ジョン・ウィック

アメリカの映画作品

ジョン・ウィック』(原題: John Wick)は、2014年に公開されたアメリカ映画。引退した凄腕の殺し屋の復讐劇を描くアクション映画キアヌ・リーブス主演兼・製作総指揮。R15+指定。日本版のポスター等で使われたキャッチコピーは「見惚れるほどの、復讐。

ジョン・ウィック
John Wick
John Wick logo.png
監督 チャド・スタエルスキ
デヴィッド・リーチ(クレジットなし)[1]
脚本 デレク・コルスタット
製作 ベイジル・イヴァニク
デヴィッド・リーチ
エヴァ・ロンゴリア
マイケル・ウィザリル
製作総指揮 キアヌ・リーブス
出演者 キアヌ・リーブス
ミカエル・ニクヴィスト
アルフィー・アレン
エイドリアンヌ・パリッキ
ブリジット・モイナハン
ディーン・ウィンタース
イアン・マクシェーン
ジョン・レグイザモ
ウィレム・デフォー
音楽 タイラー・ベイツ
ジョエル・J・リチャード
撮影 ジョナサン・セラ
編集 エリザベート・ロナルズ
配給 アメリカ合衆国の旗 サミット・エンターテインメント
日本の旗 ポニーキャニオン
公開 アメリカ合衆国の旗 2014年10月24日
日本の旗 2015年10月16日
上映時間 101分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $20,000,000[2]
興行収入 アメリカ合衆国の旗カナダの旗$43,037,835[2]
世界の旗 $88,761,661[2]
日本の旗 3億3100万円[3]
次作 ジョン・ウィック:チャプター2
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マトリックス』など数々の映画でスタントやスタントコーディネーターを手がけたチャド・スタエルスキの初監督作品。日本のアニメ[4]マーシャル・アーツ[5]殺陣[6]、香港映画のガンフー[7][8]マカロニ・ウェスタン[9] から影響を受けたアクションが特徴。興行的成功を受けシリーズ化され、続編『ジョン・ウィック:チャプター2』が2017年に、第三作の『ジョン・ウィック:パラベラム』が2019年に公開された。

ストーリー編集

かつて裏社会にその名を轟かせた凄腕の殺し屋ジョン・ウィックは、5年前に最愛の女性ヘレンと出会い足を洗う。平穏な結婚生活を送るジョンであったがヘレンが病で亡くなり、生きる希望を失う。だが、ヘレンは残される夫を心配して仔犬を手配しており、その存在がジョンの新たな希望となりつつあった。その矢先、ジョンの愛車フォード・マスタング・BOSS429を狙った若者の強盗に家を襲われ、車を奪われただけではなく仔犬も殺されてしまう。大事なものを再度失ったジョンは、復讐のため、裏社会へ戻ることを決意する。

強盗の正体は、ニューヨークを拠点に大勢力を築くロシアンマフィア「タラソフファミリー」のボス・ヴィゴの息子であるヨセフのグループであった。実はジョンは過去にヴィゴに雇われていた殺し屋であり、ヴィゴの現在の勢力もジョンの働きによるものだった。ジョンの実力を熟知するヴィゴは、すぐに彼との交渉と説得を試みるが失敗し、仕方なく手下達にジョンの家を襲撃させる。だが、ヴィゴの予想通り、ジョンは全員を返り討ちにしてしまう。そこでヴィゴは、懸賞金200万ドルでジョンの暗殺を殺し屋達に公示し、ジョンの親友であり、ヴィゴと旧知の仲でもあるマーカスにも声をかける。

情報収集のため、ジョンは、殺し屋達が利用し、掟によって守られている「コンチネンタル・ホテル」を訪れる。ホテルのオーナーであり、裏社会の情報に精通するウィンストンから、ヨセフの居場所を聞き出したジョンは、彼のいるナイトクラブを単身で襲撃する。ジョンは、クラブの護衛達を次々に殺害していくが、標的のヨセフには間一髪で逃げられ、脇腹に重傷を負う。ホテルに戻ってきたジョンは、旧知の女暗殺者でもあるパーキンズにホテルの掟を破って命を狙われるが、暗殺すると見せかけたマーカスの狙撃によって間一髪で助かり、逆に彼女を拘束する。彼女からヴィゴの隠し資産の場所を聞き出したジョンは、隣室にいた顔馴染みのハリーに彼女の身柄を預け、現場に向かう(だが、彼女は間もなくハリーを殺害し、脱出する)。

隠し資産のある教会を襲撃したジョンは、財産に火をかけてヴィゴを誘き出す。やってきたヴィゴら一味を襲撃するも、返り討ちに合い捕まってしまう。再度、ヴィゴは諦めるようにジョンを説得するが、ジョンは拒否し、ヴィゴは殺すよう部下に命じる。だが、マーカスの狙撃によってジョンは拘束を抜け、現場を離れるヴィゴを追い詰める。諦めたヴィゴは、息子の居場所を教え、ジョンの暗殺命令の撤回を約束して、解放される。間もなく、ジョンは、ヨセフのいる隠れ家を襲撃し、難なく彼を仕留める。

息子を殺害され憤るヴィゴは、パーキンズの情報により、ジョンとマーカスが密会していたことを知って、マーカスの自宅で彼を待ち構える。ヴィゴ自らマーカスを拷問し殺害すると、このことをあえてジョンに伝えてマーカス邸へ誘き出し、自身は港のヘリポートへ向かう。一方、マーカス邸へやってきたジョンを殺す手筈だったパーキンズは、ウィンストンの呼び出しを受け、掟を破った代償として粛清される。ウィンストンはジョンにヴィゴの動向を教え、港へ向かうヴィゴの車列をジョンは襲撃し、彼の部下達を葬っていく。最後はジョンとヴィゴの一騎討ちとなり、互いに重傷を負い倒れる。

現場を離れた瀕死のジョンは無人の動物病院に辿り着く。そこで動物用の薬品で傷を治療したジョンは、安楽死を待つ犬の1匹を連れ出し、夜の街へ消える。

登場人物・キャスト編集

主人公編集

ジョン・ウィック (ジョナサン・ウィック)
演 - キアヌ・リーブス、日本語吹替 - 森川智之
主人公。かつて「ブギーマン(闇の者)」や「ババヤガー」などと呼ばれ恐れられた引退した伝説的な殺し屋。現役時代はどんな不可能な暗殺も成し遂げ、「3人の男を鉛筆1本で殺した」など数々の伝説を残すも、最愛の女性ヘレンと出会い、引退したという過去を持つ。その亡き妻が残した愛犬を無残に殺されたことから、かつての雇い主でもあったロシアンマフィアの大物ヴィゴ・タラソフの息子ヨセフとその仲間たちに復讐するべく、暗殺者の道に戻る。
メインアームはH&K P30L(コンペンセイター付き)、サブにグロック26を使用。

タラソフ・ファミリー編集

ヴィゴ・タラソフ
演 - ミカエル・ニクヴィスト、日本語吹替 - 堀内賢雄
ニューヨークを拠点とするロシアンマフィアのボス。実はかつてのジョンの雇い主で友人でもあり、組織が現在の規模になったのもかつてのジョンの働きによるものという。このためジョンの怖さを熟知しており、ジョンが息子を狙っているとわかると即座に交渉を試み、失敗した後は、暗殺者達に200万ドルという高額の懸賞金を掛け、息子を守ろうとする。
ヨセフ・タラソフ
演 - アルフィー・アレン、日本語吹替 - 金城大和
ヴィゴの息子。親の権威を笠に悪事を行うチンピラ風情の青年。車泥棒が稼業であり、それを趣味にもしている。ジョンの愛車である高級車フォード・マスタングを狙って仲間と共にジョン宅に潜入、ジョンを痛めつけた上に彼の愛犬を殺す。これによってジョンの標的となる。
アヴィ
演 - ディーン・ウィンタース、日本語吹替 - 根本泰彦
ヴィゴの右腕で組織の顧問弁護士。ロシア系ではなく、ロシア語もわからないため、しばしばロシア語で話すヴィゴに英語での説明を求める。
グレゴリ
演 - オマー・バーネア
ヨセフの友人兼ボディーガード。ヨセフと共にジョン宅に押し入ったため、ジョンの標的となる。
ヴィクター
演 - トビー・レナード・ムーア英語版、日本語吹替 - 佐野康之
ヨセフの友人兼ボディーガード。ヨセフと共にジョン宅に押し入ったため、ジョンの標的となる。
キリル
演 - ダニエル・バーンハード、日本語吹替 - 家中宏
ヴィゴの腹心で、手下らのリーダー格。ヨセフを護衛する。
クズマ、ニコライ
演 - キース・ジャーディンタイット・フレッチャー、日本語吹替 - 原語音声
ヴィゴの手下たち。ヨセフを護衛する。
フランシス
演 - ケビン・ナッシュ
ナイトクラブ「レッド・サークル」の用心棒(バウンサー)。ジョンとは旧知の仲で、それによりクラブを襲撃しようとしているジョンに見逃される。

殺し屋編集

マーカス
演 - ウィレム・デフォー、日本語吹替 - 山路和弘
ジョンの親友である殺し屋でベテランのスナイパー。ヘレンの葬儀にも参列するなど現在でも親交がある。ヴィゴとも親しく、彼から直々に友人殺しを依頼され、表面的には引き受ける。しかし、パーキンズによる襲撃を枕への狙撃によってジョンに伝えるなど、殺す気はなく、その後もヴィゴに拘束されたジョンを狙撃で救う。
ミズ・パーキンズ
演 - エイドリアンヌ・パリッキ、日本語吹替 - 東條加那子
ジョンと顔馴染みの女殺し屋。高額の懸賞金の仕事のみを信条とし、ヴィゴが公示したジョン暗殺を引き受ける。ジョンを熟知するがゆえに騙し討ちとして「コンチネンタル・ホテル」の掟を破り、ホテル内でジョンの寝込みを襲う。失敗してジョンに拘束されるが、ハリーを殺害して脱出し、その後もマーカスが裏切り者であることなどをヴィゴに伝える。
ハリー
演 - クラーク・ピーターズ英語版
ジョンと顔馴染みの黒人の殺し屋。ジョンに代わってミズ・パーキンズの見張りを引き受けるが、隙を突かれて殺害されてしまう。

コンチネンタル・ホテル・ニューヨーク編集

ウィンストン
演 - イアン・マクシェーン、日本語吹替 - 安原義人
コンチネンタルの代表であり、「コンチネンタル・ホテル・ニューヨーク」のオーナー兼支配人。ジョンの親友で、彼に敬意を払い、彼を軽く見る者に忠告を行う。コンチネンタルの代表として殺し屋の世界で絶大な力を持ち、掟を破った者には容赦しない。
シャロン
演 - ランス・レディック、日本語吹替 - 堀内賢雄
ホテルのコンシェルジュ。ジョンに強い敬意を払っている。
アディ
演 - ブリジット・リーガン、日本語吹替 - 田中杏沙
ホテルの女性バーテンダー。ジョンとは旧知の仲で再会を喜ぶ。

裏社会編集

オーレリオ
演 - ジョン・レグイザモ、日本語吹替 - 家中宏
表向きは自動車工場のオーナーで、盗難車の引受けや解体を行うグループの頭目。ジョンの友人。ヨセフがジョンのマスタングを持ち込んできたため、警告するも理解しようとしないため彼を殴る。また、息子を殴った事情説明を求めたヴィゴにヨセフがジョンの車を盗んだことを伝え、ヴィゴは息子が深刻な状態に陥ったことに気づくことになる。
ジミー
演 - トーマス・サドスキー、日本語吹替 - 北田理道
ジョンの家の地区を管轄する警察官。ヴィゴの手下の襲撃を受けて、その騒音から通報を受けてジョン宅にやってくるが、実はジョンの友人であり、死体を見てもそのまま立ち去る。
医者
演 - ランドール・ダク・キム英語版、日本語吹替 - 根本泰彦
負傷したジョンを「コンチネンタル・ホテル」で治療する。
チャーリー
演 - デヴィッド・パトリック・ケリー、日本語吹替 - 佐久間元輝
裏社会の掃除屋。殺し屋たちからの依頼を受け、金貨と引き換えに、部下を率いて遺体の回収や現場の洗浄を行う。ジョンとは顔馴染み。

その他編集

ヘレン・ウィック
演 - ブリジット・モイナハン、日本語吹替 - 竹内絢子
ジョンの亡くなった妻。自分の死後、残された夫を心配して犬の手配を行う。

用語編集

コンチネンタル
世界中で殺し屋たちをサポートする機関[10]。基本は「コンチネンタル・ホテル」という形で運営されており、武器や情報の調達から死体の処理まで対応してくれる。利用には特殊な金貨が用いられる。一方でホテル内では殺しをしてはいけないなどの「掟」があり、これを破ると追放や粛清が行なわれる。
かなり古い歴史を持ち、本部は発祥の地とされるローマ。ただし、代表はコンチネンタルホテル・ニューヨークのオーナー兼支配人であるウィンストンが務める。

制作編集

封切り編集

  • 2015年9月19日から俳優の遠藤憲一と声優の森川智之がそれぞれナレーションを務めた特別予告編が公開された[11]

エピソード編集

2015年9月28日から本作のプロモーションで来日していたキアヌ・リーブスは情報番組ZIP!』のインタビューに応じ、「昔からアクション映画が好きで、子どもの頃は格闘ごっこやチャンバラをして遊んでいた。一番影響を受けたのがサニー千葉千葉真一)で、彼の『激突! 殺人拳』からアクションと芝居を学んだ。僕は映画用のカンフーならできるけど、サニー千葉は実際に人をボコボコにできる。情熱を感じる」と答えていると、千葉本人が登場するサプライズがあった[12]。リーブスは" Oh my god! " を連発、固い握手を交わしながら「ハジメマシテ、マエストロ!(巨匠)」と千葉へ挨拶[12]。「あなたはキャラクターを演じるだけでなく、そこにアクションを盛り込んだ。屈強なキャラクターにもあなたが演じると心が感じられる」と身振り手振りを交えながら、終始嬉しそうに大はしゃぎの様子だった[12]

脚注編集

  1. ^ David Leitch - IMDb
  2. ^ a b c John Wick (2014)”. Box Office Mojo. 2014年12月28日閲覧。
  3. ^ キネマ旬報」2016年3月下旬号 45頁
  4. ^ “'JOHN WICK' SCREENING: How Keanu Reeves Enlisted His 'Matrix' Doubles To Direct”. Zen For Zoey. (2014年10月30日). http://zen4zoey.blogspot.co.uk/2014/10/john-wick-screening-how-keanu-reeves.html 2015年11月6日閲覧。 
  5. ^ “Stuntman Inc: The One-Stop School for Action-Movie Stars”. Men's Journal. (2014年10月24日). http://www.mensjournal.com/adventure/races-sports/stuntman-inc-the-one-stop-school-for-action-movie-stars-20140825 2015年11月6日閲覧。 
  6. ^ “Exclusive Video Interview With David Leitch And Chad Stahelski On John Wick”. We Got This Covered. (2014年10月24日). http://wegotthiscovered.com/movies/exclusive-interview-directors-david-leitch-chad-stahelski-john-wick/ 2015年11月6日閲覧。 
  7. ^ “‘John Wick': "Gun-fu" is taken to new heights in actioner about retired hitman seeking revenge”. Orlando Weekly. (2014年10月24日). http://blogs.orlandoweekly.com/the-gist/for-reels/john-wick-gun-fu-taken-new-heights-actioner-retired-hitman-seeking-revenge/ 2015年11月6日閲覧。 
  8. ^ “John Wick: Cast Interview with Keanu Reeves, Alfie Allen, directors Chad Stahelski and David Leitch”. Zedos Gang. (2014年10月23日). http://zedosgang.blogspot.co.uk/2014/10/john-wick-cast-interview-with-keanu.html 2015年11月6日閲覧。 
  9. ^ “Directors David Leitch and Chad Stahelski Talk New Film ‘John Wick’”. The Source. (2014年10月13日). http://thesource.com/2014/10/13/directors-david-leitch-and-chad-stahelski-talk-new-film-john-wick/ 2015年11月6日閲覧。 
  10. ^ 「ジョン・ウィック:チャプター2」公式サイト 「コンチネンタル」解説 2018年2月17日閲覧
  11. ^ どちらが好み?遠藤憲一vs森川智之『ジョン・ウィック』特別予告編公開”. シネマズ (2015年9月21日). 2015年10月19日閲覧。
  12. ^ a b c “千葉真一初対面でキアヌ大興奮、熱いリアクションに「かわいい」の声。”. ナリナリドットコム. ZIP! (Narinari.com). (2015年10月6日). http://www.narinari.com/Nd/20151034070.html 2015年10月6日閲覧。 

外部リンク編集