ベラルーシの世界遺産

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ベラルーシの世界遺産(ベラルーシのせかいいさん)はベラルーシ国内にあるユネスコ世界遺産の一覧である。

概要 編集

国際連合教育科学文化機関 (UNESCO) 世界遺産は、1972年に制定された世界遺産条約に基づいて登録される[1]ベラルーシ1988年10月12日にこの条約を批准した[2]

2020年現在、ベラルーシには4の世界遺産があり[3][4]、3か所が文化遺産、1か所が自然遺産である[2]。 この内、ビャウォヴィエジャの森 (ポーランドと共有) とシュトルーヴェの測地弧 (9か国と共有) は国境を越える資産となっている[5][6]。また、5の遺産が暫定リストに登録されている[2]

世界遺産 編集

ある遺産が世界遺産に登録されるには、その遺産が顕著な普遍的価値を持ち、かつ10の評価基準の内の少なくとも1つを満たす必要がある。評価基準の内、(i) から (vi) は文化遺産基準、(vii) から (x) は自然遺産基準である[7]

  * 国境を越える遺産
世界遺産
名称 画像 位置 登録年 IDと登録基準 説明
ビャウォヴィエジャの森*
 
ブレスト州フロドナ州 1992年 33ter、(ix) 、(x) 、自然遺産 ビャウォヴィエジャの森はポーランドベラルーシの国境に位置する大森林群であり、広範囲にわたって原生林が存在する。森は中部ヨーロッパ混交林英語版陸域エコリージョンの一例であり、湿性草地、河谷、湿地などの森林以外の生息地も存在する。この地域には最大の野生のヨーロッパバイソン個体群、及びオオカミオオヤマネコカワウソなどが生息している。1979年、ポーランド側の地域がまず初めに登録された。ベラルーシ側の地域である「ベラヴェジュスカヤ・プーシシャ」は1992年に登録された。2014年には拡大登録が行われている[5]
ミール地方の城と関連建物群
 
ミール英語版 (フロドナ州) 2000年 625、(ii) 、(iv) 、文化遺産 15世紀末の建設当初、ミール城はゴシック様式であった。その後、ルネサンス期、次いでバロック期に増改築が行われた。その後、城は1世紀近く放棄され、ナポレオン戦争時にはひどく損傷したものの、19世紀末に修復され、公園となった。現在の城の姿には、この地域の政治や文化における対立と融合の歴史が現れている[8]
シュトルーヴェの測地弧*
 
ブレスト州フロドナ州 2005年 1187、(ii) 、(iii) 、(vi) 、文化遺産 シュトルーヴェの測地弧は、ノルウェーハンメルフェストから黒海まで、2820キロメートルにわたって連なる三角点群である。これらは、1816年から1855年にかけて行われた、フリードリッヒ・フォン・シュトルーベとその同僚らによる測量の際に設置されたものである。この測量は地球の正確な大きさや形の確定に貢献し、地球科学の発展において重要な役割を果たした。世界遺産に登録されている10か国34か所の観測点の内、5か所がベラルーシ国内に存在する[6]
ネスヴィジのラジヴィウ家の建築・住居・文化的複合体
 
ネスヴィジ (ミンスク州) 2005年 1196、(ii) 、(iv) 、(vi) 、文化遺産 この建物群を建設・維持したラジヴィウ家は、何世紀にもわたって科学や文化における様々な活動を支援し、また、文化人や、建築家、職人などをネスヴィジに招待した。こうした交流の結果、南欧西欧の最新の建築技術が中欧東欧に取り入れられ、ネスヴィジの建物群は中欧における重要な見本となったのである[9]

出典 編集

  1. ^ The World Heritage Convention”. UNESCO World Heritage Centre. 2016年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年9月21日閲覧。
  2. ^ a b c Belarus”. UNESCO World Heritage Centre. 2019年4月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月30日閲覧。
  3. ^ UNESCO World Heritage Sites in Belarus”. belarus.by. 2013年2月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月30日閲覧。
  4. ^ Benjamin Elisha Sawe (2017年4月25日). “UNESCO World Heritage Sites in Belarus”. worldatlas.com. 2016年9月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月30日閲覧。
  5. ^ a b Białowieża Forest”. UNESCO World Heritage Centre. 2020年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月30日閲覧。
  6. ^ a b Struve Geodetic Arc”. UNESCO World Heritage Centre. 2005年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月16日閲覧。
  7. ^ UNESCO World Heritage Centre The Criteria for Selection”. UNESCO World Heritage Centre. 2016年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年8月17日閲覧。
  8. ^ Mir Castle Complex”. UNESCO World Heritage Centre. 2020年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月30日閲覧。
  9. ^ Architectural, Residential and Cultural Complex of the Radziwill Family at Nesvizh”. UNESCO World Heritage Centre. 2020年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月30日閲覧。

関連項目 編集