PIG/ピッグ』(原題:Pig)は、2021年に公開されたアメリカ合衆国ドラマ映画。監督はマイケル・サルノスキ英語版、主演はニコラス・ケイジが務めた。本作はサルノスキの長編映画監督デビュー作でもある。

PIG/ピッグ
Pig
監督 マイケル・サルノスキ英語版
脚本 マイケル・サルノスキ
原案 マイケル・サルノスキ
ヴァネッサ・ブロック英語版
製作 ニコラス・ケイジ
トーマス・ベンスキー
デヴィッド・キャリコ
ベン・ギラディ
ヴァネッサ・ブロック
アダム・ポールセン
ドリ・A・ラス
ジョセフ・レスタイノ
スティーヴ・ティッシュ
ディミトラ・ツィングー
製作総指揮 マイケル・サルノスキ
ロバート・バートナー
レン・ブラヴァトニック
ダニー・コーエン
マリサ・クリフォード
マイケル・ダイアモンド
アヴィヴ・ギラディ
ヴィンス・ホールデン
ボビー・ホッペイ
ティム・オシェア
ヤーラ・シューメイカー
出演者 ニコラス・ケイジ
アレックス・ウルフ
アダム・アーキン
音楽 アレクシス・グレイプサス
フィリップ・クライン
撮影 パトリック・スコーラ
編集 ブレット・W・バックマン
製作会社 アルティチュード・フィルム
AIフィルム
ブラックボックス・エンターテインメント
エンデヴァー・コンテント
パルス・フィルムズ
サターン・フィルムズ
ヴァルパライソ・ピクチャーズ
配給 アメリカ合衆国の旗 ネオン
日本の旗 カルチュア・パブリッシャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2021年7月16日
日本の旗 2022年10月7日
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 世界の旗$3,724,541[1]
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本作は批評家から絶賛されている(後述)。特に、ケイジの演技に対しては惜しみない賛辞が贈られており、「近年の彼の演技の中では最高のもの」と評されている[2]

ストーリー 編集

オレゴン州。ロビン・フェルド(ロブ)はかつて大都会ポートランドで一流の料理人として腕を振るっていたが、妻(ローリー)を亡くしてからというもの、森の奥深くで隠者同然の暮らしを送っていた。ロブは自慢の豚と共にトリュフを採取し、それを駆け出しのバイヤーであるアミールに売却することで生計を立てていた。ところが、そんなある日、ロブの愛豚が何者かによって誘拐されるという事件が発生した。ロブはアミール経由で犯人と思しきヤク中集団の情報を得ることができたが、彼らの下に辿り着いたときには、既に豚はポートランドへと運び去られていた。

何としてでも愛豚を取り戻したいロブは、アミールと共に意を決してポートランドに向かうことにした。かつての知人たちを尋ねて情報を集めたところ、事件の背後にはアミールの父親で街の顔役であるダリウスがいたことが判明する。怒り狂ったロブはアミールとの絶縁を宣言し、その勢いでダリウスの自宅にまで乗り込んでいった。ロブはダリウスに豚を返すよう迫ったが、「2万5000ドルを支払うから今回のことは忘れろ。君もあの豚の命は惜しいだろう」と言われ引き下がるより外なかった。

途方に暮れるロブを迎えに来てくれたのはアミールであった。道中、ロブは「俺は樹木を頼りにトリュフを見つけていた。だから、あの豚がいなくてもトリュフハンターは続けられる。でも、俺はあいつが大好きだ。あいつと一緒にいたいんだ」とアミールに胸の内を明かすのだった。そして、最後の望みを託し、ダリウスを料理でもてなす作戦を立てるロブ。ダリウスとその妻は昔、ロブの店の常連だったのだ。完全な懐かしい味の再現に動揺したダリウスは、豚が乱暴な扱いで死んだことを白状した。その場にへたり込むロブ。「探しに来なければ、まだあの子は頭の中で生きていた」と呟いて、ロブは山の小屋に帰って行った。

キャスト 編集

※括弧内は日本語吹替。

製作・音楽 編集

2019年9月23日、ニコラス・ケイジとアレックス・ウルフが本作に出演することになったと報じられた[3]。同月下旬、本作の主要撮影がオレゴン州のポートランドで始まった[4]。2021年7月16日、レイクショア・レコーズが本作のサウンドトラックを発売した[5]

マーケティング・興行収入 編集

2020年3月26日、ネオンが本作の全米配給権を獲得したと報じられた[6]。2021年6月18日、本作のオフィシャル・トレイラーが公開された[7]。7月16日、本作は全米552館で封切られ、公開初週末に97万935ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場10位となった[8]

評価 編集

本作は批評家から絶賛されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには242件のレビューがあり、批評家支持率は97%、平均点は10点満点で8.2点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『PIG/ピッグ』は観客の予想を良い意味で裏切る作品である。同作において、愛と喪失をめぐる美しい物語が展開されているが、それはニコラス・ケイジの鮮烈な演技があってこそのものである。」となっている[9]。また、同サイト内での年間評価で選出される「第23回ゴールデン・トマト賞」の限定公開映画賞とドラマ映画賞を受賞し、年間ベスト映画では第4位に輝いた[10]

また、Metacriticには39件のレビューがあり、加重平均値は82/100となっている[11]

受賞・ノミネート 編集

カテゴリ 受賞者 結果 備考
第27回クリティクス・チョイス・アワード英語版 主演男優賞 ニコラス・ケイジ ノミネート [12]
第42回ゴールデンラズベリー賞 名誉挽回賞 ニコラス・ケイジ ノミネート
第31回ゴッサム・インディペンデント映画賞英語版 作品賞 『PIG/ピッグ』 ノミネート

出典 編集

  1. ^ Pig (2021)”. The Numbers. 2021年12月19日閲覧。
  2. ^ ‘Pig’: Nicolas Cage skips the hamminess in an elegant story of pain and purpose”. Chicago Sun-Times (2021年7月14日). 2021年12月19日閲覧。
  3. ^ Nicolas Cage, Alex Wolff to Star in Pulse Films’ Truffle Hunter Movie ‘Pig’”. Variety (2019年9月23日). 2021年12月29日閲覧。
  4. ^ Nicolas Cage Is Looking for His Pig in Portland”. Portland Monthly (2019年10月2日). 2021年12月29日閲覧。
  5. ^ ‘Pig’ Soundtrack Album Released”. Film Music Reporter (2021年7月16日). 2021年12月29日閲覧。
  6. ^ Neon Wins Domestic Rights to Nicolas Cage Revenge Thriller ‘Pig’ (EXCLUSIVE)”. Variety (2020年3月26日). 2021年12月29日閲覧。
  7. ^ PIG - Official Trailer - In Theatres July 16”. YouTube (2021年6月18日). 2021年12月29日閲覧。
  8. ^ Domestic 2021 Weekend 29/July 16-18, 2021”. Box Office Mojo. 2021年12月29日閲覧。
  9. ^ Pig”. Rotten Tomatoes. 2021年12月29日閲覧。
  10. ^ Golden Tomato Awards: Best Movies & TV of 2021” (英語). 2023年9月27日閲覧。
  11. ^ Pig (2021)”. Metacritic. 2021年12月29日閲覧。
  12. ^ Film Nominations Announced for the 27th Annual Critics Choice Awards”. Critics Choice Association (2021年12月13日). 2021年12月29日閲覧。

外部リンク 編集