ホンダ・B型エンジン
B型エンジン(Bがたエンジン)は、本田技研工業で製造されていたCセグメント~Dセグメント車種用直列4気筒エンジンである。
ホンダ・B型エンジン | |
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B16A | |
生産拠点 | 本田技研工業 |
製造期間 | 1985年6月 - 2002年3月 |
タイプ |
直列4気筒SOHC12バルブ 直列4気筒DOHC16バルブ 直列4気筒DOHCVTEC16バルブ |
排気量 | 1.6L,1.7L,1.8L,2.0L,2.1L |
機構 編集
DOHC 編集
- B18A/B18B/B20A/B21A
ロングストローク型のボアストローク比、ロッカーアームを用いたDOHC、軽量コンパクトながら実用域のトルクも高いといったZC型エンジンの特徴を継承しつつ、より大きな排気量(1.8〜2.1L)をカバーした。
吸・排気バルブはそれぞれ2個ずつのレイアウトで、点火プラグは燃焼室の天井中央部に配置された。アルミ製シリンダーブロックには「NDC (New DieCast) 」と呼ばれる高圧鋳造のクローズドデッキ仕様も存在する。
CVデュアルキャブレター(サイドドラフト、可変ベンチュリ)仕様とPGM-FI仕様が存在し、キャブレター仕様は空燃比をより精密に制御するための2次エアが導入されている。PGM-FI仕様はインテークマニホールドの各気筒のポートにインジェクターが取付けられたマルチポイント式で、インテークマニホールドに可変吸気装置が装備されているものもある。A型エンジンと同様にCVCCは採用されておらず、排気ガス浄化のために三元触媒と排気2次エアー供給システムが採用された。
フォーミュラ3などのモータースポーツ用エンジンとしても転用された。
DOHC VTEC 編集
- B16A/B16B/B17A/B18C
NAエンジンにおいてリッターあたり100PS超の高出力化を実現するために、可変バルブタイミング・リフト機構であるVTECが装備されている。カムシャフトに“ハイ”と“ロー”の2種類のカム駒を設け、そこに接するロッカーアームを切り替え、吸・排気バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)とリフト量を変化させ、中・低速域のトルクと高速域の出力を両立させている。
こちらもモータースポーツ用エンジンのベースとして用いられ、全日本ツーリングカー選手権 (JTCC) 、フォーミュラ4などで使用された。
SOHC 編集
- B20A
3代目プレリュードに唯一搭載された。型式はDOHC仕様と同一で、他機種が前傾して搭載されているのに対し、プレリュードの低いボンネットフードに納めるために、後傾して搭載(DOHC仕様も同様)されている。シリンダーヘッド構造はA型と同様であるが、シリンダーブロックはDOHC仕様と共通で、CVデュアルキャブレター仕様がラインナップされた。
DOHC (4連スリーブ) 編集
- B20B
CR-V、ステップワゴン等に搭載された機種。4連一体構造の鋳鉄スリーブがシリンダーブロックに鋳込まれ、それによってシリンダー間隔を広げずボア径を拡大することが可能になった。ZC型と同程度の大きさながら2.0Lの排気量を実現している。
歴史 編集
バリエーション 編集
B16A 編集
- 弁機構:DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,595cc
- 内径×行程:81.0mm×77.4mm
- 圧縮比:10.4
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(EK4 シビック)
- 最高出力:125kW(170PS)/7,800rpm
- 最大トルク:157N·m(16.0kgf·m)/7,300rpm
B16B 編集
- 弁機構:DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,595cc
- 内径×行程:81.0mm×77.4mm
- 圧縮比:10.8
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(EK9 シビック TYPE R)
- 最高出力:136kW(185PS)/8,200rpm
- 最大トルク:160N·m(16.3kgf·m)/7,500rpm
- VTEC切替:6100rpm
- レッドゾーン:8,500rpm
- レブリミット:9,000rpm
B17B 編集
- 弁機構:DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,678cc
- 内径×行程:81.0mm×81.4mm
- 圧縮比:9.7
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(DB2 インテグラ)
- 最高出力:120kW(160PS)/7,600rpm
- 最大トルク:159N·m(16.2kgf·m)/7,000rpm
B18A 編集
- 弁機構:DOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,834cc
- 内径×行程:81.0mm×89.0mm
- 圧縮比:9.2
- 燃料供給装置形式:キャブレター(CVデュアルキャブレター)
- 参考スペック(CA1、2 アコード)
- 最高出力:96kW(130PS)/6,000rpm
- 最大トルク:162N·m(16.5kgf·m)/4,000rpm
B18B 編集
- 弁機構:DOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,834cc
- 内径×行程:81.0mm×89.0mm
- 圧縮比:9.2
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(MA5 ドマーニ)
- 最高出力:103kW(140PS)/6,300rpm
- 最大トルク:171N·m(17.4kgf·m)/5,200rpm
B18C 編集
- 標準
- 弁機構:DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,797cc
- 内径×行程:81.0×87.2
- 圧縮比:10.6
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(DC2 インテグラ)
- 最高出力:132kW(180PS)/7,600rpm
- 最大トルク:175N·m(17.8kgf·m)/6,200rpm
- spec.R
- 弁機構:DOHC VTEC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,797cc
- 内径×行程:81.0mm×87.2mm
- 圧縮比:11.1
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(DC2 インテグラ TYPE R)
- 最高出力:147kW(200PS)/8,000rpm
- 最大トルク:186N·m(19.0kgf·m)/6,200rpm
B20A 編集
- SOHC
- 弁機構:SOHC ベルト駆動 吸気2 排気1
- 排気量:1,958cc
- 内径×行程:81.0mm×95.0mm
- 圧縮比:9.1
- 燃料供給装置形式:キャブレター(CVデュアルキャブレター)
- 参考スペック(BA4 プレリュード)
- 最高出力:81kW(110PS)/5,800rpm
- 最大トルク:152N·m(15.5kgf·m)/4,000rpm
- DOHC
- 弁機構:DOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,958cc
- 内径×行程:81.0mm×95.0mm
- 圧縮比:9.4
- バルブ挟み角:吸気26°、排気26°
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(CA3 アコード)
- 最高出力:118kW(160PS)/6,300rpm
- 最大トルク:186N·m(19.0kgf·m)/5,000rpm
B20B 編集
- 弁機構:DOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:1,972cc
- 内径×行程:84.0×89.0
- 圧縮比:9.6
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(RD1 CR-V)
- 最高出力:110kW(150PS)/6,300rpm
- 最大トルク:184N·m(18.8kgf·m)/4,500rpm
B21A 編集
- 弁機構:DOHC ベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:2,056cc
- 内径×行程:83.0mm×95.0mm
- 圧縮比:9.4
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック(BA7 プレリュード)
- 最高出力:107kW(145PS)/5,800rpm
- 最大トルク:186N·m(19.0kgf·m)/5,000rpm
搭載車種 編集
- B16A
- B16B
- シビックTYPE R (EK9)
- B17A
- インテグラ (DB2 北米向け)
- B18A
- アコード/アコードエアロデッキ/ビガー (CA2)
- B18B
- B18C
- インテグラ (DC2/DB8)
- VEMAC RD180(エンジン提供)
- B18C spec.R
- インテグラTYPE R (DC2/DB8)
- B20A
-
- SOHC仕様
- プレリュード (BA4/5)
- DOHC仕様
- アコード/アコードエアロデッキ/ビガー (CA3)
- プレリュード (BA1/4/5)
- B20B
- B21A
- プレリュード (BA7)
脚注 編集
関連項目 編集
外部リンク 編集
- 本田技研工業(オフィシャル)