1989年のNFL1989年9月10日NFL70回目のレギュラーシーズンが開幕し、1990年1月28日ルイジアナ州ニューオーリンズで開催された第24回スーパーボウルを経て、2月4日ハワイ州ホノルルでプロボウルが開催されてシーズンが終了した。

1989年のNFL
レギュラーシーズン
日程 1989年9月10日 - 1989年12月25日
プレイオフ
開幕日 1989年12月31日
AFC優勝 デンバー・ブロンコス
NFC優勝 サンフランシスコ・49ers
第24回スーパーボウル
開催日 1990年1月28日
開催都市 ルイジアナ州ニューオーリンズ
スタジアム ルイジアナ・スーパードーム
チャンピオン サンフランシスコ・49ers
プロボウル
開催日 1990年2月4日
開催都市 ハワイ州ホノルル
スタジアム アロハ・スタジアム
NFLシーズン
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3月にピート・ロゼールコミッショナーが辞意を表明、11月5日にポール・タグリアブーが新コミッショナーに就任した[1]

日本では、このシーズンより、NHKがNFLの中継を開始した。

ドラフト

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1989年4月23日-24日にドラフトが行われ、12巡335名が指名された。全体1位トロイ・エイクマンダラス・カウボーイズに指名された。エイクマンに続いて指名されたのは、トニー・マンダリッチバリー・サンダースデリック・トーマスディオン・サンダースであるが、マンダリッチ以外の4名はプロフットボール殿堂入りを果たした。

ルール変更

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  • 後半残り5分以内、前半残り2分以内に反則が発生した場合、今までは審判がボールを置き、シグナルを出した時点でゲームクロックが再開されていたが、スナップ時にゲームクロックが再開されるように変更された。
  • オフェンスチームがシグナルコールを聞き取れない事態を防ぐため、クラウドノイズが大きすぎる場合には守備チームに対してタイムアウト没収や5ヤード罰退などのペナルティが与えられる罰則が規定された[2]
  • レシーバーと守備の選手がボールを共有する状態になった場合、最初にボールを支配した選手に支配権が与えられるというルールが確立した。
  • ハリー・アップ・オフェンスがルールとして認められることが確認され、タイムアウトをコールせず、怪我を偽装することによって攻撃のテンポを遅らせたチームには遅延行為(delay of the game)の罰則が課せられるようになった。

日程

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レギュラーシーズン

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各チームの16試合の対戦相手はNFLの規則に基づき、前年度の成績や地区ごとのローテーションで自動的に決定される。

  • 5チーム地区(4位以上)
  • 同地区(ホーム&アウェイ、8試合)
  • カンファレンス内他地区(前年順位に基づく4チーム)(4試合)
  • 他カンファレンスの1地区(5位除く)(4試合)
  • 5チーム地区(5位)
  • 同地区(ホーム&アウェイ、8試合)
  • カンファレンス内4チーム地区総当たり(4試合)
  • カンファレンス内5位チーム(ホーム&アウェイ、2試合)
  • 他カンファレンス5位(2試合)
  • 4チーム地区
  • 同地区(ホーム&アウェイ、6試合)
  • カンファレンス内他地区(前年順位に基づく4チーム)(4試合)
  • カンファレンス内5位チーム(2試合)
  • 他カンファレンスの1地区(5位除く)(2試合)

1989年シーズンの地区外との対戦ルールは以下のようである。

   前年順位に基づくカンファレンス内
前年同順位
前年1・4位 vs. 前年2・3位(2年毎のローテーション)

   カンファレンス外
AFC東地区 vs. NFC西地区
AFC中地区 vs. NFC中地区
AFC西地区 vs. NFC東地区

(例)当年王者の49ersの対戦相手
AFC NFC
前年 西地区 中地区 東地区 西地区 中地区 東地区
1位 シーホークス ベンガルズ ビルズ 49ers ベアーズ イーグルス
2位 ブロンコス ブラウンズ コルツ ラムズ バイキングス ジャイアンツ
3位 レイダース オイラーズ ペイトリオッツ セインツ バッカニアーズ レッドスキンズ
4位 チャージャーズ スティーラーズ ジェッツ ファルコンズ ライオンズ カージナルス
5位 チーフス ドルフィンズ パッカーズ カウボーイズ

 :1度対戦  :2度対戦

レギュラーシーズン順位表

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AFC東地区
チーム 勝率 Div Con 総得点 総失点 平均得点 平均失点 SOS SOV
(3)バッファロー・ビルズ 9 7 0 .563 6-2 8-4 409 317 25.6 19.8
インディアナポリス・コルツ 8 8 0 .500 4-4 7-5 298 301 18.6 18.8
マイアミ・ドルフィンズ 8 8 0 .500 4-4 6-8 331 379 20.7 23.7
ニューイングランド・ペイトリオッツ 5 11 0 .313 4-4 5-7 297 391 18.6 24.4
ニューヨーク・ジェッツ 4 12 0 .250 2-6 3-9 253 411 15.8 25.7
AFC中地区
チーム 勝率 Div Con 総得点 総失点 平均得点 平均失点 SOS SOV
(2)クリーブランド・ブラウンズ 9 6 1 .594 3-3 6-5-1 334 254 20.9 15.9
(4)ヒューストン・オイラーズ 9 7 0 .563 3-3 6-6 365 412 22.8 25.8
(5)ピッツバーグ・スティーラーズ 9 7 0 .563 1-5 6-6 265 326 16.6 20.4
シンシナティ・ベンガルズ 8 8 0 .500 5-1 6-6 404 285 25.3 17.8
AFC西地区
チーム 勝率 Div Con 総得点 総失点 平均得点 平均失点 SOS SOV
(1)デンバー・ブロンコス 11 5 0 .688 6-2 9-3 362 226 22.6 14.1
カンザスシティ・チーフス 8 7 1 .531 3-5 6-7-1 318 286 19.9 17.9
ロサンゼルス・レイダース 8 8 0 .500 3-5 6-6 315 297 19.7 18.6
シアトル・シーホークス 7 9 0 .438 4-4 7-5 241 327 15.1 20.4
サンディエゴ・チャージャーズ 6 10 0 .375 4-4 4-8 266 290 16.6 18.1
NFC東地区
チーム 勝率 Div Con 総得点 総失点 平均得点 平均失点 SOS SOV
(2)ニューヨーク・ジャイアンツ 12 4 0 .750 6-2 8-4 348 252 21.8 15.8
(4)フィラデルフィア・イーグルス 11 5 0 .688 7-1 8-4 342 274 21.4 17.1
ワシントン・レッドスキンズ 10 6 0 .625 4-4 8-4 386 308 24.1 19.3
フェニックス・カージナルス 5 11 0 .313 2-6 4-8 258 377 16.1 23.6
ダラス・カウボーイズ 1 15 0 .063 1-7 1-13 204 393 12.8 24.6
NFC中地区
チーム 勝率 Div Con 総得点 総失点 平均得点 平均失点 SOS SOV
(3)ミネソタ・バイキングス 10 6 0 .625 6-2 8-4 351 275 21.9 17.2
グリーンベイ・パッカーズ 10 6 0 .625 5-3 10-4 362 356 22.6 22.3
デトロイト・ライオンズ 7 9 0 .438 4-4 6-6 312 364 19.5 22.8
シカゴ・ベアーズ 6 10 0 .375 2-6 4-8 358 377 22.4 23.6
タンパベイ・バッカニアーズ 5 11 0 .313 3-5 5-7 320 419 20.0 26.2
NFC西地区
チーム 勝率 Div Con 総得点 総失点 平均得点 平均失点 SOS SOV
(1)サンフランシスコ・49ers 14 2 0 .875 5-1 10-2 442 253 27.6 15.8
(5)ロサンゼルス・ラムズ 11 5 0 .688 4-2 8-4 426 344 26.6 21.5
ニューオーリンズ・セインツ 9 7 0 .563 3-3 5-7 386 301 24.1 18.8
アトランタ・ファルコンズ 3 13 0 .188 0-6 1-11 279 437 17.4 27.3
AFC

チーム
勝率 DIV CON SOS SOV
地区優勝
1 ブロンコス 西 11 5 0 .688 6-2 9-3
2 ブラウンズ 9 6 1 .594 3-3 6-5-1
3 ビルズ 9 7 0 .563 6-2 8-4
ワイルドカード
4 オイラーズ 9 7 0 .563 3-3 6-6
5 スティーラーズ 9 7 0 .563 1-5 6-6
6 チーフス 西 8 7 1 .531 3-5 6-7-1
7 コルツ 8 8 0 .500 4-4 7-5
8 レイダース 西 8 8 0 .500 3-5 6-6
9 ベンガルズ 8 8 0 .500 5-1 6-6
10 ドルフィンズ 8 8 0 .500 4-4 6-8
11 シーホークス 西 7 9 0 .438 4-4 7-5
12 チャージャーズ 西 6 10 0 .375 4-4 4-8
13 ペイトリオッツ 5 11 0 .313 4-4 5-7
14 ジェッツ 4 12 0 .250 2-6 3-9
タイブレーク
NFC

チーム
勝率 DIV CON SOS SOV
地区優勝
1 49ers 西 14 2 0 .875 5-1 10-2
2 ジャイアンツ 12 4 0 .750 6-2 8-4
3 バイキングス 10 6 0 .625 6-2 8-4
ワイルドカード
4 イーグルス 11 5 0 .688 7-1 8-4
5 ラムズ 西 11 5 0 .688 4-2 8-4
6 パッカーズ 10 6 0 .625 5-3 10-4
7 レッドスキンズ 10 6 0 .625 4-4 8-4
8 セインツ 西 9 7 0 .563 3-3 5-7
9 ライオンズ 7 9 0 .438 4-4 6-6
10 ベアーズ 6 10 0 .375 2-6 4-8
11 バッカニアーズ 5 11 0 .313 3-5 5-7
12 カージナルス 5 11 0 .313 2-6 4-8
13 ファルコンズ 西 3 13 0 .188 0-6 1-11
14 カウボーイズ 1 15 0 .063 1-7 1-13
タイブレーク

プレイオフ

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トーナメント表

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12月31日
ベテランズ・スタジアム
  1月7日
ジャイアンツ・スタジアム
         
 5  ラムズ  21
 5  ラムズ  19*
 4  イーグルス  7   1月14日
キャンドルスティック・パーク
 2  ジャイアンツ  13  
NFC
 5  ラムズ  3
1月6日
キャンドルスティック・パーク
   1  49ers  30  
NFC チャンピオンシップ
 3  バイキングス  13
  1月28日
ルイジアナ・スーパードーム
 1  49ers  41  
ワイルドカード・プレーオフ  
ディビジョナル・プレーオフ
 N1  49ers  55
1月6日
クリーブランド・スタジアム
   A1  ブロンコス  10
第24回スーパーボウル
 3  ビルズ  30
  1月14日
マイルハイ・スタジアム
 2  ブラウンズ  34  
AFC
12月31日
アストロドーム
 2  ブラウンズ  21
1月7日
マイルハイ・スタジアム
   1  ブロンコス  37  
 5  スティーラーズ  26* AFC チャンピオンシップ
 5  スティーラーズ  23
 4  オイラーズ  23  
 1  ブロンコス  24  
  • ディヴィジョナルプレイオフの試合は、同地区のチームが対戦しないように組まれている。
  • チーム名の左の数字はシード順。
  • スーパーボウル開催地は事前にオーナー会議で決定。
  • チーム名の左の数字は、1989年レギュラーシーズンの結果に基づいて決定されたシード順。


受賞者

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受賞者 ポジション チーム
スーパーボウルMVP ジョー・モンタナ QB サンフランシスコ・49ers
MVP ジョー・モンタナ QB サンフランシスコ・49ers
最優秀攻撃選手 ジョー・モンタナ QB サンフランシスコ・49ers
最優秀守備選手 キース・ミラード DT ミネソタ・バイキングス
最優秀コーチ リンディ・インファンテ HC グリーンベイ・パッカーズ
最優秀新人攻撃選手 バリー・サンダース RB デトロイト・ライオンズ
最優秀新人守備選手 デリック・トーマス LB カンザスシティ・チーフス

プロボウル

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詳細は「1990年のプロボウル英語版」を参照

脚注

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  1. ^ MNF History: 1989”. ABC (2002年8月29日). 2013年6月1日閲覧。
  2. ^ カレッジフットボールでは、ホームチームへの声援が同時にビジターチームへの妨害になりうるため、既に規定されている