メガシティ: megacity)とは、巨大な都市のことである。特に都市的地域都市圏人口が1,000万人以上の都市部を指すことが多い。日本語最大都市と訳されることもある。

世界最大のメガシティである東京東京スカイツリーから)

概要 編集

メガシティの定義は様々ではあるが、国際連合の統計局の定義によると、人工建造物・居住区や人口密度が連続する都市化地域である都市的集積地域 (urban agglomeration) の居住者が少なくとも1,000万人を超える都市部だとしている[1]。したがってその都市の行政区域のみの人口ではなく、都市的集積地域としての実質的な都市部を他の区域まで形成している場合は、その区域の人口も含めることになる。逆に重慶市のように市の人口は約3,000万人であるが、市の面積そのものが北海道並みに広く、実際の都市的集積地域が市域よりも遥かに狭い場合は、市の一部のエリアの都市的集積地域の人口で計測されている。ちなみに重慶市の2016年の都市的集積地域の人口は744万人であり[2]、1,000万人以上のメガシティとは評価されておらず、他の多くの都市圏人口の指標においても1,000万人以下の評価である。ただし2020年時点では行政区内で発達した都市圏の人口が1,000万人を超えておりメガシティとする見方もある。また、ドイツにおけるラインルール大都市圏はケルンデュッセルドルフドルトムントなどの50万-100万人規模の都市が複数連なって形成された大都市圏であるが、人口1,000万人を超える一方で中心となる都市がないため一体の都市圏と見なされない事もあり、メガシティかどうかは意見が分かれている。

この国連の統計によると2018年現在、世界最大のメガシティは人口3,805万人の東京である。これは東京都のみの人口ではなく、同じ都市的集積地域である神奈川県千葉県埼玉県など周辺地域の人口も加算されている。1955年に当時世界最大のメガシティであったニューヨークを抜いて以来世界一を維持している[3]

世界で最初に人口1,000万人以上のメガシティになったのはニューヨークであり、その後東京が初の2,000万人超えと3,000万人超えを果たしている[4]1975年には東京、ニューヨーク、メキシコシティの3都市のみがメガシティだとされていたが、2020年には発展途上国の大都市の急激な成長もあり、約40都市にまで急増している。国連の報告書によると、2030年にも世界一のメガシティは東京が維持していると予測されている[5]

統計 編集

人口1,000万人以上のメガシティ 編集

 ≧3500万人> ≧3000万人> ≧2500万人> ≧2000万人> ≧1500万人> ≧1000万人

メガシティ人口ランキング 編集

都市名 画像 地域 推定人口
CityPopulation.de
2022[6]
Demographia
2020[2]
UN DESA
2018[7]
ベンガルール     インド 南アジア 13,200,000 13,707,000 11,440,000
バンコク     タイ 東南アジア 19,900,000 17,066,000 10,156,000
北京     中国 東アジア 20,500,000 19,433,000 19,618,000
ボゴタ     コロンビア 南米 10,000,000   9,464,000分 10,574,000
ブエノスアイレス     アルゼンチン 南米 16,800,000 16,157,000 14,967,000
カイロ     エジプト 北アフリカ 21,900,000 19,372,000 20,076,000
成都     中国 東アジア 15,200,000 11,309,000   8,813,000分
チェンナイ     インド 南アジア 11,900,000 11,324,000 10,456,000
重慶     中国 東アジア 10,100,000   7,739,000分 14,838,000
デリー     インド 南アジア 32,400,000 29,617,000 28,514,000
ダッカ     バングラデシュ 南アジア 20,900,000 15,443,000 19,578,000
広州     中国 東アジア 65,100,000 20,902,000 12,638,000
杭州     中国 東アジア 12,500,000  
ホーチミン市     ベトナム 東南アジア 10,900,000 13,312,000   8,145,000分
ハイダラーバード     インド 南アジア 10,700,000   9,746,000分   9,482,000分
イスタンブール     トルコ ヨーロッパ/中東 16,500,000 15,154,000 14,751,000
ジャカルタ     インドネシア 東南アジア 28,600,000 34,540,000 10,517,000
ヨハネスブルグ     南アフリカ共和国 南部アフリカ 14,500,000   9,505,000分   5,486,000分
カラチ     パキスタン 南アジア 18,600,000 14,835,000 15,400,000
キンシャサ     コンゴ民主共和国 中部アフリカ 14,500,000 13,528,000 13,171,000
コルカタ     インド 南アジア 17,200,000 17,560,000 14,681,000
ラゴス     ナイジェリア 西アフリカ 20,700,000 15,279,000 13,463,000
ラホール     パキスタン 南アジア 13,900,000 11,021,000 11,738,000
リマ     ペルー 南米 11,400,000   9,848,000分 10,391,000
ロンドン     イギリス ヨーロッパ 14,800,000 10,979,000   9,046,000分
ロサンゼルス     アメリカ合衆国 北米 17,500,000 15,402,000 12,458,000
マニラ     フィリピン 東南アジア 26,400,000 23,088,000 13,482,000
メキシコシティ     メキシコ 北米 24,700,000 20,996,000 21,581,000
モスクワ     ロシア ヨーロッパ 17,400,000 17,125,000 12,410,000
ムンバイ     インド 南アジア 26,100,000 23,355,000 19,980,000
名古屋     日本 東アジア 10,500,000   9,113,000分   9,507,000分
ニューヨーク     アメリカ合衆国 北米 23,000,000 20,870,000 18,819,000
大阪     日本 東アジア 17,700,000 14,977,000 19,281,000
パリ     フランス ヨーロッパ 11,400,000 11,020,000 10,901,000
リオデジャネイロ     ブラジル 南米 13,300,000 12,272,000 13,293,000
サンパウロ     ブラジル 南米 22,700,000 22,046,000 21,650,000
ソウル     韓国 東アジア 24,800,000 21,794,000   9,963,000分
上海     中国 東アジア 39,300,000 22,120,000 25,582,000
深圳     中国 東アジア 広州に含まれる 15,929,000 11,908,000
テヘラン     イラン 中東 15,800,000 13,633,000   8,896,000分
天津     中国 東アジア 11,200,000 10,800,000 13,215,000
東京     日本 東アジア 40,700,000 37,977,000 37,468,000
武漢     中国 東アジア 10,800,000
厦門     中国 東アジア 14,100,000   4,773,000分   3,585,000分
西安     中国 東アジア 11,600,000    

※ドイツにおけるラインルール大都市圏は、ケルンやデュッセルドルフなど約十の都市を中心とする多極型都市圏であり、メガシティに類するかどうかでは意見が分かれる事もある。

脚注 編集

  1. ^ United Nations: World Urbanization Prospects The 2009 Revision
  2. ^ a b Demographia World Urban Areas, 15th Annual Edition”. Demographia (2020年6月). 2020年8月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月2日閲覧。
  3. ^ World Urbanization Prospects
  4. ^ Largest Cities Through History
  5. ^ The World's Cities in 2016 国際連合 2016年10月30日閲覧。
  6. ^ Major Agglomerations of the World”. CityPopulation.de. 2022年8月16日閲覧。
  7. ^ World Urbanization Prospects, The 2018 Revision”. UN DESA. p. 77 (2019年8月7日). 2020年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月30日閲覧。

関連項目 編集