スバル・クロストレック
クロストレック(CROSSTREK)は、SUBARUが製造・販売するCセグメントのコンパクト[1]クロスオーバーSUVである[2][3]。
スバル・クロストレック | |
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日本国内初代(通算3代目)GU系 | |
概要 | |
販売期間 |
2013年 - (北米) 2022年 - (北米以外) |
ボディ | |
ボディタイプ | 5ドアハッチバック |
駆動方式 | 前輪駆動 / 四輪駆動 |
系譜 | |
先代 | スバル・XV |
元々はXVの北米市場における名称であったが、2022年発表のモデルから全世界共通で「クロストレック」の名称に統一された[2]。本項では2022年発表のモデルを便宜上「日本国内初代」と表現するが、北米市場におけるクロストレックの通算としては「3代目」にあたる。
日本国内初代(通算3代目)GU系(2022年 - )
編集スバル・クロストレック GUD/GUE型 | |
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Limited | |
概要 | |
販売期間 | 2022年12月1日 - |
設計統括 | 毛塚紹一郎(開発主査) |
デザイン | 井上恭嗣(デザイン部主査) |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアクロスオーバーSUV |
エンジン位置 | 前 |
駆動方式 |
前輪駆動 四輪駆動(アクティブトルクスプリット式AWD) |
プラットフォーム | スバルグローバルプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン | |
モーター | MA1型 交流同期電動機 |
最高出力 | |
最大トルク | |
変速機 | CVT(リニアトロニック) |
サスペンション | |
前 | ストラット式 |
後 | ダブルウィッシュボーン式 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,670 mm |
全長 | 4,480 mm |
全幅 | 1,800 mm |
全高 | 1,575 mm |
車両重量 | 1,540–1,580 kg |
その他 | |
ブレーキ | ベンチレーテッドディスク(前/後共) |
系譜 | |
先代 | SUBARU XV(GT系) |
米国視点での「クロストレック」としては3代目、インプレッサXVから数えると通算4代目、インプレッサ全体としては6代目のモデル。先代まではベースとなるインプレッサのフルモデルチェンジ後に発売されていたが、本世代ではインプレッサの6代目への移行に先んじてフルモデルチェンジが行われた[3]。
先代となるGT系XVからの大きな改良点としては、ボディ全体の骨格を強固に組み立ててから外板パネルを溶接する「フルインナーフレーム構造」の採用、ルーフパネルの部分での高減衰マスチック(弾性接着剤)の採用、運転支援システム「アイサイト」が新世代型に更新され、ステレオカメラユニットは画像認識ソフトウェアや制御ソフトウェアの改良により画角が約2倍に拡大され、ユニット自体をフロントガラス取り付け式に変え、レンズに誤って触れることがないようにレンズフードが追加された。さらに、二輪車や歩行者の認識用として日本市場向けスバル車で初となる広角単眼カメラが追加されたことが挙げられる[2]。また、4つのカメラ映像を合成して車両の周辺360度を映し出す3Dビュー/トップビュー機能を備えた「デジタルマルチビューモニター」が設定され[4]、交差点の右左折時に進行方向を照らすLEDコーナリングランプがスバル車で初採用された[2]。ユーロNCAP試験項目への対応として、欧州、豪州、中国市場仕様ではスバル車として初めてファーサイドエアバッグ(運転席と助手席との間のエアバッグ)が搭載される。
センターインフォメーションディスプレイはグレードにより7インチもしくは11.6インチを採用するとともに、11.6インチにはBluetoothを内蔵し、ワイヤレス接続対応のApple CarPlayや有線接続のAndroid Autoに対応したインフォテインメントシステムを内蔵。コネクティッドサービスの「SUBARU STARLINK」にも対応しており、リコールなどの車両を安全に利用するための重要な情報の通知や車載通信機のソフトウェアの最新版への更新が可能。有料のサービスを申込むことで、先進事故自動通報「ヘルプネット」や24時間対応のコールセンターへの接続が可能なことに加え、第3世代クロストレックでは離れた場所からスマートフォンで解錠・施錠、自車の位置検索などが可能なリモートサービスや車内Wi-Fi(SUBARU クルマ de ネット)にも対応している。 また、what3wordsの車載システムを国内で販売されるSUBARU車で初めて搭載している[5]。
新型クロストレックは2022年9月15日に世界初公開され[2]、同年12月1日に日本仕様車の価格が発表された[6]。2022年末より日本市場へ導入されるのを皮切りに、順次世界各国での展開を予定していることが発表された[2][7]。
日本
編集エンジンは排気量2.0L e-BOXER(マイルドハイブリッド)システム(FB20型エンジン+MA1型モーター)が引き続き採用されるが、XVに設定のあった1.6Lモデルは廃止された[8][注釈 1]。また、「アクティブトルクスプリットAWD」を採用した四輪駆動モデルに加えて、インプレッサのクロスオーバーモデルとしてはインプレッサXV以来となる前輪駆動モデルが設定される[8]。トランスミッションは引き続きリニアトロニックCVTのみを搭載する[2]。
日本仕様車はTouringとLimitedの2グレードで、税込価格は2,662,000円から3,289,000円[6]。ボディ色は第2世代SUBARU XV(2021年12月一部改良モデル)からクリスタルホワイト・パール(メーカーオプション)、アイスシルバー・メタリック、マグネタイトグレー・メタリック、クリスタルブラック・シリカ、ピュアレッド、サファイアブルー・パール[注釈 2]、ホライゾンブルー・パールの7色を踏襲し、新色のオアシスブルー(メーカーオプション)とオフショアブルー・メタリック(メーカーオプション)を加えた全9色とされた。2024年9月の一部改良でホライゾンブルー・パールと入れ替わりでデイブレイクブルー・パールが追加された。
沿革
編集- 2022年
- 2024年
- ストロングハイブリッド専用に新たに開発された2.5L 水平対向4気筒エンジンに駆動用モーターおよび発電用モーターとフロントデファレンシャルギヤなどを一体化したトランスアクスル、1.1kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせたシリーズ・パラレル方式のハイブリッドシステムで、AWDは従来からの機械式AWDを踏襲している。従来のマイルドハイブリッドAWD車では荷室フロア下に搭載されていたパワーコントロールユニットをエンジン上部に変更したことにより燃料タンク容量が63Lに拡大され、1回の給油で1000km以上の走行が可能という。
- グレードは「Premium S:HEV」と「Premium S:HEV EX」の2グレードで、Premium S:HEV EXは高度運転支援システム「アイサイトX」や12.3インチフル液晶メーターなどを標準装備としている。
アメリカ合衆国
編集米国仕様第3世代クロストレック(2024モデルイヤー)は、Base、Premium、Sport、Limitedの4グレード構成で、SportとLimitedグレードは2.5リットルエンジン、それ以外は2.0リットルエンジンを搭載する[14]。トランスミッションは全グレードともリニアトロニックCVTを採用する[14]。SportとLimitedのみX-MODEがdual-functionとなる。先代までは日本で生産されていたが、クロストレックとしては初めて米国国内生産も始まり、SportとLimitedがスバル・オブ・インディアナ・オートモーティブで生産されることとなるが一方で2.0リットル仕様であるBaseとPremiumは日本での生産が継続される[14]。最低地上高は8.7インチ (220 mm) で日本仕様よりも20 mm高い[14]。
クロストレック・ウィルダネス
編集2023年4月に、米国向けにオフロード指向のモデルであるクロストレック・ウィルダネス(Crosstrek Wilderness)が発表された[15][16]。アウトバック・ウィルダネスとフォレスター・ウィルダネスに続く、「ウィルダネス」ファミリーの第三弾である。最低地上高が通常モデルより0.6インチ高い9.3インチ(236 mm)に設定されており、それに伴ってアプローチアングル、デパーチャーアングル、ブレイクオーバーアングルも大きくなっている[15]。エンジンは排気量2.5リットルで、差動装置が強化されており、最大牽引重量も通常モデルの1500ポンドから3500ポンドに強化されている[15]。最終減速比は3.70:1から4.11:1に変更されている[15]。
車名の由来
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 纐纈敏也@DAYS (2022年9月15日). “【スバル クロストレック 新型】冒険心ゆさぶるクロスオーバーSUV”. response. 2023年1月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 『SUBARU 新型「CROSSTREK」 を世界初公開』(プレスリリース)SUBARU、2022年9月15日 。2022年12月7日閲覧。
- ^ a b “グレード構成&価格も判明 スバル XV改め新型「クロストレック」は先代から何がどう進化したのか”. ベストカーWeb (2022年11月25日). 2022年12月8日閲覧。
- ^ 北村友里恵 (2022年9月15日). “スバル、新型「クロストレック」日本仕様初公開 デザインを一新し2.0リッター直噴の「e-BOXER」グレードに一本化”. Car Watch. 2022年12月9日閲覧。
- ^ 株式会社インプレス (2022年12月13日). “what3words、スバルの新型「クロストレック」車載ナビに搭載 “3つの単語”で住所のない場所へも案内可能”. Car Watch. 2022年12月13日閲覧。
- ^ a b 『SUBARU 新型「クロストレック」の価格を発表』(プレスリリース)SUBARU、2022年12月1日 。2022年12月8日閲覧。
- ^ “キープコンセプト? どこが違う? スバル・新型クロストレックとXVの違いをエクステリア、インテリア、サイズ、仕様で徹底比較!”. Motor-Fan CAR (2022年10月21日). 2022年11月14日閲覧。
- ^ a b 山本晋也 (2022年10月22日). “スバル「クロストレック」にFFが新設定されたワケは?コスパ重視の若者世代は「4WDは不要」と判断?”. MotorFan Car. 2022年12月8日閲覧。
- ^ “売れ筋SUVへ間違いなし! FFは先代XVから価格据え置きで「新型スバルクロストレック」がいよいよ受注受付開始!!(ベストカーWeb)”. 講談社ビーシー (2022年11月14日). 2022年11月14日閲覧。
- ^ “スバル、「クロストレック」一部改良 新色「デイブレイクブルー・パール」追加など”. Car Watch (2024年9月13日). 2024年9月13日閲覧。
- ^ 『SUBARU ストロングハイブリッドを発表 ~クロストレック(日本市場向け)に初採用~』(プレスリリース)株式会社SUBARU、2024年10月17日 。2024年10月19日閲覧。
- ^ “新型クロストレック ストロングハイブリッド”. 株式会社SUBARU. 2024年10月19日閲覧。
- ^ “スバルが2.5Lの「ストロングハイブリッド」を発表!初採用はクロストレックで10月17日より先行予約受付開始”. Motor Fan (株式会社三栄). (2024年10月17日) 2024年10月19日閲覧。
- ^ a b c d 『SUBARU DEBUTS THE ALL-NEW 2024 CROSSTREK COMPACT SUV WITH RUGGED NEW STYLING, IN-VEHICLE TECHNOLOGY, PERFORMANCE AND SAFETY』(プレスリリース)スバルオブアメリカ、2023年2月19日 。2023年2月10日閲覧。
- ^ a b c d Jack Fitzgerald (2023年4月5日). “2024 Subaru Crosstrek Wilderness Wants to Explore”. CAR And Driver. 2023年4月6日閲覧。
- ^ 『SUBARU 「クロストレック ウィルダネス」を米国で発表~SUBARU SUVの個性をさらに際立たせたウィルダネスシリーズの第三弾~』(プレスリリース)株式会社SUBARU、2023年4月6日 。2023年4月6日閲覧。
- ^ “クロストレックの車名の由来を教えてください。”. SUBARU (2022年11月24日). 2022年12月8日閲覧。