60セカンズ』(シックスティ セカンズ、原題:Gone in Sixty Seconds)は、2000年に公開されたアメリカ合衆国カーアクション映画である。ドミニク・セナ監督。1974年の映画『バニシングin60″』のリメイク。

60セカンズ
Gone in Sixty Seconds
監督 ドミニク・セナ
脚本 スコット・ローゼンバーグ
製作 ジェリー・ブラッカイマー
マイク・ステンソン
製作総指揮 ジョナサン・ヘンズリー
チャド・オーマン
バリー・ウォルドマン
デニス・シャカリアン・ハリッキー
ロバート・ストーン
ウェブスター・ストーン
出演者 ニコラス・ケイジ
アンジェリーナ・ジョリー
音楽 トレヴァー・ラビン
イアン・ボール
撮影 ポール・キャメロン
編集 ロジャー・バートン
トム・マルドゥーン
クリス・レベンゾン
配給 ブエナビスタ
公開 アメリカ合衆国の旗 2000年6月9日
日本の旗 2000年9月9日
上映時間 117分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $90,000,000[1]
興行収入 $101,648,571[1] アメリカ合衆国の旗
$237,202,299[1] (全世界)
18億3000万円[2] 日本の旗
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ストーリー 編集

超高級車の窃盗のエキスパートだったメンフィスが窃盗の世界から手を引き地元を離れて、ピットクルーとして生活をしていた。ある日、昔の仲間のアトレーがやってくる。彼はメンフィスの弟キップとその仲間たちが、闇の窃盗組織に雇われ高級車を盗む途中で、アジトに隠していた盗難車を警察に押収されてしまい命の危機が迫っていることを伝えに来たのだった。メンフィスは単身地元に戻り、組織のボスであるカリートリーと話をつけようと訪れるが、キップの命と引き換えにメンフィスに後始末を迫る。弟の命を守るため、二度と窃盗をしないという母親との約束を破り、後始末をつけることを決意する。しかしその後始末の内容は、超高級車50台を時間内(4日後の午前8時まで)にすべて集めろというものだった。

メンフィスはかつての仲間で、修理工場を営んでいるオットーの元を訪ね仲間を集めようとするが、そのほとんどは死んでいたり捕まっていたりで、実際に集まったのは今は足を洗い車の教習官をしているドニーと、解剖医をしているスフィンクスのみだった。そこで、メンフィスはかつての仲間で元恋人のスウェイを誘うが彼女は足を洗ったからと断られてしまう。 仕方なく4人で決行しようとしている所に、キップが仲間を連れて自分たちも手伝うと言ってきた。メンフィスは弟が加わる事に難色を示すが、「今回の仕事には4人では時間も人手も足りない」と、オットーに説得されて彼らが仲間になる事を認めた。

一方そのころ、キップたちが盗んだ盗難車の事件を捜査していたキャッスルベック刑事は偶然町でメンフィスを見かけたという警官の話を聞き、メンフィスが事件にかかわっているのではとメンフィスの周りを捜査し始め、押収したメルセデスの線から手掛かりを割り出しはじめる。そしてオットーの工場を訪ねてメンフィス達が集まっていることや、警察無線の暗号などを調べていることを知る。

メンフィス達は一晩で50台盗む事を計画、ターゲットの車それぞれに女の名前を付け、それらを入念に下見し、綿密な作戦をたてた。決行直前スウェイが仲間入りして作戦を開始、順調に車を次々に集めていくが、ターゲットの中の3台のメルセデスを盗む際に警察が張っていることに気づき計画を一旦中止せざるを得なくなってしまう。オットーの工場に集合して皆で試行錯誤しているそんな時、トビーの持っていたメルセデスの鍵から押収されたメルセデスの事を思い出し、彼らはそれを取り返す事を計画。作戦を再開し、それらを見事取り返す事に成功した。その後もいくつかのハプニングを乗り越え、残り2台となったところで、キャデラックを盗みに行ったキップ達はトビーの失態によって警備員に追われ、その際の銃撃でトビーが傷を負ってしまう。アトレーの知り合いの病院に連れて行くこととなり、キップはそれに同行、期限の時間が迫りキップを逃がすことを考えようとするアトレーに対しキップは、「自分は兄のように仲間を見捨てて逃げはしない」と言った。そんなキップにアトレーは、メンフィスが窃盗から足を洗い仲間達を捨てた理由が、このままではメンフィスと同じ車泥棒になってしまうと心配した母親がキップのために足を洗ってくれと頼んだからだと教えた。

その頃メンフィスは、最後の1台であるエレノア英語版1967 SHELBY Mustang GT500)を盗む。この車はメンフィスのユニコーン(伝説上の動物で、捕まえることができない意味から来ており、いつも何か起き今迄に唯一盗むことができなかった車という意味)であった。盗難車のリストを探し当て、メンフィスのジンクスを知っていたキャッスルベック刑事はこの車が近隣に一台しか登録がない事から、その1台にターゲットを絞り込みそこに向かう。メンフィスがエレノアを持ち去ろうとした所にキャッスルベックが到着し、壮絶なカーチェイスが始まった。1度はうまく撒く事に成功したメンフィスだが、パトカーの姿を見たメンフィスは隠れようとバックしたところ、今まで凄まじいカーチェイスでも傷一つ付ける事のなかったエレノアのミラーを駐車中の車にぶつけて壊してしまい、そのことで不機嫌になったエレノアはエンストを起こしてしまう。そのせいで隠れて避けようとしていたそのパトカーに見つかってしまった。何とかエンジンが動き再びキャッスルベック刑事らの激しい追跡を受けているうちに、事故を起こし渋滞が起きている橋にさしかかる。身動きが取れず立ち往生かと思われたその時、荷台が空であったキャリアカーに向かって発進し、その荷台をジャンプ台に使った荒業で並んでいる車を飛び越して逃亡に成功した。メンフィスはなんとか車をカリートリーの許に届けるも、12分のオーバーで約束は果たせてないと殺されそうになる。そこに駆けつけたアトレーとキップにより難を逃れ、組織のボスであるカリートリーと対峙するが銃を向けられカリートリーの工場へ逃げ込んだ。メンフィスの逃亡を許してしまったキャッスルベック刑事は唯一の手がかりであるカリートリーのアジトにやってきたが、カリートリーに殺されそうになってしまう。危機一髪のところをメンフィスがキャッスルベック刑事を助け、その拍子にカリートリーは転落して、下にあった自分が作ったメンフィス用の棺桶の上に落ちて死んでしまった。命を助けられたキャッスルベックはメンフィスを逃がし、メンフィスは盗んだ車の所在を教えるのだった。

それから、数日後オットーの工場の庭で皆でバーベキューをしているとキップがメンフィスに今回の礼として受け取ってくれと鍵を渡す。その鍵は、キップが自分のバイクのパーツなどを売った金で購入したボロボロのエレノアの鍵だった。メンフィスとキップは兄弟の絆を取り戻し、スウェイとの関係も再び始まりエレノアに乗り込んで工場を出るが、エレノアはまたしても止まってしまうのだった。

登場人物 編集

メンフィス
演 - ニコラス・ケイジ
ピットクルー。現在はまともな生活をしているが、かつては車の窃盗で伝説になった男。
スウェイ
演 - アンジェリーナ・ジョリー
メンフィスの仲間であり恋人。
キップ
演 - ジョヴァンニ・リビシ
メンフィスの弟。犯罪者であった兄に憧れており、引退したことにショックを受けている。
キャッスルベック
演 - デルロイ・リンドー
刑事。人情に厚い。
アトレー
演 - ウィル・パットン
メンフィスの昔の仲間。
ドニー
演 - シャイ・マクブライド
メンフィスの昔の仲間。現在は車の教習官。
カリートリー
演 - クリストファー・エクルストン
組織のボス。ロングビーチの悪魔といわれる危険な男で人の弱みに付け込む卑怯な性格。
オットー
演 - ロバート・デュヴァル
メンフィスのかつての仲間。現在は修理工場を営んでいる。

キャスト 編集

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 日本テレビ
メンフィス ニコラス・ケイジ 大塚明夫
スウェイ アンジェリーナ・ジョリー 深見梨加 松本梨香
キップ ジョヴァンニ・リビシ 松本保典 桐本拓哉
キャッスルベック刑事 デルロイ・リンドー 石田太郎 玄田哲章
アトレー ウィル・パットン 谷口節 大塚芳忠
ドニー シャイ・マクブライド 立木文彦 乃村健次
カリートリー クリストファー・エクルストン 大塚芳忠 家中宏
フレブ ジェームズ・デュヴァル 三木眞一郎 石母田史朗
オットー ロバート・デュヴァル 堀勝之祐 池田勝
スフィンクス ヴィニー・ジョーンズ 中田譲治 郷里大輔
タンブラー スコット・カーン 中村大樹 関貴昭
ドライコフ ティモシー・オリファント 山路和弘 平田広明
トビー ウィリアム・リー・スコット 神奈延年 佐藤せつじ
ミラーマン T・J・クロス 檀臣幸 落合弘治
ヘレン グレイス・ザブリスキー 沢田敏子 谷育子
ファージー・フリーゼル ボーディ・エルフマン 樫井笙人
ジョニーB マスター・P 梁田清之 咲野俊介
ロジャー スティーブン・シェレン 中村秀利 中田譲治
演出:戸田清二郎、翻訳:荒木小織、録音・調整:重光秀樹、録音制作:ケイエスエス、制作監修:津司大三、日本語版制作:DISNEY CHARACTER VOICES INTERNATIONAL, INC.
その他の声の出演:檀臣幸落合るみ小形満沢木郁也川本克彦米倉紀之子鈴木正和船木真人清和祐子園部好徳
演出:清水洋史、翻訳:松崎広幸

評価 編集

レビュー・アグリゲーターRotten Tomatoesでは138件のレビューで支持率は25%、平均点は4.40/10となった[3]Metacriticでは34件のレビューを基に加重平均値が35/100となった[4]

脚注 編集

外部リンク 編集