けんびきょう座

南天の星座

けんびきょう座(けんびきょうざ、顕微鏡座、Microscopium)は、南天の星座の1つ。18世紀にフランスの天文学者ラカーユによって考案された、比較的新しい星座である。

けんびきょう座
Microscopium
Microscopium
属格 Microscopii
略符 Mic
発音 [ˌmaɪkrəˈskɒpiəm]、属格:/ˌmaɪkrəˈskɒpiaɪ/
象徴 the Microscope
概略位置:赤経 21
概略位置:赤緯 −36
広さ 210平方度 (66位
主要恒星数 5
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
13
系外惑星が確認されている恒星数 1
3.0等より明るい恒星数 0
10パーセク以内にある恒星数 2
最輝星 γ Mic(4.654
最も近い星 AX Mic;(12.947光年)
メシエ天体 無し
隣接する星座 やぎ座
いて座
ぼうえんきょう座(角で接する)
インディアン座
つる座
みなみのうお座
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主な天体編集

恒星編集

国際天文学連合が認証した固有名を持つ恒星は1つもない。

星団・星雲・銀河編集

由来と歴史編集

 
ボーデの『ウラノグラフィア』に描かれたけんびきょう座。左上に軽気球座も描かれている。

1756年ニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって設定された[6]みなみのうお座の西側を切り取って作られたため、みなみのうお座の1、2、3、4番星は、けんびきょう座に所属している[2][3][7][8]。1922年に国際天文学連合が88の星座を正式に定めた際、その1つとして選定された。

けんびきょう座の一部が、現存しない星座の1つ「軽気球座 (Globus Aerostaticus)」の一部とされたことがあった。1798年に、現在のけんびきょう座・みなみのうお座・やぎ座の境界付近にモンゴルフィエ兄弟熱気球を記念した星座を設定するようにジェローム・ラランドから提案を受けたヨハン・ボーデは、1801年に刊行した『ウラノグラフィア』の中でこれらの星座の領域を削って軽気球座を設置した。この星図の中で、現在のけんびきょう座ε星が軽気球座の「a星」とされた[9]

けんびきょう座は新しい星座なので神話はない。

呼称と方言編集

明治期より「顕微鏡」という訳名が使われており、明治末期以降数度行われた星座の訳名見直しでも他の呼び名が採用されることはなかった[10][11][12]。漢字の読みは一貫して「けんびきやう」または「けんびきょう」とされているが、1928年に天文同好会の編集により新光社から刊行された『天文年鑑』の第2号では「むしめがね」という読みで紹介されていた[13]。これについて、天文年鑑の編集に携わっていた山本一清は、「耳に聞いただけでは解りかねる日本語や、漢語萬能時代の夢よりさめて、純粹な日本語(耳で聞いただけで解る日本語)を採用する」としている[14]

出典編集

  1. ^ "alp Mic". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月20日閲覧
  2. ^ a b "gam Mic". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月20日閲覧
  3. ^ a b "eps Mic". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月20日閲覧
  4. ^ "AU Mic". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月20日閲覧
  5. ^ "AX Mic". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月20日閲覧
  6. ^ Ridpath, Ian. “Star Tales - Microscopium”. 2022年11月20日閲覧。
  7. ^ "2 PsA". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月20日閲覧
  8. ^ "3 PsA". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月20日閲覧
  9. ^ Ridpath, Ian. “Star Tales - Globus Aerostaticus”. 2022年11月20日閲覧。
  10. ^ 星座名」『天文月報』第2巻第11号、1910年2月、 11頁、 ISSN 0374-2466
  11. ^ 学術研究会議 編「星座名」 『天文術語集』1944年1月。doi:10.11501/1124236https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1124236 
  12. ^ 星座名」『天文月報』第45巻第10号、1952年10月、 13頁、 ISSN 0374-2466
  13. ^ 天文同好会『天文年鑑』2号、新光社、1928年6月、3-6頁。doi:10.11501/1138377https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1138377 
  14. ^ 山本一清天文用語に關する私見と主張 (3)」『天界』第14巻第161号、東亜天文学会、1934年8月、 406-411頁、 doi:10.11501/3219882ISSN 0287-6906