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定永閃石 (さだながせんせき、Sadanagaite) とは、鉱物ケイ酸塩鉱物)の1つ。結晶系単斜晶系化学組成は [Na][Ca2][Mg3Al2](Al3Si5O22)(OH)2[1]

定永閃石
分類 ケイ酸塩鉱物
イノケイ酸塩鉱物
角閃石グループ
グループ2
カルシウム角閃石サブグループ
定永閃石グループ
シュツルンツ分類 9.DE.15
8/F.10-200
化学式 [Na][Ca2][Mg3Al2](Al3Si5O22)(OH)2
結晶系 単斜晶系
単位格子 a = 9.92Å
b = 18.03Å
c = 5.35Å
β = 105.3°
V = 922.97Å3
モース硬度 6
光沢 ガラス光沢
黒色・黒茶色
条痕 薄茶色
光学性 2軸 (-)
屈折率 nα = 1.673
nβ = 1.684
nγ = 1.697
複屈折 0.024
光軸角 2V 測定値: 80 - 90°
計算値: 86°
不純物 Mn
文献 [1][2][1]
プロジェクト:鉱物Portal:地球科学
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目次

成分・種類編集

定永閃石は、13種類が属する定永閃石グループの鉱物で、定永閃石の種はこの組成を定義としている[2]マンガンが不純物として含まれる事がある[1]

定永閃石グループの鉱物の基本的な組成式は [A][Ca2][M12+3M23+2](Al3Si5O22)W2 であり[2]2012年の改訂に基づく定義では、定永閃石はAにナトリウム、M1にマグネシウム、M2にアルミニウム、Wに水酸基を含むものである[1]

産出地編集

性質・特徴編集

定永閃石は、他の定永閃石グループの鉱物と見かけによる区別はできない。多くは黒色から黒茶色の短柱状の結晶として産出する[1]

サイド・ストーリー編集

定永閃石は、岐阜県揖斐川町にある春日鉱山で発見された新鉱物である。坂野靖行らによって同じく春日鉱山の新鉱物であるソーダ金雲母 (Aspidolite) と共に発見され、2003年に独立種として承認された[3]。名称は東京大学定永両一に因んでいる[1]。また、グループ名の基本となっている[2]

定永閃石は、発見時の登録された名称は苦土定永閃石 (Magnesiosadanagaite) である[4]。これは1997年角閃石グループの改訂に基づく名称である。現在の定永閃石の名称は2012年の改訂に基づいたものである[1]。元々、定永閃石という名称は、1980年島崎英彦らによって発見されて命名され、1984年に承認された、現在のカリ第一鉄定永閃石 (Potassic-ferro-sadanagaite) に付けられていた名称である[5]。1997年の改訂では、定永閃石の名称は現在の第一鉄定永閃石 (Ferro-sadanagaite) に使われていた[6]。したがって、現在の定永閃石は、定永閃石グループで最初に発見された定永閃石とは異なる鉱物種である。現在の定永閃石は、定永閃石グループの中で4番目に発見された鉱物である。このように2度の変更があり、名称が重複して使われているため、定永閃石グループの鉱物の名称には注意が必要である[2]。なお、苦土定永閃石という名称は、マグネシウムを主とするものに付けられたが、現在はマグネシウムを主とするものを定永閃石と定義しているため、使われることはない[4]

名称の変遷
2012年以降 1997年 - 2012年 1997年以前
定永閃石
Sadanagaite
苦土定永閃石
Magnesiosadanagaite
カリ定永閃石
Potassic-sadanagaite
カリ苦土定永閃石
Potassic-magnesiosadanagaite
苦土定永閃石
Magnesioadanagaite
第一鉄定永閃石
Ferro-sadanagaite
定永閃石
Sadanagaite
カリ第一鉄定永閃石
Potassic-ferro-sadanagaite
カリ定永閃石
Potassic-sadanagaite
定永閃石
Sadanagaite

出典編集

参考文献編集

  • 島崎英彦『石の上にも五十年』、第2章「新鉱物発見物語(2)定永閃石」、2009年、明文書房、ISSN978-4-8391-0908-8 C0095

関連項目編集