デイブソン・フィゲイレード

デイブソン・フィゲイレードDeiveson Figueiredo1987年12月18日 - )は、ブラジル男性総合格闘家パラー州ソウレ出身。チーム・フィゲイレード/ファイト・レディー所属。元UFC世界フライ級王者。UFC世界バンタム級ランキング6位

デイブソン・フィゲイレード
本名 デイブソン・アルカンタラ・フィゲイレード
(Deiveson Alcântara Figueiredo)
生年月日 (1987-12-18) 1987年12月18日(36歳)
出身地 ブラジルの旗 ブラジル
パラー州ソウレ
通称 ダイコ
(Daico)
デウス・ダ・ゲーラ
(Deus da Guerra、戦いの神)
フィギー
(Figgy)[1][2]
国籍 ブラジルの旗 ブラジル
身長 165 cm (5 ft 5 in)
体重 61 kg (134 lb)
階級 フライ級
バンタム級
チーム チーム・アルファメール (2018年 - 2019年)
チーム・フィゲイレード (2019年 - )
ファイト・レディー (2021年 - )
ランク ブラジリアン柔術 (黒帯)
現役期間 2012年 -
総合格闘技記録
試合数27
勝利23
ノックアウト9
タップアウト9
判定5
敗戦3
ノックアウト1
タップアウト1
判定1
引き分け1
その他
総合格闘技記録 - SHERDOG
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来歴 編集

パラー州ソウレで牧場を経営する父親の仕事を手伝うため、幼い頃からカウボーイとして働いていた。9歳からレスリングを始める。16歳からユーリ・アルカンタラに師事して総合格闘技のトレーニングを積み、高校へ通うため州都のベレンへ移り、カポエイラを習い始めた[3]

2012年に総合格闘技プロデビュー[3]ジャングル・ファイト等に参戦し、11連勝を飾った。

UFC 編集

2017年6月3日、UFC初参戦となったUFC 212でマルコ・ベルトランと対戦し、2R終了時にコーナーストップでTKO勝ち[4]

2018年8月25日、UFC Fight Night: Gaethje vs. Vickフライ級ランキング6位のジョン・モラガと対戦。2Rに左ボディーブローでダウンを奪い、パウンドでTKO勝ち[5]

2019年3月23日、UFC Fight Night: Thompson vs. Pettisでフライ級ランキング1位のジュシー・フォルミーガと対戦し、0-3の判定負け。キャリア初黒星を喫した[6]

2019年7月27日、UFC 240でフライ級ランキング3位のアレッシャンドリ・パントージャと対戦し、3-0の判定勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[7]

2019年10月12日、UFC Fight Night: Joanna vs. Watersonでフライ級ランキング6位のティム・エリオットと対戦し、タックルに合わせたカウンターのギロチンチョークで1R一本勝ち[8]

2020年2月29日、UFC Fight Night: Benavidez vs. FigueiredoのUFC世界フライ級王座決定戦でフライ級ランキング1位のジョセフ・ベナビデスと対戦。2Rに右ストレートでダウンを奪い、パウンドでTKO勝ちを収めるも、フィゲイレードは前日の計量で127.5ポンドとフライ級タイトルマッチのリミットから2.5ポンドの体重超過をしたため、王座獲得の権利を剥奪された。なお、フィゲイレードは試合に向けて24ポンド(約11kg)の減量を強いられ、減量中に脱水症状の兆候である腎臓と胃の痛みが出たため、健康面を考えて減量を中止せざるを得なかったと語っている[9]

UFC世界王座獲得 編集

2020年7月19日、UFC Fight Night: Figueiredo vs. Benavidez 2のUFC世界フライ級王座決定戦でフライ級ランキング2位のジョセフ・ベナビデスとダイレクトリマッチを行う。開始早々右フックでダウンを奪うと、その後も立て続けに右フックで2度ダウンを奪い、最後はリアネイキドチョークでベナビデスを絞め落として1R一本勝ち。王座獲得に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。なお、7月11日にフィゲイレードが新型コロナウイルスの陽性となり出場が危ぶまれたが、その後3度行われた検査は全て陰性であったため、大会数日前に出場が許可された[10]

2020年11月21日、UFC 255のUFC世界フライ級タイトルマッチでフライ級ランキング4位の挑戦者アレックス・ペレスと対戦し、ギロチンチョークで1R一本勝ち。王座の初防衛に成功した[11]。当初は元UFC世界バンタム級王者のコーディ・ガーブラントが対戦相手であったが、ガーブラントが上腕二頭筋の負傷により10月2日に試合を欠場したため、ペレスとの対戦に変更された[12]

前戦から僅か3週間後の2020年12月12日、UFC 256のUFC世界フライ級タイトルマッチでフライ級ランキング1位の挑戦者ブランドン・モレノと対戦し、3Rにフィゲイレードが反則であるローブローを放ち1ポイントの減点を受けるが、フルラウンドに渡る死闘を繰り広げて1-0(48-46、47-47、47-47)の5R判定ドロー[13]。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞し、試合後記者会見で、UFC代表のダナ・ホワイトは「フライ級史上最高の試合だった」とこの試合を称賛した[14]

世界王座陥落 編集

2021年6月12日、UFC 263のUFC世界フライ級タイトルマッチでフライランキング1位の挑戦者ブランドン・モレノと再戦し、リアネイキドチョークで3R一本負け。王座から陥落した[15]

UFC世界王座再獲得 編集

2022年1月22日、UFC 270のUFC世界フライ級タイトルマッチで王者ブランドン・モレノに挑戦。一進一退の打撃戦を繰り広げ、パンチで3度のダウンを奪い3-0(48-47、48-47、48-47)の5R判定勝ち。王座奪還に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[16]

世界王座陥落 編集

2023年1月21日、UFC 283のUFC世界フライ級王座統一戦で暫定王者ブランドン・モレノと4度目の対戦を行う。3Rにモレノの左フックがフィゲイレードの右目にヒットし、3R終了時に右目が塞がったためドクターストップでTKO負け。王座統一に失敗するとともに正規王座から陥落し、モレノとの戦績を1勝2敗1分とした。試合後のインタビューでバンタム級への転向を表明した[17]

2023年12月2日、バンタム級転向初戦となったUFC on ESPN: Dariush vs. Tsarukyanでバンタム級ランキング8位のロブ・フォントと対戦し、3-0の判定勝ち[18]

2024年4月13日、UFC 300で元UFC世界バンタム級王者コーディ・ガーブラントと対戦し、リアネイキドチョークで2R一本勝ち[19]

人物・エピソード 編集

  • プロ総合格闘家になる以前は寿司職人美容師、レンガ職人として働いていた[20]。また、カウボーイとして働いていた経験もあり、キャリア初期のファイトマネーで水牛を購入しフェルディナンドと名付けている。
  • チーム・アルファメールを離脱後は、母国ブラジルのベレンに自身のジム「チーム・フィゲイレード」(Team Figueiredo)を設立した[21]
  • 同じく総合格闘家でUFCに参戦しているフランシスコ・フィゲイレードは実弟[22]
  • 既婚者であり、男児を一人もうけている。

戦績 編集

総合格闘技 戦績
27 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
23 9 9 5 0 1 0
3 1 1 1 0
勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
コーディ・ガーブラント 2R 4:02 リアネイキドチョーク UFC 300: Pereira vs. Hill 2024年4月13日
ロブ・フォント 5分3R終了 判定3-0 UFC on ESPN 52: Dariush vs. Tsarukyan 2023年12月2日
× ブランドン・モレノ 3R 5:00 TKO(ドクターストップ) UFC 283: Teixeira vs. Hill
【UFC世界フライ級王座統一戦】
2023年1月21日
ブランドン・モレノ 5分5R終了 判定3-0 UFC 270: Ngannou vs. Gane
【UFC世界フライ級タイトルマッチ】
2022年1月22日
× ブランドン・モレノ 3R 2:26 リアネイキドチョーク UFC 263: Adesanya vs. Vettori 2
【UFC世界フライ級タイトルマッチ】
2021年6月12日
ブランドン・モレノ 5分5R終了 判定1-0 UFC 256: Figueiredo vs. Moreno
【UFC世界フライ級タイトルマッチ】
2020年12月12日
アレックス・ペレス 1R 1:57 ギロチンチョーク UFC 255: Figueiredo vs. Perez
【UFC世界フライ級タイトルマッチ】
2020年11月21日
ジョセフ・ベナビデス 1R 4:48 リアネイキドチョーク UFC Fight Night: Figueiredo vs. Benavidez 2
【UFC世界フライ級王座決定戦】
2020年7月19日
ジョセフ・ベナビデス 2R 1:54 TKO(右ストレート→パウンド) UFC Fight Night: Benavidez vs. Figueiredo
【UFC世界フライ級王座決定戦】
2020年2月29日
ティム・エリオット 1R 3:08 ギロチンチョーク UFC Fight Night: Joanna vs. Waterson 2019年10月12日
アレッシャンドリ・パントージャ 5分3R終了 判定3-0 UFC 240: Holloway vs. Edgar 2019年7月27日
× ジュシー・フォルミーガ 5分3R終了 判定0-3 UFC Fight Night: Thompson vs. Pettis 2019年3月23日
ジョン・モラガ 2R 3:08 TKO(左ボディーブロー→パウンド) UFC Fight Night: Gaethje vs. Vick 2018年8月25日
ジョセフ・モラレス 2R 4:34 TKO(左フック→パウンド) UFC Fight Night: Machida vs. Anders 2018年2月3日
ジャレッド・ブルックス 5分3R終了 判定2-1 UFC Fight Night: Brunson vs. Machida 2017年10月28日
マルコ・ベルトラン 2R終了時 TKO(コーナーストップ) UFC 212: Aldo vs. Holloway 2017年6月3日
リカルド・エドゥアルド・シウバ 1R 1:20 肩固め Salvaterra Marajó Fight 5 2016年12月1日
デニス・オリヴェイラ・フォンテス 2R 2:56 KO(右バックブロー→パウンド) Jungle Fight 90 2016年9月3日
アントニオ・エンリケ・サントス 1R 2:25 ギロチンチョーク Jungle Fight 87 2016年5月21日
ライネル・シウバ 2R 3:20 TKO(パンチ連打) Jungle Fight 75 2014年12月18日
ホアン・ネト・シウバ 1R 2:18 TKO(パンチ連打) Coalizao Fight 4: Mondragon vs. Gallotti 2014年11月13日
ジョエル・シウバ 1R 3:30 KO(パンチ) Coalizao Fight Night 2014年8月7日
エドヴァルド・ジュニオール 1R 4:55 ギロチンチョーク Jurunense Open Fight MMA 8 2014年7月3日
アダイウトン・ペレイラ 5分3R終了 判定3-0 Lago da Pedra Fight 2014年5月1日
ダヴィド・ライムンド・シウバ 1R 0:53 ギロチンチョーク Jurunense Open Fight MMA 7 2014年3月20日
ジョナス・フェレイラ 1R 2:04 TKO(パンチ連打) Amazon Fight 18: Santa Izabel 2012年8月11日
アルイシオ・フェレイラ 1R 3:02 腕ひしぎ十字固め Knock Out Combat Icoaraci 3 2012年2月17日

獲得タイトル 編集

  • Salvaterra Marajó Fight 57kg級王座(2016年)
  • 第3代UFC世界フライ級王座(2020年)
  • 第5代UFC世界フライ級王座(2022年)

表彰 編集

  • UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(3回)
  • UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(1回)
  • MMA Fighting ファイター・オブ・ザ・イヤー(2020年)
  • SHERDOG ファイター・オブ・ザ・イヤー(2020年)

脚注 編集

  1. ^ 5 burning questions heading into UFC 256 MMA Junkie 2020年12月11日
  2. ^ Date reportedly confirmed for Deiveson Figueiredo vs. Brandon Moreno's UFC Flyweight title rematch sportskeeda 2021年2月26日
  3. ^ a b Zeca Azevedo (2017年5月30日). “Cabeleireiro, mototaxista e lutador do UFC: a estrada de Deiveson Alcântara”. SporTV.com. 2018年8月28日閲覧。(ポルトガル語)
  4. ^ 力を出し切ったフィゲイレードがUFC初戦白星”. UFC (2017年6月4日). 2018年8月28日閲覧。
  5. ^ UFC Fight Night 135 results: Deiveson Figueiredo takes out John Moraga after body shot MMA Junkie 2018年8月25日
  6. ^ UFC Nashville results: Jussier Formiga shuts down Deiveson Figueiredo, calls out Henry Cejudo MMA Junkie 2019年3月23日
  7. ^ UFC 240 results: Deiveson Figueiredo bloodies, outworks Alexandre Pantoja MMA Junkie 2019年7月27日
  8. ^ UFC Tampa Results: Deiveson Figueiredo Smoothly Guillotines Tim Elliott Cageside Press 2019年10月12日
  9. ^ Deiveson Figueiredo: The People’s Champ The Fight Library 2020年3月4日
  10. ^ Deiveson Figueiredo passes multiple COVID-19 tests, cleared to leave quarantine ahead of weigh-ins MMA Fighting 2020年7月17日
  11. ^ Deiveson Figueiredo submits Alex Perez in 1st to defend UFC flyweight title ESPN 2020年11月22日
  12. ^ Report: Cody Garbrandt Out of UFC 255 Fight vs. Deiveson Figueiredo on Nov. 21 Bleacher Report 2020年10月2日
  13. ^ UFC 256 Results: Deiveson Figueiredo Defends Title in Wild Draw with Brandon Moreno Cageside Press 2020年12月3日
  14. ^ UFC 256: Dana White lauds ‘greatest fight in flyweight history’ as Deiveson Figueiredo, Brandon Moreno battle to draw South China Morning Post 2020年12月13日
  15. ^ UFC 263 results, highlights: Brandon Moreno upsets Deiveson Figueiredo to claim flyweight title CBS MMA 2021年6月13日
  16. ^ UFC 270 results: Deiveson Figueiredo regains flyweight title, bests Brandon Moreno in decision win MMA Junkie 2022年1月23日
  17. ^ UFC 283: Cut Ends Deiveson Figueiredo’s Night Early, Brandon Moreno Unifies Flyweight Title Cageside Press 2023年1月22日
  18. ^ UFC Austin Results: Dariush vs. Tsarukyan MMA Fighting 2023年12月2日
  19. ^ UFC 300 live results, updates: Play-by-play of every fight from Las Vegas MMA Junkie 2024年4月13日
  20. ^ CUT ABOVE Meet Deiveson Figueiredo, the ‘humble’ UFC champion who was a bricklayer, hairdresser and sushi chef before MMA career The Sun 2020年11月20日
  21. ^ UFC GOLD – From Beginning to Belt – Deiveson Figueiredo Bloody Canvas 2020年9月9日
  22. ^ フランシスコ・フィゲイレード UFC 公式サイト

関連項目 編集

外部リンク 編集

空位
前タイトル保持者
ヘンリー・セフード
第3代UFC世界フライ級王者

2020年7月19日 - 2021年6月12日

次王者
ブランドン・モレノ
前王者
ブランドン・モレノ
第5代UFC世界フライ級王者

2022年1月22日 - 2023年1月21日

次王者
ブランドン・モレノ