GRAND LOVE』(グランドラブ)は、日本のミュージシャンである玉置浩二の7枚目のオリジナル・アルバム

GRAND LOVE
玉置浩二スタジオ・アルバム
リリース
録音 ウッドストックスタジオ
Bunkamura Studio
ソニー信濃町スタジオ
ジャンル ロック
ポップス
AOR
時間
レーベル ファンハウス
プロデュース 玉置浩二
チャート最高順位
玉置浩二 アルバム 年表
JUNK LAND
1997年
GRAND LOVE
(1998年)
田園 KOJI TAMAKI BEST
(1998年)
EANコード
『GRAND LOVE』収録のシングル
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1998年5月27日ファンハウスからリリースされた。Sony Recordsからの移籍第一弾としてリリースされ、前作『JUNK LAND』(1997年)よりおよそ8ヶ月ぶりとなるオリジナル・アルバムである。全曲共に作詞、作曲を玉置が行い、一部の曲で安藤さと子が作曲を行っている他、プロデュースも玉置が単独で行っているため初のセルフプロデュース作品となった。

レコーディングは軽井沢にあるウッドストックスタジオにて行われ、ほぼ全ての楽器を玉置が担当、他にはキーボディスト安藤さと子が参加しているのみでほぼ全ての曲が玉置と安藤の2人でレコーディングされた。音楽性としては前作でのアバンギャルドな要素は抑えられ、歌唱力を全面に出した静かなトーンの曲で構成されている。

先行シングルとしてリリースされ、大鵬薬品工業「チオビタドリンク2000」やキリンビバレッジ「JIVE」のコマーシャルソングとして使用された「ルーキー」を収録している他、後に「HAPPY BIRTHDAY〜愛が生まれた〜」がリカットシングルとしてリリースされ、日本メナード化粧品「ジュピエル モイストベールN」のコマーシャルソングとして使用された。

オリコンチャートでは最高位12位となった。

背景編集

前作『JUNK LAND』(1997年)リリース後、玉置は同年9月から12月にかけて「CONCERT TOUR 1997 "JUNK LAND"」と題した全国ツアーを開催、全37公演が行われた。この頃の玉置は1996年11月29日憩室炎で倒れて以降、健康不安を抱えるようになり、東京で音楽を続けていく事に限界を感じていた[2]

1998年に入り、2月2日に玉置は初めて軽井沢にあるウッドストックスタジオを訪れていた[3]。このスタジオを訪れる切っ掛けとなったのは、かつて坂本九のプロデューサーを担当していた金子洋明からの勧めであった[3]。金子は軽井沢にリハーサルスタジオを建設する予定であり、下見に行った際にウッドストックスタジオを訪れ、中に入った瞬間に玉置に相応しい場所であると感じた事から玉置に同スタジオを勧める事となった[3]。スタジオを訪れた玉置は「わあ、最高だ」と気に入ったため、近所の1LDKのマンションを借りて同地でのレコーディングを進める事となった[3]

録音編集

本作のレコーディングはほぼ全て軽井沢にあるウッドストックスタジオにて行われた[3]

前作までプロデューサーとして玉置のソロ作品に関わっていた須藤晃は前作を以って玉置との共同作業から離れる事となったため、本作には参加していない[3]。そのため、本作は玉置による初の完全なセルフプロデュース作品となり、キーボーディスト安藤さと子との共同作業で製作された[3]

本作は玉置プロデュースによる安藤のソロアルバム『A Little Seed Of One Big Tree』と併行して作業が進められた[4]。安藤は本作のレコーディングの合間を縫ってソロアルバムの製作を行っており、玉置が安藤の作曲センスに好意的であったため実現する事となった[4]。安藤は「まさか40過ぎになってアルバムが出せるなんて思ってなかった」と述べている[4]。またこの事に関して玉置浩二の自伝本『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』において志田歩は、ジョン・レノンのアルバム『ジョンの魂』(1970年)とプラスティック・オノ・バンドの時期を思い出させると述べている[4]

音楽性編集

この時期に玉置は安藤の製作する曲に惚れ込んでおり、本作収録曲の内「願い」と「ワルツ」は作曲に安藤が携わっている[4]。「願い」はほぼすべて安藤が作曲しており、玉置のそれまでのキャリアの中で作詞ではなく作曲を他者と共作した初の楽曲となった[4]。かつて安全地帯のシングル「ワインレッドの心」(1983年)の製作時に周囲のスタッフが作曲を井上陽水に依頼する提案をした際に、玉置は「曲は俺が自分で作る。それができないんならバンド辞めて北海道に帰ります」とまで言い放ち、曲に関しては他者に委ねる事は一切なかったが、本作において初めてそれらが実現する事となった[4]。また、「ワルツ」に関しては完全に安藤単独での作曲となっており、玉置が完全に他者に作曲を委ねたのは全キャリアにおいて初の事であった[4]

リリース編集

1998年5月27日ファンハウスよりCDにてリリースされた。

2018年8月15日にはBlu-spec CD2紙ジャケット仕様でソニー・ミュージックダイレクトのGT musicレーベルより再リリースされた[5][6]

ツアー編集

本作を受けてのツアー「Concert Tour 1998 "GRAND LOVE"」は同年9月17日の和光市民文化センターから12月13日東京国際フォーラムまで開催された。このツアーの模様は1999年2月24日にライブビデオ『GRAND LOVE~A LIFE IN MUSIC~』としてリリースされた。

批評編集

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
CDジャーナル肯定的[7]
TOWER RECORDS ONLINE肯定的[8]
  • 音楽情報サイト『CDジャーナル』では、前作がエキセントリックな作品であった事を指摘した上で、本作は「ソフトでマイルドな楽曲がズラリと並ぶ」と述べ、「前回のぶっ飛びぶりについていけなかったファンも、今回は安心して聴けそう」と肯定的に評価した[7]
  • 音楽情報サイト『TOWER RECORDS ONLINE』では、玉置の生活の拠点が軽井沢に移転した事やレコード会社の移籍などにより「今までの環境を大きく変え制作されたアルバム」と指摘した上で、「歌唱力を全面に押し出した落ち着いたトーンの曲が多く収録され、新たなステージの扉を開けた作品」と称賛した[8]

チャート成績編集

オリコンチャートでは最高位12位、登場回数4回となり、売り上げ枚数は4.8万枚となった。

収録曲編集

全作詞・作曲・編曲: 玉置浩二(特記除く)。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.願い(作曲:玉置浩二、安藤さと子)玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
2.DANCE with MOON玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
3.ルーキー玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
4.HAPPY BIRTHDAY〜愛が生まれた〜玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
5.GRAND LOVE玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
6.RIVER玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
7.カモン玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
8.BELL(編曲:玉置浩二、藤井丈司)玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
9.RERAX玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
10.ワルツ(作曲:安藤さと子)玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
11.フォトグラフ玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
12.ぼくらは…玉置浩二(特記除く)玉置浩二(特記除く)
合計時間:

スタッフ・クレジット編集

参加ミュージシャン編集

スタッフ編集

  • 玉置浩二 - プロデューサー
  • 金子文枝 (WHITE HOUSE) - ディレクター
  • 永川“Naggie”タカシ(ファンハウス) - アシスタント・ディレクター
  • 長島道秀 (birdie house) - レコーディング・エンジニア、ミックス・エンジニア
  • 藤田厚生 (birdie house) - マスタリング・エンジニア
  • 藤原成文(ソニーミュージックエンターテインメント) - レコーディング・エンジニア(4,9曲目のみ)
  • 田中邦明(セディックスタジオ) - レコーディング・エンジニア(8曲目のみ)
  • 松尾順二(ソニーミュージックエンターテインメント) - レコーディング・エンジニア(12曲目のみ)
  • 高松明治 - アシスタント・エンジニア
  • 村田コウジ - アシスタント・エンジニア
  • 田中知之 - アシスタント・エンジニア
  • 筧敏彦 - エキップメント・テクニシャン
  • 金子オフィス玉置プロジェクト - マネージメント・オフィス
  • 中原和宏(ファンハウス) - アーティスト・プロモーション
  • 古川ひろし(ファンハウス) - セールス・プロモーション
  • 山本“kocho”晃 (INDEX) - アート・ディレクション
  • 川本“kyohtoh”みちえ (INDEX) - デザイン
  • よしだこうせい - 写真撮影
  • 征矢直行 - コンピュータグラフィックス
  • 引田和幸 - アートワーク・コーディネーション
  • 金子洋明(金子洋明オフイス) - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 新田和長(ファンハウス) - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 須藤晃(カリントファクトリー) - スペシャル・サンクス
  • 中沢慎太郎(ソニーミュージックエンターテインメント) - スペシャル・サンクス
  • 甲斐敏夫(ソニーミュージックエンターテインメント) - スペシャル・サンクス
  • むらまつ“Yoshi-Chang”よしひさ - 「ルーキー」作詞補
  • 山下昭和 - スペシャル・サンクス
  • たぐちのぶあき - スペシャル・サンクス
  • ひさむねなおき - スペシャル・サンクス
  • 倉敷市 - スペシャル・サンクス
  • ISHIKAWA-SAN - スペシャル・サンクス
  • T-YANAGISAWA'S FOOD - スペシャル・サンクス
  • TAKADA-CHANG - スペシャル・サンクス
  • MIMURO-CHANG of WOODSTOCK - スペシャル・サンクス
  • RIGHT STAFF GIRLS - スペシャル・サンクス
  • SOUND CREW - スペシャル・サンクス

リリース履歴編集

No. 日付 レーベル 規格 規格品番 最高順位 備考
1 1998年5月27日 ファンハウス CD FHCF-2417 12位
2 2018年8月15日 GT music Blu-spec CD2 MHCL-30525 - 紙ジャケット仕様

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ ORICON STYLE”. オリコン. 2013年5月17日閲覧。
  2. ^ 志田歩「第7章 生きていくんだ!」『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』雲母書房、2006年4月30日、120 - 137頁。ISBN 9784876722006
  3. ^ a b c d e f g 志田歩「第8章 歌をつなぐ者」『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』雲母書房、2006年4月30日、138 - 145頁。ISBN 9784876722006
  4. ^ a b c d e f g h 志田歩「第8章 巡り逢ってしまった者たち」『玉置浩二 幸せになるために生まれてきたんだから』雲母書房、2006年4月30日、146 - 162頁。ISBN 9784876722006
  5. ^ mio (2018年5月24日). “玉置浩二 オリジナルアルバム 紙ジャケットコレクション発売” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2019年9月7日閲覧。
  6. ^ 玉置浩二のソロアルバム13作品を紙ジャケ再発”. 音楽ナタリー. ナターシャ (2018年8月15日). 2019年2月3日閲覧。
  7. ^ a b 玉置浩二 / GRAND LOVE”. CDジャーナル. 音楽出版. 2020年2月8日閲覧。
  8. ^ a b JMD (2018年6月4日). “玉置浩二/GRAND LOVE<完全生産限定盤>” (日本語). TOWER RECORDS ONLINE. タワーレコード. 2020年2月8日閲覧。

外部リンク編集