ソール・ベロー
アメリカの小説家、劇作
ソール・ベロー(Saul Bellow, 1915年7月10日 - 2005年4月5日)は、アメリカの小説家・劇作家。
Saul Bellow ソール・ベロー | |
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1964年のソール・ベロー | |
誕生 |
Solomon Bellows 1915年7月10日 カナダ ケベック州 |
死没 |
2005年4月5日 (89歳没) アメリカ合衆国 マサチューセッツ州ブルックライン |
国籍 | アメリカ合衆国 |
最終学歴 |
シカゴ大学 ノースウェスタン大学 ウィスコンシン大学マディソン校 |
主な受賞歴 |
ノーベル文学賞(1976) ピューリッツァー賞 フィクション部門(1976) 全米図書賞(1954, 1965, 1971) |
署名 | |
ウィキポータル 文学 |
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生涯
編集1915年、貧しいロシア系ユダヤ系移民の子としてカナダのケベック州ラシーヌで生まれる[1]。本名ソロモン・ベローズ(Solomon Bellows)。
1924年、家族とともにシカゴのユダヤ人地区に移住。
シカゴ大学・ノースウェスタン大学で社会学と文化人類学を学ぶかたわら熱烈なトロツキストとなった。ウィスコンシン大学で人類学の修士号を取得。
ミネソタ大学・プリンストン大学・シカゴ大学・バード大学、ニューヨーク大学で教鞭をとる。
大学院在学中より執筆活動をはじめ、1944年、入隊をひかえた男の異常な心理状態を実存主義的な手法で描いた『宙ぶらりんの男』でデビュー。以後、順調に創作活動を続け、『ハックルベリー・フィンの冒険』の20世紀版と目される『オーギー・マーチの冒険』(1953年)、『ハーツォグ』(1964年)、『サムラー氏の惑星』(1970年)で全米図書賞を三度受賞し、『フンボルトの贈り物』(1975年)でピューリッツァー賞を受賞、『銀の皿』でオー・ヘンリー賞、さらに1976年にはノーベル文学賞を受賞するなど、現代アメリカを代表する作家として活躍した。
アイザック・シンガーの短編「馬鹿のギンペル」のイデッシュ語から英語への翻訳も1952年に行っている。
2005年4月5日、マサチューセッツ州の自宅で死去。89歳。
評価
編集- 山口和彦は、ベローの作品の意義は、20世紀前半のイディッシュ語文化の伝統や移民の経験を自伝的・実話的に描く作家たち(エイブラハム・カーハン、アンジア・イージスカ、ヘンリー・ロスなど)と後発の虚構性の高い作品を創作する作家たち(フィリップ・ロス、シンシア・オジック、E・L・ドクトロウ、グレイス・ペイリーなど)との橋渡し的役割にも見出されるべきとしている。
著作
編集小説
編集- Dangling Man (1944) (『宙ぶらりんの男』)
- The Victim (1947) (『犠牲者』)
- The Adventures of Augie March (1953) (『オーギー・マーチの冒険』)
- Seize the Day (1956)
- Henderson the Rain King (1959) (『雨の王ヘンダソン』)
- Herzog (1964) (『ハーツォグ』)
- Mosby's Memoirs (1968) (『モズビーの思い出』)
- ソール・ベロー短編集 繁尾久訳 角川文庫 1974
- Mr. Sammler's Planet (1970) (『サムラー氏の惑星』)
- 橋本福夫訳 新潮社 1974
- Humboldt's Gift (1975) (『フンボルトの贈り物』)
- The Dean's December (1982) (『学生部長の十二ヶ月』)
- Him with His Foot in His Mouth (1984)
- More Die of Heartbreak (1987)
- A Theft (1989) (『盗み』)
- 宇野利泰訳 早川書房 1990
- The Bellarosa Connection (1989) (『ベラローザ・コネクション』)
- 宇野利泰訳 早川書房 1992
- Something to Remember Me By: Three Tales (1991)
- The Actual (1997) (『埋み火』)
- Ravelstein (2000) (『ラヴェルスタイン』)
- 鈴木元子訳 彩流社 2018
- Collected Stories (2001)
エッセイ
編集- To Jerusalem and Back (1976)
- It All Adds Up (1994)
脚注
編集参考文献
編集- 『アメリカ文学入門』三修社、2013年 責任編集:諏訪部浩一
関連文献
編集- 池田肇子. 「ソール・ベロー:文学性の形成―伝記資料を中心に―」. 福岡女学院大学紀要・人文学部編(第26号 : 難波征男教授・池田肇子教授退職記念). 2016年3月