ジュリアン・アラフィリップ

フランスの自転車競技選手、シクロクロス選手

ジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe、1992年6月11日 - )は、フランス出身の自転車競技ロードレース)選手。

Julian Alaphilippe
ジュリアン・アラフィリップ
個人情報
本名 Julian Alaphilippe
愛称 juju(ジュジュ)[1]
loulou(ルル)
生年月日 (1992-06-11) 1992年6月11日(31歳)
国籍 フランスの旗 フランス
身長 173cm
体重 62kg
チーム情報
所属 クイックステップ・アルファビニール
分野 ロードレース&シクロクロス
役割 選手
特徴 パンチャー[2]
アマ所属チーム
2013
Etixx-iHNed
プロ所属チーム
2014-
クイックステップ
グランツール最高成績
主要レース勝利

世界選手権

個人ロードレース(2020, 2021)
フレッシュ・ワロンヌ (2018,2019,2021)
クラシカ・サンセバスティアン(2018)
ストラーデ・ビアンケ(2019)
ミラノ~サンレモ(2019)
ツール・ド・フランス
 山岳賞(2018)
 区間通算6勝
ツアー・オブ・カリフォルニア (2016)
 ヤングライダー賞(2015)
 区間通算2勝
クリテリウム・デュ・ドーフィネ
 新人賞(2016)
 山岳賞(2019)
 区間通算3勝
パリ~ニース
 ポイント賞(2017)
 ヤングライダー賞(2017)
 区間優勝
ブエルタ・ア・エスパーニャ 区間優勝
イツリア・バスク・カントリー 区間通算4勝
ティレーノ〜アドリアティコ 区間通算3勝
獲得メダル
フランスの旗 フランス
男子 自転車競技 ロードレース
世界選手権自転車競技大会
2020 イーモラ 個人ロード
2021 フランドル 個人ロード
最終更新日
2023年6月12日

経歴 編集

 
2013年équipe de France U23にて

アラフィリップはマッサーでありスカウトマンのジョアン・モリーに発見された。彼は若いフランスライダーのマネージャーを務めておりサン=タマン=モンロンに住んでいた。その町は2013年ツール・ド・フランス第13ステージの舞台にもなった街である。13歳の頃から自転車に乗りはじめたアラフィリップは、今でもたまに叩くドラムよりも自転車を好み、「僕の父はオーケストラの指揮者だった。だから僕は音楽とリズムが好きなんだろう。音楽は僕のライディングにエネルギーを与えてくれてるんだろうね。」と話す。様々な自転車競技に通じ、シクロクロスのフランス選手権U23カテゴリーでは2回優勝した。その後、エティックス・クイックステップのコンチネンタルチームEtixx-Ihnedに迎えられた。

2年目のプロシーズンである2015年のアルデンヌ・クラシックにおいて、フレッシュ・ワロンヌで2位、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュでも2位と驚きの成果をあげ、続くツアー・オブ・カリフォルニアでは山岳ステージの山場、マウントバルディを制してステージ優勝と総合ジャージに袖を通し、彼の底無しの潜在能力をカリフォルニアで証明した。「自分に自信を持ってもっと強くなる。2015年は好調のスタートだ。今年は一歩一歩この成長を続けていきたい」[3]

2017年、パリ〜ニース第4ステージの山岳TTでは並み居る強豪を抑えて優勝し、総合ジャージに袖を通した[4]ブエルタ・ア・エスパーニャの第8ステージでは、ラファウ・マイカヤン・ポランツとのスプリントで圧勝し、自身初のグランツール区間優勝を果たした。

2018年、フレッシュ・ワロンヌにて、念願のクラシック初勝利[5]ツール・ド・フランスではピレネー山脈三連戦の初日、第10ステージにて逃げ集団より抜け出し独走でツールステージ初優勝を飾る。また、アルプス初戦の第16ステージでも独走勝利を果たし、最終的には合計4の超級山岳を制し山岳賞を獲得した。

2019年、ミラノ〜サンレモにて、モニュメント初制覇[6]ツール・ド・フランス第3ステージでは残り16km付近から抜け出して独走勝利。総合でも首位に立ち、フランス人選手としては2014年のトニー・ガロパン以来、5年ぶりにマイヨ・ジョーヌを手に入れた[7]。第6ステージで一旦マイヨジョーヌを手放すも、第8ステージで奪還[8]。第13ステージの個人タイムトライアルでは、本命と目されていたゲラント・トーマスに14秒差を付けてのステージ勝利。フランス人によるツール・ド・フランスでの個人タイムトライアル優勝はプロローグを含めれば18年ぶり、含めなければ32年ぶり。マイヨジョーヌを着たフランス人としてはローラン・フィニョン以来、35年ぶりの勝利となった[9][10]。ピレネーの山頂フィニッシュが設定された第14、15ステージを終えてもマイヨジョーヌをキープ[11]。アルプス3連戦初日となる第18ステージでも総合首位を守ったが、第19ステージでタイムを失いエガン・ベルナルに総合首位の座を明け渡す結果となった[12][13]。続く第20ステージでも3分以上遅れ最終的に総合5位という結果となったが、ステージ2勝と14日間マイヨジョーヌを着用したことが評価されスーパー敢闘賞が贈られた[14]

2020年、ツール・ド・フランス第2ステージではアダム・イェーツマルク・ヒルシとのゴール前スプリントを制し、ステージ優勝[15]。同時にマイヨ・ジョーヌも獲得し、第4ステージまで総合首位をキープした。 世界選手権では、残り12kmの最後の登りでアタックをかけ、そのまま独走勝利。自身初、フランス人としては1997年のローラン・ブロシャール以来23年ぶりの世界王者の座を獲得した[16]

特徴 編集

2015年のアルデンヌ・クラシックの成果から、若きクラシックレーサーとしての成長が期待されたが、ツアー・オブ・カリフォルニアではのちに世界王者となるペーター・サガンを限界まで追い詰めた(最終ステージの前日、アラフィリップは2秒差で総合首位に立ち、ペーター・サガンの優勝は最終ステージで3位以内のボーナスタイム獲得が必須となった)[17][18]。その成果から、クライマーであり総合上位を狙える選手としての才能も見出され、翌年のツアー・オブ・カリフォルニアではクイーン・ステージを制し総合優勝に輝いた[19][20]

パトリック・ルフェーブルGMは「彼は本物で、いつも幸せそうだ。そして、いくつもの潜在能力を秘めている」と話す。

主な戦歴 編集

2014年 編集

2015年 編集

2016年 編集

2017年 編集

2018年 編集

 
2018年ツール・ド・フランスにてマイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ着用のアラフィリップ

2019年 編集

 
2019年ツール・ド・フランスにてマイヨ・ジョーヌ着用のアラフィリップ

2020年 編集

2021年 編集

2022年 編集

2023年 編集

脚注 編集

  1. ^ ツール・ド・フランス2018 第10ステージ レースレポート - J SPORTS
  2. ^ 『ciclissimo選手名鑑2018』八重洲出版、2018年。
  3. ^ http://www.etixx-quickstep.com/en/team/55/julian-alaphilippe
  4. ^ パリ〜ニース2017第4ステージ 山岳TTでコンタドールらを圧倒したアラフィリップが総合首位に浮上
  5. ^ 「ユイの壁」の激坂バトル アラフィリップがバルベルデの5連覇を阻止
  6. ^ ポッジオとローマ通りを先頭で駆け抜けたアラフィリップがモニュメント初制覇”. 2019年7月10日閲覧。
  7. ^ シャンパーニュの丘で飛び出したアラフィリップが独走勝利&マイヨジョーヌ獲得”. 2019年7月10日閲覧。
  8. ^ デヘントが中央山塊で鮮やかな独走勝利 攻撃に出たアラフィリップがマイヨジョーヌ奪回
  9. ^ マイヨジョーヌのアラフィリップが27.2km個人TTでトーマスを14秒差で下す
  10. ^ ツール・ド・フランス2019第13ステージ個人TTはマイヨ・ジョーヌのアラフィリップがサプライズ優勝!
  11. ^ アラフィリップ総合首位でピレネー越え、トーマスも追随
  12. ^ キンタナが超級ガリビエを独走 ベルナルが挽回し、アラフィリップが首位を守る
  13. ^ 積雹と土砂崩れにより急遽ステージ短縮 ベルナルがマイヨジョーヌを獲得
  14. ^ 運命が決めたツールの若き王ベルナル 個人を超えたチームワークの勝利
  15. ^ ツール・ド・フランス2020 第2ステージ 大会2日目の本格山岳ステージでアラフィリップが亡き父に捧げる勝利&マイヨジョーヌ獲得”. cyclowired (2020年8月31日). 2020年9月21日閲覧。
  16. ^ ロード世界選手権2020男子エリートロードレース 独走したアラフィリップが世界王者に 逃げた新城幸也は自分の展開に持ち込めず”. cyclowired (2020年9月28日). 2020年9月28日閲覧。
  17. ^ アラフィリップが頂上ゴール制覇で総合首位に サガンに2秒差で最終ステージへ
  18. ^ 4勝目を飾ったカヴェンディッシュ ボーナスタイムを得たサガンが総合優勝
  19. ^ ステティーナを下したアラフィリップがクイーンステージ制覇 19秒差で総合首位に
  20. ^ カヴェンディッシュが最終スプリント制覇 23歳アラフィリップが総合優勝に輝く

外部リンク 編集