フォード・スコーピオ

スコーピオ (Scorpio )は、フォードが製造・販売していた自動車である。

フォード・スコーピオ
1997 Ford Scorpio 2.3 Ghia (13011471365).jpg
2代目
販売期間 1985年1998年
製造国 ドイツの旗 ドイツ
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアハッチバック
5ドアステーションワゴン
3ドア霊柩車
駆動方式 FR/4WD
先代 フォード・グラナダ
後継 フォード・モンデオ
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初代 (1985年-1994年)編集

フォード・スコーピオ(初代)
1989-1992年モデル
製造国   ドイツケルン
販売期間 1985年1994年(生産終了)
デザイン ウーヴェ・バーンセン
ジェイムズ・ケリー
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアハッチバック
5ドアステーションワゴン
エンジン ガソリン:
1.8 L Pinto OHC 直列4気筒
2.0 L Pinto OHC 直列4気筒
2.0 L Ford DOHC DOHC 直列4気筒
2.4 L Cologne OHV V型6気筒
2.8 L Cologne OHV V型6気筒
2.9 L Cologne OHV V型6気筒
2.9 L Cosworth BOA DOHC V型6気筒
ディーゼル:
2.5 L Peugeot XD3 OHV 直列4気筒
2.5 L Peugeot XD3T OHV ターボ 直列4気筒
2.5 L VM 425 OHV ターボ 直列4気筒
駆動方式 後輪駆動/四輪駆動
変速機 5速MTタイプ9
5速MT(MT75
4速ATA4LD
全長 4,673 mm(ハッチバック)
4,744 mm(セダン、ワゴン)
全幅 1,760 mm
全高 1,440 mm
ホイールベース 2,761 mm
車両重量 1,380 kg
先代 フォード・グラナダ
プラットフォーム フォード・DE-1プラットフォーム
-自動車のスペック表-
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スコーピオは技術面で多くをシエラを基礎としており、シエラのフロアパン(床構造)を引き伸ばしたものを使用し、そのスタイリングはシエラとエスコート マーク3と同じデザイン哲学を基礎にしていた。エンジンは充分に実力を実証された排気量1.8Lと2.0Lの古臭いピント・エンジン(Pinto engine )と2.4L、2.8L後に2.9Lに拡大されたV6のケルン・エンジン(Cologne engine )で始まった。1989年に2種のピント・エンジンは廃止され2.0 Lは8バルブDOHCエンジンに替えられた。

1986年度のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した

スコーピオは、ヨーロッパ市場でエグゼクティヴカーを購入しようとしている人がメルセデス・ベンツBMWと並べる主要な選択肢としてフォードの車を挙げるような地位を保ち続けるような役割を持たされていた。フォードは既に前モデルであるグラナダ MkIIで広範囲に渡る各種装備(この時期にはヒーター付電動調節革シート、エアコン、電動サンルーフ、トリップ・コンピューター等のような特別装備が装着できた)を装備して市場に非常に新しい技術を提供してきた。スコーピオではヨーロッパ・フォードでは最初となる熱線ウインドスクリーン、クルーズコントロール四輪駆動が含まれていた。スコーピオは背もたれのホールド感に欠けるのが多少評価を落としつつも非常に乗り心地が良く後部座席の足元の空間も広かったが、頭の側方空間は驚くほど狭かった。最大の長所はヨーロッパの量産車で初めて全てのグレードに標準でABSを装備したことであった。

グラナダとは異なりスコーピオは当初セダンエステートはなくハッチバック型しか提供されなかった。しかし1990年にセダンが、2年後にはワゴンが追加された。数年間は技術面でほとんど変更はなく、特筆すべき物は1989年にDOHCエンジンが搭載され、翌年には2.9 L 24バルブのコスワース製V6エンジンを搭載したスコーピオン・コスワースが導入された。多くのシエラ所有者が破損したグラナダからコスワース製エンジンを外しシエラに搭載しアップグレードを図った。これは200+ BHPの出力を手に入れる安価で簡単な手法であった。これらのエンジンの中にはターボを装着したものもあり、このエンジンはモータースポーツにも使用された。

2代目 (1994年-1998年)編集

フォード・スコーピオ(2代目)
販売期間 1994年1998年(生産終了)
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
3ドア霊柩車
エンジン ガソリン:
2.0 L NSD 8バルブ 直列4気筒
2.0 L N3A 16バルブ 直列4気筒
2.3 L Y5A/Y5B 16バルブ 直列4気筒
2.9 L BRG 12バルブ V型6気筒
2.9 L BOB (Cosworth) 24バルブ V型6気筒
ディーゼル:
2.5 L SCD TD 直列4気筒
駆動方式 後輪駆動
変速機 4速AT
5速MT
全長 4,825 mm
4,826 mm (ワゴン)
全幅 1,760 mm
全高 1,388 mm
1,442 mm (ワゴン)
ホイールベース 2,770 mm
車両重量 1,577 kg
後継 フォード・モンデオ
-自動車のスペック表-
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第2世代はセダンとステーションワゴンのみが提供され、初代とほとんど同じフロアパンと初代の最終生産期に搭載されていたものと同じエンジンを使用していた。初代と2代目ではサスペンションと操縦性に多くの改善(エステートでのセルフレベリング後輪サスペンションを含む)が図られていた。革新的と言えるほどの変更が内装と外装に施されていた。

内装では新しい肘掛け椅子型のシートと品質が改善されていたが、新しい外観は物議をかもした。ヘッドライトは紡錘形でテールライトバンパーの直ぐ上に薄い線状に配されていた。

ジェレミー・クラークソンは当時のタイムズ紙上で、路上で最も醜い車と評してこの議論を終結させた。スニッフ・ペトロール(Sniff Petrol )の執筆者のリチャード・ポーター(Richard Porter )は2004年の書籍『駄作車』(Crap Cars )の中で2代目のスコーピオを外観の部で50車中49位に挙げている。

1998年初めにスコーピオは、顔つきをおとなしく見せるためにヘッドライト回りを暗く隈取りされグリルを微妙に変更するフェイスリフトを施された。テールライトも車体後端が膨れて見えないように変更された。これがスコーピオに施された最後の改良となり、1998年夏に生産が終了した。しかし生産終了と最末期モデルの販売の間に2年の年月が経過する程、多くのスコーピオの在庫が残っていた。

スコーピオが純粋にフォードの期待した販売台数に達したかそうでないかに関わらず、1990年代末のヨーロッパの自動車市場はスコーピオの後継モデルを出すには程遠い状況であった。当時のこの状況は通常とは異なり、高所得者は高性能の大型ファミリーカー、所帯持ち者はミニバンと2極に分化していた。他のメーカーも同様の状況でボクスホール/オペルオメガの後継車を出さないことに決め、ホンダヨーロッパ市場でのレジェンドの販売を止めた。その一方でローバー・8001999年により小型のローバー・75に代替された。

トリム・レベル編集

スコーピオ マークIIは以下のトリム(trim )・レベルが選択(それぞれはどのエンジンを搭載したセダンとエステートの双方に選択可能)できた。トリム・レベルに関わらず2.9Lのコスワース製エンジンを搭載した車にはトラクションコントロールシステムクルーズコントロールとAT(MTは追加料金なしで注文できた)が標準装備であった。その他のエンジンを搭載した車はMTが標準で追加料金を払えばATも選べた。

  • ウルティマ(Ultima ) - CDオートチェンジャー、クライメットコントロール、革シート、クルーズコントロール、自動防眩ミラー、電動調節シートなどを装備をしていた。

通常とは異なりトリム・レベルとエンジン・サイズの表示を車体後部には掲げていなかった。トリム・レベルの表示は後部窓フレーム上のスコーピオ・バッジ側の車体側面にあったが、エクゼクティヴにはトリム・レベルを表すバッジがなく単に"Scorpio"とだけであった。その他のモデルは"Scorpio Ultima"の様に名前の下にトリム・レベルを表すバッジを付けていた。

エンジン・サイズは車体前方の側面、外部ウインカーライトの上に表示していた:

  • 2.0L - バッジなし(古い2L8バルブ車はバッジなしだが、2L16バルヴには "2.0 16v")
  • 2.3L - "2.3" (古い車には "2.3 16v")
  • 2.9L - "2.9" (古い車には "2.9 12v")
  • 2.9L - コスワース製エンジン搭載車は "24v"

車名の由来編集

スコーピオは、「さそり座」を意味する。

関連項目編集

外部リンク編集