GALACTICA/ギャラクティカ』(原題:Battlestar Galactica)は、Sci Fiチャンネルアメリカ合衆国にて2003年に放映したミニシリーズ、及び2004年から開始されたTVドラマシリーズである。同国で1978年に放映された同名のTVドラマシリーズ『宇宙空母ギャラクティカ』(うちゅうくうぼギャラクティカ、原題:Battlestar Galactica)のリブート作品[1]である。そのことから、1978年版を「オリジナルシリーズ」、2000年代版を「リブートシリーズ」と呼び大別されている。

概要 編集

2003年12月、序章となるミニシリーズがアメリカのSF専門チャンネルSci-Fiで2夜連続、合計4時間にわたって放送された。プロデューサーは、ロナルド・D・ムーアとデビッド・エイク。その後、ミニシリーズの好評を受けてTVシリーズが製作される。

2005年1月から始まったTVシリーズ本編は2009年3月に終了した。スピンオフとしてサイロン側の視点で描かれた人類抹殺計画 The Plan は2009年秋に発売・2010年1月に放送され、開戦50年前からサイロン誕生を描いたスピンオフシリーズ Caprica が2010年1月より放送された。さらに、2012年11月より第1次サイロン戦争時を描く新シリーズ blood and chrome の放送が開始された。

SFとはいえ特殊メイクの異星人は登場せず、戦争と絶望・希望にゆれる人間ドラマを最新のVFX及び独特の撮影法・BGMで彩り、アメリカ国内では高評価を得ている。

また、前作オリジナルシリーズのストーリー及びキャラクターを踏襲しつつも、前作で男性であったキャラクターを女性に変更したり謎の多い人間型サイロンを新たに登場させたりと、何かとひきずりがちな前作のイメージをいい意味で路線変更させることに成功している。

日本でもミニシリーズを編集したDVDが発売、BSでも放送された。2007年12月にCSのスーパー!ドラマTVで序章としてミニシリーズが放送され、2008年1月からTVシリーズが同チャンネルで放送された。2009年1月からは地上波の日本テレビ放送網でも序章・TVシリーズを順次放送。2010年2月より7月にかけてスーパー!ドラマTVでは最終シーズンが放送された。

あらすじ 編集

第一次サイロン戦争 編集

はるか彼方の宇宙にある人類の12コロニー惑星(コロニアル連合)。あるとき、人間が開発したロボット・人工知能であるサイロンが突如反乱を起こした。激戦の末、双方で休戦が宣言され休戦ラインを策定、戦争は終結した。人類は、サイロンのウイルスなどに対抗するため、コンピューターなどの最先端機器の大半を捨てた。両者は毎年休戦ライン上にある宇宙ステーションで会合を開くことになっていたが40年以上後の第二次サイロン戦争開始直前までサイロン側が現れたことはなかった。

第二次サイロン戦争(12コロニーの滅亡) 編集

だが、サイロンは人間と見分けのつかない12タイプの人型サイロンを開発し、12コロニーに潜伏させていた。そのうちのモデルナンバー6の一体が、天才科学者ガイアス・バルターを誘惑し、コロニアル艦隊の防衛ネットワークへの秘密工作に成功する。そして休戦ステーションに人類側の使節が到着したその日、サイロン軍による12コロニーへの大規模核攻撃を含めた総攻撃が行われた。バルター博士開発の新型ネットワークを導入していたコロニアル艦隊は、ナンバー6によってうがたれたセキュリティ・ホールから送り込まれたコンピュータウイルスによって無力化され、なすすべもなく壊滅した。12コロニー惑星は無差別核攻撃によって滅び去り、何十億人もの人々が犠牲となった。こうして、第二次サイロン戦争はサイロンの一方的な勝利と人類世界の壊滅によって、わずかな時間で事実上終結した。

宇宙空母ギャラクティカ 編集

コロニアル艦隊の主力である宇宙空母(バトルスター)のうち、この奇襲を生きのびることができたのは、第一次サイロン戦争の英雄であり、当時の戦訓にしたがって艦のネットワーク化をかたくななまでに拒んできたウィリアム・アダマ艦長率いる老朽艦ギャラクティカだけであった。開戦当時、惑星カプリカ近傍で博物館に改装される途中であったギャラクティカは、右舷が売店に改装済みである上、主力戦闘機群をサイロンのウイルス攻撃により失ってしまったが、展示用に収納されていた旧式戦闘機バイパーII型を使って、辛くも敵の襲来を生きのびた。

船団の逃走 編集

一方、奇襲当時に宇宙空間にいて難を逃れた民間船は、唯一生き残ったコロニー政府閣僚であるローラ・ロズリン教育庁長官(大統領に昇格)の指示によって集結した。しかしそこにもサイロンの攻撃が迫り、ロズリン大統領はやむなく超光速ジャンプ能力を持たない数多くの民間船を置き去りにし、ギャラクティカと合流するに至った。そして、ロズリンは抗戦を主張するアダマを説得し、新天地をめざして未踏の宇宙空間への逃走を始めたのである。この人類最後の船団の構成人口はわずか5万人弱。

地球への長い旅 編集

アダマは人々に希望を持たせるため、太古の伝説に語られる13番目のコロニー「地球」を最終目的地とすることを宣言した。だが、地球に至る道筋は誰も知らなかったのである。また、サイロンも人類殲滅をあきらめてはいなかった。人型サイロンは船団の中にも潜み、こうして長く絶望的なギャラクティカと人類船団の旅が始まった。

彷徨・絶望 編集

ギャラクティカと船団の旅は長く、そして苦難に満ちたものとなった。サイロンの総攻撃を逃れたもう一隻の宇宙空母ペガサスと邂逅こそあったものの、潜伏する人型サイロンによる工作・疑心暗鬼、物資の不足、船団内での政治活動による人心の分裂で人々は疲れ果て、居住可能な惑星をニューカプリカと名付けて旅を終わらせようと試みる。だが安息の地はなくニューカプリカはサイロンに制圧されてしまう。サイロン占領下では、拷問を受ける者、抵抗を試みる者、市民を巻き込んだテロを行う者、進んでサイロンに協力して新秩序を守ろうとする者、様々な人間模様が交錯する中、占領下の人びとを救うべくアダマはギャラクティカに前代未聞の大気圏内FTLを伴う救出作戦を実行する。1万人以上の命とペガサスを失ってようやく得た自由。しかし地球はまだ見つからない。探索の途中でスターバックは機体ごと爆発して遭難するが、2カ月後に新品の機体で帰還する。100%本人だが遭難の記憶は無い。

サイロン内戦 編集

一方、サイロン内部でも新しい動きが始まる。「人類を虐殺したのは正しかったのか?」とセンチュリオンが自意識を持ち始めた時、人型サイロンたちの意見は分かれ、やがて一部の人型サイロンは人類との接触を試みる。船団では人型サイロン12モデル中の残り=ファイナル5中の4モデルが「目覚めた」。想像もしていなかった事実が彼ら自身を困惑させていく。やがてサイロンの叛乱分子とギャラクティカは接触する。船団の物資の不足、ファイナル5が持つという「地球」の記憶、シャロン・バレリーとヒロの間に生まれたヘラの存在を架け橋として、これまで殺し合ってきた種族間の同盟が成立する。

地球の真実 編集

しかし、ファイナル5の記憶が導いた「地球」は、恐るべき事実と絶望を船団に突きつける。コボルより旅立った13番目の部族とは人型サイロンであった。ファイナル5はかつてそこに暮らし、核戦争で滅亡したサイロン最後の生き残りだったのである。ダウンロード再生した彼らが、二千年の歳月を超えて12コロニーにたどりつき、新たに作成した人型サイロンが残りの7人であった。荒廃した「地球」への絶望、敵であるサイロンとの同盟に対する反発からギャラティカ艦内ではクーデターが発生し、新たな血が流されることになる。

最後の選択・そして遠い未来へ 編集

アダマは艦の構造自体に限界を生じたギャラクティカを放棄し、同盟サイロンのベーススターを旗艦として再出発を一旦は決意する。しかし、ナンバー8に拉致されたヘラを救出するため、カビルが居るサイロン本拠地「コロニー」への遠征を決意する。生還は期待できない作戦は志願制で行われる。アダマ、リー、スターバック、ヒロ、シャロン、タイ、エレン、人間との協調を選んだ人型サイロンたち、自意識を持ったセンチュリオン、そして初めて他者のための行動を取ることを決意したバルター等を載せたギャラクティカは船団を離れて最後の戦いに赴く。多大な犠牲を払ってヘラの救出は成功した。崩壊するサイロンのコロニーから逃れるべくスターバックが打ち込んだFTLの座標に出現したギャラクティカ。竜骨は折れてもはや二度とジャンプできない。困惑する人々の前に現れた惑星は、衛星を一つ持った青く美しい姿で浮かんでいた。

スタッフ 編集

主な登場人物 編集

  • ウィリアム・アダマ - 宇宙空母ギャラクティカの艦長で、コロニアル残存艦隊の指揮を執る。ケイン提督亡き後、提督[2]に昇格。40年前の第一次サイロン戦争ではバイパー・パイロットとして勇戦した。
  • ローラ・ロズリン - 大統領。教育庁長官であったが、サイロンの攻撃により大統領及び継承権上位の閣僚が死亡したため、継承順位43位の彼女が大統領に昇格した。地球へと人類を導く。末期の乳癌に冒され余命いくばくもなかったが、人型サイロンの胎児の血液によって奇跡的に回復する。
  • リー・アダマ - ギャラクティカ戦闘機隊の隊長(CAG)。コールサインは「アポロ」。アダマ艦長の息子。弟ザックの死を巡って父と確執があるが、次第に父への信頼を取り戻していく。後にペガサスの艦長に抜擢される。
  • カーラ・スレイス英語版 - 戦闘機パイロット。コールサインは「スターバック」。アダマ艦長の次男ザックとはかつて恋仲であった。アダマ艦長も認める最高の腕前を持つパイロット。物語中で重大な「宿命」を背負う。
  • シャロン・バレリー - 戦闘機パイロット。コールサインは「ブーマー」。その正体は艦隊に送り込まれた人型サイロン(ナンバー8)だが、自分を人間と認識している。無意識の内に破壊活動を行い、望まないままサイロンの英雄となる。
  • もう一人のシャロン(シャロン・アガソン) - 人間の社会に潜伏した人型サイロン(ナンバー8)。サイロン占領下の惑星カプリカで出会ったギャラクティカの乗組員、カール・アガソンと恋に落ち、彼の子を妊娠し、サイロンを裏切る。アダマ艦長の信頼を得て、ギャラクティカの乗組員となる。
  • ガイアス・バルター - 天才的科学者だが女癖が悪く、人型サイロンに惹かれ国防上の情報を提供してしまう。コロニーの滅亡に自責を感じながら、つきまとうナンバー6の幻影によって、人間とサイロンの間を揺れ動く。
  • カプリカ6 - バルターから情報を聞き出した人型サイロン(ナンバー6)。バルターを愛してしまい、戦争に疑問を持つ。
  • ソール・タイ - アダマ艦長の旧友でギャラクティカの副艦長(副長)。指揮能力はあるが、酒びたりなので、乗組員からの信頼はいま一つ。スターバックとは犬猿の仲。
  • エレン・タイ - ソール・タイの身持ちの良くない妻。
  • カール・アガソン - ギャラクティカの乗組員だが、第二次サイロン戦争勃発後、民間人救援作戦の際カプリカに取り残される。カプリカ上で出会ったシャロン・バレリーのコピーと恋に落ちる。コールサインは「ヒロ」。
  • ガレン・チロル - ギャラクティカ整備班のチーフ。シャロン・バレリーの恋人。
  • フィリックス・ゲイタ - ギャラクティカ乗組員。CICでコンピューター関係の操作を中心に幅広い役割を担う。
  • アナスタシア・デュアラ - ギャラクティカ乗組員。CICで主に通信関係の役割を担っている。愛称は「ディー」。
  • サムエル・アンダース - カプリカで生き残った人類レジスタンスのリーダー。偶然にカーラ・スレイスと出逢う。
  • ヘレナ・ケイン - 提督[2]。開戦以来、孤立無援の戦いを続けていた宇宙空母ペガサスの艦長。戦いのためには非情な決断も躊躇しない。ギャラクティカと合流するが、アダマ艦長と対立し、互いに暗殺を画策する。
  • トム・ザレック - 元テロリストの経歴を持つ政治家で、ロズリンにとってあなどれない政敵。演じるリチャード・ハッチはオリジナル・シリーズでアポロを演じていた。
  • ドラル - サイロンの攻撃時にギャラクティカに搭乗していたジャーナリスト。後に人型サイロン(ナンバー5)であることが露見する。
  • サイモン - 特別任務を帯びて惑星カプリカに降り立ったカーラが出会った医師。正体は人型サイロン(ナンバー4)である。
  • ディアナ - ギャラクティカのドキュメンタリー番組を製作したジャーナリスト。その正体は人型サイロン(ナンバー3)。ファイナル5の謎にとりつかれる。
  • レオーベン・コノイ - ラグナー基地に取り残されていた武器商人。アダマによって人型サイロン(ナンバー2)であると看破される。強い信仰心を持ち、カーラに執着する。
  • ブラザー・カビル - 船団の聖職者。自分がサイロンではないかと悩むチロルの相談相手になった。しかしその正体は人類への復讐を求める最初の人型サイロン(ナンバー1)であった。

キャスト 編集

エピソード・リスト 編集

パイロット版は第1シーズンのプロローグであり、事実上の第一話であるため未視聴の場合は物語の把握が困難だが媒体によっては別作品として分けられているため視聴時には注意が必要。

パイロット版 編集

  • 単品DVD(ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン)邦題『バトルスター ギャラクティカ サイロンの攻撃』
  • スーパー!ドラマTV放映版(2分割放映)邦題『バトルスター・ギャラクティカ 序章 前編』『(同) 後編』
  • DVD-BOX・レンタルDVDシリーズ版(デイライト)邦題『序章「ジェノサイド」』
  • 日本テレビ放映版(地上波、4分割放映)の邦題
    • 『第1話 序章1』2009年1月7日(水)2:29〜3:24放映
    • 『第2話 序章2』2009年1月14日(水)2:14〜3:09放映
    • 『第3話 序章3』2009年1月21日(水)2:29〜3:24放映
    • 『第4話 序章4』2009年1月28日(水)2:09〜3:04放映

第1シーズン 編集

(DVD-BOX邦題『起:season1』、スカパー!邦題『バトルスター・ギャラクティカ』)

No. No. 邦題 原題
1 33分の恐怖 33
2 ウォーター Water
3 囚人ザレック Bastille Day
4 悔恨の祈り Act of Contrition
5 帰還不能 You Can't Go Home Again
6 魔女狩り Litmus
7 裏切りの告発 Six Degrees of Separation
8 神が導くもの Flesh and Bone
9 バルターの憂鬱 Tigh Me Up, Tigh Me Down
10 聖なる予言 The Hand of God
11 暗殺者の影 Colonial Day
12 コボル上陸作戦(前編) Kobol's Last Gleaming, Part1
13 コボル上陸作戦(後編) Kobol's Last Gleaming, Part2

第2シーズン 編集

(DVD-BOX邦題『承:season2』、スカパー!邦題『バトルスター・ギャラクティカ2』)

No. No. 邦題 原題
1 14 船団崩壊 Scattered
2 15 暗闇の谷 Valley of Darkness
3 16 戒厳令 Fragged
4 17 レジスタンス Resistance
5 18 ファーム The Farm
6 19 地球への道(前編) Home, Part 1
7 20 地球への道(後編) Home, Part 2
8 21 真実の報道 Final Cut
9 22 ブラックバード Flight of the Phoenix
10 23 ペガサス Pegasus
11 24 再生船(前編) Resurrection Ship, Part 1
12 25 再生船(後編) Resurrection Ship, Part 2
13 26 啓示 Epiphanies
14 27 欲望の構図 Black Market
15 28 傷跡 Scar
16 29 悲劇の銃弾 Sacrifice
17 30 ペガサスを継ぐ者 The Captain's Hand
18 31 ダウンロード Downloaded
19 32 審判の日(前編) Lay Down Your Burdens, Part 1
20 33 審判の日(後編) Lay Down Your Burdens, Part 2

第3シーズン 編集

(DVD-BOX邦題『転:season3』)

No. No. 邦題 原題
1 34 ニュー・カプリカ Occupation
2 35 反乱分子 Precipice
3 36 大脱出(前編) Exodus, Part 1
4 37 大脱出(後編) Exodus, Part 2
5 38 罪と罰 Collaborators
6 39 感染 Torn (1)
7 40 魂の救済 A Measure of Salvation (2)
8 41 英雄の証 Hero
9 42 心の闘い Unfinished Business
10 43 死の航路 The Passage
11 44 ジュピターの目 The Eye of Jupiter (1)
12 45 5つの光 Rapture (2)
13 46 選ばれし者 Taking a Break from All Your Worries
14 47 父として 兵士として The Woman King
15 48 ある1日 A Day in the Life
16 49 サボタージュ Dirty Hands
17 50 真実の扉 Maelstrom
18 51 惜別 The Son Also Rises
19 52 運命の十字路(前編) Crossroads, Part 1
20 53 運命の十字路(後編) Crossroads, Part 2

Razor 編集

ペガサス乗員の視点から見た第二次サイロン戦争。(Razorの単品DVD邦題『RAZOR/ペガサスの黙示録』)

第4シーズン 編集

(DVD-BOX邦題『結:season4』)

No. No. 邦題 原題
1 54 地球からの使者 He That Believeth in Me
2 55 許されざる道 Six of One
3 56 絡まる悪夢 The Ties That Bind
4 57 神々からの離反 Escape Velocity
5 58 彷徨の果て The Road Less Traveled
6 59 信念の鎖 Faith
7 60 招かれざる者たち Guess What's Coming to Dinner?
8 61 離愁 Sine Qua Non
9 62 還るべき場所 The Hub
10 63 終止符 Revelations
11 64 灰色の大地 Sometimes a Great Notion
12 65 崩壊の序曲 A Disquiet Follows My Soul
13 66 尊き誓い The Oath
14 67 血の革命 Blood on the Scales
15 68 5人の創造主 No Exit
16 69 サイロンの血 Deadlock
17 70 連弾 Someone to Watch Over Me
18 71 死の宣告 Islanded in a Stream of Stars
19 72 黎明紀(PART 1) Daybreak, Part 1
20 73 黎明紀(PART 2) Daybreak, Part 2
21 74 黎明紀(PART 3) Daybreak, Part 3

The Plan 編集

第1・第2シーズンをサイロン側の視点で描いた特別編。2009年10月末にDVD・Blu-ray(日本語字幕はないものの購入は可能)及びダウンロード販売され、2010年1月に米国のケーブルTVで、日本では2010年9月4日にスカパー!で放映された。

Caprica 編集

スピンオフシリーズ。58年前のサイロン誕生時を描く。2010年1月放送。

主な用語 編集

  • バトルスター - コロニアル艦隊の主力艦で、現実の戦艦と空母が混ざったような構造を持つ。第二次サイロン戦争勃発時の稼動艦は全軍で120隻で、複数の艦種がある。日本語翻訳では「宇宙空母」と呼ばれる。詳細は別項参照。
  • ドラディス (DRADIS) - Direction, RAnge, and DIStanceの略。いわゆるレーダーサイロンレイダーと区別するため、との説がある。
  • コボル12コロニー - 人類発祥の惑星であるコボルを脱出した13の部族のうち12の部族が作ったとされる12の植民星、またはその連合政府。連合政府の正式名称はコロニアル。政府の首長は大統領。12コロニーの各代表が集まる評議会は代表者会議 (Quorum) と呼ばれている。12コロニーの名前は黄道十二宮をもじったものであり、ABC順にアイレロン、アクアリア、キャンセロン、カプリカ、ジェミノン、レオニス、リブラン、パイコン、サジタロン、スコルピア、タウロン、バーゴン。うちカプリカが政治・経済の中心地であり、おそらくは連合政府所在地であった。パイコンにはコロニー艦隊司令部があった。
  • FTL - Faster Than Light の略で、いわゆる超光速航法。計算を間違えると予定とは全く違う座標に飛んだり惑星の内部に飛んでしまったりする。FTL航行には専用機関であるFTLドライブが必要で、コロニアル政府・軍・民問わず普及しているが、艦船全てに装備されているわけではなく、サイロンによる攻撃の際ドライブを装備していない船は取り残された。サイロン軍も装備しており、コロニー政府のものより高性能である。英語版ではジャンプ (jump) と言うが、最初に発売された日本語版ミニシリーズの日本語訳ではワープとされている。なおTVシリーズ日本語版放映にともない、「ジャンプ」で統一された。
  • チリューム(ティリウム) - 全ての船で使用している燃料。チリューム鉱石から生成される。
  • トランスポンダー - 敵味方を識別する為に使用する機器。あるいは追跡用の発信機。
  • コボル - 人類発祥の地とされる伝説上の惑星。
  • コボルの神々 - 神話でコボルにいたとされる神。コロニアルは多神教で、ギリシャ神話の神々を信じている。対するサイロンは一神教。
  • Frak - 英語版のみ。Fuckの代わりに使われている。
  • CNP - Command Navigation Programの略。コロニアル艦隊全艦船の95%が装備するオペレーティングシステム。コンピュータネットワークの高速化及び艦船間・基地間のデータリンクの効率化を両立する高性能ソフトウェアである。バルター博士により開発されたことになっているが、実に半分以上のプログラムが博士に取り入った人型サイロンであるNo.6により書き込まれており、この中には、サイロンの信号により艦船のシステムダウンを引き起こすセキュリティホールも含まれていた。
  • CAG - Commander of Air Groupの略。バイパー、ラプターを含む空母航空隊の隊長を意味する。
  • Skinjob - 人型サイロンのこと。
  • センチュリオン - サイロンの兵士。自律意識は不完全だが高い戦闘能力を誇る。
  • レイダー - サイロンの無人戦闘機。センチュリオンと同様不完全ながら自律意識を備える。センチュリオンの上陸部隊が搭乗できる大型タイプをヘビー・レイダーと呼ぶ。
  • ベース・スター - 多数のレイダーを格納するサイロンの母艦。二本のY字が互い違いに重なったような形をしている。核兵器も備え、人型サイロンの住居を兼ねている。
  • ダウンロード(再生) - サイロン個体(レイダーなどの戦闘機も含む)が死亡あるいは破壊された際に、それまでの経験や記憶が同モデルの別個体(予備個体)に転送され活動を再開させることを言う。つまり「生き返る」こととなる。転送内容は他のコピー個体にも共有される。再生施設は、サイロンの本拠地及び占領したコロニアル惑星に置かれているようで、有効範囲が設定されており、範囲外で行動する場合は、再生設備を装備した再生船を随伴させる。有効範囲外で死亡した場合、そのサイロンは二度と再生されない。つまり完全に「死ぬ」。ここまでは万能なシステムのように思えるが、死亡時の痛みや身体的異常(ウイルス感染など)も転送してしまうため、時に種族としての壊滅的危機を誘発する危険なシステムでもある。
  • ファイナル5 - 残る5人の人型サイロンのこと。正体はサイロンたちにも不明で、サイロンの運命と地球への道筋の謎の鍵をにぎるという。

主な宇宙艦船、宇宙戦闘機 編集

コロニアル艦隊
  • バトルスター・ギャラクティカ - 船団を護衛する宇宙空母。第二次サイロン戦争勃発時には老朽化のため退役し第一次サイロン戦争博物館となる予定だった。バイパーを約40機搭載する。
  • バトルスター・ペガサス - ドックに停泊時にサイロンの攻撃を受けたが改修中の為にギャラクティカと同様に通信ネットワークを切っていた為、生き延びていたもう一隻の宇宙空母。シーズン2の中盤からシーズン3の序盤にかけて活躍する。
  • コロニアル・バイパー - 艦隊の戦闘機。機関砲(オリジナルシリーズではレーザー砲)とミサイル等を装備。複数のバージョンがあり、最新型はマーク7。FTLドライブは装備されていない。
  • コロニアル・ラプター - 艦隊の偵察機。戦闘能力はほとんど持たないが、高度なレーダー性能を持つ。簡易型のFTLドライブを装備。
  • コロニアル・ブラックバード(愛称:ローラ) - 物資が欠乏する中、あり合わせのパーツで作られた戦闘機。高度なステルス性を有した。なお、愛称は大統領のローラ・ロズリンからきている。ラプターのものと同型のFTLドライブを装備している。
船団
ギャラクティカと客船、採掘船など60数隻の民間船から成り立っている。
  • コロニアル・ワン - 大統領が搭乗する船。元は客船「コロニアル798便」であったが、乗船していたロズリン長官が大統領に昇格就任したため、船長が「コロニアル・ワン」と呼び替えた。
  • クラウド9 - 豪華客船。船団で最も娯楽施設に富んだ船。惑星ニューカプリカ到着前、惑星から1光年の場所で、人型サイロンNo.6タイプ「ジーナ」が核弾頭を起爆させたため、周辺の宇宙船複数を巻き込み大爆発を起こした。この爆発の放射線輻射を検知したサイロンにニューカプリカを発見されることになる。
サイロン艦隊
  • サイロン・ベーススター - サイロンの宇宙母艦。
  • サイロン・レイダー - サイロンの戦闘機。リ=イマジングシリーズにおいてはシーズン3の時点で2タイプのレイダーが登場している。機関砲と核弾頭搭載可能なミサイルを装備している。バイパーと違いFTL航行可能。
  • リザレクション・シップ(再生船) - サイロンが惑星などに設置する再生システムの効果範囲外で行動する際、再生システムを代行するため艦隊に随伴する宇宙船。本拠地や惑星のシステムから離れ、なおかつこの船が近くにいない場合にサイロンが死亡(破壊)されると、二度と再生されない。FTLドライブ装備。非武装。

メインタイトル 編集

アバン終了後に流れるメインタイトルは、前半がパイロット版ミニシリーズ由来のカット、後半がその回放映分より抜粋したカットの連続となっている。なお、米国版第1シーズンのみは背後に流れるメインテーマが歌詞のない別の曲となっている。他国放映版と第2シーズン以降はすべて共通である。この共通メインテーマで歌われている歌詞は、サンスクリット語『リグ・ヴェーダ』中にある「ガーヤトリー・マントラ」(下記)である。

Om bhūr bhuvah svah
tat savitur varēnyam
bhargō dēvasya dhīmahi
dhiyō yō nah pracōdayāt

死すべき者、不死なる者、神なる者の上に平和あれ
わが瞑想は太陽神の最も輝ける光のため
われらが知の力、神が掻き立て給わんことを
(かくして、正しき時に正しきおこないをなす霊感を授からんことを)
(『リグ・ヴェーダ』-3.62、訳:浜田吾愛)

日本での放映タイトル 編集

日本ではDVD販売会社、放映局毎にタイトルにばらつきが見られる。

  • BS邦題『Battlestar Galactica』
  • DVD邦題『GALACTICA/ギャラクティカ』
  • パイロット版DVD(ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン)邦題『バトルスター ギャラクティカ サイロンの攻撃』
  • スーパー!ドラマTV邦題『バトルスター・ギャラクティカ』
  • 地上波TV邦題『ギャラクティカ』(実際のテレビ画面)、『GALACTICA』(日テレ公式サイト)

映像商品 編集

  • パイロット版の単品DVDは、2004年12月31日、ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパンより、邦題『バトルスター ギャラクティカ サイロンの攻撃』として発売された。品番:UNSD-75011、JANコード:4571130848467

DVD-BOXは発売元:デイライト、販売元:アミューズソフトエンタテインメントより、各シーズンを前後半に分けて発売されている。シーズン前半を収録したBOXにはブックケース形パッケージが付属しており、後半の分も一緒に収まる形状になっている。

  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 起:season1』DVD COLLECTOR'S BOX 1 ……2008年5月23日発売。DVD4枚組、品番:ASBP-4043、JANコード:452742764436
    パイロット版も収録されている。サブタイトルは邦題「ジェノサイド」と改められ、また吹替音声は上記のユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン盤と同一キャストながら、別の吹替音声が収録されており、セリフに若干の違いがある。
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 起:season1』DVD COLLECTOR'S BOX 2 ……2008年7月25日発売。DVD4枚組、品番:ASBP-4044
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 承:season2』DVD COLLECTOR'S BOX 1 ……2008年11月28日発売。DVD5枚組、品番:ASBP-4189、JANコード:4527427641891
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 承:season2』DVD COLLECTOR'S BOX 2 ……2009年1月23日発売。DVD6枚組、品番:ASBP-4190、JANコード:4527427641907
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 転:season3』DVD COLLECTOR'S BOX 1 ……2009年5月22日発売。DVD5枚組、品番:ASBP-4360、JANコード:4527427643604
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 転:season3』DVD COLLECTOR'S BOX 2 ……2009年7月24日発売。DVD6枚組、品番:ASBP-4361、JANコード:4527427643611
  • 『GALACTICA:スピンオフTVムービー RAZOR/ペガサスの黙示録』……2009年9月25日発売。DVD2枚組、品番:ASBY-4458、JANコード:4527427644588
    本編をTV放送版よりも約17分長い「無修正エクステンデッド・エディション」で収録のほか、インターネットドラマ『GALACTICA:WEBスピンオフ RAZOR FLASHBACKS/第1次サイロン戦争』(約20分)を併録。
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 結:season4』DVD COLLECTOR'S BOX 1 ……2010年5月28日発売。DVD5枚組、品番:ASBP-4637、JANコード:4527427646377
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 結:season4』DVD COLLECTOR'S BOX 2 ……2010年7月23日発売。DVD枚組、品番:ASBP-4638、JANコード:4527427646384

音楽商品 編集

オリジナル・サウンドトラック盤CD 編集

アメリカのラ・ラ・ランド・レコーズ (La-La Land Records) より、パイロット版と各シーズン毎、スピンオフ長編ドラマスペシャルのオリジナル・サウンドトラック盤CDが順次発売されている。

  • 『バトルスター ギャラクティカ サイロンの攻撃』(別題『GALACTICA/ギャラクティカ』パイロット版「序章:ジェノサイド」ほか)……2004年3月16日発売、品番:LLLCD 1015、バーコード:826924101520。
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 起:season1』……2005年6月21日発売、品番:LLLCD 1032、バーコード:826924103227。
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 承:season2』……2006年6月20日発売、品番:LLLCD 1049、バーコード:826924104927。
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 転:season3』……2007年10月23日発売、品番:LLLCD 1062、バーコード:826924106228。
  • 『GALACTICA/ギャラクティカ 結:season4』……2009年7月28日発売、品番:LLLCD 1100、バーコード:826924110027、2枚組。
  • 『Caprica(原題)』……2009年6月16日発売、品番:LLLCD 1098、バーコード:826924109823。
  • 『Battlestar Galactica: The Plan(原題)』『GALACTICA/ギャラクティカ RAZOR/ペガサスの黙示録』(2作品分の音楽をCD1枚に収録)……2010年2月23日発売、品番:LLLCD 1125、バーコード:826924112526。

日本版オリジナル主題歌(日テレ地上波放映時のエンディング) 編集

ボードゲーム 編集

2008年に米Fantasy Flight Games社からリ=イマジニング・シリーズをテーマにした多人数用ボードゲームが発売された。ギャラクティカをはじめとしてドラマに登場する重要地点が描かれた盤上で、各プレイヤーは主要登場人物(アダマ、ロズリン、タイ、アポロ、スターバック、バルター、ザレック、チロル、シャロン、ヒロ)のうち1人を担当し、手番ごとにカードをめくることで発生する様々な危機に対処していく協力型ゲームである。しかし、ゲーム開始時には秘密裏にプレイヤー1〜2人がサイロンであると指定され、他プレイヤーの敗北が勝利条件となる。このため、サイロンを担当するプレイヤーは協力するふりをしながら危機解決を阻害したり、あるいは正体を暴露して特殊能力を使用してゲームを敗北に導いたりすることになる。

ペガサス・エキスパンション 編集

2009年発売の第一拡張セット。第2シーズンから第3シーズン序盤までの再現をテーマにしている。新要素として、バトルスター・ペガサスが参戦でき、これに伴って人類側の追加キャラクター(ケイン、ディー、キャット、エレン)が使用できる。また、船団中に潜むサイロン・リーダー(カビル、レオーベン、ナンバー6)をキャラクターとして使える。最終目的地はニュー・カプリカになり、到達した時点でニュー・カプリカ・フェイズが開始される。専用のボード上で進行し、ギャラクティカによる人類救出が成功すれば人類側勝利となる。

エクソダス・エキスパンション 編集

2010年発売の第二拡張セット。第3シーズンの再現をテーマにしている。追加キャラクター(トーリ、キャシー、サムエル、ゲイタ)が投入される。サイロン艦隊の襲来は専用のボードで管理されるようになる。最終目的地には、第3シーズンのフィナーレを再現する「クロスロード」フェイズが用意され、人類とサイロンの思想選択が勝敗を決する。また、サイロン側には個人的勝利条件が付加され、ファイナル5も登場する。

デイブレイク・エキスパンション 編集

2013年発売の第三拡張セット。第4シーズンの再現をテーマにしている。人類側には艦内反乱の要素が、サイロン側にはサイロン内戦の要素が加わっている。この拡張に登場する「故郷の探索」によって、人類はついに地球に到達することができる。

オンラインゲーム 編集

Battlestar Galactica Online
2011年からサービスされているブラウザベースの3Dフライトシューティングゲーム。バトルスターペガサスが合流してから間もない時期が舞台で、リー・アダマはまだ大尉である。バイパーやレイダーなどの戦闘機の他にも、本作オリジナルの戦闘艦艇が多数登場する。世界展開しているが開発運営元がドイツのBigpoint.comであるため、EUサーバーが多い。

備考・トリヴィア 編集

  • 日テレで地上波放映された際は、パイロット版は4分割されてシリーズ通常放映時間と同じ54分枠での放映となった。その際、パイロット版から第1シーズンまで通しで「第〇話」と話数が振られている。なお第2シーズン放映の際は、「第〇話」ではなく「episode:〇」という表記に変わり、第2シーズン初回を「episode: 1」としている。
  • 日テレ地上波でパイロット版と第1シーズンが放映された際には、全回ではないが、番組の最後に特典コラム映像が付けられた。内容は主にブーマー役のグレイス・パーク来日時の新宿バルト9における舞台挨拶風景や、小分けに撮影された彼女へのインタビューで、他に日テレ版主題歌を歌ったkenへのインタビューもあった。
  • 船・船出をモチーフにした最初の日テレ版主題歌“deeper”の歌詞は作品内容にマッチしているものの、実は本作のための書き下ろしではなく、海上の船を想像して書いた詞であることを、上記のインタビューの中でken自身が明かしている。本人も、歌詞が作品内容とよく合っていることに感心していた。
  • ポリゴン・ピクチュアズが『シドニアの騎士』をNetflixに売り込む際、「世界観はアニメ版のバトルスター・ギャラクティカ」という説明をしたという[3]

脚注 編集

外部リンク 編集

日本テレビ MIDNITEテレビシリーズ(火曜25:59→25:29枠)
前番組 番組名 次番組
ギャラクティカ 序章(1〜4)、【season 1】
Dr.HOUSE(第1シーズン)
Dr.HOUSE(第2シーズン)
GALACTICA =ギャラクティカ= 【season 2】
プリズン・ブレイク(シーズン3、再放送)