九重"夢"大吊橋
九重“夢”大吊橋(ここのえ“ゆめ”おおつりはし)は、大分県玖珠郡九重町にある歩行者専用の吊橋。日本一高い歩行者専用橋である[1]。
九重"夢"大吊橋 | |
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基本情報 | |
国 | 日本 |
所在地 | 大分県玖珠郡九重町 |
座標 | 北緯33度10分26秒 東経131度13分36秒 / 北緯33.17389度 東経131.22667度座標: 北緯33度10分26秒 東経131度13分36秒 / 北緯33.17389度 東経131.22667度 |
構造諸元 | |
全長 | 390m |
高さ | 173m |
地図 | |
関連項目 | |
橋の一覧 - 各国の橋 - 橋の形式 |
概要
編集2006年10月30日に開通。高さ173m(水面より)、長さ390mで、当時は歩行者専用橋としては日本一の長さ及び高さであった。長さについては2015年12月14日に開通した箱根西麓・三島大吊橋(400m)に日本一を譲ったが、高さでは依然として日本一である[2]。なお、「世界一の専用歩道橋」としてギネスブックへの登録申請も行われたが、これは認められなかった[3]。幅員は1.5mで、大人1,800人の荷重に耐えるように設計されている。中央部の床版はすのこ状のグレーチングになっていて、下を見ることができる。
橋からは、日本の滝百選の震動の滝や、紅葉の美しい九酔渓(鳴子川渓谷)の雄大な景色を望むことができる。
開通が紅葉の時期にあたったこともあり、入場者は、開通9日後に10万人を超え、開通からわずか24日後に年間目標の30万人を達成した。その後、翌2007年4月10日には100万人を突破し記念セレモニーが行われた[3]。同年9月16日には200万人、2008年4月4日には300万人を達成。これにともなって、入場料収入も順調で、総事業費約20億円のうち、7億3000万円の地域再生事業債は、予定より8年早く、開通から2年で完済した[4]。
大分県では平成の大合併により町村数が47からわずか4に激減したが、九重町では他の自治体と合併せず「自律のまち」を目指しており、この橋は町の観光振興計画の柱となっている。現在のところ、入場者数は予想を大きく上回っているものの、観光客の町内での滞在時間が短いため、今後は、いかにして滞在型の観光地を形成していくかが課題である。町では好調な入場料収入を利用した施設の充実などに力を入れている。
沿革
編集1956年7月に地元商店会の会員であった時松又夫が「谷に橋をかけりゃ滝も紅葉もきれいに見えるぞ」と発言したのに端を発する。その際長老たちからは「寝ぼけている」「誰が金を出すのか?」と一蹴された。しかしながら、1993年にこの案は町の観光振興計画に盛り込まれた。橋の名前は、この様な長年の「夢」のような話から“夢”を冠して名付けられた[5][6]。
2007年10月から、九重町はこれまで未就学児に限っていた医療費助成の対象を小中学生にも拡大した。この拡大は、大吊橋の収益の一部を使うという町独自の条例に基づいている。これは県内の市町村では初めてであり、全国的にも珍しい取り組みであった[7]。
2008年9月17日、「九重“夢”バーガー」の発売が開始された。このバーガーは同町および商工会による新しい名物作りの取り組みの中で生まれた。バーガーの開発に際しては、姉妹都市である佐世保市の佐世保バーガーの認定制度を参考にしている[8]。このバーガーのイメージキャラクターは「ドリームバーガーくん」である[9]。このバーガーの販売は、“夢”大吊橋に併設されているJA九重町飯田九重“夢”大吊橋農産品販売店などの町認定店舗で行われる。2008年11月現在、認定店舗は6店舗である[10][11]。
2008年10月11日、県道40号飯田高原中村線バイパス(936メートル)が完成し、供用が開始された。従来はすれ違いが困難な狭い県道を遠回りしなければならなかったため、約3kmの渋滞が発生していた。事業費は8億円[12]。
2022年3月25日、公募のイメージHR/HMソング(通称「橋メタル」)に、上方落語家・桂紋四郎がボーカルを務めるバンド「MONSHIROH」による「PROMENADE IN THE SKY(天空の散歩道)」が決定[13][14]。
来場者数
編集- 2006年10月30日 - オープン[15]
- 2007年4月10日 - 100万人達成(オープンから163日目)[15]
- 2007年9月16日 - 200万人達成(オープンから322日目)[15]。開通から1年足らずで達成。当初の年間来場者数見込みは30万人であった。同日までの入場者数の1日平均は5,300人、最高は18,022人であった[16]。
- 2008年4月4日 - 300万人達成(オープンから522日目)[15]
- 2008年11月17日 - 400万人達成(オープンから750日目)[15]
- 2009年10月15日 - 500万人達成(オープンから1,082日目)[15]
- 2010年11月8日 - 600万人達成(オープンから1,471日目)[15]
- 2012年4月13日 - 700万人達成(オープンから1,993日目)[15]
- 2013年10月21日 - 800万人達成(オープンから2,549日目)[1]。
- 2015年6月5日 - 900万人達成(オープンから3,141日目)[17]。
- 2016年6月1日 - 熊本地震による風評被害対策として、6月1日から7月31日までの2ヶ月間、無料開放される[18]。
- 2017年3月1日 - 1,000万人達成[19]
利用情報
編集営業時間・定休日
編集- 営業時間 - 8時30分から17時(7月から10月は18時)まで ※通行券の販売は営業終了30分前まで。
- 定休日 - 無し。
- 通行料 -中学生以上は500円、小学生は200円である。往復料金と称しているが、ゲートを出ない限り何度でも通行が可能。
交通
編集- 自家用車
- 大分自動車道九重IC より、大分県道40号飯田高原中村線へ。
- ※この道路は紅葉シーズンには渋滞することから、九重町では「四季彩ロード」の利用を促進している(詳細は公式サイトを参照)。
- 公共交通機関など
脚注
編集- ^ a b ““夢”大吊橋800万人 オープン7年で達成”. 西日本新聞. (2013年10月22日) 2013年10月22日閲覧。
- ^ “長さ日本2位に “夢”大吊橋人気は不変”. 大分合同新聞. (2016年2月4日) 2016年9月29日閲覧。
- ^ a b 九重“夢”大吊橋:入場者100万人突破 暖冬が客足を加速 /大分:MSN毎日インタラクティブ[リンク切れ]
- ^ 坂本和昭「「九重“夢”大吊橋の実現!その発想を企業経営に活かす!」 (PDF) 」2011年2月10日
- ^ 絶景つり橋 1人の夢から400万人 読売新聞東京本社 朝刊、2009年1月9日
- ^ 読売新聞、2009年1月9日13S32面
- ^ "夢"大吊橋・開業1年 <上>再訪者、人気支える
- ^ 九重“夢”バーガー作戦…大吊橋人気にあやかる
- ^ 大分・九重“夢”バーガーのキャラ決定
- ^ 【九重新聞】九重“夢”バーガー販売
- ^ “夢”バーガー 新たに2店 九重町認定
- ^ 九重"夢"大吊橋への県道が全線開通
- ^ “九重“夢”大吊橋新イメージHR/HMソングの決定について”. 九重“夢”大吊橋管理センター (2022年3月25日). 2022年4月21日閲覧。
- ^ “九重”夢”大吊橋の新PRソングはヘヴィメタル!大分”. OBSオンライン. (2022年4月13日) 2022年4月21日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 九重“夢”大吊橋公式とは? 九重“夢”大吊橋公式サイト
- ^ 入場者400万人突破 九重"夢"大吊橋
- ^ 900万人を突破 九重町の"夢"大吊橋 大分合同新聞、2015年6月6日
- ^ “夢”大吊橋、6月1日から2カ月間無料開放 大分合同新聞、2016年5月21日
- ^ “夢”大吊橋1千万人突破 九重町 開業10年4カ月 大分合同新聞、2017年3月2日
参考文献
編集- “九重"夢"大吊橋の建設(川田技法 Vol.27)” (PDF). 川田工業株式会社 (2008年). 2014年12月7日閲覧。