae
: アンフィコエリアス
Amphicoelias
  • A. altus
  • ?A. fragillimus

模式種はアンフィコエリアス・アルトゥスA. altus)で、断片的な化石より推定した体長は25 mとされる。アルトゥス種の記載者であるE. D. コープは1877年に自身が発見した1本の脊椎骨(背骨)の化石を、この属の恐竜のものと推定した事からアンフィコエリアス・フラギリムスA. fragillimus)と命名した。特筆すべきは、その脊椎骨の断片は1500mm(復元すると約2.4m)あったといわれており、そこからアンフィコエリアス・アルトゥスが属するとされるデイプロドクス類を参照にすると、推定されるアンフィコエリアス・フラギリムスは全長はおよそ60 m超、体重およそ150tという超大型の竜脚類だったことになる。しかし、コープにより発見された唯一の物証であるその脊椎骨は、発掘されたコロラド州モリソンからニューヨークアメリカ自然史博物館へ輸送する過程で[要出典]、紛失してしまい所在は今も分かっていない。現在はコープによる不十分な化石についての記録と写生だけが残されている。そのため、アンフィコエリアス・フラギリムス自体の存在が怪しいものとされている(巨大な脊椎骨とされたのは単なる木の幹化石だった、1500mmは1050mmのタイプミスだったなどという説もある)。

ケネス・カーペンターはアンフィコエリアス・フラギリムスの記録を再検証した結果、この化石の記録からレッバキサウルス類の特徴がみられることに注目した。カーペンターはレッバキサウルス類をモデルにコープの記録を当てはめると、およそ30m超の(より「現実的」な数値の)体長を有する大型のレッバキサウルス類が想定されるとし、アンフィコエリアス・フラギリムス改めマラアプニサウルスMaraapunisaurus)という新属を提唱している。

なお、現時点で知られている史上最大級の恐竜は、体長面で35メートルのマメンチサウルス、33メートルのディプロドクスセイスモサウルス)、同じく33メートルのスーパーサウルス、30メートルのフタロンコサウルス等、重量面でアルゼンチノサウルスサウロポセイドンドレッドノータス等である。

関連項目 編集