アンドリュー・ジェニングス

アンドリュー・ジェニングス (英語: Andrew Jennings) は英国出身の調査報道ジャーナリストである。IOCFIFAの汚職について調査し、記録した仕事でよく知られている。

アンドリュー・ジェニングス
Andrew Jennings.jpg
生誕 (1943-09-03) 1943年9月3日(78歳)
スコットランド[1]
国籍英国[2]
出身校ハル大学
職業新聞記者、作家

来歴編集

スコットランドで生まれ、子供の時にイングランドロンドンに移住した。レイトン・オリエントの前身クラブであるクラプトン・オリエントの所属選手の孫である[1]ハル大学で学び、1960年代後半に『サンデー・タイムズ』のインサイトチームで働いた[3]。それから、BBCラジオ4のCheckpointにて調査報道ジャーナリストになる以前に他の英国の新聞社で働いた。1986年に、BBCはスコットランド警察で起きた汚職に関する彼のドキュメンタリーを放送することを拒んだ。辞職後、最初の著書Scotland Yard's Cocaine Connectionを出し、その作品は『ワールドインアクション』で放送された[4]

『パノラマ』への出演編集

最近の時事的な出来事を扱うドキュメンタリー番組である『パノラマ』にジェニングスが初めて登場した回は2006年の6月であった。FIFAの会長であるゼップ・ブラッターが保身のための獲得票購入や、CONCACAFの会長であるジャック・ワーナーへの収賄、スポーツマーケティング会社のISLの中枢とされる販売権を確保するために行われた100万の収賄を含むFIFAに関するいくつかの収賄の申し立てを調査し、その結果が放送された[5][6]。副題は、"The Beautiful Bung: Corruption and the World Cup"であった。続けて、以前にオリンピック出場経験のあるイギリス人のセバスティアン・コーとFIFA倫理委員会の関係性を調査した"FIFA and Coe"というタイトルのエピソードが2007年10月に放送された[7]

FIFA's Dirty Secrets編集

最も名を博した番組は2010年11月29日初放送の"FIFA's Dirty Secrets"であった。2018年FIFAワールドカップのホスト国へ投票しようとするFIFAの重役らが汚職を行ったという主張について調査をする30分番組であった。サッカー組織の世界的な統括をするFIFAの汚職への申し立てを調べた。彼はブラジルサッカー連盟と2014年ワールドカップ組織委員会代表のリカルド・テイシェイラ南米サッカー連盟の代表であるパラグアイ人のニコラス・リオス、アフリカサッカー連盟の代表であるカメルーン出身のイッサ・ハヤトゥの全員がテレビマーケティング会社から賄賂を受け取ったと主張した[8][9][10]

FIFAの副代表であったハヤトゥは、計画に関する全ての告発を否定し、話題に挙げられた資金は、実際はアフリカサッカー連盟に支払われたと主張した。ハヤトゥは、ドキュメンタリーを制作したかどでBBCを告訴しようとした[11]

そのドキュメンタリーは、2018年FIFAワールドカップ2022年FIFAワールドカップの招致結果が発表されるわずか3日前に放送された。2018年FIFAワールドカップで、イングランドがホスト国になる機会を逸したと心配になる人や、BBCの非愛国主義的な面を訴える人もいたが、BBCは番組で行った主張を擁護した[9]ロシアが最終的に2018年FIFAワールドカップのホスト国になる権利を勝ち取り、2022年FIFAワールドカップカタールでの開催が決定的となった[12]。結果が出て、イングランドが敗北後、そのドキュメンタリーが大きな要因になったかどうかという疑問が生じた[13]。番組は視聴者から51の苦情を受けた[14]。2015年12月に、BBCの『パノラマ』のために『FIFAのセップ・ブラッターと私』という題で、FIFAへ調査の概要を送った[15]

著書編集

  • Scotland Yard's Cocaine Connection 1989 978-0-224-02521-8
  • The Lords of the Rings: Power, Money and Drugs in the Modern Olympics, 1992 0-671-71122-9
  • The New Lords of the Rings, 1996 0-671-85571-9
  • The Great Olympic Swindle, 2000 978-0-684-86677-2
  • FOUL! The Secret World of FIFA: Bribes, Vote-Rigging and Ticket Scandals, 2006[16]
  • Omertà: Sepp Blatter's FIFA Organised Crime Family, 2014.[17]
  • The Dirty Game: Uncovering the Scandal at FIFA, 2015 978-1780895420(『FIFA 腐敗の全内幕』木村博江訳、文藝春秋、2015[18]

受賞編集

  • Gerlev Prize、1998(「スポーツにおける言論の自由と民主主義への貢献により」)[19]
  • Honorary Life Member of American Swimming Coaches Association、1996[19]
  • Olympic Advocates Together Honorablyによる第1回"Integrity in Journalism"賞、1999[19]
  • The Play the Game Award、2011(Jens Weinreichと共同受賞)
  • Royal Television Society Award、2000(チャンネル4でのオリンピックにおける腐敗に関する取材により)[19]
  • ニューヨークテレビフェスティバル最優秀国際ドキュメンタリー賞、1992[19]

脚注編集

  1. ^ a b Amola, Steve. “Andrew Jennings interview”. footballmedia.com. 2010年11月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年11月30日閲覧。
  2. ^ The Beautiful Bung: Corruption and the World Cup”. BBC (2006年6月16日). 2010年11月23日閲覧。
  3. ^ Journalists? They're media masseurs”. British Journalism review (2012年). 2012年7月12日閲覧。
  4. ^ Miller, Michael E. (2015年6月3日). “How a curmudgeonly old reporter exposed the FIFA scandal that toppled Sepp Blatter”. The Washington Post (Washington, D.C.). https://www.washingtonpost.com/news/morning-mix/wp/2015/06/03/how-a-curmudgeonly-old-reporter-exposed-the-fifa-scandal-that-toppled-sepp-blatter/ 2015年7月1日閲覧。 
  5. ^ The Beautiful Bung: Corruption and the World Cup”. BBC Panorama (2006年6月11日). 2015年6月6日閲覧。
  6. ^ “The Beautiful Bung: Corruption and the World Cup” (英語). (2006年6月11日). http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/panorama/5070224.stm 2020年11月3日閲覧。 
  7. ^ Fifa and Coe”. BBC Panorama (2007年10月29日). 2015年6月6日閲覧。
  8. ^ “Fifa chief Issa Hayatou denies bribery claims” (英語). BBC News. (2010年12月1日). https://www.bbc.co.uk/news/world-europe-11873907 2020年10月11日閲覧。 
  9. ^ a b BBC defends Panorama investigation into FIFA 'bribes'”. BBC News. British Broadcasting Corporation (2010年11月30日). 2010年12月3日閲覧。
  10. ^ Profiles:Fifa accused”. BBC News. British Broadcasting Corporation (2010年11月29日). 2010年12月3日閲覧。
  11. ^ Fifa chief Issa Hayatou denies bribery claims”. BBC News. British Broadcasting Corporation (2010年12月1日). 2010年12月3日閲覧。
  12. ^ Russia & Qatar will host the 2018 and 2022 World Cups”. BBC Sport. British Broadcasting Corporation (2010年12月2日). 2010年12月3日閲覧。
  13. ^ Kelso, Paul (2010年12月2日). “England World Cup 2018 humiliation: two votes won, and one of them Geoff Thompson”. Telegraph Online. Telegraph Media Group. 2010年12月3日閲覧。
  14. ^ Conlan, Tara (2010年11月30日). “More than 50 complain over Panorama FIFA probes”. Guardian Online. Guardian News and Media Limited. 2010年12月4日閲覧。
  15. ^ Fifa, Sepp Blatter and Me”. www.bbc.co.uk. BBC. 2020年10月11日閲覧。
  16. ^ A question to president Blatter about bribes”. www.playthegame.org. 2020年10月11日閲覧。
  17. ^ Andreas Selliaas. “Sepp Blatter’s football family”. www.playthegame.org. 2020年10月11日閲覧。
  18. ^ 『FIFA 腐敗の全内幕』アンドリュー・ジェニングス 木村博江 | 単行本” (日本語). 文藝春秋BOOKS. 2020年10月11日閲覧。
  19. ^ a b c d e Andrew Jennings”. playthegame.org. Play the Game. 2020年10月11日閲覧。

外部リンク編集