スピード (キャラクター)

スピードSpeed)、またはトーマス・"トミー"・シェパードThomas "Tommy" Shepherd)は、マーベル・コミックが発行するアメリカン・コミックスに登場する架空のスーパーヒーロー。2006年3月に、アラン・ハインバーグジム・チャンによって創造されたスピードは、『ヤング・アベンジャーズ』第10号で初登場した[1]。彼のスーパーパワーは叔父のピエトロ・マキシモフ/クイックシルバーのものと同等である。 『ヤング・アベンジャーズ』第12号で、彼はコスチュームを身にまとってスピードと名乗り、マーベル・ユニバースに登場する10代のスーパーヒーローチームである“ヤング・アベンジャーズ”に加わる。

Speed
出版の情報
出版者マーベル・コミック
初登場トーマス・マキシモフとして:
The Vision and the Scarlet Witch』第12号(1986年9月)
トーマス・シェパードとして:
ヤング・アベンジャーズ』第10号(2006年3月)
クリエイター
作中の情報
本名トーマス・"トミー"・シェパード
種族ミュータント
所属チームチャンピオンズ
ヤング・アベンジャーズ
パートナーウィッカン(双子の兄弟)
著名な別名スピード
ノット・パトリオット
能力
  • 超音速走行
  • 分子加速
  • 超人的な強さ、耐久性、敏捷性
  • 加速された知覚
  • 爆風
  • 超人的な反射神経と新陳代謝
  • 不変性
  • 旋風創造

スピードのストーリーでは、彼とビリー・カプラン/ウィッカンが実は長い間行方不明だった双子の兄弟であり、2人はワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチと彼女の元夫ヴィジョンの幻の息子の生まれ変わりであることを発見した。トミーの前世であるトーマス・マキシモフは、1986年9月にスティーヴ・エングルハートリチャード・ハウエルによって創造され、『The Vision and the Scarlet Witch』第12号で初登場した。バイセクシュアルであるトミーはケイト・ビショップ/ホークアイ(2代目)デヴィッド・アレイン/プロディジーと交際している。

発行履歴

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キャラクター経歴

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その他のバージョン

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MCU版

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マーベル・シネマティック・ユニバース』(MCU)では、主にジェット・クラインがトミー・マキシモフTommy Maximoff)を演じる。日本語吹替は下記を参照。

本項では、“アース616”(正史の宇宙)におけるトミーを主軸として表記するが、現在のところ、原作コミックのようにスピードとしては登場していない。

キャラクター像

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ヘックス”に取り巻かれた“ウエストビュー”内においてワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチヴィジョン(カオス・マジック)の間に生まれた双子の長男。ワンダの「アメリカらしい名前を付けたい」という希望から名付けられた。

かなりやんちゃな男の子で、第四の壁を破るような言動もとり、双子の弟のビリー・マキシモフと時に兄弟喧嘩を繰り広げ、アグネス(アガサ・ハークネス)に操られて来訪した偽のピエトロ・マキシモフ(ラルフ・ボーナー)の影響もあってわんぱく盛りな行いも多々披露することもあるが、一大事の際には弟や両親を気遣うほど家族思いな姿も見せる。

ヘックスに取り巻かれていた頃のウエストビューの状況にある程度適応したものの、その実態は父や弟と同様に、“カオス・マジック”で創造された生命体であり、このことからヘックスの内部でしか存在を保つことができず、ヘックス自体が消失したりすると苦しみながら分解し、その存在自体が消え去ってしまうという致命的な難点を有している。

トミー・マキシモフ(アース838)

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アース838”におけるトミー。外見や性格は正史のトミーとほぼ同等で、弟のビリーと同様に自作のアイスクリームの歌を母のワンダに聞かせるほどアイスクリームが好物だが、カオス・マジックのようなワンダの魔法で生み出されたという描写はなく、後述の特殊能力も有していない様子である。

能力

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生まれて間もない頃から、自分の年齢を自身の意思で操作し、赤ん坊からあっという間に5歳児に、そして自宅に連れ込んだ仔犬を飼いたいと両親にねだった時に10歳児へと急成長してしまった。また、ハロウィンの頃から伯父のピエトロ・マキシモフ/クイックシルバーと同等の超高速移動能力を行使できるようになる。

各作品における描写

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ワンダヴィジョン』第3〜9話
演 - ギャビン・ボーダーズ(5歳時)、ジェット・クライン(10歳時)
日本語吹替 - 木村皐誠
本作でMCU初登場。ワンダの妊娠から僅か2日後に誕生し、ビリーと共に10歳児になると、拾ってきた仔犬を“スパーキー”と名付けて飼えるようになったのも束の間、 死別する事態に直面してしまい、そこからまた自分たちの年齢を上げかけるも、両親に止められた。後日のハロウィンの日にはコスプレも披露し[注釈 1]、超高速移動能力で町中の人々に多数の悪戯を働く姿も見せた。
その翌日には、ハロウィンでの一件で錯乱気味のワンダの代わりに子守を引き受けたアグネスのもとに身を置くが、ビリーと共に捕まってしまう。しかしワンダに救われ、一度は隠れるよう促されて自宅に退避するも、自分たちも敵に立ち向かう両親に加勢することを決意。一時はヘックスが開かれたことで消滅しかけるが、両親のもとに駆け付け、ビリーとの連携で“S.W.O.R.D.”の兵隊の武装を解除する活躍を見せた。そして両親が勝利すると、親子4人で帰宅。ワンダとヴィジョン(カオス・マジック)から愛を伝えられて眠るも、ウエストビューを元に戻すことを決めたワンダによってヘックスが自宅に到達したことで消滅する。
だが後日、隠遁生活を送りながら魔法の修行に励むワンダの耳元には、トミーとビリーからの助けを呼ぶ声が響いていた。
ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
日本語吹替 - 上野黎也
本作ではアース838のトミーが登場。ワンダやビリーと共に自宅で平穏に暮らしている。

その他のメディア

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脚注

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注釈

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  1. ^ トミーは当初、「このままでもイケてる双子」として普段着でハロウィンに出かけようとしたが、ピエトロ・マキシモフ(ラルフ・ボーナー)の影響から彼も着用していたクイックシルバーのコスプレをするようになった。

参考

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  1. ^ DeFalco, Tom; Sanderson, Peter; Brevoort, Tom; Teitelbaum, Michael; Wallace, Daniel; Darling, Andrew; Forbeck, Matt; Cowsill, Alan et al. (2019). The Marvel Encyclopedia. DK Publishing. p. 341. ISBN 978-1-4654-7890-0 

参考文献

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