容器
容器(ようき)とは、物を入れる器物[1][2][3]。「容器」は(中国語と日本語に共通の)漢語であり、大和言葉(和語)では「うつわ(器)[2][4][5][6]」「いれもの(入れ物)[1][2]」という。外来語もあり、ケースが代表的であるが、細分化された多くの語がある。
最も古く用法も多岐に亘る大和言葉は「うつわ(歴史的仮名遣:うつは、器)」で、古くは「うつわもの(歴史的仮名遣:うつはもの、器、器物)」といった[3]。
英語では "container" [7][8]が最も近い。この語は日本語には音写形「コンテナー/コンテナ」として入っている[9][10]。この外来語は由来語にもある1語義(貨物輸送用の器物[8][7] = 輸送コンテナ)で用いられることが多いが、広く「容器」の意味で使われることはあり[9]、21世紀前期前半には特に増えてきた[注 1]。
概要
編集容器は、物品(主に資源や財産など価値のあるもの)の保管や輸送の際などに、幅広く利用される道具である。用途によっては、装飾が施される場合もあるなど、その形態は様々であるが、入れるものの性質によって様々な機能のものが使い分けられる。
多くの場合において入れられるものの性質に即したものが利用されるが、更には入れられるものに即して新たに用意されるものもあり、汎用のものから専用のものまで、様々なものが利用されている。
容器には再使用を前提とするものと、使い捨てを前提とするものがあり、例えば後述する瓶だけをとってもリターナブル瓶とワンウェイ瓶のような利用形態による分類もある。また商業における商品を入れ消費者の手元まで内容物を保護するための容器として、パッケージ(包装)という形態の使い捨て容器があり、一方では繰り返し使うための汎用の、運搬のための道具として鞄という一種の容器が存在する。ケースと呼ばれうるものでは、内容物は常に決まっているが、その内容物を適切に保存し、必要に応じて取り出して使うための道具といえる。特にケースの場合は、内容物が消耗品として消費され、適時入れ替えられるものも含んでいる。
所定の目的に即して、必要な物品を一まとめにしておくための容器も見られ、こと箱ではその目的別に様々な箱が日常的に利用されている。こういった容器は人間が文明を築いていく過程で様々なものが作られ、利用されてきた。今日人間を人間たらしめている「文化的な生活」を支えるには容器は不可欠であり、人間の活動が見られる場所には、様々な容器が、広く用いられている。
主な容器
編集- 箱 - (ボックス)主に自立する立方体。マッチ箱、箪笥など。
- 袋 - (バッグ)主に内容物の形状や圧力で形状が変化する。リュックサック、衣類のポケットなど。
- 瓶 - (ボトル)主に流体を収めるためのもの。口が細く中が広い物が多い。硬質の袋ともいえる。
- 缶 - (キャニスター)金属で作られており、缶詰は特に密閉性が高く内容物を強固に保存し、茶筒など開け閉めがし易く繰り返しの利用に便利なものまで様々で金属製の箱とも言える。
- 用途による分類
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貨物用のコンテナは、貨物の輸送にも長期の保管にも利用されており、収納する物品に合わせて特化した機能を備えたものもある。その意味では究極の容器の一形態も言える。
脚注
編集注釈
編集- ^ 検索キーワード[ コンテナ 通販 ][ コンテナ ボックス収納 ]
出典
編集- ^ a b 小学館『デジタル大辞泉』、三省堂『大辞林』第3版、小学館『精選版 日本国語大辞典』. “容器”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ a b c 小学館『デジタル大辞泉』. “入れ物”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ a b 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “器・器物”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ 小学館『デジタル大辞泉』. “器”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ 三省堂『大辞林』第3版. “器”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “器”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ a b “container”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ a b “container”. Weblio英和辞書. ウェブリオ株式会社. 2020年6月15日閲覧。
- ^ a b 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』、小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』、ほか. “コンテナ”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ 平凡社『百科事典マイペディア』. “コンテナー”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ “ヒョウタン”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。
- ^ “箪”. コトバンク. 2020年6月15日閲覧。