デビッド・モレル 対 セナ・アグベコ戦

デビッド・モレル 対 セナ・アグベコ戦(デビッド・モレル たい セナ・アグベコせん)は、2023年12月16日にミネソタ州ミネアポリスミネアポリス・アーモリー英語版で開催されたプロボクシングの試合。WBA世界スーパーミドル級レギュラー王者のモレルと、WBA世界スーパーミドル級10位で元WBC全米ミドル級王者のアグベコと対戦するタイトルマッチ。この試合はShowtimeチャンピオンシップ・ボクシングの最終回として放送された[3]

デビッド・モレル 対 セナ・アグベコ戦
開催日 2023年12月16日
認定王座 WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ
開催地 アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス
会場 ミネアポリス・アーモリー英語版
観衆 5,347人[1]
リングアナ ジミー・レノン・ジュニア
放送局 Showtime
実況・解説 マウロ・ラナーロ(実況)
アル・バーンスタイン(解説)
アブネル・マレス(アナリスト)
ジム・グレイ(リポーター)
主催 トム・ブラウン(TGBプロモーションズ)
レオン・マグダレス(ウォリアーズ・ボクシング・プロモーションズ)
ウェブサイト #MORRELLAGBEKO

デビッド・モレル 対 セナ・アグベコ
The African Assassin(アフリカの暗殺者)
比較データ
25歳 年齢 31歳
サンタ・クララ 出身地 アクラ
9戦 9勝(8 KO)無敗 戦績 30戦 28勝(22 KO)3敗
6 ft 1 in (1.85 m) 身長 6 ft 0 in (1.83 m)
167.6 lb (76.0 kg) 体重 167 lb (76 kg)
サウスポー 特徴 オーソドックス
ロニー・シールズ 指導者 ランドール・ベンソン
WBA世界スーパーミドル級王者・世界最速タイ記録となるデビュー3戦目での王座獲得[2] 評価 WBC全米ミドル級王者・WBA世界スーパーミドル級10位

結果 モレルの2回1分43秒TKO勝ち
主審 マーク・ネルソン
副審 グレン・フェルドマン
ロバート・ホイル
パトリック・マーレイ

経緯 編集

モレルの王座獲得から防衛まで 編集

2020年8月8日、ロサンゼルスピーコック・シアター英語版で、モレルが空位のWBA世界スーパーミドル級暫定王座決定戦としてWBA世界スーパーミドル級1位でWBA世界スーパーミドル級ゴールド王者のレノックス・アレンと対戦し、12回3-0(120-108、119-109、118-110)の判定勝ちを収め、暫定ながらセンサク・ムアンスリンワシル・ロマチェンコと並ぶ世界最速記録となるデビュー3戦目での王座獲得に成功した[2]

2020年12月26日、ロサンゼルスのシュライン・オーディトリアムでモレルがWBA世界スーパーミドル級10位でWBCアメリカ大陸スーパーミドル級王者のマイク・ガブロンスキーと初防衛戦を行う予定だったが、モレルが前日計量で170ポンドを記録し体重超過になったが、体重超過を犯したにもかかわらず結局モレルの暫定王座は剥奪されず、ノンタイトル10回戦に変更して試合は行われ[4][5]、モレルが3回2分45秒KO勝ちを収めた[6][7]

2021年1月19日、WBAは、モレルを暫定王者からレギュラー王者へ正規認定した[8]

2021年6月27日、ミネアポリス・アーモリー英語版でモレルがWBA世界スーパーミドル級15位マリオ・カサレスと対戦し、初回2分32秒KO勝ちを収め初防衛に成功した[9][10]

2021年12月18日、ミネアポリス・アーモリーでモレルがWBA世界スーパーミドル級10位で元WBC全米ミドル級王者のアランテス・フォックスと対戦し、4回2分6秒TKO勝ちを収め2度目の防衛に成功した[11][12]

2022年6月4日、ミネアポリス・アーモリーでモレルがWBA世界スーパーミドル級10位で元UBF(ユニバーサルボクシング連盟)インターコンチネンタルスーパーミドル級王者のケビン・ヘンダーソンと対戦し、4回2分35秒TKO勝ちを収め3度目の防衛に成功した[13][14]

2022年11月5日、ミネアポリス・アーモリーでモレルがWBA世界スーパーミドル級1位でWBAインターコンチネンタル・ABCWBOグローバルスーパーミドル級王者のアイドス・イェルボスヌイ英語版と王座を獲得して初めての指名試合で対戦し[15]、12回2分34秒KO勝ちを収め4度目の防衛に成功した[16]。しかし試合後にイェルボスヌイが硬膜下血腫の症状で一時意識不明になり緊急搬送する怪我を負った[17][18][19]

2023年4月22日、ラスベガスT-モバイル・アリーナで行われたジャーボンテイ・デービス 対 ライアン・ガルシア戦の前座でモレルがWBA世界スーパーミドル級6位でロンドンオリンピックライトヘビー級銅メダリストのヤマグチ・ファルカンと対戦し、初回2分36秒TKO勝ちを収め5度目の防衛に成功した[20]

一度は決定から試合決定まで 編集

2023年4月3日、Showtime及びプレミア・ボクシング・チャンピオンズが4月22日に行われるジャーボンテイ・デービス 対 ライアン・ガルシア戦の前座カードの一つとしてデビッド・モレル 対 セナ・アグベコをセミファイナルに起用することを発表した[21]

しかし11日後の4月14日、試合8日前になりアグベコに対するライセンスをネバダ州アスレチックコミッションが発行を認めなかったため試合は中止となり、代役にWBA世界ミドル級6位のヤマグチ・ファルカンを充てることとなった[22]

2023年10月17日、Showtimeの親会社であるパラマウント・グローバルがスポーツ中継の撤退を発表、これにあわせて不定期金曜日に放送していた若手ボクサーの登竜門的番組ShoBox:ザ・ニュー・ゼネレーション及び海外から衛星生中継するShowtime・ボクシング・インターナショナルに加えてチャンピオンシップ・ボクシングの終了を発表した[23]。既に発表されている同年11月25日のデビッド・ベナビデスデメトリアス・アンドラーデのペイ・パー・ビュー中継と最終回の2023年12月9日にMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われるエリスランディ・ララダニー・ガルシアペイ・パー・ビューでの中継が最後になり37年の歴史に幕を下ろす予定だったが[24][25][26]。しかし11月1日に12月9日のMGMグランド・ガーデン・アリーナでのペイ・パー・ビューでの中継(エリスランディ・ララ対ダニー・ガルシアとエイマンタス・スタニオニスキース・サーマン)が中止になった事を受け[27]、12月16日にミネアポリス・アーモリーで行われるデビッド・モレル 対 セナ・アグベコを通常のチャンピオンシップ・ボクシング最終回とすることを発表した[28][29]

対戦決定後の概要から試合まで 編集

2023年11月21日、プレミア・ボクシング・チャンピオンズはモレル 対 アグベコの前座カードの第1弾を発表し、12月16日に登場を予定していたクリス・コルバートとホセ・バレンズエラのダイレクトリマッチを行うことを発表した[30]

試合1週間前となる12月9日、プレミア・ボクシング・チャンピオンズ及びShowtimeがチャンピオンシップ・ボクシング最終回の放送カードを発表、第1弾として発表されていたクリス・コルバート対ホセ・バレンズエラの試合はWBA世界ライト級挑戦者決定戦をセミファイナルに、セミファイナル前にはWBC世界フライ級王者フリオ・セサール・マルティネス対アンヘリーノ・コルドバとのタイトルマッチ、放送最初の試合には11月25日に行われたベナビデス対アンドラーデの前座に出場する予定だった[31]ロバート・ゲレーロアンドレ・ベルトの11年ぶりの再戦を含む4試合の放送を発表した[32]

試合2日前となった12月14日、メディアの最終記者会見がミネアポリス市内で行われた場でフリオ・セサール・マルティネスがビザの関係でアメリカに入国出来ず急遽延期となり、5日前に発表されていた4試合から3試合の放送に変更することを発表した[33]

最終記者会見翌日の15日にミネアポリス市内で前日計量が行われ、モレルが167.6ポンド、アグベコが167ポンドをマークして前日軽量をクリアした[3]

2023年12月16日、ミネアポリス・アーモリーで行われたタイトルマッチに於いてモレルが2回1分43秒TKO勝ちを収めて6度目の防衛に成功、チャンピオンシップ・ボクシングの放送37年の歴史に幕を下ろした[34][35]

対戦カード 編集

階級 契約 vs. 結果 ラウンド 時間 Notes
スーパーミドル級 168 lbs.   デビッド・モレル (c) vs.   セナ・アグベコ TKO 2R 1:43 Note 1
ライト級 135 lbs.   ホセ・バレンズエラ vs.   クリス・コルバート KO 6R 1:46 Note 2
ウェルター級 147 lbs.   ロバート・ゲレーロ vs.   アンドレ・ベルト 判定3-0 10R -

^Note 1 WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ
^Note 2 WBA世界ライト級挑戦者決定戦

採点表 編集

ミネソタ・オフィス・オブ・コンバーティブ・スポーツ
公式採点表
王座:WBA世界スーパーミドル級タイトルマッチ   主審:マーク・ネルソン   立会人:キナ・マルパーティーダ(ペルー,WBA女子世界タイトルマッチ副チェアマン)
開催日:2023年12月16日 会場:ミネソタ州ミネアポリスミネアポリス・アーモリー英語版 主催:TGBプロモーションズ
ウォリアーズ・ボクシング・チャンピオンズ
デビッド・モレル セナ・アグベコ デビッド・モレル セナ・アグベコ デビッド・モレル セナ・アグベコ
RS TS TS RS RS TS TS RS RS TS TS RS
10 1 9   10 1 9   10 1 9
               
副審:グレン・フェルドマン 副審:ロバート・ホイル 副審:パトリック・マーレイ
処分:無し 減点:無し 結果:モレルの2回1分43秒TKO勝ち

脚注 編集

  1. ^ DAVID MORRELL, JR. ENDS SHOWTIME’S 37-YEAR RUN WITH A BLAST”. The Ring.com (2023年12月16日). 2023年12月21日閲覧。
  2. ^ a b モレルが3戦目でWBA・S・ミドル級暫定王座獲得”. Boxing News(ボクシングニュース) (2020年8月9日). 2023年12月21日閲覧。
  3. ^ a b あすショータイム中継最終回 メインはWBA・S・ミドル級レギュラー王座戦”. Boxing News(ボクシングニュース) (2023年12月16日). 2023年12月17日閲覧。
  4. ^ Morrell-Gavronski PBC on Fox Headliner Now 10-Round Non-Title Fight BoxingScene.com 2020年12月26日
  5. ^ プロ4戦目 暫定王者モレルが体重超過 WBA・S・ミドル級はノンタイトル戦に変更”. Boxing News(ボクシングニュース) (2020年12月26日). 2023年12月21日閲覧。
  6. ^ David Morrell Demolishes Mike Gavronski in Three Round Beating BoxingScene.com 2020年12月26日
  7. ^ WBA・S・ミドル級暫定王者モレル 無冠戦で圧勝 モンティエル甥カークランドを初回KO”. Boxing News(ボクシングニュース) (2020年12月27日). 2023年12月21日閲覧。
  8. ^ David Morrell Made WBA 'Regular' Champ, Ordered To Face John Ryder”. Boxing Scene.com (2021年1月19日). 2021年1月28日閲覧。
  9. ^ David Morrell Demolishes Mario Cazares in One Round”. Boxing Scene.com. 2021年6月27日閲覧。
  10. ^ モレル初回KO勝ちでWBA・S・ミドル級王座V1 クルーザー級11連続KOのアポチ敗れる”. Boxing News(ボクシングニュース) (2021年6月28日). 2023年12月21日閲覧。
  11. ^ David Morrell Drops, Stops Alantez Fox In 4th Round For TKO Win”. Boxing Scene.com (2021年12月18日). 2021年12月25日閲覧。
  12. ^ モレルがフォックスを4回TKO WBA・S・ミドル級正規王座V2”. Boxing News(ボクシングニュース) (2021年12月19日). 2023年12月21日閲覧。
  13. ^ David Morrell Overwhelms Kalvin Henderson, Stops Him In 4th Round”. Boxing Scene.com (2022年6月4日). 2022年11月10日閲覧。
  14. ^ WBC&WBO・S・バンタム級王者フルトン ローマンに大差判定で2冠を堅守”. Boxing News(ボクシングニュース) (2022年6月5日). 2023年12月21日閲覧。
  15. ^ WBA・S・ミドル級正規王者モレルあす“地元”で指名試合 ビッグマッチへのステップなるか”. Boxing News(ボクシングニュース) (2022年11月5日). 2023年12月21日閲覧。
  16. ^ Highlights and results: David Morrell Jr knocks out Aidos Yerbossynuly in 12th round”. Bad Left Hook (2022年11月6日). 2022年11月7日閲覧。
  17. ^ Report: Aidos Yerbossynuly in coma after taking beating from David Morrell”. sports.yahoo.com. 2022年11月7日閲覧。
  18. ^ Source: Yerbossynuly in coma after 12th-round knockout loss to Morrell”. danrafael.substack.com. 2022年11月7日閲覧。
  19. ^ WBA・S・ミドル級戦でKO負けのイェルボスヌイが重体 勝者モレル「神の恵みを」”. Boxing News(ボクシングニュース) (2022年11月8日). 2023年12月21日閲覧。
  20. ^ モレル圧勝 ヤマグチ・ファルカンを初回KO WBA・S・ミドル級正規王座V5”. Boxing News(ボクシングニュース) (2023年4月23日). 2023年12月17日閲覧。
  21. ^ Gervonta Davis vs. Ryan Garcia: Pay-Per-View Undercard Official”. Boxing Scene.com (2023年4月3日). 2024年1月6日閲覧。
  22. ^ David Morrell vs. Yamaguchi Falcao Set For Davis-Garcia, Agbeko is Out”. Boxingscene.com. 2023年4月13日閲覧。
  23. ^ 米大手ケーブルテレビ局 ショータイムが年内でボクシング中継終了 37年の歴史に幕”. Boxing News(ボクシングニュース). 2023年10月18日閲覧。
  24. ^ Paramount Global To Shut Down Showtime Sports; Network Will No Longer Broadcast Boxing”. Boxing Scene.com (2023年10月17日). 2023年10月18日閲覧。
  25. ^ Erislandy Lara-Danny Garcia Likely To Be Part Of Showtime PPV Card 12/9 At MGM Grand”. Boxing Scene.com (2023年10月19日). 2023年10月22日閲覧。
  26. ^ 年内で終わるショータイム中継 12.9大トリはWBAミドル級王者ララvs.D・ガルシア有力”. Boxing News(ボクシングニュース). 2023年10月20日閲覧。
  27. ^ PBC, Showtime Scrap 12/9 PPV Show; Final Showtime Boxing Telecast In Works For 12/16”. Boxing Scene.com (2023年11月1日). 2023年11月11日閲覧。
  28. ^ 年内撤退のショータイム 大トリはS・ミドル級王者モレル 12.16ミネアポリス”. Boxing News(ボクシングニュース) (2023年11月11日). 2023年10月18日閲覧。
  29. ^ David Morrell Jr. To Face Sena Agbeko In Last Showtime Championship Boxing Main Event 12/16”. Boxing Scene.com (2023年11月8日). 2024年1月6日閲覧。
  30. ^ David Morrell Motivated To Impress as Headliner of Final Showtime Card”. Boxing Scene.com (2023年11月21日). 2024年1月6日閲覧。
  31. ^ Andre Berto Motivated For Some 'Get Back' in Robert Guerrero Rematch”. Boxing Scene.com (2023年11月8日). 2024年1月6日閲覧。
  32. ^ Guerrero vs. Berto Rematch Added To Morrell-Agbeko Showtime Card”. Boxing Scene.com (2023年12月9日). 2024年1月6日閲覧。
  33. ^ Julio Cesar Martinez vs. Angelino Cordova Postponed Due To Visa Issues”. Boxing Scene.com (2023年12月14日). 2024年1月6日閲覧。
  34. ^ David Morrell Demolishes Sena Agbeko in Two Rounds”. Boxing Scene.com (2023年12月16日). 2023年12月17日閲覧。
  35. ^ ショータイム中継37年の歴史に幕 モレルがアグベコを豪快TKOで有終の美”. Boxing News(ボクシングニュース) (2023年12月17日). 2023年12月17日閲覧。

外部リンク 編集