ジェイムズ・アリソンまたはジェームズ・アリソン[1](James Allison、1968年2月22日 - )は、イングランド出身の空力系の自動車技術者

ジェイムズ・アリソン

James Allison
メルセデスF1在籍時代(2018年)
生誕 (1968-02-22) 1968年2月22日(56歳)
イングランドの旗 イングランドリンカンシャーラウス
国籍 イギリスの旗 イギリス
教育 ケンブリッジ大学
業績
専門分野 自動車エンジニア
フォーミュラ1カーデザイナー
テクニカルディレクター
勤務先 メルセデスAMG F1(2017 - 現在)
雇用者 1991-1993 : ベネトン
1993-1994 : ラルース
1995-1999 : ベネトン
2000-2005 : フェラーリ
2005-2013 : ルノー/ロータスF1
2013-2016 : フェラーリ
設計 ルノー・R30 ほか
ロータス・E20 ほか
フェラーリ・F14 T
メルセデス・F1 W08 EQ Power+ ほか

主に、モータースポーツの技術者としてF1チームの要職を歴任。特にテクニカルディレクターの役職を長らく務め、F1マシンの設計にも携わった。父はイギリス空軍大将(Air chief marshal)のジョン・アリソン卿

経歴 編集

アビングドンスクールケンブリッジ大学で学ぶ。

1991年、ケンブリッジ大学を卒業後[2]ロス・ブラウンの仕切る、エンストーンのベネトン・フォーミュラTWRの空力部門に加わる。トム・ウォーキンショーの獲得したレイナードF1が用意していた施設であり、そこには、自身の記憶を辿りながらレイナードの車両設計を再構築するロリー・バーンや、リジェへ向けた車両を準備するフランク・ダーニーの姿もあった。

その後ロビン・ハードの抜擢をうけ、ビスターのLarrousse UK Ltd社で、1995年用のラルース車両LH95英語版の空力責任者を務めたが、レースで出走することはなかった。

この時使用した風洞は、ブラックリーのマーチウインドトンネルで、1987年にニック・ワースによって建設されたものだった。

1990年代半ばにTWRの去ったベネトンに戻り、1996年から1998年の設計作業で、ニック・ワースとの組み合わせで、B197B198B199の空力責任者を担当する。ワースがF1チーム立ち上げに失敗した直後のことである。

在籍中にアリソンはエンストーンの新しいベネトン風洞の設計建設にも関与したとされている[2]

2000年フェラーリに移籍しチームの黄金期を支える。

2005年に副テクニカルディレクターとしてルノーF1(旧ベネトン・ルノー)に再び戻り、2009年テクニカルディレクターに昇進。2012年にルノーがロータスF1チームとなったが、引き続き在籍した。

2013年5月8日にロータスF1チームを辞任、2013年7月29日、フェラーリにシャシーテクニカルディレクター、その後テクニカルディレクターとして再加入した[3]。2016年7月27日に個人的な理由のためフェラーリを離脱[4]

2017年2月16日、メルセデスAMG F1に、新たに設けたテクニカルディレクターの待遇で加入し[5]、チームの常勝に貢献する。2021年7月、現場から退き管理職であるCTO(最高技術責任者)に昇格した[6]

以降しばらくはF1の現場を離れ、アメリカズ・カップ(ヨットレース)のイネオス ブリタニア・チームに技術者として出向していたが[7]2023年4月、前任のマイク・エリオットと交代しテクニカルディレクター職に復帰[1]

脚注 編集

  1. ^ a b 不振のメルセデスF1が技術部門の体制変更を発表。ジェームズ・アリソンがテクニカルディレクターに復帰”. オートスポーツweb (2023年4月22日). 2023年4月22日閲覧。
  2. ^ a b (ジョーサワード執筆) "James Allison"”. GrandPrix.com. 2017年2月17日閲覧。
  3. ^ Ferrari: James Allison leaves role as technical director”. BBC Sport. 2017年2月17日閲覧。
  4. ^ James Allison leaves Ferrari”. Sky Sports. 2017年2月17日閲覧。
  5. ^ Allison to join Mercedes as technical chief”. gpupdate.netのアーカイブ. 2022年8月1日閲覧。
  6. ^ メルセデスF1の大物技術者ジェームス・アリソン、第一線を退く…後任はマイク・エリオット”. Formula1-data.com (2021年4月9日). 2021年9月26日閲覧。
  7. ^ ブリティッシュ アメリカズ カップのチーム、イネオス ブリタニアが T6 テスト ボートを進水”. マリンインダストリーニュース (2022年10月31日). 2023年6月24日閲覧。