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道路法

日本の道路に関する一般法

道路法(どうろほう、昭和27年6月10日法律第180号)は、道路に関する一般法である。

道路法
日本国政府国章(準)
日本の法令
法令番号 昭和27年6月10日法律第180号
種類 行政手続法
効力 現行法
主な内容 道路の管理
関連法令 道路交通法高速自動車国道法道路構造令車両制限令電線共同溝の整備等に関する特別措置法
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概要編集

道路の定義から整備手続き、管理や費用負担、罰則等まで定める道路に関する事項を定めており、公法、行政法、公物・営造物法に分類される。現行のものは、1952年6月10日公布の道路法(昭和27年6月10日法律第180号)である。この項目において以下、単に「法」または「現行法」という。

この法律の目的は「道路網の整備を図るため、道路に関して、路線の指定及び認定、管理、構造、保全、費用の負担区分等に関する事項を定め、もつて交通の発達に寄与し、公共の福祉を増進すること」(法1条)としている。所管省は国土交通省である。道路網の整備により、交通ネットワークとしての機能を充実させることを意図しており、道路法ではこれを実現するための道路を4種類に分類して法律で規定している[1]

道路法で規定する4種類の道路とは、高速自動車国道一般国道都道府県道および市町村道のことで(法3条)、それぞれの指定・認定の要件を定めている[1]。また道路は、都市や拠点を連絡するように構成されており、連絡レベルによって道路の種類を階層化している[1]

日本で一般概念上は「道路」であっても、道路法に基づかない道路もあり、林道や農道などはその代表例である[2]

道路の指定要件編集

道路法における道路では、

  1. 高速自動車国道
  2. 一般国道
  3. 都道府県道
  4. 市町村道

の4つに区分している。

それぞれの道路の指定の要件を大まかに説明すれば、

  • 一般国道は、高速自動車国道と併せて全国的な幹線道路網を構成する道路で、主要な都市または特定の港湾・重要な飛行場などの施設を連絡するものであること[1]
  • 都道府県道は、一般国道に対して地方の幹線道路網を構成する道路で、複数の市町村を結び、あるいは重要港湾や地方港湾、飛行場、停車場などの施設を連絡するもの[1]
  • さらに市町村道では、これら以外のすべての道路を対象とするので、施設などの連絡というよりも、末端道路として網目状に張り巡らせて生活道路としての役割を期待している[1]

これらから、道路法では、都市や種々の拠点を連絡することを道路指定の要件に挙げて定めており、連絡する都市や拠点の規模は道路の種類ごとに異なっていて、都道府県道よりも一般国道のほうが高く設定されている[1][注釈 1]。また、一般国道と都道府県道の指定要件は以下の列挙のように詳しく規定している一方で、高速自動車国道については、道路法とは別に高速自動車国道法の規定で路線の指定や整備計画について詳しく定めている。

一般国道[4]
  • 国土を縦断・横断・循環し重要都市を連絡する道路(1号要件)
  • 1号要件の道路から、重要都市または10万人以上の都市を連絡する道路(2号要件)
  • 1号要件の道路から、2つ以上の市を連絡する道路(3号要件)
  • 1号要件の道路から、国際拠点港湾や重要な飛行場などを連絡する道路(4号要件)
都道府県道[5]
  • 市または人口5000人以上の町などの主要地を連絡する道路(1号要件)
  • 主要地から重用港湾、地方港湾、飛行場などの主要施設を連絡する道路(1号要件)
  • 2つ以上の市町村を経由し主要地や主要施設を連絡する道路(4号要件)

道路の管理編集

旧道路法(1919年の大正8年法律第58号[6]。以下「旧法」という。)では、道路は国の公物とされたが、現行法では国道(高速自動車国道および一般国道)のみを国の公物とし、都道府県道・市町村道はそれぞれ都道府県・市町村の公物としている。

人為的に作られる公物(人工公物)であるという道路の性質上、整備に当たっては、路線の指定・認定、道路区域の決定・変更、供用の開始・廃止など、段階に応じ、詳細な規定を設けている。内閣や地方議会の意志決定に係る路線の指定・認定の段階では、起終点と重要な経過地のみが決定され、詳細な路線の形状は、国土交通大臣や地方自治体の専決事項である道路区域の決定・変更の段階で決定される。

建設が完了し、一般の用に供するに際しては、供用開始の告示が行われ、これを以て、有効に交通開放が行われ、これ以後の一般利用者に対する管理瑕疵については、国家賠償法の適用が認められる。路線の廃止・変更により、供用が廃止された場合は、新たに別の公物として利用されるなどの特別な場合を除き、最後に道路を管理していた道路管理者が、一定の期間管理を行い、管理期間終了後は、適正に処分できる。

管理期間終了後も、別の管理者または所有者に管理権または所有権が移転するまでは、従来の管理者(最後に道路を管理していた道路管理者)が廃道敷の(通常の土地所有者としての)管理の義務を負うこととなる。この段階では、通常、一般利用者の立ち入りは制限され、特殊な場合を除き、一般利用者に対する国家賠償法の適用はない。

なお、外国語表記については、ローマ字(ヘボン式)の綴り方・表記[7]などを示している。

構成編集

  • 第1章 総則
  • 第2章 一般国道等の意義並びに路線の指定及び認定
    • 第5条(一般国道の意義及びその路線の指定)
  • 第3章 道路の管理
  • 第4章 道路に関する費用、収入及び効用負担
  • 第5章 監督
  • 第6章 社会資本整備審議会の調査審議等
  • 第7章 雑則
  • 第8章 罰則

用語編集

  • 道路台帳(28条)
  • 沿道区域(44条)
  • 道路保全立体区域(48条)
  • 利便施設協定(48条の19)
  • 道路予定区域(91条)

旧・道路法編集

明治時代内務省は道路に関する統一法規を制定しようとしたが、これを実現し法定化することはできなかった[8]。戦前の内務省が管轄する公共設備として、大別すると河川と道路があったが、河川は旧・河川法が1896年(明治29年)に成立して国と地方自治体の責任区分が法定化されたのに対し、旧・道路法のほうは約23年遅れて1919年(大正8年)に初めて成立して、国と地方自治体両者の責任と費用区分が法定化された[8]。このように法定化が遅れた背景には、当時の国策として陸上交通は道路よりも鉄道が優先されていた時代であり、道路が等閑視されていたのが最大の理由だとされている[8]

当時の日本の道路事情は劣悪で、特に酷いところでは馬が道路上の泥に足を取られて体が埋まってしまうほどであったと伝えられており、自動車も輸入され始められて、旧・道路法成立の時期には全国で約5000台に普及していた[9]。旧・道路法制定に伴って、その翌年の1920年(大正10年)に施行細目として旧・道路構造令が定められ、道路構造設計にあたり初めて自動車交通が基準として考慮された[8]

脚注編集

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注釈編集

  1. ^ 実際に、国土交通省道路局発行の「道路統計年報」でみられる道路の種類別の道路整備延長(総延長)は、高速自動車国道<一般国道<都道府県道<市町村道の順に長い関係にあり、道路法上の道路の種類で三角形の底辺にあたる市町村道の総延長が約103万キロメートル (km) ともっとも長く、次いで都道府県道が約13万km、一般国道が約5.5万km、高速自動車国道は8,776 km(平成28年4月1日現在)である[3]

出典編集

  1. ^ a b c d e f g 峯岸邦夫 2018, p. 14.
  2. ^ 峯岸邦夫 2018, pp. 12–13.
  3. ^ 峯岸邦夫 2018, p. 15.
  4. ^ 道路法第5条
  5. ^ 道路法第7条
  6. ^ 1920年4月1日施行(大正8年勅令第459号)。起草者は佐上信一
  7. ^ 昭和29年12月9日、内閣告示第1号
  8. ^ a b c d 武部健一 2015, p. 162.
  9. ^ 武部健一 2015, p. 163.

参考文献編集

  • 武部健一『道路の日本史』中央公論新社〈中公新書〉、2015年5月25日。ISBN 978-4-12-102321-6
  • 峯岸邦夫編著『トコトンやさしい道路の本』日刊工業新聞社〈今日からモノ知りシリーズ〉、2018年10月24日。ISBN 978-4-526-07891-0

関連項目編集

外部リンク編集