フィンランドグランプリ

フィンランドグランプリ(フィンランドGP、Finnish Grand Prix )は、ロードレース世界選手権の一戦として1962年から1982年までの間、フィンランドで開催されていたオートバイレースのイベントである。

フィンランドグランプリ
ロードレース世界選手権
開催地 イマトラ・サーキット英語版
初開催 1962
最終開催 1982
最多勝利
(ライダー)
ジャコモ・アゴスチーニ (16)
最多勝利
(マニファクチャー)
MVアグスタ (18)

概要

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タンペレ公道コースで最初の2回が行われた後、フィンランドGPの舞台はロシアとの国境近くのイマトラに移った。元々イマトラでは、1962年から「イマトラGP」としてTTレースイベントが開催されていたが、1964年からはこのイベントがフィンランドGPとして世界選手権の一戦に組み込まれたのである。[1]

このイマトラの公道コースにはコースを突っ切る形で鉄道の線路が通っており、従ってコースの途中に踏み切りがあるという大変に珍しいコースであった。ジャコモ・アゴスチーニがこのコースを得意としており、350ccクラスで7勝、500ccクラスでは10勝と圧倒的な強さを示した。

1970年代後半になると、マシンの性能向上によるスピードのアップにともない、マン島を初めとする公道コースの危険性がクローズアップされる。イマトラもその例に漏れず、ケニー・ロバーツらからの厳しい批判に晒された結果、最高峰クラスである500ccクラスは1981年の開催が最後となり、1983年からはフィンランドGPそのものがロードレース世界選手権のカレンダーから外された。[2]

その後、イマトラでのイベントはヨーロッパ選手権の一戦として1986年まで続けられていた。[1]

2019年より5年間の契約で、建設中のキュミリングを開催地として復活することがドルナスポーツから発表されていたが、2019年1月現在工事は完了しておらず、2019年のカレンダーにフィンランドGPの名前もないことから復活は2020年にずれ込み[3]、正式に決定した筈だった。しかし、新型肺炎の世界流行の影響により、予定されていたレースが中止となった[4]


フィンランドGPの歴代優勝者

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50cc 125cc 250cc 350cc 500cc
1962   L.タベリ   T.ロブ   A.シェパード
1963   H.G.アンシャイト   H.アンダーソン   M.ヘイルウッド   M.ヘイルウッド
1964   H.アンダーソン   L.タベリ   J.レッドマン   J.エーハン
1965   H.アンダーソン   M.ダフ   G.アゴスチーニ   G.アゴスチーニ
1966   P.リード   M.ヘイルウッド   G.アゴスチーニ   G.アゴスチーニ
1967   S.グラハム   M.ヘイルウッド   G.アゴスチーニ
1968   P.リード   P.リード   G.アゴスチーニ
1969   D.シモンズ   K.アンダーソン   G.アゴスチーニ   G.アゴスチーニ
1970   D.シモンズ   R.ゴールド   G.アゴスチーニ   G.アゴスチーニ
1971   B.シーン   R.ゴールド   G.アゴスチーニ   G.アゴスチーニ
1972   K.アンダーソン   J.サーリネン   G.アゴスチーニ   G.アゴスチーニ
1973   O.Buscherini   T.ランシボリ   G.アゴスチーニ   G.アゴスチーニ
1974   J.v.ゼーベレック   W.ヴィラ   J.ドッズ   P.リード
1975   A.ニエト   M.ルージュリー   J.チェコット   G.アゴスチーニ
1976   J.v.ゼーベレック   P.P.ビアンキ   W.ヴィラ   W.ヴィラ   P.ヘネン
1977   P.P.ビアンキ   W.ヴィラ   片山敬済   J.チェコット
1978   A.ニエト   K.バリントン   K.バリントン   W.ハートッグ
1979   R.トルモ   K.バリントン   G.ハンスフォード   B.v.ドルメン
1980   A.ニエト   K.バリントン   W.ハートッグ
1981   A.ニエト   A.マンク   M.ルッキネリ
1982   I.パラッツェーゼ   C.サロン   A.マンク
Moto3 Moto2 MotoGP
2020 新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため開催中止
2021
2023 ロシアのウクライナ侵攻のため開催中止

関連項目

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脚注

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外部リンク

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