ザウバー・C36
ザウバー・C36 (Sauber C36) は、ザウバーが2017年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーである。
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カテゴリー | F1 | ||||||||||
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コンストラクター | ザウバー | ||||||||||
デザイナー | ヨルグ・ザンダー | ||||||||||
先代 | ザウバー・C35 | ||||||||||
後継 | ザウバー・C37 | ||||||||||
主要諸元 | |||||||||||
エンジン |
フェラーリ 061 1.6L V6ターボ | ||||||||||
タイヤ | ピレリ | ||||||||||
主要成績 | |||||||||||
チーム | ザウバーF1チーム | ||||||||||
ドライバー |
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出走時期 | 2017年 | ||||||||||
通算獲得ポイント | 5 | ||||||||||
初戦 | 2017年オーストラリアGP | ||||||||||
最終戦 | 2017年アブダビGP | ||||||||||
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概要 編集
マシン設計は前テクニカルディレクターのマーク・スミス時代にスタートしたものの、その開発は前年3月に離脱したスミスの後継者となったヨルグ・ザンダーが引き継いだ[1]。ザンダーは新車発表の際、「ダウンフォースを最大限に求めるよりも、空力的な安定性を追求することに重点を置いた」と述べている[2]。
頭上にあるエアボックスが分割されているのが特徴となっており[1]、カラーリングは、F1参戦25周年を記念してブルーとゴールドのカラースキームに変更された[3]。
2017年シーズン 編集
ドライバーはマーカス・エリクソンが残留、新たなチームメイトにパスカル・ウェーレインを迎えた。ウェーレインはROCでクラッシュした際の負傷によりトレーニング不足のため開幕2戦を欠場、アントニオ・ジョヴィナッツィが代走を務めた。
多くのレースで予選下位・バックマーカーに沈むものの、車体はタイヤにやさしい特徴を持ち、他チームよりタイヤ交換を1回少なくする作戦が多く、セーフティカー導入時にタイヤ交換しタイムロスを無くす(フリーストップ)のを狙い、これが成功するとウェーレインが第5戦スペインGPで8位、第8戦アゼルバイジャンGPで10位に入賞した。しかし、マシン性能の低さが否めなかったマクラーレンが第11戦ハンガリーGPでダブル入賞を果たしたため、コンストラクターズランキング最下位に沈んだ。
スペック 編集
シャシー 編集
- シャシー カーボンファイバー製モノコック
- サスペンション
- フロントサスペンション ダブルウィッシュボーン インボードスプリングおよびダンパーによるプッシュロッド式(ザックス・レース・エンジニアリング製)
- リアサスペンション ダブルウィッシュボーン インボードスプリングおよびダンパーによるプルロッド式(ザックス・レース・エンジニアリング製)
- ブレーキ
- ブレーキキャリパー ブレンボ
- ブレーキパッド ブレンボ カーボンファイバー製
- ブレーキディスク カーボン・インダストリー
- トランスミッション フェラーリ 8速クイックシフト・カーボンギアボックス 縦置き カーボンファイバー製クラッチ
- シャシー電子機器 MES
- ERS フェラーリ
- ステアリングホイール ザウバーF1チーム
- タイヤ ピレリ
- ホイール O・Z
- 全長 5,143 mm
- 全幅 2,000 mm
- 全高 950 mm
- フロントトレッド 1,615 mm
- リアトレッド 1,530 mm
- 重量 728 kg(ドライバーを含む、空タンク時)
エンジン 編集
- 名称 フェラーリ 061
- 気筒数・角度 V型6気筒 90度
- 排気量 1,600 cc
- ボア径 80 mm
- ストローク 53 mm
- バルブ数 24
- 最高回転数 15,000 rpm(レギュレーションで規定)
- ターボチャージャー シングルターボ
- 最大燃料流量 100 kg/h
- 最大燃料容量 105 kg
- インジェクション 500 bar 直接噴射
- ユニット数 4(1台あたり)
ERSシステム 編集
- バッテリー出力:4 Mj(1周あたり)
- MGU-K 出力:120 kW
- MGU-K 最高回転数:50,000 rpm
- MGU-H 最高回転数:125,000 rpm
記録 編集
年 | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | ポイント | ランキング |
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AUS |
CHN |
BHR |
RUS |
ESP |
MON |
CAN |
AZE |
AUT |
GBR |
HUN |
BEL |
ITA |
SIN |
MAL |
JPN |
USA |
MEX |
BRA |
ABU | |||||
2017 | 9 | エリクソン | Ret | 15 | Ret | 15 | 11 | Ret | 13 | 11 | 15 | 14 | 16 | 16 | 18† | Ret | 18 | Ret | 15 | Ret | 13 | 17 | 5 | 10位 |
94 | ウェーレイン | PO | 11 | 16 | 8 | Ret | 15 | 10 | 14 | 17 | 15 | Ret | 16 | 12 | 17 | 15 | Ret | 14 | 14 | 14 | ||||
36 | ジョヴィナッツィ | 12 | Ret |
脚注 編集
- ^ a b “ザウバーが2017年型マシンの画像を披露”. ESPN F1. (2017年2月20日) 2017年2月20日閲覧。
- ^ “ザウバーF1技術ボスが語る『C36・フェラーリ』:空力安定性への自信と型落ちPUのメリット”. AUTOSPORTweb. (2017年2月20日) 2017年2月21日閲覧。
- ^ “ザウバーF1、2017年のニューマシン『C36』を正式発表”. AUTOSPORTweb. (2017年2月20日) 2017年2月20日閲覧。
- ^ “ザウバー、2017年は1年落ちのフェラーリ製エンジンを搭載”. F1-Gate.com (2016年10月6日). 2016年11月12日閲覧。
- ^ “Sauber C36-Ferrari”. Sauber F1 Team. 2017年2月20日閲覧。