垂水市
垂水市(たるみずし)は、鹿児島県(離島以外の地域)の中部、大隅半島の北西部に位置する市。
たるみずし ![]() 垂水市 | |||||
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海潟漁港と桜島 | |||||
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国 |
![]() | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 鹿児島県 | ||||
市町村コード | 46214-4 | ||||
法人番号 | 1000020462144 | ||||
面積 |
162.12km2 | ||||
総人口 |
12,738人 [編集] (推計人口、2023年11月1日) | ||||
人口密度 | 78.6人/km2 | ||||
隣接自治体 | 鹿児島市、鹿屋市、霧島市 | ||||
市の木 | マツ | ||||
市の花 | ツツジ | ||||
市の鳥 | なし | ||||
垂水市役所 | |||||
市長 | 尾脇雅弥 | ||||
所在地 |
〒891-2192 鹿児島県垂水市上町114 北緯31度29分34秒 東経130度42分03秒 / 北緯31.49278度 東経130.70094度座標: 北緯31度29分34秒 東経130度42分03秒 / 北緯31.49278度 東経130.70094度 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
地理 編集
2008年11月5日撮影。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
大隅半島の北西部、鹿児島市から桜島を挟んで東側向かいの場所に位置する。市域西部は鹿児島湾に面している。中心市街地は海岸沿いの低平地に発達しており、市域東部の内陸部はシラス台地と山地になっている。
市西側に隣接する桜島はかつては離島であったが、1914年に発生した桜島の大正大噴火で垂水市と地続きになった。そのため、松ヶ崎地区では2mほど灰が積もり、小学校が埋って噴火前までの資料は不明となっている。
隣接している市町村 編集
人口 編集
九州の市では最も人口が少ない。
垂水市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 垂水市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |
■紫色 ― 垂水市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |
垂水市(に相当する地域)の人口の推移 | ||
総務省統計局 国勢調査より |
地域 編集
地名 編集
- 市木(いちき)
- 海潟(かいがた)
- 柊原(くぬぎばる)
- 新御堂(しんみどう)
- 高城(たかじょう)
- 田神(たがみ)
- 中俣(なかまた)
- 浜平(はまびら)
- 本城(ほんじょう)
- 旧牛根村
境・麓は垂水市の市制施行と同時に「牛根」を冠称するようになった。
- 牛根境(うしねさかい)
- 牛根麓(うしねふもと)
- 二川(ふたがわ)
- 旧新城村
新城村時代は大字が設置されていなかった。1958年に一部を鹿屋市に編入(現・根木原町、有武町)
- 新城(しんじょう)
- その後の追加町名
1945年8月5日、旧肝属郡垂水町はアメリカ軍の空襲に遭い、市街地が大きな被害を受けた。
翌1946年、垂水町は戦災地復興都市計画対象地のひとつに指定され(全国で115市町村)、中心市街地では焼失地域185,520坪(525,023平方メートル)のうち120,000坪(396,693平方メートル)について都市計画事業が実施された。
その結果、大字田神の一部で、以下の町名が新たに誕生した[1]。
- 旭町(あさひまち、旧:字南下町の一部)
- 上町(かんまち。ただし国道220号線にある信号での標記は"Kamimachi")、旧:字上町、字下福町の一部)
- 栄町(さかえまち、旧:字下町)
- 下宮町(しもみやちょう、旧:字下ノ宮、字南下町の一部)
- 中央町(ちゅうおうちょう、旧:字中馬場)
- 本町(ほんまち、旧:字本町)
- 松原町(まつばらちょう、旧:字北松原)
- 南松原町(みなみまつばらちょう、旧:字南松原)
1970年、垂水港南側の干拓事業が完了し、新たに1町が設置された。
- 錦江町(きんこうちょう)
1997年、垂水新港付近が埋め立てられ、新たに1町が設置された。
- 潮彩町(しおさいちょう)1丁目~3丁目
歴史 編集
江戸時代の垂水市域は全域が薩摩藩領であり、垂水郷(郷については外城制を参照)は島津御一門家であった垂水島津家(薩摩藩家臣を参照)の私領として、新城郷は新城島津家の私領として、牛根郷は薩摩藩の直轄領として統治された。上記の3郷は町村制施行時(1889年)の3村にほぼ継承されている。垂水郷と牛根郷は大隅国大隅郡に(牛根郷のうち、境村は曽於郡)、新城郷は肝属郡に属していた。
明治初期には大隅郡と肝属郡(1883年以降は南諸県郡も含む)の役所が垂水におかれていたが、1887年6月に鹿屋郷(後の鹿屋町、現在の鹿屋市街地)へ移転している[2]。
近現代 編集
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行により、現在の市域にあたる以下の村が発足。いずれも垂水郷・牛根郷・新城郷内の地域がそのまま村域となった。同時に、東囎唹郡所属であった境村を南大隅郡に編入する[3]。
- 1897年(明治30年)4月 - 南大隅郡と肝属郡が統合され、現在の肝属郡が発足する[3]。
- 1924年(大正13年)12月1日 - 垂水村が町制施行。垂水町となる。
- 1955年(昭和30年)1月10日 - 垂水町・新城村・牛根村が合併し、新町制による垂水町が発足。
- 1958年(昭和33年) 1月20日 - 大字新城の一部を鹿屋市に編入。
- 1958年(昭和33年)10月1日 - 垂水町が市制施行。垂水市となる。
行政 編集
議会 編集
垂水市議会 編集
鹿児島県議会 編集
- 選挙区:鹿屋市・垂水市選挙区
- 定数:4人
- 任期:2023年4月30日 - 2027年4月29日
- 投票日:2023年4月9日
- 当日有権者数:91,308人
- 投票率:42.46%
候補者名 | 当落 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 |
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郷原拓男 | 当 | 45 | 自由民主党 | 現 | 11,842票 |
前野義春 | 当 | 70 | 無所属 | 現 | 8,451票 |
大久保博文 | 当 | 59 | 自由民主党 | 現 | 6,918票 |
角野毅 | 当 | 63 | 無所属 | 新 | 5,933票 |
堀之内芳平 | 落 | 70 | 自由民主党 | 現 | 5,221票 |
経済 編集
産業 編集
農水産業では、ブリ・カンパチの養殖、インゲンマメ・きぬさやえんどうなどの野菜、ビワ・ポンカンなどの果物、豚などの畜産が盛んである[4]。しかし農家数は減少の一途にある。
垂水市に本社を置く主要企業
垂水市で産出するミネラルウォーターのブランドに財宝温泉がある。ほかにもさまざまな水が売られている[5]。
2015年に垂水高峠太陽光発電所が竣工した[6]。
教育 編集
大学 編集
- 名古屋大学太陽地球環境鹿児島研究所
- 鹿児島大学農学部附属高隈演習林
高等学校 編集
中学校 編集
- 市立
- 垂水中央中学校
- 2010年3月で市内全5校を閉校し、4月に垂水市立垂水中央中学校を開校させ1つの中学校に統合させた。
- 閉校した中学校
- 垂水中学校(2010年3月31日閉校、垂水中央中学校に統合)
- 垂水南中学校(2010年3月31日閉校、垂水中央中学校に統合)
- 牛根中学校(2010年3月31日閉校、垂水中央中学校に統合)
- 協和中学校(2010年3月31日閉校、垂水中央中学校に統合)
- 大野中学校(2006年3月31日閉校、垂水中学校に統合)
小学校 編集
- 市立
交通 編集
空港 編集
- 最寄り空港:鹿児島空港
鉄道 編集
市内に鉄道は通っていない。
鉄道(廃止路線) 編集
1961年4月13日に鹿屋市の古江駅から垂水市の海潟駅(のちの海潟温泉駅)までの区間が古江線として開通し市内に初の鉄道が通る。1972年9月9日に海潟温泉駅から国分駅までの間が開通。同時に路線の名称が古江線から大隅線に改称された。海岸線を通り、垂水市を縦断していたが、1987年3月14日に大隅線の全線が廃止され市内から鉄道が消滅した。垂水市の中心駅は垂水駅であった。
廃線後のJTB時刻表には、垂水港バス停が中心駅として記載されている。
船舶 編集
県庁所在地の鹿児島市から自動車で移動する場合、途中で桜島フェリーを利用して桜島を通り抜けるとおよそ1時間で垂水市へ行くことができる。また鹿児島市内の鴨池港から垂水新港まで所要時間35分で垂水フェリーが運航されている。
路線バス 編集
- 鹿児島交通(いわさきグループ) - 周辺の霧島市旧国分市域、鹿児島市桜島、鹿屋市、志布志市、肝付町旧高山町域、南大隅町旧根占町域とを結ぶバス路線を運行している。また鹿児島市と鹿屋市を結ぶ直行バスは鹿児島市内 - 垂水港間の利用が可能である(垂水港 - 鹿屋市内間は利用不可)。垂水市内の全バス路線が垂水港に停車する。
かつてはJR九州バスが国分 - 垂水間に運行されていたが現在では廃止された。
道路 編集
高速道路 編集
市内に高速道路は通っていない。最寄りICは、東九州自動車道国分インターチェンジ、九州自動車道鹿児島インターチェンジ(フェリーを利用)など。
一般国道 編集
- 国道220号 - 市内の海岸沿いを縦断する。
- 国道224号 - 桜島口交差点(鹿児島市境)で国道220号から分岐し桜島港に至る路線。鹿児島県の『道路現況調書』では鹿児島市のみで完結する路線として扱われている。
県道(主要地方道) 編集
- 鹿児島県道71号垂水南之郷線 - 垂水市街地から高峠方面に東進し、鹿屋市高隈地区・輝北地区に至る路線。
- 鹿児島県道72号垂水大崎線 - 牛根地区から牛根峠を越えて鹿屋市輝北地区に至る路線。
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事 編集
- 垂水城跡
- 垂水家(垂水島津家墓地)
- 猿ヶ城渓谷(森の駅たるみず)
- 高隈山(大箆柄岳)・刀剣山登山
- 海潟温泉
- 高峠つつじヶ丘
- 松ヶ崎(牛根・入船)城城跡
- 道の駅たるみず「湯ったり館」
垂水市出身の著名人 編集
その他 編集
脚注 編集
- ^ 『認可申請設計書』文書綴(垂水戦災復興事務所、鹿児島県土木部所蔵)
- ^ 垂水市史編集委員会『垂水市史 下巻』垂水市、1978年 p.14
- ^ a b 『垂水市史 下巻』p.15
- ^ 『統計たるみず(平成27年度版)農林水産業』鹿児島県垂水市 。
- ^ 『飲む温泉水』鹿児島県垂水市公式ウェブサイト 。
- ^ 『垂水高峠太陽光発電所建設工事の竣工式が開催されます!』鹿児島県垂水市、2015年10月21日 。
関連項目 編集
外部リンク 編集
- 公式ウェブサイト
- 垂水市に関連する地理データ - オープンストリートマップ
- ウィキトラベルには、垂水市に関する旅行ガイドがあります。
- 地図 - Google マップ