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バルサンは、1954年より中外製薬がブランドの使用を始め、2004年から2018年まではは同社から譲渡を受けたライオンが、2018年以降はライオンから譲渡を受けたレックがそれぞれ製造・販売する燻蒸燻煙式を主とした殺虫剤である。医薬品扱い。

バルサン株式会社
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
969-0264
福島県西白河郡矢吹町中畑464番地
設立 1976年10月15日[1]
業種 化学
法人番号 6040001054705
事業内容 殺虫剤などの製造[1]
代表者 代表取締役 青木光男[2]
資本金 1億8000万円[3]
純利益 1億3100万円(2017年12月31日時点)[3]
純資産 34億3200万円(2017年12月31日時点)[3]
総資産 58億5400万円(2017年12月31日時点)[3]
主要株主 レック(株) 100%
特記事項:2018年12月28日にライオンパッケージング株式会社から商号変更。
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本稿では、バルサンの製造を行っているバルサン株式会社についても記述する。

概要編集

 
発売当初のバルサンの広告

『バルサン』ブランドの製品第一号は、1954年中外製薬から発売された燻蒸式殺虫剤『バルサン錠』。高純度のγ-BHCを小型錠剤化したもので、これをスプーンの上に乗せてローソクの火などで加熱して揮発させるものであった。後に『バルサン錠』を電球の余熱を利用して簡便に加熱できる『バルサンリング』も用意され、現在の「電気蚊取」の前身といえるものであった。

『バルサン』ブランドの由来は、当時米国で爆発的な人気を博していた有機塩素系殺虫剤バルカザン(Varcasan)』にちなみ、これにもともと中外製薬が有していた商標『バルサン(Varsan)』をあてたもの。また『バルカザン』から「カ」の文字を抜くことで、「カ="蚊"」を取るという解釈も含まれている。

2004年12月29日をもって中外製薬がライオンに一般消費者向け医薬品などの事業および『バルサン』の商標を譲渡したために、ライオンの製品となっていたが、2018年12月28日付で、商標権・製造権・販売権並びに製造を行っているライオンパッケージング株式会社全株式がライオンからレックへ再度譲渡された[1][4]。同時にライオンパッケージングの商号も、バルサン株式会社へ変更された。

製造は、中外製薬時代は永光化成が、ライオン→レック時代はライオンパッケージング→バルサンがそれぞれ担当している。尚、バルサンの本社は、ライオンパッケージング時代の2017年12月に洗濯用洗剤や柔軟剤を製造していたライオンパッケージング市原工場を閉鎖した上で、業務をライオン千葉工場へ移管したのに伴い、2018年1月に千葉県市原市からバルサンの製造拠点がある福島県矢吹町へ移転している[5][6]

くん煙剤は医薬品扱いであったが、現在は『バルサン』の知名度を活かして害虫に関する総合ブランドとなっている。そのために、ライオンに移管後、医薬品や医薬部外品(防除用医薬部外品)ではない製品も出回った。医薬品の商品が多いため、販売チャネルは、主に薬局薬店ドラッグストアでの取り扱いが多い。移管後ブランドロゴが若干変更されているほか、テレビCMでは冒頭画面右上に小さくブランドロゴを表示している。また移管後もテレビCMでは商品名のサウンドロゴも継承している。

強い噴射力と拡散力で殺虫成分が部屋の隅々まで運び、隠れたゴキブリや見つけにくいダニ・ノミなどの害虫を逃さず、部屋中の害虫をくまなく駆除できるのが特徴。ゴキブリ・ダニなどの害虫を退治する医薬品の燻蒸・燻煙式殺虫剤としては、アース製薬の『アースレッド』と並んで一般的な商品であり、燻蒸・燻煙式殺虫剤を使うことを「バルサンする」と形容するほど定着している。

『バルサン』といえば、ふたに付いているすり板で起動するもの(『バルサンSPジェット』『バルサンSXジェット』『バルサンプロEX』『バルサンいや〜な虫』)が有名だが、後になって『アースレッド』と同じく水で起動するもの(『水ではじめるバルサン』)や、ボタンを押して起動するもの(『霧のバルサン』)も登場した(いずれも中外製薬時代から発売)。

ライオン移管後、電気や電池を使わずに害虫を寄せ付けない置き型虫除けの『バルサン虫除けキューブ』(2006年発売)、ぬいぐるみやクッションなどのダニを薬剤を使わずに窒息死させ駆除する『バルサンダニ駆除パック』(2006年発売/現在は生産中止)、殺虫成分を使わずマイナス40度の冷却効果で害虫を駆除する『氷殺ジェット』(2007年3月発売/現在は販売中止[7][8])など、中外製薬時代にはほとんど不可能であった家庭用品メーカーライオンのノウハウを生かした商品を発売した。

『バルサン』のくん煙剤は入手性が良く物性が知られていることから、空気の流れを最適化する必要がある飛行機や自動車の車体形状を実験検討する(風洞実験)ために用いるトレーサーの代表的なものとされ、以前は論文に「Varsan」が見られた[9]

2009年の「バルサンプロEX」のテレビCMから薬事法の改正により、中外製薬時代以来続けていた「使用上の注意をよく読んで正しくお使い下さい。」のテロップが表示されなくなった。一方、ライバル商品の「アースレッド」は従来通りテロップが継続されている。

歴代キャラクターは中外製薬時代は「バルサン王」、ライオン時代は「バルサンマン」(バルサンプロEXのCMのみ)がある。

注意点編集

  • 発生する煙から、火事と誤認されることがあるので、説明書には「近所に伝言しておくこと」との記載がある。すなわち、張り紙「バルサンを焚いてます」を玄関に張り付けることを奨励している。また、基本的には2-3時間程度(一部1時間程度)は部屋を閉め切るようにして、その間は外出し、その後換気を30分以上実施する。その後害虫の死骸駆除のための掃除を行うようにすること。
  • パソコンハードディスクレコーダーなどの精密機械類、および、食品、食器など体内への影響が高い商品へかからないようにするには、あらかじめバルサンを焚く前にそれらにシートなどをかぶせること。
  • かつて、サッカー観戦時に発煙(炎)筒代わりに利用したサポーターがいたが、発煙筒同様、競技場内への持ち込みは原則禁止されている。
  • 同じ部屋でスリ板タイプと霧タイプのバルサンを併用すると、発火の危険性がある。これはスリ板タイプの火に霧タイプの噴射ガスが引火するためである。同様にスリ板タイプは使用上の注意として、引火性危険物(ガス・ガソリン・シンナーなど)やエアゾール製品の同時使用を強く禁止している。水タイプは本体が熱くなるとの記述はあるものの、引火に関する注意事項はない。
  • 2007年に『氷殺ジェット』による引火事件が複数報告された。エアゾール製品は噴射剤にLPガスを使用しており、缶には「高温や火気に注意」という注意書きを表示し、テレビなどでも注意を呼びかけていた。消費者が火気に注意せず使用してガスコンロの火を大きくしたり、やけどを負ったりする事件などが東京都や千葉県など各所で複数発生していた。火気のない場所で使用すれば事故などの危険性はない製品だが、5月27日から8月27日までに事故の報告件数が20件にのぼっている。『氷殺ジェット』はその後、発火する事故が相次いだことを受けて2007年8月27日に販売を中止し、自主回収することとなった。『バルサン』ブランドのレックへの譲渡後も、『氷殺ジェット』の自主回収はライオンが継続して行う[7]
  • 用法として、特に効果的なのはゴキブリなどが活動的になる夜間に使用することである。また、卵状態のゴキブリへの効きが弱いため、2 - 3週間ほど経ってから再度使用すると一層の駆除効果がある。マンションなどの集合住宅の場合、『バルサン』を焚いていない隣室に逃げてしまって効果が薄まることも多い。
  • 燻蒸・燻煙式であるため、クモやゲジなど、生きた害虫を積極的に捕食する肉食性の益虫までも駆除してしまい、結果的に将来の害虫繁殖を促進してしまうケースがある(リサージェンス)。

ブランド保有元編集

商品ラインナップ編集

 
くん煙式バルサン
(バルサンSPジェット)
 
くん蒸式バルサン(霧のバルサン)

家庭用製品編集

くん煙殺虫剤編集

※「バルサンプロEX ノンスモーク霧タイプ」の発売に伴い、他のバルサンのくん煙殺虫剤もパッケージデザインを変更し、新たに火災警報機用カバーを同梱した。

バルサン(販売名:バルサン・SPジェット)
【第2類医薬品】
ふたを取ってこするタイプ。
バルサンプロEX(販売名:バルサンCPMジェット)
【第2類医薬品】
2009年3月発売。3種類の有効成分(d・d-T-シフェノトリンメトキサジアゾンフェノトリン)を配合し、従来の有効成分では完全に駆除できなかった「抵抗性ゴキブリ」にも効果があるふたを取ってこするタイプ。2010年3月には12 - 16畳用を追加発売。
水ではじめるバルサン
【第2類医薬品】
水につけるタイプ。ライオン移管後に発売された「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」はこの応用例。
水ではじめるバルサンプロEX(販売名:水ではじめるバルサンCPM)
【第2類医薬品】
2010年3月発売。3種類の有効成分(d・d-T-シフェノトリン、メトキサジアゾン、フェノトリン)を配合し、従来の有効成分では完全に駆除できなかった「抵抗性ゴキブリ」にも効果がある水につけるタイプ。
バルサンプロEX ノンスモーク霧タイプ(販売名:霧のバルサンa)
【第2類医薬品】
2012年3月発売。3種類の有効成分(d・d-T-シフェノトリン、メトキサジアゾン、フェノトリン)を配合し、従来の有効成分では完全に駆除できなかった「抵抗性ゴキブリ」にも効果がある霧タイプ。ボタンを押すだけで始動でき、煙も熱も出ないので、使用方法に従って使用すれば火災警報器に反応しない設計である(ガス警報器では反応する場合がある)。ハーブミントの香り。
バルサンいや〜な虫
不快害虫用ふたを取ってこするタイプ。本品は医薬品ではない。
バルサン錠

殺虫剤編集

バルサンまちぶせスプレー
【第2類医薬品】
あらかじめ通り道にスプレーするだけで、その上を通ったゴキブリを駆除し、室内への侵入を防ぐスプレータイプ。2014年3月に新たにマダニの効能を追加してリニューアル。
バルサン水性うじ殺し乳剤
【第2類医薬品】
水で希釈して使用する乳剤。以前は「バルサンうじ殺し乳剤」で発売されていたが、レックへの移管と同時に有効成分がフェンチオンからプロペタンホスに変更され、ボトルも茶色から白色に変更して改名・リニューアルされた(製造販売元:住化エンバイロメンタルサイエンス)。

業務用くん煙殺虫剤編集

バルサンCPMジェット
【第2類医薬品】
「バルサンプロEX」の業務用仕様。
バルサンSXジェットタイプ(販売名:バルサンダニα)
【第2類医薬品】
「バルサンダニα」の業務用仕様。後述するが、家庭用の「バルサンダニα」は製造を終了しているため、本品が「バルサンダニα」の代替品でもある。
バルサンPCジェットA
貯穀・飛翔害虫用(ペルメトリン製剤)。以前発売されていた「バルサンPCジェット」をリニューアルした製品。

販売終了品編集

  • くん煙式殺虫剤
    • バルサンPジェット(家庭用)(医薬品)
    • バルサンPジェットS(医薬品) - 広いお部屋に適した大型。煙の穏やかな電池式(付属の専用電池を差し込んで始動)。
    • バルサンジェットV(医薬品)
    • バルサンPVジェット(医薬品) - ダニ・ノミ用。有効成分はペルメトリン・ジクロルボス。処方改良により「バルサンSXジェット」へ継承
    • バルサンSXジェット(家庭用)(医薬品)
    • バルサンSPジェット100【第2類医薬品】 - 「バルサンSPジェット」の業務用仕様。
    • バルサンボンブV(医薬品)
    • バルサンロッドV(医薬品)
    • バルサン香(ロッド)
    • バルサン霧ジェット(医薬品) - 「バルサン」ブランド初の全量噴射式エアゾール。薬剤が(斜め)左・上・右の3方向に噴出するパラボラ効果により効き目がお部屋中にむらなく広がり、アパート・マンションに最適。ゴキブリ・ダニ・ノミ用。有効成分はメトキサジアゾン+フェノトリン。使用後は水色キャップ側面の「PUSH」を押すことでキャップ(プラスチック)と缶(スチール)に簡単に分別できる。「霧のバルサン」発売に伴い、本品は販売名そのまま(容器は改良)でダニ・ノミ用「霧のバルサンダニ」となった。(製造販売元:大阪造船所(現・ダイゾー))
    • 霧のバルサン【第2類医薬品】
    • 霧のバルサンダニ(販売名:バルサン霧ジェット)【第2類医薬品】(製造販売元:ダイゾー)
    • バルサン錠(医薬品)
    • バルサンリング(付属「バルサン錠」のみ医薬品) - 上記「バルサン錠」を簡便に使用するためのサビない金属製リング。バルサン錠を乗せ、白熱電球に被せて使用し、電球の余熱で薬剤を気化させる。バルサン錠12錠付属。
    • カメムシバルサン
    • バルサンダニα【第2類医薬品】 - 2013年12月製造終了。
    • 水ではじめるバルサンダニ【第2類医薬品】 - 2013年12月製造終了。
    • バルサンPジェットa【第2類医薬品】 - 処理空間が広い場所(映画館パチンコホール・事業所や学校など)での害虫駆除や、工場の飛翔性害虫(ハエ・蚊)の駆除に向けた業務用。
    • バルサンPXジェット - 業務用。リニューアルに伴い「バルサンPXジェットA」へ継承。
  • 殺虫剤
    • 強力バルサン乳剤(医薬品)
    • 強力バルサン油剤(医薬品)
    • バルサンゾール(医薬部外品)
    • うじ殺しバルサンS(医薬品) - オルトジクロロベンゼンクレゾールに2種の有機リン系殺虫剤(ダイアジノン、ジクロルボス)を配合。ウジ、ボウフラの他ハエ成虫、蚊成虫にも効果がある。必ずうすめて使用。「バルサンうじ殺し乳剤」へ継承
    • バルサン飛ぶ虫氷殺ジェット - 自主回収
    • バルサン這う虫氷殺ジェット - 自主回収
    • バルサンエアゾル(医薬部外品)
    • バルサンエアゾルトップ(医薬部外品)
    • バルサンエアゾルキング(医薬部外品)
    • バルサンエアゾルC(医薬部外品)
    • バルサントップエアゾル(医薬品)
    • バルサンエアゾルF(医薬部外品) - 使用時の香りがさわやかなハエ・蚊用エアゾル。「バルサンこれ1本スプレー【防除用医薬部外品】」へ継承
    • 油虫とりバルサンエアゾル(医薬品)
    • ゴキブリバルサンエアゾル(医薬品)
    • 新ゴキブリバルサンエアゾル(医薬部外品)
    • バイゴンゾール(医薬品)
    • バイゴンF(医薬品) - 塗布用殺虫剤。ゴキブリの通り道にあらかじめ噴霧塗布し、待ち伏せて退治する。イエダニ・ノミ・ナンキンムシにも効果がある。「バルサンまちぶせスプレー【第2類医薬品】」へ継承(製造販売元:バイエル薬品
    • ツーゴン - 不快害虫用殺虫剤。「バルサンいや〜な虫退治スプレー」へ継承(製造販売元:バイエル薬品)
    • バルサンパウダー(医薬部外品)
    • バルサンスミチオン粉剤
    • ツーゴン微粒剤 - 舞い上がりにくい天然の砂を使用した不快害虫用侵入防止微粒剤(屋外専用)。「バルサンいや〜な虫侵入防止剤」へ継承(輸入販売元:日本バイエルアグロケム(現・バイエルクロップサイエンス
    • バルサンいや〜な虫退治スプレー
    • バルサンいや〜な虫侵入防止剤
    • バルサンいや〜な虫直撃ジェット
    • バルサンアリの巣退治
    • うじ殺しバルサン粒剤(医薬品) - 使い切りスティックタイプで、便器や便槽、排水溝などにはそのまま散粒し、堆肥などには水に溶かして散布する。
    • バルサンゴキZero1
    • バルサンゴキZero【防除用医薬部外品】 - ライオンに移管後も継続発売されていたが、2013年12月製造終了。
    • バルサンベイト
    • 鼡とりバルサン(医薬部外品)
    • バルサンパナプレート(医薬品劇薬)
    • バルサン直撃ジェット【防除用医薬部外品】
    • バルサンこれ1本スプレー(販売名:バルサンエアゾルF)【防除用医薬部外品】 - 2013年3月製造終了。
    • バルサンうじ殺し乳剤【第2類医薬品】 - 液体タイプ(フェンチオン製剤)。使用の際は目的に応じて5 - 200倍に希釈して使用する。中外製薬時代から発売されているロングセラー製品。一時、【医薬部外品】であった時期があった。レックへの移管と同時に「バルサン水性うじ殺し乳剤」に改名・リニューアルされた。
  • ゴキブリ捕獲器
    • わにべえ
    • バルサンゴキブリメチャとれ
  • 電子蚊取り
    • バルサン電気蚊取り器(液剤使用タイプ)
    • バルサン電子蚊とり器(マットタイプ)
    • バルサン蚊とりピース(医薬部外品)
    • バルサン蚊とりマットF(医薬部外品)
  • 虫よけ剤
    • モスコート(医薬部外品)
    • バルサン虫よけキューブ
    • バルサン虫よけキューブ セレクト
    • バルサン虫よけキューブ 貼るシート 進入禁止
    • バルサン虫よけ【防除用医薬部外品】
  • その他
    • バルサン渦巻(蚊取り線香)(医薬部外品)
    • バルサンダニ駆除フォーム(医薬部外品)
    • バルサンハウスダスト・ダニクリア
    • バルサンダニ駆除パック
    • バルサン農薬 - エス・ディー・エス・バイオテックへ事業譲渡
    • クリンザースプレー(ツンとこない防カビスプレー)
    • クリンザージェット(くん煙式防カビ剤) - その後、ライオンが「ルックプラス おふろの防カビくん煙剤」として発売されるようになる。
    • バルサン消臭剤

歴代広告キャラクター編集

出典編集

外部リンク編集