サギ
サギ(鷺)は、ペリカン目サギ科 (Ardeidae) に属する水鳥の総称[注釈 1]である。雪客(せっかく)、白鳥(はくちょう)[注釈 2]、雪鷺(せつろ)、糸禽(しきん)、舂鋤(しょうじょ)という異称もある。
サギ | |||||||||||||||||||||
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Ardeidae Leach, 1820 | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
サギ(鷺) | |||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||
Heron | |||||||||||||||||||||
属 | |||||||||||||||||||||
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サギの分布図
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外観
編集外観はコウノトリやツルに姿が似て、長い脚と嘴を持つが全く別の種で、大きさはコウノトリやツルより小さい。体色は多く灰色から白、黒のものもあり、また季節により体色が変わるものもある。サギのうち羽が白いダイサギ・チュウサギ・コサギ・アマサギ(アマサギは冬羽のみ)は白鷺(しらさぎ)と呼ぶことがある。
分布
編集サギ科は世界に65種、日本に19種が生息する。日本では、アオサギ、ゴイサギ、ダイサギなどを見ることが出来る。日本では留鳥、冬鳥、夏鳥の種に分かれる。
生態
編集採餌
編集川や水田などを餌場とし、魚や両生類、爬虫類、更には哺乳類や鳥類までも捕食する。稲刈り時には剥き出しになった稲田のカエルなどを狙ってコンバインの後ろを付いてくる姿も珍しくない。
コロニー
編集巣は見晴らしの良い高木性の樹の上に設け、コロニーを形成する。コロニーにおいては、特定の種が固まる性質はなく、同じ木にダイサギとコサギが巣をかけることも珍しくはない。コロニーは、天敵からの攻撃を防ぐために、河川敷などが選ばれることが多いが、近年は個体数の増加から、寺社林に形成する例も増え、糞害などが問題とされることがある。
人間との関係
編集日本鳥類保護連盟の神崎高歩によると、サギ類は小魚やオタマジャクシなどを巣に運ぶときに、飛翔中に吐き出してしまうことがあるという。これらが路上などに散乱している光景は、水田付近に居住する人々にとってはごく普通の光景であるが、このような光景を初めて見る人にとっては非常に不思議なことであり、しばしば騒動になって新聞などで報道されることがある[1]。
『吾妻鑑』建保3年(1215年)8月22日条、11月8日条には、「鷺の怪(け)に会った」という記述がある。13世紀初め、地震が多い時期ということもあって[2]、関連付けられて記述されているが、どのような怪異であったかの記述はない。また、鷺の妖怪として、青鷺火がいる。
名称の由来
編集サギの名称の由来については諸説ある。有力な説の一つに、羽が白いことから鮮明という意味を表す「さやけき(清き)」が転じたという説がある[3]。 このほか鳴き声が騒がしいことから「さやぎ (騒ぎ)」が転じたなど複数の理由が考えられる。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 今泉有美子「“空からオタマジャクシ”鳥が吐いた?」『産経新聞』2009年6月28日 日曜日 14版 総合 3面。
- ^ 『吾妻鑑』の記述上では、源実朝の代に地震の記述が多く、御所の西侍上に集まったサギですら何らかの兆しであると見ていた(8月21日条、「鷺の群集の怪」)。
- ^ “詐欺(さぎ)の由来と語源”. 2020年3月29日閲覧。