チープ・トリック

アメリカ合衆国のロックバンド

チープ・トリック: Cheap Trick)は、1973年シカゴ郊外にあるロックフォード市で結成されたアメリカロックバンド。メンバーは、ロビン・ザンダーリック・ニールセン英語版トム・ピーターソン英語版バン・E・カルロス英語版の4人[注釈 1][3]

チープ・トリック
CheapTrick1977.jpg
リック・ニールセン(左)とトム・ピーターソン(1977年
基本情報
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 イリノイ州ロックフォード
ジャンル
活動期間 1973年 -
レーベル
公式サイト チープ・トリック公式サイト
メンバー
旧メンバー

1977年にオリジナル・アルバム『チープ・トリック』でデビューし、同年後半に発売された2ndアルバム『青ざめたハイウェイ』で日本での成功を収めた。1979年に発売されたライブ・アルバム『チープ・トリックat武道館』はヒット作となり、同作からシングル・カットされた「甘い罠 (Live)」もBillboard Hot 100でトップ10入りし、1988年に発売されたシングル『永遠の愛の炎英語版』で第1位を獲得した[4]

2016年3月時点で3700回以上のライブを行なっていて[5]、世界でのアルバムの売上枚数は2000万枚(2013年12月時点)を超えている[6]

2016年にロックの殿堂入りを果たした。

来歴編集

リック・ニールセンとトム・ピーターソンは、Fuseというバンドのメンバーとして1969年にメジャー・デビューするが、商業的成功には恵まれず、一時はフィラデルフィアに拠点を移す。その後、リックとトムはイリノイ州に戻り、バン・E・カルロスやランディ・ホーガンと共にチープ・トリックを結成。しかし、ランディは間もなく脱退し、後任としてロビン・ザンダーが加入してラインナップが固まる。

1977年、デビュー・アルバム『チープ・トリック』発表。しかし、本国アメリカでは成功せず、その後2枚のアルバムもヒットしなかったが、日本では人気が高まっていき、1978年4月には、初の日本公演を行う。その時の模様を収録したライヴ・アルバム『チープ・トリックat武道館』(1978年)は、当初は日本限定企画だったが、本国アメリカで日本からの輸入盤が売れ出したため、1979年に本国でもリリースされ、バンドにとって初の全米トップ10入り(最高4位)を果たした。また、このアルバムからシングル・カットされた「甘い罠 (I Want You To Want Me)」は、Billboard Hot 100 で7位まで上昇し、バンドにとって初の大ヒット・シングルとなった[7]

1980年、ロビン以外の3人は、ジョン・レノン「アイム・ルージング・ユー」のレコーディング・セッションに参加[8]。チープ・トリックが参加したヴァージョンは、ジョンのアルバム『ダブル・ファンタジー』には収録されず、後にボックス・セット『ジョン・レノン・アンソロジー』で発表される[9]。同年発表のアルバム『オール・シュック・アップ』は、ビートルズとの仕事で知られるジョージ・マーティンがプロデュースを担当。しかし、同作を最後にトムが脱退。バンドはピート・コミタを迎えてツアーを行い、その後ピートに代わってジョン・ブラントが加入。トッド・ラングレンがプロデュースを担当した『ネクスト・ポジション・プリーズ』(1983年)等の意欲作を発表するが、セールス的には落ち込んでいった。1986年には、映画『トップガン』のサウンドトラックに「Mighty Wings」を提供。

1987年、トムがバンドに復帰。翌年には、アルバム『永遠の愛の炎』が全米16位のヒットとなり、同作からのシングル「The Flame」は、バンドにとって初の全米1位シングルとなった[7]。第2弾シングルのエルヴィス・プレスリーのカバー「冷たくしないで」は全米4位。

その後、バンドはワーナー・ブラザース・レコードに移籍し、テッド・テンプルマンのプロデュースによる『蒼い衝動』(1994年)を発表するが、同作は商業的には成功せず、バンドはほどなくワーナー・ブラザースを離れる。以後、バンドはライヴ中心の活動に移行し、サブ・ポップからシングル「Baby Talk」をリリースした後は、Red AntやBig3といったインディーズ・レーベル(日本ではビクターエンタテインメント)から作品発表を継続する。

2003年 来日しサマーソニック03に出演。競演していた多くのパワーポップ系若手バンドからリスペクトを集める。

2008年 78年のアルバム「at 武道館」発売30周年を記念し、4月24日に再び日本武道館で公演。

2009年 ラスベガスにて2週間にわたり、ビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 」全曲を演奏するショー、Sgt. Pepper Liveを開催。フルオーケストラと競演、ジョーン・オズボーンなどがゲスト参加した。

2010年 従来より身体的な問題が伝えられていたバン・E・カルロスについて、バンドは、バン・E がメンバーとして籍は残すもののツアーには参加しないことを発表。以降、リック・ニールセンの息子ダックスがツアードラマーとして迎えられた。(その後2015年にバン・Eはインタビュー[10]にて、ツアーからの離脱はスケジュールやセットリストの長さの意見の食い違いに起因する、ロビン・ザンダーとの不仲によるものであったことを明かしている。)

2011年 7月17日、オタワ・ブルースフェスティバル(カナダ)での演奏中、強風のためステージが大崩落する事故が発生。メンバーは怪我を免れ、以降も精力的にツアーを継続する。

2012年 8月より、出身地ロックフォードのBurpee自然史博物館にて、リック・ニールセンのテーマ展「Rick’s Picks: A Lifelong Affair With Guitars & Music」開催。コレクターとしても知られるリックの所有する膨大なギターやトムのベース、様々な関連資料が展示される。

2013年 バン・E・カルロスが、自身がメンバーであるにも関わらず新作のレコーディングへの参加が認められず、得られるはずの報酬も支払われていないとしてバンドを相手取った訴訟を起こす。残るメンバー3人はバン・Eが既にメンバーではないと主張して対抗訴訟を起こすが裁判所はこれを棄却。同年8月には来日し、10日、11日サマーソニック2013出演。

2015年 バン・E・カルロスが起こした訴訟が結審。2月下旬ロビンから、バン・Eが現在もバンドのメンバーであることを認める一方で、今後ツアーやレコーディングにはバン・Eが参加しない旨がアナウンスされた。同年12月、ディープ・パープルシカゴ等とともに、翌2016年付でのロックの殿堂(The Rock and Roll Hall of Fame and Museum)入りが発表される。なお、2016年4月8日に行われた殿堂入りセレモニーにはバン・Eも出席し、6年ぶりの共演を披露している。

2016年 ダックス・ニールセンがレコーディングに参加したニューアルバム「バン・ズーム・クレイジー・ハロー」をBig Machine Label Groupより発表。

メンバー編集

名前 プロフィール 担当 在籍期間
現メンバー
ロビン・ザンダー
: Robin Zander
(1953-01-23) 1953年1月23日(68歳)
  アメリカ合衆国 ウィスコンシン州ベロイト
ボーカル
リズムギター
1974年 - 現在
リック・ニールセン英語版
: Rick Nielsen
(1948-12-22) 1948年12月22日(72歳)
  アメリカ合衆国 イリノイ州エルムハースト
リードギター
コーラス
1973年 - 現在
トム・ピーターソン英語版
: Tom Petersson
(1950-05-09) 1950年5月9日(71歳)

  アメリカ合衆国

ベース
コーラス
1973年 - 1980年
1987年 - 現在
バン・E・カルロス英語版
: Bun E. Carlos
(1948-12-22) 1948年12月22日(72歳)
  アメリカ合衆国 イリノイ州エルムハースト
ドラムス
コーラス
1973年 - 現在
[注釈 1]
旧メンバー
ランディ・ホーガン英語版
: Randy Hogan
(1954-05-08) 1954年5月8日(67歳)
  アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニュー・ハートフォード
ボーカル 1974年
ピート・コミタ
: Pete Comita
  アメリカ合衆国 ベース
コーラス
1980年 - 1981年
ジョン・ブラント英語版
: Jon Brant
(1950-02-20) 1950年2月20日(71歳)
  アメリカ合衆国 シカゴ
ベース
コーラス
1981年 - 1987年
1999年[注釈 2]
2004年 - 2005年
2007年
サポートメンバー
マジック・クリスティアン英語版
: Phil Cristian
  アメリカ合衆国 キーボード
コーラス
1982年 - 1986年
2002年[注釈 2]
2008年 - 2011年
2012年[注釈 2]
2013年
2014年[注釈 2]
2015年[注釈 2]
2016年[注釈 2]
スティーヴ・ウォルシュ
: Steve Walsh
(1951-06-15) 1951年6月15日(69歳)
  アメリカ合衆国 ミズーリ州セントルイス
キーボード
コーラス
1985年
マーク・ラディス英語版
: Mark Radice
(1957-11-23) 1957年11月23日(63歳)
  アメリカ合衆国 ニュージャージー州ニューアーク
キーボード
コーラス
1985年
トッド・ハワース英語版
: Tod Howarth
(1957-09-24) 1957年9月24日(63歳)
  アメリカ合衆国 カリフォルニア州サンディエゴ
キーボード
コーラス
1986年 - 1987年
1990年 - 1996年
1999年[注釈 3]
2000年
2008年
ダックス・ニールセン
: Daxx Nielsen
(1980-08-12) 1980年8月12日(40歳)
  アメリカ合衆国
ドラムス 2001年
2010年 - 現在
ロビン・テイラー・ザンダー
: Robin Taylor Zander
  アメリカ合衆国 ギター
コーラス
不明 - 現在

ディスコグラフィ編集

スタジオ・アルバム編集

EP編集

  • 今夜は帰さない - Clock Strikes Ten (1977)
  • カリフォルニア・マン - California Man (1978)
  • デイ・トリッパー - Found All The Parts (1980) 

ライブ・アルバム編集

コンピレーション・アルバム編集

  • グレイテスト・ヒッツ - The Greatest Hits (1991)
  • セックス・アメリカ・チープ・トリック - Sex, America, Cheap Trick (1996)
  • エッセンシャル・チープ・トリック - The Essential Cheap Trick (2004)

日本公演編集

4月25日 福岡市九電記念体育館4月26日 名古屋市公会堂4月27日 大阪厚生年金会館4月28日 日本武道館4月30日 日本武道館5月1日 静岡駿府会館

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ a b c バン・E・カルロスは、メンバーとしては在籍しているが、2016年以降はレコーディングやライブに参加していない。2010年以降はサポートメンバーであるダックス・ニールセンが、ドラムスを演奏している。
  2. ^ a b c d e f 1回限りの参加。
  3. ^ ゲスト・ミュージシャンとして参加。

出典編集

  1. ^ a b c d e Erlewine, Stephen Thomas. Cheap Trick | Biography & History - オールミュージック. 2020年11月18日閲覧。
  2. ^ Popoff, Martin (2014). The Big Book of Hair Metal: The Illustrated Oral History of Heavy Metal's Debauched Decade. Voyageur Press. pp. 145, 190. ISBN 0-7603-4546-5 
  3. ^ Curry, Corina (2016年4月11日). “Cheap Trick: 'New guy' Daxx Nielsen has known bandmates his whole life”. Rockford Register Star (Gannett Co., Inc.). https://www.rrstar.com/article/20160411/SPECIAL/160419971 2020年11月19日閲覧。 
  4. ^ Billboard Cheap Trick Chart History”. Billboard. 2020年11月19日閲覧。
  5. ^ “Cheap Trick: 'We don't want to do wimp versions of ourselves'”. USA Today (Gannett Co., Inc.). (2016年3月29日). https://www.usatoday.com/story/life/music/2016/03/29/cheap-trick-rock-hall-induction-bang-zoom-crazy-hello/82360494/ 2020年11月19日閲覧。 
  6. ^ Cheap Trick bucking the trend, touring with 3 original members”. daily-journal.com (2013年12月20日). 2020年11月18日閲覧。
  7. ^ a b allmusic(((Cheap Trick>Awards)))
  8. ^ John Lennon - Wonsaponatime (CD) at Discogs
  9. ^ I'm Losing You by John Lennon”. Songfacts. 2016年2月2日閲覧。
  10. ^ Cheap Trick's Bun E. Carlos on Possible Rock Hall Reunion”. RollingStone. 2015年12月22日閲覧。

外部リンク編集