1964年東京オリンピックのサッカー競技

1964年東京オリンピックサッカー競技(1964ねんとうきょうオリンピックのサッカーきょうぎ)は、10月11日に開幕した。10月23日に決勝戦が行われ、金メダルを獲得したのはハンガリーであった。

1964年の切手

前回大会である1960年のローマオリンピックから出場国を2つ減らして行われた。東京大会でも東側諸国の活躍が目立ち、金銀銅全てのメダルを東欧諸国が独占した。

大会方式

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当初は16ヵ国が参加する予定だったが、イタリアはメンバーの中にプロ選手がおり、アマチュア資格の有無が問題となり棄権[1]北朝鮮は同国の陸上競技と水泳競技選手が非承認の競技大会に出場していたことにより資格停止となったため選手団全体がオリンピックから引き上げた[1][2] それに伴い参加国が14か国となったため、グループステージは4か国によるグループ2つと、3か国によるグループ2つの変則的な方式で行われた。各グループにおいて、上位2か国が決勝トーナメントに進出する方式であった。

試合は5会場で実施された。東京の国立霞ヶ丘競技場陸上競技場駒沢陸上競技場秩父宮ラグビー場の3会場を当初は計画。その後、試合間に芝を48時間以上休ませる必要性から、横浜市三ツ沢蹴球場大宮市(当時)の大宮蹴球場の2会場でも開催されることが決まった[3][4][5]。決勝戦は東京オリンピックのメインスタジアムである国立霞ヶ丘陸上競技場で行われた。

また、関西のファンにも世界レベルの試合を見せたいと願う関西サッカー協会の尽力で、IOCとFIFAの了解を得て東京オリンピックでの正式競技としてではないものの、大阪市長居および京都市西京極において準々決勝敗退4チームによる順位決定戦(通称:大阪トーナメント)が開催された。[6]

参加国

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参加国は以下の13カ国と東西統一ドイツである。

1回戦

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グループA

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チーム 試合 得点 失点 勝点
  東西統一ドイツ 3 2 1 0 7 1 +6 5
  ルーマニア 3 2 1 0 5 2 +3 5
  メキシコ 3 0 1 2 2 6 -4 1
  イラン 3 0 1 2 1 6 -5 1


1964年10月11日
12:00
ルーマニア   3–1   メキシコ
Creiniceanu   20分
Pârcălab   33分
Ionescu   47分
レポート Fragoso   73分

1964年10月11日
12:00
東西統一ドイツ   4–0   イラン
Bauchspieß   7分
Vogel   20分   63分
Frenzel   44分
レポート
三ツ沢蹴球場, 横浜
観客数: 15,000
主審: De Queiroz (BRA)

1964年10月13日
12:00
イラン   1–1   メキシコ
Nirlou   59分 レポート González   54分

1964年10月13日
13:00
東西統一ドイツ   1–1   ルーマニア
Frenzel   22分 レポート Pavlovici   27分
駒沢陸上競技場, 東京
観客数: 25,000
主審: Korelus (TCH)

1964年10月15日
12:00
東西統一ドイツ   2–0   メキシコ
Barthels   37分
Nölder   66分
レポート
三ツ沢蹴球場, 横浜
観客数: 13,000
主審: De Silva (MAS)

1964年10月15日
12:00
ルーマニア   1–0   イラン
Pavlovici   26分 レポート
大宮蹴球場, 大宮
主審: Comesana (ARG)

グループB

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チーム 試合 得点 失点 勝点
  ハンガリー 2 2 0 0 12 5 +7 4
  ユーゴスラビア 2 1 0 1 8 7 +1 2
  モロッコ 2 0 0 2 1 9 -8 0
  北朝鮮 0 0 0 0 0 0 0 0

北朝鮮 (PRK)は大会不参加


1964年10月11日
13:00
ハンガリー   6–0   モロッコ
ベネ   13分   38分 (p.k.)   70分   74分   78分   87分 レポート
国立競技場, 東京
主審: Kim Duk Chun (KOR)

1964年10月13日
12:00
ユーゴスラビア   3–1   モロッコ
サマルジッチ   8分
ベリン   12分   59分
レポート Bouachra   2分
三ツ沢蹴球場, 横浜
観客数: 5,000
主審: Imam (UAE)

1964年10月15日
13:00
ハンガリー   6–5   ユーゴスラビア
Csernai   5分   11分   44分   63分 (p.k.)
Farkas   18分
ベネ   25分 (p.k.)
レポート オシム   1分   82分
ベリン   12分   35分
ザンバタ   31分
駒沢陸上競技場, 東京
観客数: 15,000
主審: 福島 (JPN)

グループC

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チーム 試合 得点 失点 勝点
  チェコスロバキア 3 3 0 0 12 2 +10 6
  アラブ連合共和国 3 1 1 1 12 6 +6 3
  ブラジル 3 1 1 1 5 2 +3 3
  韓国 3 0 0 3 1 20 -19 0


1964年10月12日
12:00
ブラジル   1–1   アラブ連合共和国
Roberto   10分 レポート Shanin   90分
駒沢陸上競技場, 東京
主審: Glöckner (GDR)

1964年10月12日
13:00
チェコスロバキア   6–1   韓国
Lichtnégl   25分
Vojta   26分
Mráz   32分   68分
Masný   43分   71分
レポート Lee Yi-Woo   59分
大宮蹴球場, 大宮
主審: Valenzuela (MEX)

1964年10月14日
12:00
チェコスロバキア   5–1   アラブ連合共和国
Vojta   5分   27分
Urban   36分
Mráz   83分
Cvetler   84分
レポート Riad   53分
秩父宮ラグビー場, 東京
主審: Zsolt (HUN)

1964年10月14日
12:00
ブラジル   4–0   韓国
Zé Roberto   30分
Elizeu   44分   54分
Roberto   73分
レポート
三ツ沢蹴球場, 横浜
主審: Boukkili (MAR)

1964年10月16日
12:00
アラブ連合共和国   10–0   韓国
Riad   14分   17分   40分   48分   72分   77分
Mohamed   50分
Elfanagili   61分
Etman   66分
Hassan   78分
レポート
秩父宮ラグビー場, 東京
主審: Glöckner (GDR)

1964年10月16日
13:00
チェコスロバキア   1–0   ブラジル
Valošek   77分 レポート
大宮蹴球場, 大宮
主審: Tehrani (IRN)

グループD

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チーム 試合 得点 失点 勝点
  ガーナ 2 1 1 0 4 3 +1 3
  日本 2 1 0 1 5 5 0 2
  アルゼンチン 2 0 1 1 3 4 -1 1
  イタリア 0 0 0 0 0 0 0 0

イタリア (ITA)は棄権


1964年10月12日
12:00
アルゼンチン   1–1   ガーナ
Bulla   26分 レポート E. Acquah   80分
三ツ沢蹴球場, 横浜
観客数: 25,000
主審: Ashkenazi (ISR)

1964年10月14日
13:00
日本   3–2   アルゼンチン
杉山   54分
川淵   81分
小城   82分
レポート Domínguez   24分   62分
駒沢陸上競技場, 東京
観客数: 13,000
主審: Skoric (YUG)

1964年10月16日
14:00
日本   2–3   ガーナ
杉山   12分
八重樫   52分
レポート Agyemang   27分
S. Acquah  69分
Fulaiteh   80分
駒沢陸上競技場, 東京
主審: Nitescu (ROU)

準々決勝

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1964年10月18日
12:00
東西統一ドイツ   1–0   ユーゴスラビア
Frenzel   1分 レポート
秩父宮ラグビー場, 東京
観客数: 10,000
主審: De Silva (MAS)

1964年10月18日
12:00
ハンガリー   2–0   ルーマニア
Csernai   2分   84分 (p.k.) レポート
三ツ沢蹴球場, 横浜
主審: Ashkenazi (ISR)

1964年10月18日
12:00
アラブ連合共和国   5–1   ガーナ
Badawi   42分   61分
Riad   65分
Elfanagili   69分   85分
レポート Mfum   37分
大宮蹴球場, 大宮
主審: Glöckner (GDR)

1964年10月18日
12:00
チェコスロバキア   4–0   日本
Brumovský   43分   59分
Vojta   69分 (p.k.)
Mráz   86分
レポート
駒沢陸上競技場, 東京
主審: De Queiroz (BRA)

準決勝

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1964年10月20日
12:00
ハンガリー   6–0   アラブ連合共和国
ベネ   7分   20分   66分   77分
Komora   29分   58分
レポート
秩父宮ラグビー場, 東京
主審: Comesana (ARG)

1964年10月20日
12:00
チェコスロバキア   2–1   東西統一ドイツ
Lichtnégl   47分
Mráz   89分
レポート Nölder   25分
駒沢陸上競技場, 東京
観客数: 20,000
主審: Ashkenazi (ISR)

3位決定戦

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1964年10月23日
12:00
東西統一ドイツ   3–1   アラブ連合共和国
Frenzel   17分
Vogel   48分
Stöcker   56分
レポート Attia   75分 (p.k.)
国立競技場, 東京
観客数: 60,000
主審: 横山 (JPN)

決勝

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1964年10月23日
16:30
ハンガリー   2–1   チェコスロバキア
Weiss   47分 (o.g.)
ベネ   59分
レポート Brumovský   80分
国立競技場, 東京
観客数: 75,000
主審: Ashkenazi (ISR)

非公式敗者戦1回戦

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1964年10月20日
12:00
日本   1–6   ユーゴスラビア
釜本   61分 レポート ザンバタ   3分   5分   43分   63分
オシム   28分   60分
長居競技場, 大阪
観客数: 20,000
主審: Imam (UAE)

1964年10月20日
12:00
ルーマニア   4–2   ガーナ
Pavlovici   12分   19分   74分
Creiniceanu   41分
レポート Fulaiteh   25分   44分

非公式敗者戦決勝(5位決定戦)

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1964年10月22日
12:00
ルーマニア   3–0   ユーゴスラビア
Pavlovici   50分
Pârcălab   52分
Constantin   78分
レポート
長居競技場, 大阪
観客数: 10,000
主審: Zsolt (HUN)

最終結果

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順位 国・地域
1   ハンガリー
2   チェコスロバキア
3   東西統一ドイツ
4   アラブ連合共和国

各国メダル数

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国・地域
1   ハンガリー 1 0 0 1
2   チェコスロバキア 0 1 0 1
3   東西統一ドイツ 0 0 1 1

参考文献

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  1. ^ a b Tokyo, 1964”. FIFA.com. 2010年8月10日閲覧。
  2. ^ インドネシアと北朝鮮両選手団の帰国”. 日本オリンピック委員会. 2010年8月10日閲覧。
  3. ^ ローマ、東京、メキシコ(8)”. 賀川サッカーライブラリー. 2010年8月10日閲覧。
  4. ^ 競技会場地図”. 日本オリンピック委員会. 2010年8月10日閲覧。
  5. ^ データde五輪「サッカーはオリンピックスタジアムなど全国6会場」 - 日刊スポーツ、2015年7月29日
  6. ^ 賀川浩, ed. (2003年3月5日), 自宅から1時間のワールドカップ 長居スタジアムとの40年|賀川サッカーライブラリー, http://library.footballjapan.jp/user/scripts/user/story.php?story_id=677 2010年3月7日閲覧。 

関連項目

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外部リンク

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