証券コード

日本の証券取引所に上場する企業に対し「証券コード協議会」が付与する識別番号

証券コード(しょうけんコード)は、日本証券取引所上場する企業に対し証券コード協議会が付与するアラビア数字で構成(2023年までに上場承認の場合)される識別番号。銘柄コード新証券コードISINコード、証券会社等標準コードなどがある。一般的に、証券コードとは銘柄コード(4桁)のことを指す。なお、証券コードは株式会社東京証券取引所登録商標である。

海外の証券取引場で使用される、証券に与えられたコードのことを証券コードと称することもある。日本の証券コードのように数字のものの他、ニューヨーク証券取引所NASDAQ等、ローマ字で構成されたティッカーシンボルもある。

対象

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※上記の付番対象以外の商品についても、証券コードの付番権限は証券コード協議会事務局が有している。

銘柄コード

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銘柄コードは株式銘柄に個別に付けられている、4桁の数字コード。次のように、それぞれの番号帯によって、ある程度業種が割り振られている。しかし2000年以降はコード番号が不足してきたこともあり、新規上場する株については、業種に関係なく、2000番台〜4000番台などに割り振られることが増加している。

銘柄コードは清算業務を機械化する目的で1953年9月から開始。当初は各市場が独自に付番を行っていたが、1960年10月までに統一された[1]。また、業種と銘柄コードの紐付けも行っていたため、一部の企業でコード番号が変更になる事態も起きたが[2]、この紐付けも1993年7月に廃止された[1]

銘柄コードの分類
コード 業種
1300番台 水産・農業
1500番台 鉱業
1600番台 鉱業(石油/ガス開発)
1700番台〜1900番台 建設
2000番台 食品
3000番台 繊維・紙
4000番台 化学・薬品
5000番台 資源・素材
6000番台 機械・電機
7000番台 自動車・輸送機
8000番台 金融・商業・不動産
9000番台 運輸・通信・電気・ガス・サービス

英文字入り銘柄コード

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証券コード協議会では、2024年1月4日以降に新規上場の承認を受けた株式についてはコードにローマ字(大文字のみ、「B/E/I/O/Q/V/Z」を除く19文字)を組み込む方針を明らかにしており、システム設計者等に注意を呼びかけている[3][4][5]。東京証券取引所における英文字組入れがなされた銘柄コードの株式の銘柄順位は新規上場会社情報の会社概要の項を参照。

2024年2月8日に上場のVeritas In Silicoの証券コードは「130A」となり、証券コードに英字が採用された初事例となる[6]。2023年12月29日以前に上場を中止し、かつ2024年1月4日以降に新規上場の承認を受けた株式は、2023年12月29日以前に割り振られた4桁の数字コードの銘柄コードは無効となり、英文字組入れがなされた銘柄コードが新規に割り振られる。具体例として、2023年に東証グロースへの上場を予定していたトライアルホールディングスには「5882」のコードが振られていたものの上場が延期となり[7]、翌2024年に上場した際には「141A」のコードが割り当てられた。

なお、2024年1月4日以降に新規上場の承認を受けた株式であっても、過去に債券などを公募していた場合は公募時に使用していた4桁の数字コードがそのまま使用される。実例として、2024年10月に上場した東京地下鉄(東京メトロ)はかつて社債を公募した際に「9023」のコードが既に割り当てられていたため、株式についても同じコード番号を使用している[1][8][9]

また、何らかの事情で上場廃止となり、後に再上場となった場合は原則として、同じコード番号が割り当てられる[10]。そのため、コード番号が4桁数字の企業が一旦上場廃止となり、再度上場する場合は原則として、英文字入りのコード番号ではなく、上場廃止前に使用していた同じ4桁数字のコード番号が割り当てられることになる[1]

2023年12月29日以前に新規上場を取り消し、2024年1月4日以降に新規上場の承認を受けた企業の証券コードは以下の通り。

社名 当初付与された証券コード 現在付与されている証券コード 備考
インターメスティック 3084 262A 2007年10月にヘラクレスの新規上場取り消し
2024年10月に東証プライム上場
Chordia Therapeutics 4895 190A 2023年8月に東証グロースの新規上場取り消し
2024年6月に東証グロース上場
インフォメティス 5030 281A 2022年4月に東証グロースの新規上場取り消し
2024年12月に東証グロース上場
エージェンテック 5593 174A 2023年11月にTOKYO PRO Marketの新規上場取り消し
2024年4月にTOKYO PRO Market上場
トライアルホールディングス 5882 141A 2023年4月に東証グロースの新規上場取り消し
2024年4月に東証グロース上場
キオクシアホールディングス 6600 285A 2020年9月に東証一部の新規上場取り消し
2024年12月に東証プライム上場
エネルギーパワー 7696 144A 2021年3月にTOKYO PRO Marketの新規上場取り消し
2024年3月にTOKYO PRO Market上場

表記

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経済ニュースにおいて表記する際は、慣用的に山括弧で括られる(例:任天堂 <7974>)。

新証券コード

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  • 基本構成は、主に、発行体属性コード(1桁)+発行体固有名コード(5桁)+証券種類コード(3桁)の9桁となる。
  • 新証券コードの先頭に国名コード(2桁)、最後尾にチェックデジット(1桁)を加えることで、内国株式の場合は、ISINコードとなる。

証券コード協議会

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日本以外のコード

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国際規格

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他国

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脚注

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  1. ^ a b c d 伊藤歩 (2024年4月18日). “1960年に誕生「証券コード」のあまりに奥深い歴史”. 東洋経済新報. 2024年4月20日閲覧。
  2. ^ 一例として、百貨店の髙島屋は当初のコード番号は8103だったが、百貨店に付けられていた8100番台のコード番号が全て8230番台に変更となったため、髙島屋のコード番号も8233に変更となった。
  3. ^ 証券コードの将来対応について - 証券コード協議会・2009年4月30日
  4. ^ 証券コードの英文字組入れに係る「具体的な設定方法」の決定について - 証券コード協議会・2010年3月26日
  5. ^ 証券コード英文字組入れ - 日本取引所グループ
  6. ^ 2月上場のウェリタス、証券コード「130A」 英字は初 - 日本経済新聞2024年1月5日
  7. ^ 【IPO】トライアルホールディングス(5882)株式募集・売出し中止について 野村證券、2023年4月3日(2024年7月24日閲覧)。
  8. ^ 田村康剛、佐野七緒 (2024年9月20日). “東京メトロが東証に新規上場、想定売り出し価格は1100円”. Bloomberg.com. 2024年9月20日閲覧。
  9. ^ 日本放送協会 (2024年10月23日). “東京メトロ 時価総額9000億円超に 2018年以来の大型上場”. NHKニュース. 2024年10月23日閲覧。
  10. ^ 嘗ては上場廃止となり、欠番となったコード番号を他社が再利用する事例もあったが(大和毛織の上場廃止により、欠番となった3204を引き継いだトーア紡コーポレーションなど)、「コード番号の再利用はやめてほしい」との批判があがったこともあり、出来るだけ再利用は避けるようになった。

外部リンク

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コード検索

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