サイモン・ライト(Simon Wright1963年6月19日 - ) は、イギリスドラマー。有名なハード・ロック・バンドをいくつも渡り歩き、AC/DCディオなどのメンバーとして活躍した。ドラムは十代初めから演奏し始め、コージー・パウエルトミー・アルドリッジ(Tommy Aldridge)、ジョン・ボーナムから大きな影響を受けた。

サイモン・ライト
(Simon Wright)
AC/DC在籍時のサイモン・ライト
基本情報
生誕 (1963-06-19) 1963年6月19日(60歳)
イングランドの旗 イングランドマンチェスター
ジャンル ハード・ロックヘヴィメタル
ブルース・ロック
レーベル EMI
共同作業者 AC/DCディオUFOマイケル・シェンカー・グループジョン・ノーラムライノ・バケット(Rhino Bucket)

経歴 編集

サイモン・ライトは、地元マンチェスターでトラ・トラというバンドで演奏を始め、やがて、1979年にギターのゲイリー・オ—エンス(Gary Owens)が結成した、マンチェスターを代表するNWOBHMのスパーグループA II Z(A II Z)に参加した。もともと、A II Zは、結成直後からマンチェスターで評判となり、折からのNWOBHMブームに便乗しようとしていたポリドール・レコードと契約することになった。1980年には、ライブ・アルバム『The Witch Of Berkley』が出たが、その後1981年にベースとドラムが解雇され、ライトが代わりのドラマーとして参加することになった。しかし、ライトの参加後はシングル盤「I'm the One Who Loves You」が出ただけで、結局バンドは1982年に解散してしまう。ライトは、ゲイリー・オーエンスとともにオーロラ(Aurora)を経て、タイタン英語版に参加した[1]。タイタンは、デビュー・アルバム『Rough Justice』(1985年)のレコーディングを行ったが[2]、このデビュー・アルバムがリリースされるのを待たず、1983年にバンドは解散してしまった。

1983年AC/DCはドラムのフィル・ラッドを解雇し、ライトはその後任に採用された。1980年代半ば、ライトが在籍した時期に、AC/DCは3枚のアルバム『フライ・オン・ザ・ウォール』、『フー・メイド・フー』、『ブロウ・アップ・ユア・ヴィデオ』を制作した。ライトは1989年に、ディオに移るためAC/DCを脱退し、クリス・スレイドがその後を埋めた。ライトは、ディオの仕事の合間に、ライアム・ジェイソン(Liam Jason)が離脱したライノ・バケット(Rhino Bucket)に参加し、1994年のサード・アルバム『Pain』を録音した。2007年にも、再びこのバンドと共演し、アルバム『The Hardest Town』にフィーチャーされた。

ライトがディオに参加していた時期は、1990年から1991年と、1998年以降の2つに分かれる。ディオでは、4枚のスタジオ・アルバム『ロック・アップ・ザ・ウルヴス (Lock up the Wolves)』、『マジカ (Magica)』、『キリング・ザ・ドラゴン (Killing the Dragon)』、『マスター・オブ・ザ・ムーン (Master of the Moon)』と、2枚のライブ・アルバム『イーヴィル・オア・ディヴァイン (Evil or Divine - Live In New York City)』、『情念の炎〜ホーリィ・ダイヴァー (Holy Diver - Live)』に参加している。

ライトの演奏は、このほかにも、UFOマイケル・シェンカー・グループジョン・ノーラムの作品で聴くことができる。

2005年、ライトはヘヴィ・メタルを象徴するバンドであるアイアン・メイデンへのトリビュート・アルバム『NUMBERS from the BEAST: An All-Star Tribute to Iron Maiden』に参加した。ライトがトリビュート盤に参加するのは、1998年AC/DCへのトリビュート『Thunderbolt: A Tribute to AC/DC』以来、2回目だった。

 
2008年9月11日バグダッド北郊のCamp Tajiで。右端がライト。

2006年、ライトはビートルズの楽曲をヘヴィ・メタル風に取り上げたトリビュート盤『Butchering the Beatles: A Headbashing Tribute』に参加し、「Taxman」にクレジットされた。

2008年9月、ライトは、ジョー・リン・ターナーフィル・スーザン(Phil Soussan)、カルロス・カヴァーゾ(Carlos Cavazo)らとともに、ビッグ・ノイズ(the Big Noize)のプロジェクトとして、イラククウェートでのショーを行った[3]

使用機材 編集

ライトは、dwのコレクターズ・メイプル・シリーズのドラムと、セイビアンシンバルを使用している。詳細については英語版(en:Simon Wright (musician)#Drum kit)を参照。

トリビア 編集

ザ・ストーン・ローゼズレニ(英XFMラジオが2013年に行ったリスナー投票で「史上最高のロック・ドラマー」で1位に選出された名ドラマー)はAC/DC加入前からのドラム仲間。それまでパブで演奏していたレニはライトのAC/DC加入が本気でバンド活動をするきっかけとなった。

ディスコグラフィ 編集

AC/DC

ディオ

(以下はライブ盤)

ライノ・バケット (Rhino Bucket)

ジョン・ノーラム

モグ/ウェイ (Mogg/Way)

ティム・オーウェンズ (Tim "Ripper" Owens)

出典・脚注 編集

  1. ^ http://www.metal-archives.com/band.php?id=1633
  2. ^ http://www.metal-archives.com/release.php?id=4733
  3. ^ ターナーは、この時に演奏した曲「Battlefields」を2009年2月にリリースしているが、ドラムはライトではなく、Vinny Appiceに代わっている。Joe Lynn Turner at deep-purple.net

外部リンク 編集