ローラシア獣上目
ローラシア獣上目(ローラシアじゅうじょうもく、Laurasiatheria)は、哺乳類真獣下綱の現生群(有胎盤類)の4つの下位タクソン(分類群)の1つ。ローラシアテリアとも。
ローラシア獣上目 | |||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() | |||||||||||||||||||||||||||
分類 | |||||||||||||||||||||||||||
| |||||||||||||||||||||||||||
学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Laurasiatheria Waddell et al., 1999[1] | |||||||||||||||||||||||||||
目 | |||||||||||||||||||||||||||
DNA配列を解析してレトロトランスポゾンの有無データによって定義された。「ローラシア獣」の名前は、これらの動物が、パンゲア超大陸の分裂時にゴンドワナ大陸と分かれたローラシア大陸で進化したという説によるもの。姉妹群は真主齧上目で、あわせて単系統ボレオユーテリア(北方真獣類)をなす。
系統と分類編集
現生編集
現生7目が含まれる。
- ハリネズミ目 - ハリネズミ、ジムヌラ など
- トガリネズミ目 - トガリネズミ、モグラ、ジネズミ、ソレノドン など
- コウモリ目(翼手目) - コウモリ
- センザンコウ目(有鱗目) - センザンコウ
- 鯨偶蹄目 - 従来のクジラ目(クジラ、イルカ)とウシ目(ブタ、ウシ、カバ、ラクダ、シカ など)
- ウマ目(奇蹄目) - ウマ、バク、サイ
- ネコ目(食肉目) - ネコ、イヌ、アシカ など
これらの系統関係は、次のようなものが有力である[2]。
北方真獣類 |
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
これは2006年に新しいレトロトランスポゾンの解析で得られたものを元にしている。ただし、真無盲腸類と野獣類の単系統性はあるていど受け入れられているが、レトロトランスポゾンでは結論が出ていない。Pegasoferae はこの研究で新しく単系統性が支持されたグループで、それ以前はほとんど予想されていなかった。
ほかに、次のような単系統を置く説がある(あるいはあった)。
- 野獣真蹄類 Fereuungulata = 野獣類 + ウマ目 + 鯨偶蹄目 : この系統を支持する証拠も多い
- 友獣類 Zooamata = 野獣類 + ウマ目 : 現時点では否定も肯定も難しい
- 有蹄類 Ungulata = ウマ目 + 鯨偶蹄目 : 近年は否定されつつある
絶滅編集
以下の絶滅目が含まれる。
出典編集
参考文献編集
- William J. Murphy, Eduardo Eizirik, Mark S. Springer et al., Resolution of the Early Placental Mammal Radiation Using Bayesian Phylogenetics,Science, Vol 294, Issue 5550, 2348-2351 , 14 December 2001.
- Jan Ole Kriegs, Gennady Churakov, Martin Kiefmann, Ursula Jordan, Juergen Brosius, Juergen Schmitz. (2006) Retroposed Elements as Archives for the Evolutionary History of Placental Mammals. PLoS Biol 4(4): e91.[1] (pdf版)
- Kitazoe Y, Kishino H, Waddell PJ, Nakajima N, Okabayashi T, et al (2007) "Robust Time Estimation Reconciles Views of the Antiquity of Placental Mammals." PLoS ONE 2(4): e384. doi:10.1371/journal.pone.0000384
- Nishihara, H., Hasegawa, M. & Okada, N. (2006), Pegasoferae an unexpected mammalian clade revealed by tracking ancient retroposon insertions. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 103, 9929-9934.[2]