地面師たち』(じめんしたち)は、新庄耕小説、およびそれを原作として2024年7月25日Netflixで配信が開始された日本の配信ドラマ。土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産をめぐる詐欺を行う「地面師」の犯罪を描く。2017年に実際に起きた被害額約55億円に上る「積水ハウス地面師詐欺事件」をモデルとしている。

地面師たち
ジャンル 配信ドラマ
原作 新庄耕
監督 大根仁
出演者 綾野剛
豊川悦司
製作
制作 Netflix
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2024年7月25日
放送分54分
回数7
公式サイト
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概要

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小説すばる2019年1月号 - 10月号に連載。同年12月、集英社から刊行。第23回大藪春彦賞候補[1]

登場人物

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地面師集団

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辻本拓海(つじもと たくみ)
演 - 綾野剛
真面目なサラリーマン風の風貌で交渉役として活躍する地面師。地面師をする以前は高級デリヘルの送迎ドライバーをしていたが、仕事中のトラブルをきっかけにハリソン山中と接触する。過去には父の経営する小さな不動産会社で営業として働いていたが、自身が成立させた取引で地面師詐欺に遭い、会社は倒産した。妻と幼い息子がいた。
ハリソン山中(はりそん やまなか)
演 - 豊川悦司
地面師集団のリーダー。元暴力団幹部。1980年代後半のバブルで地上げ屋として名を馳せ、地面師詐欺集団を束ねて大規模な不動産詐欺を複数仕掛けた。バブル崩壊後、一度は実刑判決を受けて出所後は鳴りを潜めていたが、ITバブルを機に再び動き出した。英語が堪能で趣味はハンティング。ワインやウイスキーなど高級酒にも精通している。誰に対しても敬語で話すという紳士的な性格だが、猟奇趣味を楽しむ一面もある。
後藤
演 - ピエール瀧
元司法書士でそれ以外にも複数の不動産関係の資格を持つ法律屋。法律の知識を活かし、買い手との交渉や仲介を担当する。関西弁を話し、口が達者で高圧的な性格。山下や陣内など複数の偽名を名乗るが、本名は後藤義雄。
麗子
演 - 小池栄子
手配師。地主などに成り済ます人物のキャスティングを担当。身寄りがなく、目先の金に困っている曰くつきの老人を常に数十人ストックしている。地主の経歴などを覚えさせる教育担当でもある。本名は稲葉麗子。
竹下
演 - 北村一輝
土地や物件の情報を仕入れ、地主の情報のリサーチ・土地価格の評定などをする情報屋。重度の薬物中毒者。オロチを下っ端としてこき使っており、横柄な性格。
オロチ
演 - アントニー(マテンロウ
竹下の使いパシリ。口数が多く腕っぷしが強い。辻本には「地面師になりたい」と漏らしている。
長井
演 - 染谷将太
身分証や公的証書の偽造を手掛けるニンベン師。ハッキングのスキルにも長けている。

警察

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辰(下村辰夫)
演 - リリー・フランキー
山中たちを追う警視庁捜査二課の刑事。階級は警部。定年が近く、持病を抱えている。
倉持
演 - 池田エライザ
辰と組む新人刑事。刑事ドラマが好きで捜査一課志望。
羽場
演 - 岩谷健司
辰の上司で長年の付き合いがある。捜査二課の理事官で階級は警視。

ターゲット

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マイクホームズ

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真木
演 - 駿河太郎
投資用ワンルームマンションの開発、販売を手掛ける新進の不動産企業「マイクホームズ」の社長。恵比寿駅近くの土地にかかる不動産取引で地面師の標的となる。

石洋ハウス

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国際事業も手掛ける業界最大手の不動産企業。社内では、会長の和田島と社長の安倍川の間で派閥争いが起きている。和田島は国外案件の指揮を執っており、安倍川は国内案件の決裁権を持っている。
青柳(あおやぎ)
演 - 山本耕史
「石洋ハウス」開発事業部部長。大井町の開発プロジェクトが頓挫したことで、数十億円規模の案件のために代替となる土地を探していたところ、港区高輪の土地にかかる不動産取引で地面師の標的となる。パワハラ気質で、土地を手に入れるためならコンプライアンスも気にかけない。ブローカーや地上げ屋にもコネがある。安倍川に育てられ、現在の開発本部長の地位まで昇り詰めた生粋の社長派。須永とは出世競争で対立している。
須永(すなが)
演 - 松尾諭
「石洋ハウス」商業事業部部長。港区高輪の不動産取引を当初から怪しんでおり、青柳に対して地面師詐欺ではないかと直接訴えている。コンプライアンスに反する青柳のやり方を古いと一蹴した。青柳とは出世競争のみならず、会長派として派閥争いでも対立している。

光庵寺

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川井菜摘(かわいなつみ)
演 - 松岡依都美
港区高輪の一等地に建つ光庵寺の住職、付近の土地の地主でもある。寺と切り離された部分の土地だけで市場価格は100億超に上る。一人娘で身寄りがなく、結婚していたが夫は駆け落ちして現在は独り身。

脚注

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  1. ^ 第23回大藪春彦賞候補作決定!』(プレスリリース)株式会社徳間書店、2020年12月23日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000313.000016935.html2024年7月27日閲覧 

外部リンク

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