南相馬チャンネル(みなみそうまチャンネル)は、福島県南相馬市がその一部地域を業務区域として行う地上一般放送である。

概要

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ホワイトスペースを利用して実施するエリア放送である。

南相馬市が東北地方太平洋沖地震東日本大震災)で大きな被害を受けた市民に対し、フルセグおよびワンセグ放送を通じて地域情報を送ることにより地域の復興を支援することを目的として開始した。被災地向けのテレビ放送局が開局するのは日本初[1]である。市の行事や生活情報、復興状況を取材するとともに市の広報や市内の放射線モニタリング情報のデータ放送もしている。

諸元

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市内に地上一般放送局42局が設置[2]されている。

免許人 局名 呼出符号 物理ch 周波数 空中線電力 ERP 業務区域
南相馬市 南相馬市栃窪エリア放送 JOXZ2AC-AREA 52ch 707.142857MHz 69mW 50mW 鹿島区の一部
南相馬市上真野エリア放送 JOXZ2AD-AREA
南相馬市岡和田エリア放送 JOXZ2AE-AREA 28mW 20mW
南相馬市西町エリア放送 JOXZ2AF-AREA 55mW 40mW
南相馬市西町さくらホール放送 JOXZ2AG-AREA 61mW 100mW
南相馬市上寺内エリア放送 JOXZ2AH-AREA
南相馬市西部コミセンエリア放送 JOXZ2AI-AREA
南相馬市小池エリア放送 JOXZ2AJ-AREA 50mW 40mW
南相馬市真野小前エリア放送 JOXZ2AK-AREA 110mW 80mW
南相馬市大原エリア放送 JOXZ2AL-AREA 50mW 50mW 原町区の一部
南相馬市石神一小エリア放送 JOXZ2AM-AREA
南相馬市石神中エリア放送 JOXZ2AN-AREA 61mW 100mW
南相馬市市役所エリア放送 JOXZ2AO-AREA 50mW 50mW
南相馬市原町二中エリア放送 JOXZ2AP-AREA
南相馬市雲雀ヶ原エリア放送 JOXZ2AQ-AREA 110mW 80mW
南相馬市馬場エリア放送 JOXZ2AR-AREA 50mW 50mW
南相馬市太田小エリア放送 JOXZ2AS-AREA 110mW 80mW
南相馬市小高区役所エリア放送 JOXZ2CP-AREA 50mW 50mW 小高区の一部
南相馬市北新田エリア放送 JOXZ2CQ-AREA
南相馬市ゆめはっとエリア放送 JOXZ2CR-AREA 96mW 100mW
南相馬市総合病院エリア放送 JOXZ2CS-AREA
南相馬市日の出町エリア放送 JOXZ2CT-AREA 25mW 47mW
南相馬市高松ホームエリア放送 JOXZ2CU-AREA 50mW 31mW
南相馬市雫エリア放送 JOXZ2CV-AREA 50mW 原町区の一部
南相馬市飯崎エリア放送 JOXZ2DA-AREA 小高区の一部
南相馬市小高中エリア放送 JOXZ2DB-AREA
南相馬市大井エリア放送 JOXZ2DC-AREA
南相馬市江井エリア放送 JOXZ2DD-AREA 原町区の一部
南相馬市高エリア放送 JOXZ2DE-AREA
南相馬市上北高平エリア放送 JOXZ2DI-AREA 25mW 47mW
JOXZ2DJ-AREA 50mW 42mW
南相馬市原町三小エリア放送 JOXZ2DK-AREA 50mW
南相馬市石神二小エリア放送 JOXZ2DL-AREA
南相馬市欠下エリア放送 JOXZ2DM-AREA 42mW
JOXZ2DV-AREA 40mW
JOXZ2DW-AREA 42mW
JOXZ2DX-AREA 40mW
JOXZ2DY-AREA 33mW
JOXZ2DZ-AREA 50mW
JOXZ2EA-AREA 42mW
JOXZ2EB-AREA 40mW
JOXZ2EC-AREA 50mW

リモコンキーIDは11。

沿革

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2011年(平成23年)
南相馬市は、原町区の市役所と鹿島区の生涯学習センター(さくらホール)に送信機を設置して7月15日に実験試験局として免許を取得[3]し7月20日に放送開始[4][5]した。免許の有効期限は2012年7月14日までの1年間。運営はデータ放送制作支援サービスなどを展開する株式会社ヨーズマー(本社:石川県金沢市)が行う。
南相馬市の市民の多くが市外に避難しているという事情も勘案し、8月29日に北陸総合通信局が「南相馬チャンネル 北陸地域映像提供実験支援協議会」を設置[6]し、9月1日より北陸地方に避難している市民のうち希望者に対してインターネット経由で動画配信する実験を開始[7]した。
2012年(平成24年)
1月19日に実施された「電波利用推進&地域情報化セミナー」[8]の「奇跡の出会いプロジェクト 南相馬チャンネル」講演[9]の中で、南相馬市は「本チャンネルをベースに、南相馬市以外の自治体にも対象エリアを拡大した「東日本復興チャンネル」への移行も視野に活動を拡大する」とした。
東日本大震災から1年が経過した3月11日より、株式会社アクトビラの協力を得て、日本全国へのインターネット配信を開始[10]した。日本国外での視聴も可能[11]である。また、15日に再免許を受け2013年3月31日まで延長された。
4月には、「東日本復興支援コンソーシアム」が設立された。同コンソーシアムには南相馬市以外に岩手県陸前高田市宮城県女川町の2自治体が参加しており、夏頃を目処にこの2自治体でも放送を開始するとの方針[12]をたてた。
12月には、恒久的な放送に移行するため原町区に8ヶ所、鹿島区に9ヶ所の送信機を設置し、地上一般放送局として予備免許を取得[13]した。
2013年(平成25年)
2月13日に地上一般放送局として免許を取得、免許の有効期限は2013年3月31日まで[14]。21日より地上一般放送事業者としての放送に移行[15][16]した。市町村の地上一般放送局にフルセグとワンセグの両者が免許されたのは初[17][18]である。
4月1日に17局が再免許、免許の有効期限は2018年3月31日まで[19]
2014年(平成26年)
2月26日に原町区に6局、小高区に1局の計7局の免許を取得[20]、免許の有効期限は先行の17局と同じ2018年3月31日まで[21]
3月1日より新設局が放送を開始[22]した。
2015年(平成27年)
南相馬ITコンソーシアム(本社:南相馬市)が携帯端末アプリ「らくらく南相馬チャンネル」を開発、配布を開始[23]した。
ヨーズマーは債務不履行で訴訟を起こされ札幌地方裁判所から12月に資産の保全命令を受けた。この中に南相馬市からの運営委託費も含まれていたことから経営悪化が明らかになり、南相馬市は運営委託を続けることは難しいと判断、12月末をもって契約を解除し1月からは映像制作に携わっていた有限会社フィッシュアイ(本社:東京都東大和市)が運営を引き継ぐこととなった[24]
2016年(平成28年)
1月末でアクトビラによる配信が終了[25]した。
2月2日にヨーズマーは東京地方裁判所から破産手続開始の決定を受け[26]倒産[24]した。
2017年(平成29年)
3月10日に小高区に3局、原町区に2局の計5局の予備免許を取得[27]、3月22日に免許を取得した。免許の有効期限は先行の24局と同じ2018年3月31日まで[28]
2018年(平成30年)
3月30日に原町区に4局の免許を取得[29]した。免許の有効期限は2022年3月31日まで[2]
4月1日に29局が再免許、免許の有効期限は2023年3月31日まで[2]
2019年(令和元年)
2月28日に鹿島区及び小高区に8局の予備免許を取得[30]。運用開始は4月上旬を予定。
2022年(令和4年)
4月1日に5局が再免許、免許の有効期限は2027年3月31日まで[2]
2023年(令和5年)
4月1日に29局が再免許、免許の有効期限は2027年3月31日まで[2]
2024年(令和6年)
3月20日に8局が再免許、免許の有効期限は2027年3月31日まで[2]

イメージキャラクター

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  • みゅーまくん - 身長150cm、体重70kg、年齢不明[31]

脚注

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  1. ^ 日本初の被災地向けテレビ放送 (PDF) NHK放送文化研究所「放送研究と調査」 2011年11月号
  2. ^ a b c d e f 免許状況の詳細 東北総合通信局
  3. ^ 防災情報を地上デジタルテレビ放送方式で行う実験試験局に免許 −地上デジタル放送方式による防災関連情報等の伝達可能性を検証− 東北総合通信局”. 総務省. 2011年7月15日閲覧。
  4. ^ 放送開始!南相馬チャンネル 広報みなみそうまフォトレポ 2011年7月20日(2013年3月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  5. ^ ヨーズマー、南相馬市においてエリア限定放送サービスを提供開始”. PRO NEWS. 2011年7月19日閲覧。
  6. ^ 「南相馬チャンネル」北陸地域映像提供実験支援協議会を設置 —北陸地域に東日本大震災で被災され避難された市民の方々へ現地の復興情報等の映像提供実験を開始— 北陸総合通信局”. 総務省. 2011年8月29日閲覧。
  7. ^ 南相馬市「南相馬チャンネル」の映像を北陸エリアに避難している市民の方々が視聴可能となる環境を実験的に提供 北陸総合通信局 報道資料別紙 (PDF)
  8. ^ 「電波利用推進&地域情報化セミナー」を開催 −ホワイトスペースの利用推進及び自治体クラウド・地域情報プラットフォームの今後の展開− 東北総合通信局”. 総務省. 2012年1月5日閲覧。
  9. ^ 「電波利用推進&地域情報化セミナー」プログラム 同上の別紙 (PDF)
  10. ^ アクトビラ、「南相馬チャンネル」を全国無償配信”. AV Watch. 2012年3月8日閲覧。
  11. ^ 南相馬チャンネルが3月11日に全国配信開始、海外からも視聴可能に”. ITPro. 2012年3月8日閲覧。
  12. ^ 東日本復興支援コンソーシアム設立、南相馬市に加え陸前高田市と女川町が参加”. ITPro. 2012年4月12日閲覧。
  13. ^ 福島県南相馬市のホワイトスペースを活用した地上一般放送局に予備免許 東北総合通信局”. 総務省. 2012年12月7日閲覧。
  14. ^ 免許状況の詳細 東北総合通信局 エリア放送を行う地上一般放送局の免許状況【別紙】(2013年2月5日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  15. ^ 全国初の「南相馬チャンネル」開局 広報みなみそうまフォトレポ](2013年3月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  16. ^ 南相馬チャンネルが平成25年2月21日よりエリア拡大になりました 広報みなみそうま(2013年3月1日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  17. ^ 免許取得状況 エリア放送開発委員会 - ウェイバックマシン(2014年2月2日アーカイブ分)
  18. ^ 先行の三沢市(後にフルセグの免許も取得)および葛巻町(2023年廃止)はワンセグのみであった。
  19. ^ 免許状況の詳細 東北総合通信局 エリア放送を行う地上一般放送局の免許状況【別紙4】(2013年4月5日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  20. ^ 福島県南相馬市がエリア放送の業務区域を拡大”. 総務省. 2014年2月26日閲覧。
  21. ^ 免許状況の詳細 東北総合通信局(2014年3月3日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  22. ^ 南相馬チャンネルが平成26年3月1日よりエリア拡大になりました 広報みなみそうま(2018年10月12日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  23. ^ 「南相馬チャンネル」全国に 携帯機器用アプリ完成 福島民友 - ウェイバックマシン(2015年7月31日アーカイブ分)
  24. ^ a b 震災5年とうほくの今 地域TV、みなみそうまチャンネル運営会社が破綻 小高送信局の設置、先延ばし懸念”. 毎日新聞. 2016年2月16日閲覧。
  25. ^ みなみそうまチャンネル放送(アクトビラを使ってのライブ配信)の終了について(2016年1月29日)(2018年4月15日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  26. ^ (株)ヨーズマー(東京)/破産開始決定”. JC-NET. 2016年2月5日閲覧。
  27. ^ 福島県南相馬市のエリア放送に予備免許 -避難指示解除地域に業務区域を拡大-”. 総務省. 2017年3月10日閲覧。
  28. ^ 免許状況の詳細 東北総合通信局(2017年4月3日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
  29. ^ 福島県南相馬市のエリア放送局に免許 -原町区の災害公営住宅設置地区に業務区域を拡大-”. 総務省. 2018年3月30日閲覧。
  30. ^ 福島県南相馬市のエリア放送に予備免許 - 鹿島区及び小高区の放送区域を拡大 -”. 総務省. 2019年2月28日閲覧。
  31. ^ イメージキャラクター みゅーまくん プロフィール 広報みなみそうま2014年7月1日号p.2(2014年7月8日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project

関連項目

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外部リンク

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