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加入戦術(かにゅうせんじゅつ)とは、ある勢力が他団体に構成員を入会させ、その団体を思惑通りに変質させることによって効率良く勢力拡大しようとする目的で行われる組織戦術である。

極左団体や急進的な新興宗教団体など少数勢力によって行われ、政党や学生自治会、住民団体などを対象に行われる。組織内民主主義を都合よく利用した戦術であり、トロツキストが多用した。

概要編集

新左翼によく見られる戦術で、自力での組織拡大が難しい場合、まず思想的近似性のある既成政党や政治団体に加入する。そして自党派の影響力を徐々に広げ、時期をみて、その組織そのものを乗っ取ったり、分派工作を行い新たな組織を結成する戦術を指す。

フランストロツキズム組織「フランス共産主義者同盟」が、フランス社会党に仕掛けたのが最初である。その後、世界各地のトロツキズム系党派が採用するようになった。そのため反トロツキズムの党派サイドからは「トロツキストならではの組織戦術」というイメージが強い。

日本編集

独力での勢力拡張が難しい日本の新左翼党派も、加入戦術を採用した。その際に最も標的とされたのは、日本社会党だった。日本社会党は、「反自民統一戦線党」の分権的な性格があり、党内で自由に異論を唱えられる余地が大きかったからである。日本社会党所属の参議院議員であり、国鉄動力車労働組合(動労)副委員長だった目黒今朝次郎は、日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派の支持を受けていた。他にも、上田哲なども革マル派から支援を受けていた。一方革命的共産主義者同盟全国委員会(中核派)や日本労働党なども、機関紙で大田昌秀ら社会党・社民党所属候補への支援・投票を呼びかけた。

社会党系の青年団体日本社会主義青年同盟(社青同)から分裂した革命的労働者協会も、「社会党社青同解放派」を名乗っている。

なお日本共産党は、中央集権制の一形態たる民主集中制民主主義的中央集権制)を採用し、分派活動を禁じているため、他党派が影響を及ぼせる余地は少ないが、日本トロッキスト聯盟など一部の新左翼党派が過去に実行した例がある。また、第四インターの系譜に属する政治団体「日本革命的共産主義者同盟 (JRCL)」の機関紙「かけはし」に、日本共産党員の寄稿が載ることが度々あり[1]、トロツキスト勢力の影響力が日本共産党内で皆無とは言えない。

韓国編集

韓国政府は、「民主労働党」内に朝鮮労働党工作員が在籍していたため、その当該人物を摘発したとの発表した。韓国政府の発表が事実であれば、これは加入戦術であるとする見方もある。

参考文献編集

  • 高沢皓司、佐長史朗、松村良一編『戦後革命運動事典』新泉社、1985年
  • 警備研究会編『わかりやすい極左・右翼・日本共産党用語集(改訂)』立花書房、2001年

脚注編集

関連項目編集