コートコーポレーション
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株式会社コートコーポレーション(英語: Coat Corporation Ltd.)は、1991年(平成3年)に設立された日本のゲイビデオ製作会社である(本項目における「ゲイ」とは「男性同士」の意味)。
種類 | 株式会社 |
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略称 | コート |
本社所在地 |
日本 〒155-0031 東京都世田谷区北沢3-23-14 コートファーストステージ1F |
設立 | 1991年 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 3010901003964 |
事業内容 | 映像制作、販売 |
代表者 | 代表取締役 江島隼人 |
外部リンク | http://www.coat.co.jp/ |
概要
1991年に「POWER GRIP」を創刊し[1]、以降毎月コンスタントに8タイトル程度の作品を発売し、扱うジャンルも変えつつ現在までに200本以上のタイトルを数えている。関連会社として有限会社「蔵建」(KURATATSU)、有限会社「COAT WEST」(大阪)があり、KURATATSUは1997年(平成9年)頃から、COAT WESTは2003年(平成15年)から同名ブランドの作品をリリースしている。
初期の作品は「POWER GRIP」を代表に体育会系学生が出演するものがメインだったが、その後多くの新レーベルを立ち上げ、現在40以上のレーベルを有している。アスリート系・ジャニーズ系・リーマン系・ガチムチ系・SM系など、モデルや企画の幅は広く、ソフトなものからハードなものまで様々なジャンルの作品がある。
同じ頃、コートコーポレーションとしては初のシチュエーション・ゲイビデオ「Babylon」が創刊された(2021年までに65号)。1997年にはKURATATSUから「OUT STAFF」よりもヘビーな体育会系レーベル「danGet」と、ジャニーズJr.系レーベル「Fine」が設立された。danGetはvol.25(2008年)で打ち切られたが、Fineは現在もリリースされており、タイトル数は70を超えている(2021年まで)。その他にも多種多様なレーベルが設立された。その中の一つ「EXFEED」は後に独立している。
主なシリーズ
- POWER GRIP
- BABYLON
- DANGET
- OUT STAFF
- 変態面接官
- DISCOVERY
- SCOOOP!!!
- Fine
- COAT WEST
- NUMBER
『真夏の夜の淫夢』
正式なタイトルは『Babylon 34 真夏の夜の淫夢 ~the IMP~』で、COATのブランドである「Babylon」シリーズの34作目にあたり、2001年7月20日に発売された[2]。これはストーリーに繋がりを持たない4つの章から成るオムニバス形式の全90分の作品である。タイトルはシェイクスピアの戯曲『真夏の夜の夢』から[3]。
本作品の第四章「昏睡レイプ!野獣と化した先輩」に登場する「田所」(たどころ、通称:野獣先輩[注 1]〈やじゅうせんぱい〉)の台詞はインターネット上で人気となり[4]、後述の人気の最大の要因ともなっている。
2002年の夏ごろから2ちゃんねるなどのインターネット上で、本作の第一章に当時東京六大学野球でプロ入りが確実視されていた多田野数人(立教大学野球部)そっくりの男優が野球部の後輩たちとともに出演しているという噂が流れるようになり、『週刊現代』の取材に対して当時の同部監督・齋藤章児がその事実を認めた[5]。この事をきっかけとして、ネット上に於いて本作の存在が広く知られるようになった。動画投稿・配信サイト「ニコニコ動画」においては2010年頃からこの作品を題材とした動画投稿が急増し、増加の一途を辿っている。人気の動画のランキングとも言える「ニコ動人気タグトレンド」の2014年3月4日から10日においては、他のあらゆるジャンルを差し置いて関連動画の人気は1位となり[2]、2015年5月においても5位にランクインした[6]。
また、本作やその関連作品中の台詞、音声(通称「淫夢語録」[7])や動画を用いた「MAD動画」もしくはそれに類するものの製作や、全く関係の無いゲームのプレイ実況動画に台詞もしくは音声を入れ込んでくるなど、日本のインターネット社会、特にニコニコ動画界隈における人気は高い[2]。また人気のアニメやニュースなどに「淫夢」との一致部分を見いだし騒ぎとして楽しむ(通称「問題シリーズ」)などといったことも、ネットニュースで取りあげられている[8]。
「真夏の夜の淫夢」に関連するネットスラングとして「微レ存」(「微粒子レベルで存在している」の略)がある[9][注 2]。Amebaが行っている「JCJK流行語ランキング」(JCは女子中学生、JKは女子高生の意味である)では、2014年に「淫夢語録」である「微レ存」が10位にランクインしている[11][12]。
当初は先述の経緯から多田野に対する注目が大きかったが、その後は第四章の野獣先輩の他の出演作がインターネットユーザーに発見されたことなどから野獣先輩の人気が徐々に上昇し、2016年には8月10日を「野獣の日(や→8、じゅう→10)」と掛け[4]、当日はTwitter上で、元ネタがゲイビデオであると知らないユーザーまで巻き込み、「#野獣の日」のハッシュタグが終日トレンド入りする事態となった[2][3]。同年にはネット配信番組において、タレントの大島薫が野獣先輩が現在何をしているのかを突き止めようとする企画を立ち上げるも、プライバシーの侵害に当たるとして中止されるといった事も起きている[13]。
日本大学法学部新聞学科専任講師の平井智尚は、ニコニコ動画において『真夏の夜の淫夢』に関連する動画を「一定の視聴を集めながらも、特定の圏域以外での言及がはばかられてきた」とした上で、その理由として「性的マイノリティを対象としたポルノグラフィであるがゆえに倫理的制約が高くなること」「動画の大半が元ネタに関連する人物を笑いものとして扱っていること」を挙げている[14]。
2023年7月25日、コートコーポレーション公式サイトが「8月10日に関するお願い」というタイトルの注意文で、8月10日は会社が定めた記念日ではなく、当日に限らず聖地巡礼などと称した北沢三丁目やその近隣への来訪はやめるよう付言した上で、毎年この日に会社の前に大勢の人が集まって大声で騒いでいることにより、無関係の近隣住民が迷惑や恐怖を感じているとして、悪質な迷惑行為には然るべき処置を取る事を告知した[15]。
脚注
注釈
出典
- ^ PG100号特典DVD「アーカイブ」より。
- ^ a b c d “真正面から「真夏の夜の淫夢」タグを解説してみた ある意味とてもニコ動らしい淫夢動画の世界”. ASCII.jp (アスキー). (2014年3月13日). オリジナルの2016年4月16日時点におけるアーカイブ。 3頁ある記事なので留意。
- ^ a b “8月10日は“野獣の日” 『淫夢』野獣先輩を知らない層のおかげもあって、「#野獣の日」がトレンド入りをはたす(ンアッー!)”. おたぽる@HENTAI! (サイゾー). (2016年8月11日). オリジナルの2016年10月3日時点におけるアーカイブ。
- ^ a b 8月10日は“野獣の日” 『淫夢』野獣先輩を知らない層のおかげもあって、「#野獣の日」がトレンド入りをはたす(ンアッー!) アーカイブ 2023年3月15日 - ウェイバックマシン 2016年8月11日 おたぽる 2016年12月8日閲覧
- ^ 『週刊現代』2002年11月9日号(第44巻第48号、通巻:第2205号)210-213頁「スクープ 前代未聞のスキャンダル「今秋ドラフト1位」あの大学エースが「ホモビデオ」に出演」(講談社)
- ^ “2015年5月のニコ動人気タグトレンド シュガーソングとビターステップとスプラトゥーン”. ASCII.jp (アスキー). (2015年6月11日). オリジナルの2016年6月20日時点におけるアーカイブ。
- ^ “「野獣先輩ポーズ」JKに人気? 元ネタ知るネット民は戸惑い”. J-CAST ニュース (2018年5月14日). 2022年10月31日閲覧。
- ^ “【衝撃】『ちびまる子ちゃん』にあのネタが!? 「完全一致」「想像より淫夢だった」と大反響に!”. おたぽる@HENTAI! (サイゾー). (2016年8月1日). オリジナルの2016年10月3日時点におけるアーカイブ。
- ^ 略しすぎて何だか分からなくなったシリーズ 「微レ存」ってどういう意味? アーカイブ 2023年3月15日 - ウェイバックマシン 2013年07月24日 19時21分 更新 ねとらぼ 2016年12月8日閲覧
- ^ 「微レ存」の意味は?元ネタや反対語もあわせて解説 - まめち
- ^ サイバーエージェント (2014-11-21), 「Ameba」が2014年「JCJK流行語ランキング」発表 流行語1位は「ダメよ〜ダメダメ」、「かまちょ」「KS」など新しいJCJK語も上位に 流行っていたモノ・コト1位は「壁ドン」, サイバーエージェント, オリジナルの2016-3-31時点におけるアーカイブ。
- ^ “女子中高生の流行語「微レ存」がネットで話題に 「これ使っちゃダメなやつじゃね?」”. aol (AOL オンライン ジャパン). (2014年12月14日). オリジナルの2016年1月7日時点におけるアーカイブ。
- ^ “大島薫、元AV男優の捜索を中止 探偵の山木陽介さん「倫理的に問題ある」”. The Huffington Post Japan (The Huffington Post Japan, Ltd / 朝日新聞). (2016年8月19日). オリジナルの2016年10月3日時点におけるアーカイブ。
- ^ 平井智尚『「くだらない」文化を考える ネットカルチャーの社会学』七月社、2021年、126-127頁。ISBN 978-4-909544-14-8。
- ^ “8月10日に関するお願い ”. COAT CORPORATION. 2023年7月28日閲覧。 アーカイブ 2023年7月28日 - ウェイバックマシン
外部リンク
- CLUB CK 公式サイト
- CK DOWNLOAD コートコーポレーション運営 男性ゲイ動画配信販売サイト